文化
日本に長く住むあるベトナム人の大みそかとお正月
私は日本人男性と結婚し、日本に住んで長い年月がたちました。子育てをしていたころは「お正月は日本とベトナムのどちらの国にとっても大事なイベント」と娘に伝えたかったので、毎年年末には日本の伝統的なお正月の準備をして新年を祝ってきました。その習慣は、娘が大きくなった今も続けています。わが家の年末年始の様子を紹介します。〈執筆:日本に長く住むベトナム人女性〉
※上の写真は日本の「おせち料理」
〈このページの内容〉
年末の過ごし方:お正月の準備
かがみもち
大そうじと正月の飾り
わが家では毎年、年末に家族で大そうじをします。みんなで手分けして部屋や押し入れの中を整理し、不要になったものは捨てます。そして、部屋の窓やバルコニーの大きなガラス窓をていねいにふき、日ごろはあまりそうじをしないキッチンの換気扇もきれいにします。家中がきれいになったら、リビングに「かがみもち」を置きます。かがみもちは日本のお正月の風物詩の一つです。
おせち料理作り
年末になると、日本のデパートやスーパーマーケットで、四角い箱(重箱)に詰められた「おせち料理」のサンプルや写真をよく目にしますね。日本では、日持ちする料理を詰め合わせて1月1日~3日(三賀日)に食べる文化があります。これを「おせち料理」と言います。この記事の冒頭の写真がおせち料理です。私は、おせち料理の中で自分で作れるものは自分で作っています。12月30日や31日はその料理作りでも忙しくしています。
ちなみに、日本に住むベトナムの若者たちの中には、日本の正月に、ベトナムの旧正月(テト)のときと同じようにバインチュンや伝統料理を準備して集まり、宴会を楽しむ人も多いようです。
年こしそば
年越しそば
日本では12月31日のことを「大みそか」と呼びます。大みそかの夜、日本ではそばを食べる習慣があります。このそばを「年こしそば」と言います。わが家でも、大みそかの夜は、家族で年こしそばを食べ、NHKの「紅白歌合戦」を観ながら過ごすのが定番。日本では、大みそかの夜をこのようにして過ごす家庭が多いです。
除夜の鐘(じょやのかね)
大みそかの深夜、お寺に行って108回の除夜の鐘を鳴らす行事に参加してから新年を迎え、そのまま初詣をする人もいます。
わが家のお正月
初もうでの風景
元旦の朝
元日の朝は、家族でおせち料理を囲み、おもちを入れた「雑煮」(ぞうに)を食べます。お雑煮は正月用の特別なみそ汁です。その後、子どもたち(自分の子どもや孫、親せき)に「お年玉」を渡します。お年玉は新年の特別なお小づかいです。
初もうで
わが家では、元日の午後は、夫の両親の家を訪問して新年のあいさつをします。その後、神社へ行って「初もうで」。お参りの後は、縁起物の「破魔矢(はまや)」を買い、「おみくじ」を引きます。そして、神社の境内にある露店でたこ焼きなどを買って食べるのも楽しみです。
ちなみに、神社の宗教は神道(しんとう)、寺の宗教は仏教(ぶっきょう)ですが、ほとんどの日本人が宗教の違いを気にせず、神社や寺の景観や立地、にぎやかさなどの基準で行き先を決めます。また、同じ人が日ごろから神社にも寺にも行きます。
三賀日(さんがにち)の過ごし方
わが家では、1月2日以降は、それぞれの予定にしたがって過ごします。私は関東地方の大学同士が長距離のリレー競走をする「箱根駅伝」が好きで、1月2日も3日もテレビにかじりついています。三賀日(1月1日~3日)はこのように、お祝いの料理を食べたり、親せきを訪問したり、初もうでに行ったり、自由時間をゆったり過ごしたりする期間です。
お正月のさまざまな過ごし方

わが家の年末年始を紹介しましたが、お正月の過ごし方は人や家庭によってさまざまです。
家族の再会
お正月は、家族・親族が再会する時期です。故郷を離れて暮らしている人は年末年始に実家に帰省することも多く、親や親せきといっしょに過ごします。
旅行・レジャー
年末年始には、海外や国内に旅行に行く人もたくさんいます。このため、年末年始の公共交通はとても混雑し、ホテルの宿泊費も高くなります。これは日本のゴールデンウィーク(4月末~5月上旬)や盆休み(8月)と同じです。また、たとえば東京に住んでいる人が遠くに行かない代わりに都内の高級ホテルでぜいたくな年末年始を過ごすというケースもあります。
日本に住んでいる私のベトナムの友人にも、日本の正月休みを利用してベトナムに帰省する人が多いです。ベトナムの旧正月(テト)の時期に日本で長期休暇を取るのは難しいケースが多いためです。
もち

日本のお正月の食べ物で欠かせないのは「もち」です。ベトナム人はもちにハムなどをはさんで食べますが、日本人は焼いたもちを雑煮(ぞうに)の中に入れたり、もちにのりを巻いてしょうゆをつけたり、大根おろしとしょうゆをつけたりして食べます。私はチーズをはさんでしょうゆをつけて食べるのが好きです。
年賀状
日本では、新年のあいさつをはがきに書いて郵便で送る「年賀状」という文化が長く続いています。日本郵便は毎年11月1日に年賀はがきを発売します。絵や図柄が裏に印刷されている年賀はがきもあれば無地の年賀はがきもあります。無地の年賀はがきに家族の写真やあいさつ文をパソコンなどで印刷して送る人も多くいます。
年賀はがきの発行枚数は2003年にピークの約44.6億枚を記録しましたが、近年はメールやSNSで年始のあいさつをすませる人が急増し、年賀状文化は急速に衰退しています。年賀はがきの発行枚数は年々減り、2025年用(2024年12月発売)は約10.7億枚でした。
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★基本情報=給与、残業代、有給休暇日本で働く外国人の平均給料はいくらぐらいでしょうか?また、残業代や有給休暇の仕組みはどのようになっているのでしょう?残業代をもらえないときはどうしたらいいでしょうか? 外国人の賃金水準 給与(給料)から残業代などを引いた外国人の賃金について、厚労省が2021年に発表したデータを紹介します。 ◆在留資格別の賃金 在留資格 (ビザ) 賃金 (Yen) 賃金 (VND) 「技術・人文知識・国際業務」など ¥302,200 59,523,000 ₫ 特定技能 ¥174,600 34,390,000 ₫ 技能実習 ¥161,700 31,849,000 ₫ ※100円=19,697 VND(2022年2月4日現在) ※100円=19,697 VND(2022年2月4日現在) ここから次のようなものを足したり引いたりしたものが、「手取り給料」です。足したり引いたりする内容は職場や勤務状況によって違いがあります。 ここに追加されるもの(例) 時間外手当(残業代) 深夜手当 休日出勤手当 通勤交通費 ここから引かれるもの(例) 社会保険料 (厚生年金保険、健康保険、雇用保険など) 所得税 住民税(来日2年目以降) 特定技能外国人や技能実習生は多くの場合、ここからさらに「寮費」「水道・光熱費」などを引かれます。技能実習生数十人への取材では、寮費なども引いた後の「受け取り額」は毎月10~15万円で、3年間で200万円~300万円をベトナムに送った人が多かったです。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 技能実習で本当はいくら貯金できるの? 技能実習の賃金水準 ・技能実習生の賃金は多くの場合、法律で決められた「最低賃金」と同じかそれより少し多いだけです。最低賃金とは、都道府県別の時給の最低額です。特定の産業に適用される最低賃金もあります。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 各地の最低賃金 特定技能や技人国などの賃金水準 ・特定技能や技術・人文知識・国際業務の外国人は、同じ会社で働く日本人(同じような職種)と同じかそれ以上の給料をもらえます。 ・日本語力が低いことなどを理由に日本人より給料を低くすることはできません。 割増賃金 残業などを行った場合は、通常の賃金より高い「割増賃金」が支払われます。割増賃金には次のようなものがあります。 ・時間外勤務手当(残業代):1日8時間、1週間40時間を超えて働く「時間外労働」に対し、通常の賃金の1.25倍以上の賃金が支払われます。 ・深夜勤務手当:22:00~5:00に働く場合は通常の1.25倍以上 ・休日出勤手当:休日に働く場合は通常の1.35倍以上 割増賃金は労働基準法で定められています。もし、入国前にこれより安い賃金で労働契約を結んでも、それは法律に違反しているため無効です 有給休暇 会社と交渉して有給休暇を取りました! 働き始めて半年たつと、10日間の年次有給休暇を取る権利をもらえます。これをその日から1年以内に使いますが、使い切れない場合は、さらに1年だけ有効です。また、勤務開始から1年半で新たに11日間の有給休暇をもらえます。 勤務年数 0.5 1.5 2.5 3.5 4.5 有給休暇の日数 10 11 12 14 16 有給休暇の日程は、原則として働く人が指定できます。どうしても業務に支障が出る場合だけ、会社が代わりの日を提案することができます。農業などで「雨が降ったらその日を突然、有給休暇にする」というような運営は認められません。 残業代をもらえない、有給休暇を取れないなどの場合は、労働基準監督署や外国人技能実習機構(OTIT)などに相談してください。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] ベトナム人向け相談窓口
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★基本情報=日本の季節イベント日本の季節イベント ・ 春のイベント ・ 夏のイベント ・ 秋のイベント ・ 冬のイベント ・ 日本の1年間の祝日 日本の季節イベント 日本にやって来た皆さん、日本の1年間の大きな行事をお知らせします。日本では四季の移り変わりがあり、季節と結びついた行事がたくさんあります。これを読めば、季節の行事の意味や日本人の大事な生活文化が分かります。 春のイベント 日本の春の風物詩はなんと言っても桜。地球温暖化の影響で桜の開花が毎年少しずつ早くなっていますが、春の日差しや暖かさと桜の花がかもし出す明るい雰囲気の中、多くの日本人が新たな出発を誓う季節です。4月には、日本の会社や学校の新年が始まります。それでは、日本の春のイベントを紹介していきましょう。 3月3日:ひな祭り ひな祭りは女の子の幸せと健やかな成長を願う行事です。ひな人形という人形を飾ったり、ちらし寿司やひなあられ(お菓子)を食べたりして家庭でお祝いをします。 3月14日:ホワイトデー ホワイトデーは、バレンタインデーにチョコレートなどをもらった男性がお返しをする日です。お菓子でお返しをする場合、キャンディーは「あなたが好き」、クッキーは「あなたは友達」、マシュマロやグミは「嫌い」を意味するとされていますが、それほど知られていません。バレンタインデーに恋人や好きな女性から贈り物をもらった男性は、女性から高価なお返しを期待されるケースもあります。お返しはお菓子でなくても大丈夫です。 3月:卒業式 3月は学校の卒業シーズンです。入学試験は1~3月が中心で、卒業式は多くの場合、入試が終わった後の3月中に行われます。 3月下旬~4月上旬:花見 花見は桜の花を眺めることです。地方によって咲く時期に違いがありますが、この時期に日本各地で桜が咲き乱れます。歩きながら眺める人もいれば、桜の木の下にビニルシートなどを敷いて、お弁当やお酒を楽しむグループもあります。 4月1日:エイプリルフール うそをついてもいいとされている日です。家族や友だち同士で冗談半分のうそを言い合います。企業が顧客を楽しませるためにSNSなどでうそや冗談を流すこともあります。例えば、実在しない新製品の発売情報を流したり、この日だけ遊び心でオンラインゲームの画面の文字を手書き文字にしたりします。 4月1日:新年度 日本の行政や企業、学校の「事業年度」や「学校年度」は4月に始まります。入社式や入学式は4月上旬に行われ、児童や生徒にとっては新しい学年が始まります。 4月29日~5月5日:ゴールデンウィーク 4月末から5月初旬にかけての休日や祝日が多い期間をゴールデンウィーク(GW)と呼びます。行楽に出かける人も多いので、電車や飛行機、ホテルは満席・満室で、高速道路も渋滞します。ホテルや航空券の料金も高くなります。遠出を避けて近くのイベントに参加する楽しみ方もあります。 ※4月29日(昭和の日)、5月3日(憲法記念日)、5月4日(みどりの日)、5月5日(こどもの日)の4日間が祝日で、ここに土日が加わって大型連休になります。日本の中で離れて留学や技能実習をしているベトナム人の友だち同士がこの期間に一緒に旅行したり、互いを訪ねたりすることもよくあります。 5月5日:子どもの日(祝日) 3月3日のひな祭りは女の子のためのイベントで、5月5日は男の子の幸運を祈る日です。男の子の健やかな成長と将来の出世を願って「鯉(こい)のぼり」=写真=という吹き流しを庭などに掲げる風習があります。ただし、最近では家庭で掲げる鯉のぼりは減り、地域などで大きな鯉のぼりを設置する例も増えています。 5月前半(第2日曜日):母の日 日本での母の日は5月の第2日曜日。お母さんへの感謝を込めてカーネーションや贈り物を渡します。 夏のイベント ベトナムの夏も暑いですが、日本の夏も湿気が多く蒸し暑い日が続きます。この季節には夏休みがありますが、ベトナムの学校の夏休みより短いです。また、社会人の夏休みは1週間前後か、少ない人は4、5日間(お盆休み)だけで、欧米のようなロングバケーションではありません。1週間前後の日程で海外に出かける人も多くいます。 6月1日:夏の衣替え 日本では、多くの地方で6月1日から一斉に夏服に切り替わり、冬の衣替え(10月1日)まで薄手のスーツや半袖になります。また、最近では冷房に要するエネルギーを節約するために「クールビズ」という薄着の習慣が広まり、スーツの上着やネクタイなしでも仕事相手に失礼と思われないようになってきています。クールビズの期間は会社ごとに決められ、衣替えの期間より長く設定されることがあります。 6月(第3日曜日):父の日 父に感謝する日ですが、日本では母の日に比べると印象が薄いです。 6月~7月:梅雨(つゆ) 日本では、6月から7月にかけて雨がよく降ります。「梅雨前線」という前線の影響で、その長さは毎年少しずつ違います。梅雨前線の勢力が弱くなって梅雨が終わると、気象庁が「梅雨明け」を発表し、大きなニュースになります。梅雨の季節にはアジサイ=写真=が美しく咲きます。 6月21日ごろ:夏至(げし) 1年で最も昼間の長い日です。この日を境に昼間の時間が少しずつ短くなっていき、12月の冬至の日に最も短くなります。日本では夏と冬とで昼間の長さがずいぶん違います。 7月7日:七夕(たなばた) 短冊(たんざく)という細長い紙に願いごとを書いて笹に結びつけ、願いがかなうように祈ります。各地で七夕にちなんだ祭りも行われ、特に仙台市の七夕祭りが有名です。織姫と彦星の2人が神様によって引き離され、年に一度の七夕の日だけ天の川を渡って会えると言われています。 7月~8月:花火大会 日本各地で花火大会が行われます。花火大会の会場には、屋台の店も出ます。明るいうちに出かけて場所を確保し、日が沈んだら夜空に広がる大きな花火を眺めて楽しみます。浴衣姿で花火を見物する女性も多く、日本の夏の最大の風物詩です。ベトナム人留学生や技能実習生の先輩たちにも、レンタル浴衣を借りたり安い浴衣を買ったりして日本の夏を楽しんでいる人たちがいます。 8月中旬:お盆休み お盆は、亡くなった先祖があの世から帰ってくるのを迎える行事で、8月13日~16日の4日間です。この期間に実家に帰省したりレジャーに出かけたりする人がたくさんいます。8月11日の「山の日」(祝日)や前後の土日、有給休暇を加えて5日間を超える大型連休になることも多く、GWや年末年始と並ぶ「民族大移動」の時期になります。交通機関が混雑し、ホテルや飛行機の料金も高くなります。 日本企業の夏休みはお盆を中心とする5~8日程度が一般的ですが、中にはお盆を避けて交代で休みを取れる企業もあります。小中学校の夏休みは7月下旬~8月末の約40日間が一般的で、高校・大学にも長い夏期休暇があります。夏休みを利用して海外旅行に出かける人もたくさんいます。 日本の季節イベント 秋のイベント 暑い夏が過ぎ、寒い冬がやって来るまでの間に過ごしやすい季節「秋」があります。10、11月は特に過ごしやすいので、多くの学校の運動会や遠足もこの時期に行われます。 9月~10月中旬:十五夜 日本の秋は暑くも寒くもなく、空も澄んでいるので、月や星を眺めるのに適しています。十五夜の日は毎年変わりますが、この日は満月を眺めながら、作物の豊作を祈ります。ススキを飾り、団子を食べながら月を眺めます。 10月1日:衣替え 秋の衣替えです。服装が半袖から長袖に一斉に切り替わり、スーツも薄手から厚手に替わります。 10月31日:ハロウィン 欧米から伝わった、秋の収穫を祝い悪霊を追い払う行事ですが、日本でも仮装がメインになっています。東京の渋谷など若者の多い街で仮装をした人たちが行き交います。留学生向けの日本の日本語学校や専門学校でもハロウィンの行事をするケースが増えています=写真。 11月15日:七五三(しちごさん) 子供の成長を祝うために、女の子は3歳と7歳、男の子は5歳の年に晴れ着(着物など)で神社に参拝します。家族と一緒に記念撮影もします。神社でお祓(はら)いをしてもらった子どもたちは千歳飴(ちとせあめ)という細長い飴を受け取ります。 11月~12月:紅葉見物 日本の山や公園の木々は秋になると赤や黄色に色づきます。これを「紅葉(こうよう)」と言います。紅葉の名所には、春の花見と同じように大勢の人が押し寄せます。写真は京都の嵐山(あらしやま)です。北海道や東北地方などでは東京や大阪・京都より早い時期に紅葉が始まります。 冬のイベント 短い秋が終わると長い冬が待っています。12~3月は寒い季節で、北海道や東北地方では寒い期間が他地域よりも長く続きます。夜になるのも早く、仕事が終わるころには外は真っ暗です。一方、クリスマスシーズンの町のきらびやかな装飾や、年末年始の繁華街のにぎわいも印象深い季節です。家庭や居酒屋では鍋料理が食卓に並ぶことも増え、週末に温泉旅行を楽しむ人も多くなります。 12月21日か22日:冬至(とうじ) 1年で昼が一番短い日です。この日を境に昼の時間がだんだん長くなり、3月の春分の日に昼夜の時間がほぼ同じになります。冬至の日には、健康を願って、かぼちゃを食べてゆず湯に入る風習があります。ゆず湯とは、ゆずを浮かべた風呂で、ゆずの効果で血行がよくなると言われています。 12月24~25日:クリスマス・イヴ、クリスマス 12月の前半から日本の町にはあちらこちらに電飾などが施され、クリスマスモードになります。日本の小さな子どもたちは12月24日の夜にサンタが枕元にプレゼントを届けてくれると教えられています。そして、25日にはケーキやチキンを食べます。日本ではクリスマスもイヴも祝日ではありませんが、夜に恋人とデートしたり仲間とパーティーをしたりします。恋人たちにとってクリスマスは1年で最大のイベントです。 12月31日:大みそか 1年の最後の日を「大晦日(おおみそか)」と呼びます。多くの人が夕方から長時間放送されるNHKの年末歌番組「紅白歌合戦」を観賞します。また、大晦日の夜には、そばの麺のように長生きするようにと願ってそばを食べます。このそばを「年越しそば」と言います。そして、夜の12時(新年)になると、各地の寺で鐘をつきます。鐘は108回鳴らします。この鐘のことを「除夜の鐘」と言います。 1月1日:元日(祝日) ベトナムでは1月~2月のテトが年始になりますが、日本では1月1日が年始です。元日には神社や寺に初詣(はつもうで)に出かける人も多く、多くの家庭で「おせち料理」=写真=という伝統料理を食べます。家の中に鏡もちというお餅を飾る家もあります。ちなみに、ベトナムのテトの日は、日本では特にイベントはありません。 1月中旬(第2月曜日):成人の日(祝日) 日本各地の市民会館などで成人式の式典が行われます。その年度(前年4月~その年の3月)に20歳になる学年の人たちが参加します。男性の多くはスーツ、女性の多くは着物(振りそで)を着て参加し、式典の後は、学校の同窓会などが行われます。最近では、多くの場合、着物はレンタルです。 2月3日:節分 日本ではかつて、感染症や災害は鬼の仕業とされてきました。鬼の邪気を追い払うために「鬼は外、福は内」と言いながら乾いた大豆を室内でまきます。これを「豆まき」と言います。また、巻き寿司を丸かぶりすると縁起(えんぎ)が良いとされます。この巻き寿司を「恵方(えほう)巻き」と言います。お寺や神社では節分祭りが行われます。 2月14日:バレンタインデー 日本では、菓子メーカーのキャンペーンの影響でバレンタインデーに女性から男性にチョコレートを贈る習慣が1970年代に定着しました。近年では、女性が友だちや同僚、上司の男性にお付き合いで贈る「義理チョコ」も一般化しています。安いチョコでいいので、職場などで義理チョコを渡すと喜ばれます。 日本の1年間の祝日 最後に日本の祝日について説明します。 1月1日 元日 1年の始まりで、家族や親せきが集まって新年を祝うことが多いです。ちなみに、日本ではテト(旧正月)には何もしません。 1月・第2月曜 成人の日 成人した人を祝う日です。以前は1月15日でしたが、祝日をなるべく月曜にして3連休を増やそうというハッピーマンデー制度によって2000年から1月の第2月曜になりました。 2月11日 建国記念の日 日本では、神話に出てくる初代天皇の即位日を建国の日としています。 2月23日 天皇誕生日 天皇の誕生日です。 3月19~22日 春分の日 年によって日付が異なります。自然や生き物を大事に思う日です。 4月29日 昭和の日 昭和の時代の天皇誕生日です。戦後の復興や高度経済成長を遂げた昭和の時代を振り返り、国の将来の繁栄を願う日です。 5月3日 憲法記念日 1947年のこの日に日本国憲法が施行されました。 5月4日 みどりの日 自然に親しみ、自然の恵みに感謝する日です。 5月5日 こどもの日 こども(特に男の子)の健やかな成長と将来の活躍を祈る日です。 7月・第3月曜 海の日 海の恵みに感謝し、海洋国家日本の繁栄を願う日です。 8月11日 山の日 山に親しみ、山の恵みに感謝する日です。 9月・第3月曜 敬老の日 お年寄りを敬愛し、長寿を祝う日です。 9月22~24日 秋分の日 年によって日付が異なります。先祖を敬い、亡くなった人々をしのびます。お墓参りをする人も多くいます。 10月・第2月曜 スポーツの日 スポーツに親しみ、健康な心身を育む日です。2019年までは「体育の日」と呼ばれていました。1964年10月10日に東京オリンピックの開会式が行われたのを記念して制定されましたが、2000年からはハッピーマンデー制度で10月の第2月曜になりました。この日がオリンピックの開会式に選ばれたのは、統計上、晴れる確率が高かったからだそうです。 11月3日 文化の日 1946年に日本国憲法が公布(発表)された日で、日本国憲法が平和と文化を重視していることから、この日が「文化の日」に定められました。 11月23日 勤労感謝の日 働くことの尊さを振り返り、お互いに感謝し合う日です。
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「おせち料理」ー日本の伝統的なお正月料理【Collaboration blog】 もうすぐ日本の正月(1月1日)ですね。日本人が正月に食べる伝統料理を「おせち料理」といいます。おせちにはたくさんの種類の料理があり、その多くに意味や願いが込められています。代表的なおせち料理について紹介します。 私は現在、大阪大学大学院に留学中で、これまでに2回、日本の正月を経験しました。1回目は日本人の友人から実家に招いてもらい、ご家族と一緒に立派なおせち料理をいただきました。おいしい日本のおせち料理を皆様にも知って頂きたいと思います。 おせち料理とは おせち料理を入れる重箱 おせち料理(おせち)とは日本人が正月に食べる伝統料理で、少し豪華です。昔の日本人は皆、おせちを自分で作ったそうですが、今はスーパーマーケットやインターネットで購入する家庭も多いです。メインのおせちは購入し、自分ではサイドメニュー的なものだけを作るというケースも多いそうです。 おせち料理は「重箱(じゅうばこ)」に詰めます。重箱は箱形の器で、食べるとき以外は積み重ねて最上段にふたをします。重箱には「めでたさを重ねる」という意味があります。昔は5段重ねが主流だったそうですが、最近は2、3段のものが多いようです。 ネットショップ楽天市場の「おせち特集」より ちなみに、私は日本で最初の正月に友人宅から帰宅後、ネットでおせちの値段を調べてみたところ、結構高いのでびっくりしました。技能実習生や留学生にはなかなか手が出ない値段でしたが、数人でシェアするのなら一緒に買うことができますね。 おせちの意味と由来 おせち料理の語源は「御節供(おせちく)」で、元旦や年5回の節句の日に神様にお供えする食べ物のことでした。節句の日(節日:せちにち)にお供えを作る習慣が江戸時代に庶民に広がり、節日の中でも一番大切な元旦に特に豪華な食事をお供えし、みんなで食べるようになりました。 また、お正月に主婦が休めるように、おせちには保存が利く味の濃い料理が多く含まれるようになりました。 素材や料理に込められた意味 おせち料理の特徴は料理の種類が多いことです。そして、それぞれの料理や素材に意味が込められています。その意味を見ていきましょう。 黒豆(くろまめ) 黒大豆を甘く煮込んだ料理です。日本では、絶えず働くことを「豆に働く」と表現します。黒豆には「一年中元気で働けるように」という願いが込められています。 また、昔の日本では屋外で働く人が多かったこともあり、「黒く日焼けするほど元気で勤勉に働けますように」という願いも込められていたそうです。 数の子(かずのこ) 数の子はニシンの卵を調味液に漬けた料理です。たくさんの卵のかたまりなので、「子孫繁栄」の象徴とされています。コリコリという歯ごたえがあります。 田作り(たづくり)=ごまめ 乾燥したカタクチイワシの稚魚をフライパンで炒めた後、しょう油・砂糖・みりんをからめた料理で、子どもにも人気です。 昔の日本では、干したイワシが田畑の高級肥料として使われたため、水田の土を作る魚という意味で「田作り」と呼ばれるようになりました。豊作を願う意味でおせち料理に入れられています。地方によっては「ごまめ」とも呼ばれています。 たたきごぼう ゆでたゴボウを包丁の背やすり棒などでたたいて繊維をほぐしてから縦に割り、4、5cmの長さに切り分けます。その後、味付けしたすりごまと混ぜ合わせます。 ごぼうをたたいてから開く(割く)という料理法から「開運」につながるとされています。また、ゴボウは地中深くに伸びることから、しっかり根をはって繁栄するようにという願いが込められています。 祝い肴三種(いわいざかな・さんしゅ) ここまでに「黒豆」「数の子」「田作り(ごまめ)」「たたきごぼう」を紹介しました。これらは最も代表的なお祝い料理(祝い肴)で、関東地方と関西地方の「祝い肴三種」に含まれます。「祝い肴三種」とはおせち料理に欠かせない3品で、その組み合わせは地域によって異なります。 関東の祝い肴三種=黒豆、数の子、田作り 関西の祝い肴三種=黒豆、数の子、たたきごぼう 紅白かまぼこ 赤には「めでたさ」「魔よけ」の意味、白には「神聖さ」「清浄」の意味があります。また、かまぼこは切ると半円形になり、形が「日の出」に似ています。「日の出」は勢いや希望につながります。紅白の色合いも美しく、おせち料理の彩りとしても重宝されています。 ブリの焼き物 ブリは稚魚から成長していく過程で大きさによって名前が次々に変わるため、「出世魚」と呼ばれています。立身出世を願う縁起物としておせち料理の定番で、ご飯とよく合います。 ◆ブリの呼び方の変化(地域によって違います) 関東=ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ 関西=ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ 北陸=ツバイソ→フクラギ→ガンド→ブリ 紅白なます 細く切った大根とニンジンを塩でもみ、酢と砂糖で味付けします。日本では紅白の色合いがめでたいとされています。 昆布巻き 昆布(こんぶ)は「こぶ」と発音する場合もあり、「よろこぶ」に通じる縁起の良い食べ物とされています。ニシンやサンマなどを昆布で巻きます。 以上、代表なおせち料理の意味を紹介しました。販売されているおせち料理にはメニュー表がついているので、気になる料理があれば検索してみてください。 お雑煮(おぞうに) お正月におせちと一緒に食べる汁物を「お雑煮」といいます。汁の中に餅(もち)が入っています。お雑煮の汁は「吸い物」や「白みそのみそ汁」など、地域や家庭によって種類が変わります。また、香川県では餅の中に甘いあんが入っています。 まとめ 「黒豆」「数の子」「田作り(ごまめ)」「たたきごぼう」といった代表的なおせち料理を始め、いくつかのおせち料理の内容や意味とお雑煮について紹介しました。 ところで、友人宅でいただいたおせち料理の中で私が一番よく食べたのは「黒豆」でした。ベトナムの「チェー・ド・デン(黒豆のチェー)」より甘かったです。数の子やエビ、他の海鮮もおいしかったですが、味付けが「少し甘過ぎる」と感じました。しかし、酸っぱい紅白なますと交互に食べると、ちょうどよい加減でした。 また、興味深いことを発見しました。それは、メニューにハムが入っていたことです。昔のおせちにはハムはなかったと思いますが、伝統料理も時代とともに変わっていくのですね! あなたにも日本のおせち料理を食べる機会がありますように!
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バレンタインデーにチョコをもらいました【Collaboration blog】 日本では、バレンタインデーに女性が好きな男性にチョコレートをあげます。また、男性の上司や先生、友人にあげる「義理チョコ」や女性同士で渡し合う「友チョコ」もあります。私も日本に来てから、アルバイト仲間の女性から友チョコをもらいました! 「本命チョコ」とは? 2月14日のバレンタインデーは世界的に「恋人たちの日」となっています。ベトナムでは、男性が恋人にチョコレートやバラの花をプレゼントしますね。日本の2月にも、街中でチョコが売られます。実は、バレンタインにチョコを贈る習慣は、1960年ごろに始まった日本の菓子メーカーのキャンペーンがきっかけです。ベトナムと違う点は、女性が男性にチョコをあげる日となっている点です。 日本のバレンタインデーは、女性が夫や恋人にチョコをあげるほか、恋人のいない女性が好きな人にチョコをあげて告白する日にもなっています。このようなチョコレートは本命の人にあげるチョコなので、「本命チョコ」と呼ばれています。 恋人以外にあげるチョコ 日本の女子高生が作った「友チョコ・クッキー」 日本のバレンタインデーは「女性が好きな人にチョコレートを贈る日」ですが、最近は、職場の上司や同僚、学校の先生や友だちなどにもチョコをあげることがあります。その場合は「本命チョコ」ではありませんね。では、何と呼ぶのでしょうか? 義理チョコ 恋愛対象ではない男性の上司や同僚、先生、友人などにあげるチョコを「義理チョコ」と言います。これは、日ごろお世話になっていることへの感謝を表すために贈ります。 友チョコ バレンタインデーに女性同士で贈り合うチョコのことを「友チョコ」と言います。ただし、男性の友人に贈る場合は「友チョコ」ではなく「義理チョコ」です。 中学校や高校でお菓子を持ってくることを禁止している学校でも、バレンタインデーだけは特別に持ってきてもよいという学校もあります(先生も生徒からチョコレートをもらいたいからかもしれませんね)。この日は、女子学生が集まっていろいろな種類のチョコを交換します。 自分チョコ 「自分チョコ」や「マイチョコ」はその名の通り、自分のために買うチョコです。主に独身女性が、がんばっている自分へのごほうびとして、普段買わないような高級チョコやバレンタイン期間限定の特別なチョコを買うケースがよくあります。 私もチョコをもらいました! 先輩からもらった「友チョコ」 私は2019年10月に日本語学校で留学を始め、2021年4月から大学に通っています。コンビニでアルバイトをしており、2021年のバレンタインデーにも出勤しました。この日はカップルのお客さんが多く、恋人のいない私としてはつまらない気分でした。しかし、一緒に働いていた日本人の先輩女性は年齢も近く、よく話をする相手だったので、それが救いでした。 こうして、バレンタイン勤務を乗り切った先輩と私は一緒にコンビニを出ました。すると、先輩はカバンから素敵な紙袋を取り出し、「はい、チョコレート」と言って私にくれました。若い女性に人気のWITTAMER(ヴィタメール)というブランドのチョコでした。 私はそのとき初めて「友チョコ」や「義理チョコ」について教えてもらいました。そして、自分も「友チョコ」をもらえて、とてもうれしく思いました。 ホワイトデーのお返し 私が先輩に渡したGONCHAROFF(ゴンチャロフ)のチョコ 日本では、3月14日は「ホワイトデー」と呼ばれ、男性がバレンタインデーのお返しをする日になっています。お返しはチョコレートやクッキー、キャンディーなどが一般的ですが、本命の女性に対してはアクセサリーなど高価なものをプレゼントする男性もいます。 バレンタインデーに先輩から友チョコをもらった私は、その日にお返しができなかったので、ホワイトデーにお返しをプレゼントしました。先輩にチョコを渡すと、「めっちゃ(とても)うれしい!」と喜んでくれ、後日、一緒にご飯を食べに行くことになりました。 まとめ 日本でのバレンタインデーのチョコレートの贈り物は、恋人同士に限らず、まわりの人たちに感謝の気持ちを表すという意味があります。小さなチョコですが、感謝を込めて渡すことで、相手の気持ちの中で大きな役割を果たしてくれるかも知れませんね。
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