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在日ベトナム人の防災対策

■Thao san (8)
2021年12月14日

「日本では地震が多い」と聞いてはいたものの、最初は人ごとのように感じていました。しかし、寝ているときに大きな揺れを体験して恐怖を感じ、しばらくはよく眠れませんでした。災害時に家具が倒れるのを防いだり、水や食料を備えたりする、日本人や在日ベトナム人の防災対策を紹介します。

日本は災害多発国

東日本大震災の大津波〈2011年3月〉Ⓒ毎日新聞社

私は2000 年に来日し、大学や大学院に留学後、日本で就職し、今は東京でコンサルティング会社を経営しています。日本には毎年多くの台風がやって来て、家屋損壊や洪水、地すべりなどの甚大な被害をもたらしています。また、日本は地震が多い国でもあります。1923年9月1日には「関東大震災」と呼ばれる大地震が東京と周辺で発生し、約105,000人が死亡・行方不明となりました。また、2011年3月には東日本大震災により大津波が発生し、東北地方の3県が壊滅的な被害を受け、約18,425人が死亡または行方不明となりました(=2021年3月9日現在)。このため、日本の行政や国民は、災害に対して常に備えをしています。それでは、日本人がどのように災害に備えているかを見てみましょう。

行政の災害対策

地方自治体提供の避難所マップ

日本政府は各自治体を通して“避難マップ”を提供しています。家庭にこの地図がない場合は、自治体のHPなどから避難マップを入手し、災害時にどこに避難すべきかチェックしましょう。各地に指定の避難所があり、通常は小学校や公民館などです。

避難訓練の中の救命訓練の様子

また、日本では、企業や建物、学校、地域ごとに年1、2回の定期防災訓練が義務付けられています。避難経路を確認したり、頭に物が落ちてこないように机の下に入ったり、揺れの影響で玄関のドアが開かなくなるのを防ぐためにドアを開けたりする訓練が必要です。避難については、地震や津波の恐れがある場合はエレベーターを使わず階段を利用し、津波から逃れるために高い場所に走って逃げましょう。

日本の在留外国人が増える中、地方自治体は外国人向けの防災情報の提供にも力を入れています。お住まいの地域でベトナム語の情報を探してみてください。

個人の災害対策

避難時に必要なもの〈埼玉県の防災マップより〉

政府や地方自治体がいかに防災対策を整備しても、住民の参加・協力が不可欠です。日本には「備えあればうれいなし」ということわざがあります。準備さえできていれば、恐れることはありません。

日本の住宅や高層ビルは耐震設計がしっかりとしています。ただし、強い揺れで家具が倒れたり、重いものが落ちてきたりして大けがをすることもあります。そこで、日本人は壁に取り付ける食器棚・本棚を作ることがよくあります。可動式の食器棚や本棚が既にある場合は、家具を壁や天井に固定する道具を利用したり、揺れを感知して自動的に閉じるドアロックを設置したりします。また、災害時には、水道水が出なくなったり飲食品が瞬時に売り切れたりしますので、備蓄も欠かせません。

非常用備蓄の例
● 1人1日3ℓの水(3~7日分)
● 家族分の非常食(缶詰など調理済みのもの、3~7日分)
● 救急箱やマスク
● ラジオ、電池、懐中電灯
● 防寒着 、衣服、下着、毛布、使い捨てレインコート
● ポータブルトイレなど
● 避難所への避難で必要なマスクや消毒用ジェル、タオルなど

在日ベトナム人の防災対策

筆者がSNSで在日ベトナム人たちに防災対策を聞いたところ、多数の回答と写真提供がありました。それらの中からいくつかを紹介します。

家具の倒壊防止ツール

強い揺れで家具や家電製品が倒れたり落ちてきたりすると、死傷者が出ます。 特に本棚や食器棚など大きな家具が危険です。何人かの在日ベトナム人が自宅で食器棚や本棚を天井に固定している様子を教えてくれました。

本棚の固定(千葉県、通訳・翻訳業)

本棚の固定(東京都、会社員)

食器棚の固定(神奈川県、通訳・翻訳業)

食器棚の固定(福島県、独立行政法人職員)

食器棚の扉のロック

食器棚の扉のロック(長崎県、労働局職員)

最近の食器棚には大きな揺れを感知すると扉が自動ロックされるものも増えています。そうでない場合は、ホームセンターなどで備品を購入して設置します。

家電製品の固定

コードを使ってテレビを固定(福島県、独立行政法人職員)

テレビなど重い家電製品が寝ている人の頭部に落ちてくると危険です。ひもなどで落下を防止することが大事です。

非常持出袋①

会社から支給された「非常持出袋」(東京都、会社員)

災害に備えて、日本では「非常用袋」や「非常持出袋」などと呼ばれる袋入りの備蓄セットも売られています。このバッグには、災害発生後2、3日間に必要な食品や水、備品類が入っています。回答者の多くがこうした袋を自宅に備えていました。上の写真は東京都の女性が勤務先から支給された非常用袋で、下の写真はその中身です。

入っていた物はヘルメット、水、乾燥ご飯(水や湯を入れると食べられます)、自家発電装置付き懐中電灯、マスク、手袋、整理用ナプキン、ウェットティッシュ、使い捨てトイレなどでした。

非常持出袋②

自作の非常持出袋(東京都、会社員)

自分で非常持出袋を作った人もいます。中には、用途ごとに色分けした小袋がいくつか入っています。大きな台風を経験してこのバッグを作ることにしたそうです。以下に中身を見ていきましょう。

非常用トイレ、ポンチョ、マスク、歯ブラシセットなど

アルファ米(水や湯を入れると食べられる米)3種類

水4本

ラジオ付きライト(自家発電装置付き)、ランタン、電池など

救急セット、レインコート(雨具、防寒)、圧縮袋、ホイッスルなど

圧縮タオル、エアマット、アルミ寝袋など

非常持出袋③

手軽な非常持出袋を外出の際にも常に持ち歩いている人もいました(=神奈川県、会社員)。

貯水

水を貯める容器(長崎県、労働局職員)

別の友人はこう述べています。「強い地震では、水道管が破裂し長期間の断水が起こる可能性があるため、飲料水の備蓄だけではなくトイレや洗面用の貯水も重要です。 2016年の熊本地震の後、わが家は常に浴槽をいっぱいにしたのと、水などを貯める容器も購入しました」

まとめ

本が飛び出しにくいようにする敷物(東京都、通訳・翻訳業)

多くの在日ベトナム人も災害から身を守る準備ができているようですね!

あなたはどうですか?まだ何もしていない場合は、このブログも参考にして今すぐに準備を始めてください。また、東京都が無料で提供している「東京都防災アプリ」も大変参考になります。

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