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2020年09月7日 ブログ

     日本に住んで4年以上経つ私ですが、昨年になって初めて「台風対策」を経験しました。2019年10月、過去最強クラスの台風Hagibis(19号)が私たちの住む関東地方にも近付いていました。9月にも大きな台風Faxai(15号)が千葉県で猛威を振るったばかりだったのに、今度の台風は過去最強クラスといわれ、東京も台風の進路上にありました。私たち家族はこの台風に備えて入念な準備をすることになりました。

     台風Hagibisは2019年10月6日に発生し、「猛烈な勢力」から「非常に強い勢力」を経て「強い勢力」に勢いを落とし、12日夜に伊豆半島に上陸しました。勢いは落ちたものの、各地に記録的な豪雨をもたらし、甚大な被害が出ました。


千曲川が氾濫した長野市の穂保地区(2019年10月13日)Ⓒ毎日新聞社

     この台風が東京を直撃する3日前から、私たちは必要な物資の購入を始めました。しかし、わが家の考えが甘かったことに気付かされます。近くのスーパーでは、ペットボトルや肉、パンの棚が空になっていました。また、カセットコンロ用のガスボンベや乾電池、強風で窓ガラスが割れても飛散しないようにはり付ける養生テープも売り切れていました。SNS上にも空っぽになった陳列棚の写真がたくさん投稿されていました。


品薄になったスーパーのパン売り場(東京都台東区で2019年10月11日)Ⓒ毎日新聞社

     テレビで風速や雨量の予測を見るたびに、緊迫感が高まりました。台風が東京に来る前日の10月11日(金)午後、私も夫も職場から早く解放され、急いで帰宅しました。私は娘と一緒に食料の調理をし、夫と息子はバルコニーの植木を室内に取り込みました。

     家族の中で台風対策をリードしたのは子どもたちでした。小学6年生の息子Mocは前回の台風のときに熱心にニュースを見て対策を学び、部屋に新聞紙を敷いて、その上にバルコニーから取り込んだ植木を並べていました。植木が風で吹き飛ばされて人に当たって大けがをさせたる恐れがあったからで、今回も同じでした。私たち夫婦は「そこまでする必要はない」と思っていましたが、息子は前回も今回も黙々と行動し、今回は、窓ガラスに飛散防止のためのシートもはり付けてくれました。


息子が窓ガラスにはり付けてくれたシート

     また、小学4年生の娘Namも11日の下校途中、「お母さん、食べ物は十分なの?」とメールを送ってきました。娘はさらに、「備蓄の水はあるのか」と電話で聞いてきました。私たち夫婦はそこまで考えていなかったのですが、子どもたちは学校やテレビで情報を得て、兄妹で協力して自宅の浴槽をきれいにし、断水に備えて水を貯め始めていました。


娘が湯船に水を張ってくれた

     台風は実際に12日19時前に伊豆半島に上陸して首都圏を通過することになります。その日は、朝から大雨、強風の被害が各地でありました。屋根の吹き飛んだ家、水位の上がった川……テレビに被害状況が次々と映し出されました。また、私の携帯電話が鳴り、子どもの通う学校の保護者会から、すでに開設されている最寄りの避難所を知らせるメールが送られてきました。関東地方では台風被害は比較的少なく、このような体験は訪日以来初めてでした。私は停電時に備え、避難所の住所を手書きでメモしました。

     12日午後は、家族それぞれの携帯電話に台風の最新情報がひっきりなしに入ってきました。東京でも多くの場所で避難勧告が出ていました。私たちの地域では避難勧告は出ませんでしたが、家の近くの神田川の水位が急激に上昇しているというテレビニュースを見るにつけ、心細い気持ちが増しました。

     SNSで送られてくるベトナム人の友人たちの状況も切迫していました。神奈川県の友人の地域では、12日深夜に行政から避難勧告が出されました。奥多摩に住む別の女性の友人は丘の上に引っ越したばかりだったのですが、木造1戸建てが強風で揺れ、そのまま家にいるべきか大雨と強風の中で避難すべきか一人では判断がつかないようでした。

     また、12日にも東京の職場に出勤していた友人(女性)は、電車が運休して帰宅できなくなった場合に備え、強風の中で食料の買い出しに出たそうです。東京では深夜に雨が止みましたが、埼玉県に住む知人の地域では床下数十㌢まで浸水し、一部住民は避難を余儀なくされました。

     12日午後は、家族それぞれの携帯電話に台風の最新情報がひっきりなしに入ってきました。東京でも多くの場所で避難勧告が出ていました。私たちの地域では避難勧告は出ませんでしたが、家の近くの神田川の水位が急激に上昇しているというテレビニュースを見るにつけ、心細い気持ちが増しました。

     SNSで送られてくるベトナム人の友人たちの状況も切迫していました。神奈川県の友人の地域では、12日深夜に行政から避難勧告が出されました。奥多摩に住む別の女性の友人は丘の上に引っ越したばかりだったのですが、木造1戸建てが強風で揺れ、そのまま家にいるべきか大雨と強風の中で避難すべきか一人では判断がつかないようでした。

     また、12日にも東京の職場に出勤していた友人(女性)は、電車が運休して帰宅できなくなった場合に備え、強風の中で食料の買い出しに出たそうです。東京では深夜に雨が止みましたが、埼玉県に住む知人の地域では床下数十㌢まで浸水し、一部住民は避難を余儀なくされました。


雨の中を非難する人たち(神奈川県川崎市で2019年10月12日)Ⓒ毎日新聞社


雨の中を非難する人たち(神奈川県川崎市で2019年10月12日)Ⓒ毎日新聞社

埼玉県内の住宅は浸水状態に

     翌朝、東京では台風が完全に通過。空は晴れ渡り、前夜の激しい風雨がうそだったように静かでした。しかし、この台風は東日本各地で記録的な大雨をもたらし、河川の氾らんやがけ崩れが頻発しました。その結果、死者90名、行方不明者9名、住宅の全半壊等4,008棟、浸水70,341棟の極めて大きな被害が発生しました。

     翌月、私は福島県を訪ねる機会があったのですが、台風で損壊し修理ができていない家屋がまだたくさんあると地元の人から教えてもらいました。こうした地域に比べれば、私たちのケースは、いつか起こる有事に備えたリハーサルで済んだと言えるかもしれません。

     ベトナムで「台風への備え」をしている人は一部の地域に限られるかもしれません。ハノイなど大都市の住民は「スーパーがあるさ」とたかをくくっていることでしょう。初めて日本に来るベトナム人の多くも同じだと思います。しかし、無数に店舗がある日本でも、有事の際には、店から商品があっという間になくなります。津波、台風、大雨……日本に住むなら、災害への備えと向き合うことをお勧めします。

     翌朝、東京では台風が完全に通過。空は晴れ渡り、前夜の激しい風雨がうそだったように静かでした。しかし、この台風は東日本各地で記録的な大雨をもたらし、河川の氾らんやがけ崩れが頻発しました。その結果、死者90名、行方不明者9名、住宅の全半壊等4,008棟、浸水70,341棟の極めて大きな被害が発生しました。

     翌月、私は福島県を訪ねる機会があったのですが、台風で損壊し修理ができていない家屋がまだたくさんあると地元の人から教えてもらいました。こうした地域に比べれば、私たちのケースは、いつか起こる有事に備えたリハーサルで済んだと言えるかもしれません。

     ベトナムで「台風への備え」をしている人は一部の地域に限られるかもしれません。ハノイなど大都市の住民は「スーパーがあるさ」とたかをくくっていることでしょう。初めて日本に来るベトナム人の多くも同じだと思います。しかし、無数に店舗がある日本でも、有事の際には、店から商品があっという間になくなります。津波、台風、大雨……日本に住むなら、災害への備えと向き合うことをお勧めします。

埼玉県内の住宅は浸水状態に