文化

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2020年02月18日 文化

 皆さんは「忍者」にどのようなイメージを持っていますか?

「全身を黒い服で覆い隠している」、「高い身体能力を持っている」、「火を噴くなどの術を使う」というようなイメージが浮かんでくるのではないかと思います。それらは、映画やマンガ、アニメなどの忍者を題材にした創作作品による影響が大きいと思われますが、実際に日本ではどのような存在なのか気になる人も多いのではないでしょうか。

 その昔、日本が領地ごとに分かれて自国の領土を広げようと争っていた時代に忍者は存在していました。忍者の主な仕事は情報収集で、敵国の情勢を調べるために怪しまれないよう農民や商人に変装して聞き込みなど行っていたそうです。そして、その情報を持ち帰ることが重要な任務だったので、戦って危険を冒すのではなく、逃げるための手段として忍術を使っていたと言われています。また、それ以外にも敵国の忍者が侵入しないように見張ったり、偽の情報を流したりして自国を守る役割も担っていたようです。一方で、特定の領主に仕えず戦いごとに雇われる傭兵のような忍者たちも存在していたそうです。その後、時代の流れとともに忍者の役割はさまざまな方法に取って代わり、その役目を終えることになりました。

 役目を終えた後も日本で忍者が長く愛されているのは、技術の面だけでなく任務のために耐え忍ぶ精神が日本人の心にマッチしているのではないかと思います。また、日本では忍者の研究も行われていますが、残された資料などは少なく、その正体は謎に包まれています。このことが逆に想像をかき立て、多様な描かれ方ができるという点で創作の幅を広げているのではないでしょうか。

2015年に発足した「日本忍者協議会」では、2020年の東京オリンピックに向けて忍者のコンテンツを発信する取り組みを行っており、日本で忍者の人気をさらに高めようとしていいます。海外からの観光客の人気に後押しされ、バーチャル技術を使った仮想世界での忍者体験や忍者の世界をコンセプトにしたレストランなど、エンターテインメント性を高めた目新しいサービスも生まれているようです。今、日本で最もホットなコンテンツの一つ、「忍者」に触れてみると、日本のことがより一層理解できて楽しめるはずですよ。


イメージ参照元:

https://www.photo-ac.com/main/detail/1380857?title=%E6%88%A6%E3%81%86%E4%BE%8D