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2020年11月19日 ブログ

新型コロナの影響でベトナムに帰国できない技能実習生や留学生が日本にたくさんいますが、帰国の流れが徐々に加速し、名古屋市の技能実習生ゴックさん(21)も11月9日にベトジェットのチャーター便で帰国できました。


技能実習生時代のゴックさん=右〈2019年〉

鹿児島からチャーター便で帰国

ゴックさんは名古屋市内の工場で技能実習をしていました。今年7月に実習が終わりましたが、新型コロナの影響ですぐには帰れず、工場に残って後輩の指導などをしていました。ゴックさんはベトナム大使館のHPで鹿児島からベトナムに帰国するチャーター便の募集を発見して申し込み、11月6日に大使館から「搭乗OK」の連絡をもらいました。そして、11月9日に鹿児島からベトナム北東部ヴァンドンに飛んでその日の夜に帰国し、現在は、海の見えるホテルで隔離生活を送っています。


ヴァンドン空港に到着したチャーター便〈2020年11月9日〉

帰国と隔離の費用

かかった費用(税込み)は下記の通りでした。飛行機代はすべて会社が支払い、ゴックさんは出発までにすべての費用を航空会社やホテルに振り込みました。

  • 1名古屋→鹿児島の飛行機代=16,240円
  • 2鹿児島→ヴァンドンの飛行機代=12,900,000 VND(約58,800円)
  • 3ハロンでのホテル滞在費(2週間)=18,700,000 VND(約85,300円)
  • 1名古屋→鹿児島の飛行機代=16,240円
  • 2鹿児島→ヴァンドンの飛行機代=12,900,000 VND(約58,800円)
  • 3ハロンでのホテル滞在費(2週間)=18,700,000 VND(約85,300円)


ゴックさんのベトジェットの予約票(携帯電話の画面)

帰国に必要な書類

帰国するにあたり、実習先の会社と監理団体(組合)に「技能実習修了証明書」や「厚生年金基金加入員証」など必要書類を用意してもらいました。会社はゴックさんにもう少し日本にいてほしかったようですが、ゴックさんは外国人技能実習機構(OTIT)に依頼して会社を指導してもらい、会社は出発までに書類をそろえてくれました。技能実習制度の決まりで、訪日と帰国の際の飛行機代は受入会社が全額負担しなければならないので、OTITの指導で飛行機代も会社から払ってもらうことができました。


ゴックさんの必要書類

名古屋から鹿児島、鹿児島からベトナムへ

11月9日午前4時、監理団体の担当者が会社の寮にゴックさんを迎えに来て車で中部国際空港(セントレア)まで送ってくれました。セントレアを午前6時半に出て鹿児島空港に午前8時に到着。午前11時のチェックイン開始を空港で待っていると、名古屋の近くの工場で働いていた別の会社の技能実習生と会いました。彼とは地域の実習生仲間の宴会でよく一緒になりましたが、連絡を取り合っていなかったので、お互いとてもびっくりしました。

午前11時にチェックインが始まり、出国審査を終えて搭乗口に行くと、防護服を配られてみんなで着ました。一緒に飛行機に乗った人たちの中には技能実習生がたくさんいました。


近所の工場で働いていた実習生と鹿児島空港で再会〈11月9日〉

3年ぶりのベトナム!

飛行機はその日の夜にヴァンドン国際空港に着き、防護服を着たまま入国審査を経てバスに乗り込み、約1時間かけてハロン市内のホテルに移動しました。ホテルの部屋は立派で、年上の女性と2人です。この女性は孫に会うために今年3月に6カ月間の在留資格で訪日し、コロナの影響で帰国できなくなっていたそうです。


帰国した翌朝のホテルの朝食〈11月10日〉

到着した翌朝の朝食はフォーでした。部屋から廊下にも出られず、食事は自分の部屋でとります。部屋から外に出られないので不便ですが、窓から海と街並みが見えて景色を楽しめます。ハイズオン省に住むご家族がゴックさんをホテルに迎えるに来るのは11月23日夜。3年4カ月ぶりの家族との再会をゴックさんは指折り数えて待っています。


ホテルの部屋からの眺め〈ハロン市で11月10日〉

困ったときは、まずOTITに相談

ところで、ゴックさんが帰国準備を始めたとき、実習先の会社は飛行機代や必要書類をすぐには用意してくれませんでした。そこで、大使館からチャーター便に乗れるという連絡をもらった11月6日、ゴックさんは会社を休んでOTIT名古屋事務所に行きました。その際、名古屋市の支援団体「外国人実習生支援」などに相談して簡単な手紙を書き、持っていきました。手紙には、自分の名前や在留カードの番号とその日の日付に加え、「私は名古屋市の技能実習生で、7月に実習が終わったが、新型コロナの影響で日本に残っている」「飛行機の予約が取れたが、会社が飛行機代をすぐに支払ってくれない」などと書きました。その手紙をOTITで渡すと、担当係長ら2人が出てきてゴックさんの話をじっくり聞いてくれました。

外国人実習生支援(Facebook)
OTIT相談ページ

2人はゴックさんの話を聞き終わると、会社や監理団体に連絡して対応を急ぐようにうながし、ゴックさんが会社に帰ると、その日のうちに必要書類が用意され、飛行機代も支払ってもらえました。


隔離先のホテルにて〈ハロン市で11月10日〉

ゴックさんからのメッセージ

ゴックさんのメッセージをベトナム人読者の皆様に紹介します。

ベトナム人技能実習生の皆様へ
日本に来て、いい会社やいい人たちに出会えればラッキーです。しかし、だれもが幸運な実習生活を送れるわけではありません。だから、困ったときやつらいときは、あなたを支えてくれる人たちに相談してみてください。黙ってがまんを続けたり、耐えきれなくなって職場から逃げ出したりすることは絶対にしないでください。そうではなく、身近な相談相手や支援団体、OTITなどに粘り強く相談してください。
ベトナム人技能実習生の皆様へ
日本に来て、いい会社やいい人たちに出会えればラッキーです。しかし、だれもが幸運な実習生活を送れるわけではありません。だから、困ったときやつらいときは、あなたを支えてくれる人たちに相談してみてください。黙ってがまんを続けたり、耐えきれなくなって職場から逃げ出したりすることは絶対にしないでください。そうではなく、身近な相談相手や支援団体、OTITなどに粘り強く相談してください。

ゴックさんの日本語

ゴックさんがOTITに渡した手紙は日本語。担当官への説明もすべて日本語で行いました。OTITには通訳もいますが、いつも対応できるわけではありません。また、通訳をはさんで状況を正確に理解してもらうにはとても時間がかかります。ゴックさんの日本語力がOTITの迅速な対応につながりました。

ゴックさんは2017年7月に訪日し、間もなくNPO法人「Lotus Works」に登録して週2回、Skypeで日本語の授業を受けました。ノートに毎週20ページ以上の日本語を書き込んで練習し、Lotus Worksの先生に提出したゴックさん。2019年12月に日本語能力試験(JLPT)N2に合格し、KOKOROの体験談取材にも上手な日本語で対応しました。有名国立大学に合格しながら、家庭の事情で進学せず日本に来たゴックさん。日本での経験や日本語力を活かし、ベトナムで素晴らしい将来を切り開いてほしいと、筆者は願っています。

Lotus Works(2カ国語)
ゴックさんの体験談「国立大に合格後、日本で技能実習」(2カ国語)


ゴックさんの日本語学習ノート