体験談(留学・高度)

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By KOKORO(毎日新聞社+VAIJ主催、在ベトナム日本国大使館など後援)

今回の先輩

チャン・ティ・ミンさん
  • 2011年 6月ドンアイン高校卒業
  • 2015年 5月ベトナム国立農業大学卒業
  • 2015年 5月タイビン省勤務
  • 2016年 7月Dungmori 日本語センターで学習(4カ月間)
  • 2017年 1月新大阪外国語学院入学
  • 2018年 4月駿台観光&外語ビジネス専門学校入学
  • 2020年 3月駿台観光&外語ビジネス専門学校卒業
  • 2020年 4月扶桑工業入社(正社員)

〈1993年生まれ、ハノイ市出身〉

留学中に日本人の友だちと頻繁に交流し、日本語が上達したミンさん。日本語学校は15カ月間で卒業し、専門学校を経て日本で就職した。日本での就職活動の概要や注意点について、ミンさんが体験に基づいて紹介する。

訪日のきっかけと準備

ハノイで最初に通った日本語センター

私はベトナムで農業大学を卒業後、地方の役所で3カ月間働きました。しかし、経済発展した国で働いてみたいという思いを捨て切れず、仕事を辞めて日本語の面接練習をするセンターに半年間通いました。そして、農業関連のエンジニアを目指して日本の会社2社に応募しましたが、丸暗記した自己紹介を述べただけで、面接官(日本人)の質問が理解できず、不合格となりました。

私は日本で働くには日本語をしっかり勉強しなければならないと自覚し、アルバイトで生活しながらDuongmori(ズンモリ)日本語センターで4カ月間学びました。そして、本格的に日本語を身に付けようと考え、まずは留学することにしました。

返済期間の短い借金は×

専門学校でもらった成績優秀賞の景品。借金返済を少なくして勉強に力を入れましょう。

日本語学校の紹介や在留資格(ビザ)取得などの手続きは留学あっせん会社に依頼しました。同社にはUSD1,500の手数料と日本での1年分の授業料73万円と飛行機代を支払いました。私は銀行で300,000,000ドン(約137万円)を借りて200,000,000ドン(約91万円)を留学に使い、残りは両親にプレゼントしました。

銀行への返済期間は10年で、毎月の返済額は5,000,000ドン(約23,000円)だけです。返済期間が短いと、留学中にアルバイトに追われます。しかし、最近は、週28時間を超えて働くと入管にばれますし、勉強もあまりできません。銀行に借りる場合、長期返済がお勧めです。

4月以外の入学で費用節約

専門学校の仲間たち。私は日本語学校を15カ月間で終えて専門学校に進学しました。

私は訪日前に勉強を頑張り、日本語能力試験(JLPT)N3のレベルになりました。そして、2017年1月に訪日し、大阪の日本語学校に入りました。

日本の学校は毎年4月に始まって翌年3月に終わります(=学校年度)。日本語学校への入学時期は4月か10月が多く、コースによっては7月や1月の場合もあります。私は2017年1月に入学し2018年3月に卒業したので、日本語学校での在籍期間は15カ月間でした。ここで大事なことは、何月に入学しても卒業は次の学校年度の3月なので、4月に入学した場合、在席期間は24カ月間になります。その場合、10月や1月に入学するよりも在籍期間が長く、費用(授業料と日本滞在費)が余分にかかります。ベトナムで十分に勉強し、4月ではなく学校年度の途中で入学する方が費用は安くなります。

留学生活の費用

最初に部屋をシェアしたキューさんとは今もよく会います〈堺市内で2020年〉

留学開始後、農業分野に限定せずに就職先を探そうと考えを変え、専門学校に進んでビジネスを学びました。

日本語学校の学費は1年73万円、専門学校は1年75万円でした。日本語学校のときは、別の学校のベトナム人、キューさんと部屋をシェアをしました。彼女は同郷の先輩留学生から紹介してもらいました。専門学校時代は、アパートを移って別のベトナム人留学生と部屋をシェアしました。相手は新しい留学生で、私がFacebookのOsaka Baitoというページに「●●に住んでいます。同居者を探しています」と投稿すると、連絡をくれました。今は会社の近くで1人暮らしをしています。

私の家計簿(1カ月の平均)

 ※専門学校1年目の家計簿 ※100円=21,894ドン(2020年8月31日現在)

収入(合計115,000円~135,000円)
アルバイト3件  

115,000 円~130,000円

※コンビニ、人材会社、中華料理店

支出(合計115,000円~130,000円)
家賃

20,000円

※1DKを2人でシェア

授業料

56,000円

※JLPT・N2などで少し割引

光熱費

3,000~7,000円

※水道・電気・ガスの合計(1人あたり)

インターネット

2,200円

※ルームメイトとシェア

携帯電話

3,000~7,000円

※Biglobe Sim

食費

25,000~30,000円

雑費

5,000~10,000円

※衣類、学習教材、交通費など

差額・貯金(平均0円~10,000円)
差額

平均0円~10,000円

※長くアルバイトのできる長期休暇時に貯めたお金で両親への送金や旅行など

※両親への送金は就職してから本格化

左:大阪城公園で〈2019年11月〉, 右:ハノイの日本語センターの同級生(エンジニア)やその同僚とテト祝い〈和歌山県で2020年1月〉

日本で住宅を借りるには

現在の1人暮らしの部屋

日本でアパートを借りるには保証人が必要なケースが多いです。最初のアパートは日本語学校が保証人でした。また、専門学校時代のアパートや今のアパートを借りるときは、小松さんという日本人が保証人になってくれました。小松さんは、私がハノイで最初に通った日本語センターで仲良くなりました。私に大阪での留学を勧めたのも彼で、今は、大阪の近くでベトナム人の奥さんと一緒に暮らしています。留学先に日本人の友人がいると心強いものです。

日本語をたくさん使おう

久美さんと楽しむ休日〈大阪で2020年〉

私は訪日して約1年後にJLPTのN2に合格しました。学校の授業以外に自宅で毎日2時間勉強しました(教材は主に「総まとめ」シリーズ)。また、日本語を話す機会をたくさん作りました。

❶日本語をたくさん使う ・外国人とも日本語…私は訪日直後、アパートで電気・ガスの開通方法が分からず、廊下を通りがかったフランス人に助けてもらいました。それがきっかけで彼と仲良くなり、よく散歩に誘い合って日本語で会話をしました。 ・日本人の友人…ハノイで仲良くなった小松さんとは今も時々会います。また、フランス人の友人から紹介された久美さんという日本人と親友になり、頻繁に会っています。

❷日本の映画 日本の映画(音声は日本語、字幕はベトナム語)をインターネットでよく観賞しました。

❸アルバイト アルバイト先でもたくさん日本語を話しました。

私のアルバイト

中華料理店の同僚とベトナム料理店で食事会〈大阪で2020年6月〉

①日本に来て最初のアルバイトは居酒屋(接客)でした。フランス人の友人のアルバイト先で、彼の紹介で一緒に働きました(1年間)。

②①と同じ時期に別の居酒屋でも働きました。これはルームメイトのキューさんのアルバイト先で、彼女の紹介で一緒に働きました(半年間)。

③専門学校に進んでアパートを引っ越したので新しいバイトを探し、コンビニや中華料理店で働きました(いずれも約1年半)。コンビニは店に「アルバイト募集」のはり紙があったので応募しました。中華料理店は「タウンワーク」という携帯電話のアプリで見つけました。中華料理店の仲間(日本人)とはとても仲良くなり、就職してからも一度食事会をしました。

WA.SA.Bi.で配信する動画を制作〈大阪で2019年〉

④専門学校時代は、人材紹介会社「森興産」でも2年間働きました。同社はWA.SA.Bi.という留学生支援サイトとFacebookを運営しており、私は翻訳やコンテンツ制作(ベトナム語)などを担当しました。先輩留学生から後任として紹介してもらったバイトです。

私の就活方法

私は専門学校2年の初め(4月)に就職活動を始めました。留学生の就活の主な流れは、企業情報収集→会社説明会(または合同説明会)に参加→面接→採用内定、となっています。説明会なしで書類選考だけで面接を受けられる場合もあります。

❶企業情報収集 ベトナム人を採用する会社をインターネットや人の紹介で探し、自分に合いそうな会社を見つけたら、ネットで登録して会社説明会に参加します。

❷会社説明会 1社単独の「会社説明会」と複数企業が集まる「合同説明会」があります。私はこれらを次の方法で探しました。 ・大手人材紹介会社(マイナビリクナビなど)のウェブサイト ・近所のハローワーク(行政の職業紹介所)で相談 ・WA.SA.Bi.のサイト

興味のある会社があれば、会社説明会に参加します。説明を聞いて面接を受けたければ履歴書やエントリーシート(志望動機や自己PRなど)を提出し、面接の連絡を待ちます。説明会の会場で面接を受けられる場合もあります。

私は2019年4~9月に7~8社の会社説明会と4回の合同説明会に参加しました。

オフィス街などで行われる会社説明会〈イメージ写真〉

面接で大切なこと

私の場合、会社説明会のピークは5~6月でした。早い人はこの時期に採用内定をもらいますが、私が内定を得たのは9月末でした。私はWA.SA.Bi.のサイトから扶桑工業の求人を見つけて応募し、会社説明会なしで面接を受けました。外国人2人に対し3人の面接官が1時間半かけて面接し、2人とも採用されました。私は4社の面接で落ちた後、2社で合格しました。その過程で学んだことをお伝えします。

❶会社のことを詳しく知る 入りたい会社の事業や仕事の内容、どのような人材を求めているかなどをインターネットや会社説明会でよく調べます。そのうえで、自分がその会社で何をしたいか、どのように貢献できるかを考え、面接で伝えましょう。

❷失敗した理由を考える 私は最初、面接で自己紹介もスムーズにできませんでした。まして、その会社で自分が何をしたいかを伝えることはまったくできませんでした。そこに気付いて改善していきました。

❸面接の練習をする 面接での質問も想定し、事前に何度も練習することが大事です。扶桑工業の面接の前にはWA.SA.Bi.のスタッフの方が模擬面接をやってくれました。その後、自宅でも何度か練習をしてから本番の面接を受けました。

左:面接に続けて落ちたころ、食事会で仲間が励ましてくれました〈2019年6月〉, 右:その後、就職も決まり、クリスマスには久美さんとケーキ作り〈2019年12月〉

今の職場が大好き

ハノイの日本語センターの同級生たちと休日にお出かけ〈大阪で2020年〉

扶桑工業はエアコンの配管部品を作っています。私は生産企画部に所属し、エアコンメーカーから注文を受けたら製造用の図面を作製したり、見積書の品目を書き出したりしています。工場にはベトナム人のエンジニアや技能実習生もいますが、生産企画部の約20人の中でベトナム人は私だけです。職場の人はみなやさしく、とても居心地のよい職場です。将来、もし当社がベトナムに進出することがあれば、その事業に関われればうれしいです。

今回の先輩

Trần Thị Minh (チャン・ティ・ミン)さん
  • 2011年 6月Dong Anh 高校卒業
  • 2015年 5月ベトナム国立農業大学卒業
  • 2015年 5月タイビン省勤務
  • 2016年 7月Dungmori 日本語センターで学習(4カ月間)
  • 2017年 1月新大阪外国語学院入学
  • 2018年 4月駿台観光&外語ビジネス専門学校入学
  • 2020年 3月駿台観光&外語ビジネス専門学校卒業
  • 2020年 4月扶桑工業入社(正社員)

〈1993年生まれ、ハノイ市出身〉

留学中に日本人の友だちと頻繁に交流し、日本語が上達したミンさん。日本語学校は15カ月間で卒業し、専門学校を経て日本で就職した。日本での就職活動の概要や注意点について、ミンさんが体験に基づいて紹介する。

訪日のきっかけと準備

私はベトナムで農業大学を卒業後、地方の役所で3カ月間働きました。しかし、経済発展した国で働いてみたいという思いを捨て切れず、仕事を辞めて日本語の面接練習をするセンターに半年間通いました。そして、農業関連のエンジニアを目指して日本の会社2社に応募しましたが、丸暗記した自己紹介を述べただけで、面接官(日本人)の質問が理解できず、不合格となりました。

私は日本で働くには日本語をしっかり勉強しなければならないと自覚し、アルバイトで生活しながらDuongmori(ズンモリ)日本語センターで4カ月間学びました。そして、本格的に日本語を身に付けようと考え、まずは留学することにしました。

ハノイで最初に通った日本語センター

返済期間の短い借金は×

日本語学校の紹介や在留資格(ビザ)取得などの手続きは留学あっせん会社に依頼しました。同社にはUSD1,500の手数料と日本での1年分の授業料73万円と飛行機代を支払いました。私は銀行で300,000,000ドン(約137万円)を借りて200,000,000ドン(約91万円)を留学に使い、残りは両親にプレゼントしました。

銀行への返済期間は10年で、毎月の返済額は5,000,000ドン(約23,000円)だけです。返済期間が短いと、留学中にアルバイトに追われます。しかし、最近は、週28時間を超えて働くと入管にばれますし、勉強もあまりできません。銀行に借りる場合、長期返済がお勧めです。

専門学校でもらった成績優秀賞の景品。借金返済を少なくして勉強に力を入れましょう。

4月以外の入学で費用節約

私は訪日前に勉強を頑張り、日本語能力試験(JLPT)N3のレベルになりました。そして、2017年1月に訪日し、大阪の日本語学校に入りました。

日本の学校は毎年4月に始まって翌年3月に終わります(=学校年度)。日本語学校への入学時期は4月か10月が多く、コースによっては7月や1月の場合もあります。私は2017年1月に入学し2018年3月に卒業したので、日本語学校での在籍期間は15カ月間でした。ここで大事なことは、何月に入学しても卒業は次の学校年度の3月なので、4月に入学した場合、在席期間は24カ月間になります。その場合、10月や1月に入学するよりも在籍期間が長く、費用(授業料と日本滞在費)が余分にかかります。ベトナムで十分に勉強し、4月ではなく学校年度の途中で入学する方が費用は安くなります。

専門学校の仲間たち。私は日本語学校を15カ月間で終えて専門学校に進学しました。

留学生活の費用

留学開始後、農業分野に限定せずに就職先を探そうと考えを変え、専門学校に進んでビジネスを学びました。

日本語学校の学費は1年73万円、専門学校は1年75万円でした。日本語学校のときは、別の学校のベトナム人、キューさんと部屋をシェアをしました。彼女は同郷の先輩留学生から紹介してもらいました。専門学校時代は、アパートを移って別のベトナム人留学生と部屋をシェアしました。相手は新しい留学生で、私がFacebookのOsaka Baitoというページに「●●に住んでいます。同居者を探しています」と投稿すると、連絡をくれました。今は会社の近くで1人暮らしをしています。

最初に部屋をシェアしたキューさんとは今もよく会います〈堺市内で2020年〉

私の家計簿(1カ月の平均)

※専門学校1年目の家計簿 ※100円=21,894ドン(2020年8月31日現在)

収入(合計115,000円~135,000円)
アルバイト3件  

115,000 円~130,000円

※コンビニ、人材会社、中華料理店

支出(合計115,000円~130,000円)
家賃

20,000円

※1DKを2人でシェア

授業料

56,000円

※JLPT・N2などで少し割引

光熱費

3,000~7,000円

※水道・電気・ガスの合計(1人あたり)

インターネット

2,200円

※ルームメイトとシェア

携帯電話

3,000~7,000円

※Biglobe Sim

食費

25,000~30,000円

雑費

5,000~10,000円

※衣類、学習教材、交通費など

差額・貯金(平均0円~10,000円)
差額

平均0円~10,000円

※長くアルバイトのできる長期休暇時に貯めたお金で両親への送金や旅行など

※両親への送金は就職してから本格化

大阪城公園で〈2019年11月〉

ハノイの日本語センターの同級生(エンジニア)やその同僚とテト祝い〈和歌山県で2020年1月〉

日本で住宅を借りるには

日本でアパートを借りるには保証人が必要なケースが多いです。最初のアパートは日本語学校が保証人でした。また、専門学校時代のアパートや今のアパートを借りるときは、小松さんという日本人が保証人になってくれました。小松さんは、私がハノイで最初に通った日本語センターで仲良くなりました。私に大阪での留学を勧めたのも彼で、今は、大阪の近くでベトナム人の奥さんと一緒に暮らしています。留学先に日本人の友人がいると心強いものです。

現在の1人暮らしの部屋

日本語をたくさん使おう

私は訪日して約1年後にJLPTのN2に合格しました。学校の授業以外に自宅で毎日2時間勉強しました(教材は主に「総まとめ」シリーズ)。また、日本語を話す機会をたくさん作りました。

❶日本語をたくさん使う ・外国人とも日本語…私は訪日直後、アパートで電気・ガスの開通方法が分からず、廊下を通りがかったフランス人に助けてもらいました。それがきっかけで彼と仲良くなり、よく散歩に誘い合って日本語で会話をしました。 ・日本人の友人…ハノイで仲良くなった小松さんとは今も時々会います。また、フランス人の友人から紹介された久美さんという日本人と親友になり、頻繁に会っています。

❷日本の映画 日本の映画(音声は日本語、字幕はベトナム語)をインターネットでよく観賞しました。

❸アルバイト アルバイト先でもたくさん日本語を話しました。

久美さんと楽しむ休日〈大阪で2020年〉

私のアルバイト

①日本に来て最初のアルバイトは居酒屋(接客)でした。フランス人の友人のアルバイト先で、彼の紹介で一緒に働きました(1年間)。

②①と同じ時期に別の居酒屋でも働きました。これはルームメイトのキューさんのアルバイト先で、彼女の紹介で一緒に働きました(半年間)。

③専門学校に進んでアパートを引っ越したので新しいバイトを探し、コンビニや中華料理店で働きました(いずれも約1年半)。コンビニは店に「アルバイト募集」のはり紙があったので応募しました。中華料理店は「タウンワーク」という携帯電話のアプリで見つけました。中華料理店の仲間(日本人)とはとても仲良くなり、就職してからも一度食事会をしました。

中華料理店の同僚とベトナム料理店で食事会〈大阪で2020年6月〉

④専門学校時代は、人材紹介会社「森興産」でも2年間働きました。同社はWA.SA.Bi.という留学生支援サイトとFacebookを運営しており、私は翻訳やコンテンツ制作(ベトナム語)などを担当しました。先輩留学生から後任として紹介してもらったバイトです。

WA.SA.Bi.で配信する動画を制作〈大阪で2019年〉

私の就活方法

私は専門学校2年の初め(4月)に就職活動を始めました。留学生の就活の主な流れは、企業情報収集→会社説明会(または合同説明会)に参加→面接→採用内定、となっています。説明会なしで書類選考だけで面接を受けられる場合もあります。

❶企業情報収集 ベトナム人を採用する会社をインターネットや人の紹介で探し、自分に合いそうな会社を見つけたら、ネットで登録して会社説明会に参加します。

❷会社説明会 1社単独の「会社説明会」と複数企業が集まる「合同説明会」があります。私はこれらを次の方法で探しました。 ・大手人材紹介会社(マイナビリクナビなど)のウェブサイト ・近所のハローワーク(行政の職業紹介所)で相談 ・WA.SA.Bi.のサイト

興味のある会社があれば、会社説明会に参加します。説明を聞いて面接を受けたければ履歴書やエントリーシート(志望動機や自己PRなど)を提出し、面接の連絡を待ちます。説明会の会場で面接を受けられる場合もあります。

私は2019年4~9月に7~8社の会社説明会と4回の合同説明会に参加しました。

オフィス街などで行われる会社説明会〈イメージ写真〉

面接で大切なこと

私の場合、会社説明会のピークは5~6月でした。早い人はこの時期に採用内定をもらいますが、私が内定を得たのは9月末でした。私はWA.SA.Bi.のサイトから扶桑工業の求人を見つけて応募し、会社説明会なしで面接を受けました。外国人2人に対し3人の面接官が1時間半かけて面接し、2人とも採用されました。私は4社の面接で落ちた後、2社で合格しました。その過程で学んだことをお伝えします。

❶会社のことを詳しく知る 入りたい会社の事業や仕事の内容、どのような人材を求めているかなどをインターネットや会社説明会でよく調べます。そのうえで、自分がその会社で何をしたいか、どのように貢献できるかを考え、面接で伝えましょう。

❷失敗した理由を考える 私は最初、面接で自己紹介もスムーズにできませんでした。まして、その会社で自分が何をしたいかを伝えることはまったくできませんでした。そこに気付いて改善していきました。

❸面接の練習をする 面接での質問も想定し、事前に何度も練習することが大事です。扶桑工業の面接の前にはWA.SA.Bi.のスタッフの方が模擬面接をやってくれました。その後、自宅でも何度か練習をしてから本番の面接を受けました。

面接に続けて落ちたころ、食事会で仲間が励ましてくれました〈2019年6月〉

その後、就職も決まり、クリスマスには久美さんとケーキ作り〈2019年12月〉

今の職場が大好き

扶桑工業はエアコンの配管部品を作っています。私は生産企画部に所属し、エアコンメーカーから注文を受けたら製造用の図面を作製したり、見積書の品目を書き出したりしています。工場にはベトナム人のエンジニアや技能実習生もいますが、生産企画部の約20人の中でベトナム人は私だけです。職場の人はみなやさしく、とても居心地のよい職場です。将来、もし当社がベトナムに進出することがあれば、その事業に関われればうれしいです。

ハノイの日本語センターの同級生たちと休日にお出かけ〈大阪で2020年〉