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日本の災害危険情報と避難指示

近年は気候変動の影響により、大雨による洪水や土砂災害が増えています。そのため、日本では気象情報や避難情報が頻繁(ひんぱん)に発表されます。これらの情報の意味を正しく理解し、早めに適切に行動することが自分や家族の命を守ることにつながります。この記事では、災害危険情報や避難指示について紹介します。※トップの写真はNHKニュース(2026年6月3日)より 〈この記事の内容〉 1.現在の災害情報の概要 2.従来の災害情報との違い ...

2026年07月10日
  • 外国人のための防災の基礎知識と情報収集方法

    2026年06月04日
    日本は災害が多い国です。地震、台風、大雨などが毎年のように発生しています。災害が起きたときに、その災害に関する知識が少ない場合や備えをしていない場合、避難が遅れたり当面の生活に困ったりします。外国人にとっては、言葉や文化の違いによって必要な情報を正しく理解できず、避難のタイミングが遅れることもあります。この記事では、外国人が災害時にできるだけ安全に行動できるように、防災の基本をまとめました。 〈この記事の内容〉 1.日本で起こりやすい災害 2.大雨や台風のときはどう行動するか 3.地震のときはどう行動するか 4.津波の被害を避けるには 5.火山が噴火したときはどう行動するか 6.災害時の避難 7.災害への備え(備蓄など) 8.災害時の情報収集 9.まとめ 1.日本で起こりやすい災害 日本で起こりやすい災害には次のようなものがあります。地域ごとにハザードマップがあり、災害被害の予測について事前に知ることができます。 台風・大雨 事前に予報が出ますが、雨が長く続くと、川のはんらんや洪水、土砂崩れが起こります。 地震 日本ではどの地域でも地震が起きます。揺れが大きい場合、建物が倒れる、家具が倒れる、窓ガラスが割れる、停電、断水などが同時に起こることがあります。 津波 地震の後に発生し、大きな波が非常に速いスピードで陸地に押し寄せます。第二波や第三波などもありますので、長時間の警戒が必要です。 噴火 火山の近くでは火山灰や噴石の影響があります。大きな火山が噴火すると、遠方にも被害が及びます。 2.大雨や台風のときはどう行動するか 日本では近年、地球温暖化の影響で、各地でしばしば集中豪雨(ゲリラ豪雨)が降ります。また、台風も大型化し、たくさんの雨を伴います。 大雨によって洪水が発生すると、建物が水につかることがあります。また、大雨によって山や斜面が崩れたり、土砂が流れて建物が壊れたり道路がふさがれたりすることがあります。 このような洪水や土砂災害から命を守るために、次のような行動をとってください。 大雨や台風への備え ・普段からハザードマップ(災害の発生するおそれがある場所が書いてある地図)で洪水や土砂災害の危険がある場所を確認しておきましょう。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] ハザードマップポータルサイト(国土交通省) 大雨や台風のときの行動 ①海や川を見に行かない ・海や川の様子を見に行って、風雨の影響で水中に転落するケースが非常に多く発生しています。絶対に水辺に近づかないでください。 ②早めに避難 ・気象庁の災害情報などをもとに早めに避難しましょう。避難タイミングをのがすと、風雨がひどくなったり道路が通行止めになったりして移動できなくなることがあります。 ・市区町村から「避難指示」が出たときは、近くの避難所に必ず避難してください。 3.地震のときはどう行動するか 日本の周辺には、複数のプレートが存在しており、世界有数の地震多発地帯となっています。地震から命を守るために、次のような行動をしてください。 地震への備え 地震が起きた場合に避難する場所を家族と話し合っておきましょう。 地域の防災訓練に参加し、災害時の避難方法や避難経路を学んでおいてください。 家具が倒れないように固定しておきます。また、倒れても大丈夫なように、家具の配置にも気をつけます。 地震が起きたときの行動 地震が発生したら、次の点に注意してください。 ① 落下物や転倒物から身を守る ・建物の中にいる場合→落下物から身を守るため、机やテーブルの下に入り、揺れが収まるまで待ちましょう。 ・外出している場合→建物の近くにいると、看板や建物の壁、割れたガラスなどが落ちてくる可能性があるので、カバンなどで頭を守りながら安全な場所に避難してください。 ・車に乗っている場合→車を道路の左はしに停めてエンジンを止め、歩いて安全な場所へ避難してください。 ② 火の始末(火災を防ぐ) ・揺れが収まったら、台所やストーブなどの火を消してください。 ・もし出火した場合は、消火器などでできるだけ消火しましょう。 ・地震の後は、ガス漏れが起きている可能性があるので、火はつけないでください。 ③エレベーターを使わない ・故障して中に閉じ込められる危険性があります。 ④安全な場所に避難 ・揺れが強いと、建物の倒壊や火災の危険があり、山や丘では土砂くずれの危険性もあります。揺れが収まったら、近くの避難場所などへ移動してください。 4.津波の被害を避けるには 海底の下で大きな地震が発生すると、海底が盛り上がったり沈んだりします。これに伴って津波が発生します。 津波への備え 普段からハザードマップなどで危険地域や避難場所への経路などを確認しておきましょう。 地域の防災訓練に参加し、災害時の避難方法を学んでおいてください。 津波が起きそうなときの行動 津波が海岸に近づいてくるのを見てから避難を始めても間に合いません。以下のことに気をつけて早急に避難してください。 ①揺れを感じたら避難 ・海や大きな川の近くで強い揺れを感じたときや、弱い揺れでも長い時間ゆっくりした地震を感じたときは、すぐに海や川から離れ、高台や避難ビルなど高い場所に避難してください。 ②警報を聞いたら避難 ・地震を感じなくても、気象庁から津波警報が発表されたときは、すぐに高い場所に避難しましょう。 ③長時間、警戒する ・最初の津波より第二波や第三波の方が大きい場合もあります。地震の揺れが収まってから長時間の警戒が必要です。 5.火山が噴火したときはどう行動するか 日本には多くの火山があります。噴火から命を守るために、以下の行動をしましょう。 噴火への備え 普段からハザードマップで自分の住む地域にどのような災害の危険性があるのか確認しておいてください。 登山をするとき→気象庁のサイトやハザードマップで火山に関する情報を確認▽登山届を提出▽通信機器やヘルメットを準備。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] Compass(登山届けを出すためのサイト) 噴火が起きたときはこうする ①マスクや布で口をおおう ・火山灰を吸い込んではいけません。火山灰には、細かいガラス片や鉱物の破片が含まれており、肺などに悪影響を与えます。 ②避難 ・建物の中に避難し、火山灰や噴石から身を守ります。 ・市区町村から「避難指示」が出たときは、すぐに安全な場所に避難してください。 ③登山中に噴火が発生したとき ・すぐに火口から離れ、山小屋やシェルターなどに避難してください。 ・頭を守るためにヘルメットをかぶってください。 6.災害時の避難 避難所の様子(さまざまなタイプの避難所があります) 避難場所 ・災害が発生しそうな場合や発生した場合、早めに安全な場所に避難してください。 ・住んでいる地域の避難場所を普段から確認しておいてください。 ※各市区町村のホームページなどで確認できます。 ・避難場所へ行くことが難しいときは、近くの安全な場所(しっかりした建物など)に逃げましょう。 避難指示 ・災害による被害が発生する可能性が高まった場合、自治体が「避難指示」を発令します。テレビやラジオ、スマートフォンへの緊急速報メールなどで避難指示を知ることになります。「避難指示」が出る場合は命の危険もありますので、近くの避難所などにすぐに避難してください。 避難方法 ・避難をするときには、必ず火を消してから外出してください。また、持ち物をできるだけ少なくして背中に背負うなどし、両手が自由に使えるようにしてください。 7.災害への備え(備蓄など) 災害に備えた備蓄 災害時に当面の生活を続けるために、水・食料や緊急用トイレなどの備蓄が必要です。 基本的な備蓄 飲料水:最低でも1人1日3ℓ×3日分以上備蓄してください。大きな地震などが起きると、水道管が破損して長期間、断水することも多いので、できれば1~2週間分準備しておく方が望ましいです。 生活用水:断水に備えて生活用水の備蓄も必要です。 食料(保存食):缶詰やレトルト食品。大災害が起きたら、店の商品はあっという間になくなり、長期間買えなくなります。道路が寸断されると、品物が長期間入ってきません。数日分の備蓄を推奨する記事も多いですが、できれば2週間分以上の備えがある方が良いでしょう。 災害用トイレ:通常のトイレで水が流れなくなりますので、使い捨てトイレ(または大きなゴミ袋)を多めに用意しておきましょう。 非常用持ち出し袋(防災リュック):懐中電灯やラジオ、電池など災害時に必要なものを詰め込んだ袋です。モバイルバッテリーや現金(災害時は電子決済ができないことがあります)、常備薬なども入れておきましょう。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 防災リュックを準備しましょう(JP MIRAI) 外国人にとっては身分証関係も重要 ・在留カード、パスポート、在留資格関連書類:本人確認やさまざまな手続きに必要です。 ※コピーだけでも非常持ち出し袋などに入れておきましょう。 避難場所を事前に知っておく ・大きな災害のときには公共施設などが「避難所」として使われます。避難所になる場所はあらかじめ決まっていますので、市区町村のホームページなどで普段から確認しておいてください。 ・災害が起きたら、自治体の情報などを確認して早めに避難してください。 ・避難所では地域住民との共同生活が原則です。日ごろから「おはようございます」「こんにちは」とあいさつをするなどして、地域住民と良い関係をつくっておきましょう。 連絡方法や集合場所 連絡方法や集合場所を事前に決めておく ・災害が起きた場合に家族や友人と連絡を取り合う方法や集合場所を決めておきましょう。通信障害や停電もありますので、スマートフォンがいつでも使えるとは限りません。 紙に書いた連絡先 ・家族・友人・勤務先・学校の連絡先を書いた紙を持っておくと、災害時にスマートフォンの電波が届きにくい場合や電源が切れた場合に役立ちます。 8.災害時の情報収集 災害が起こりそうなときや災害が起こった場合はどのように情報を収集したらよいでしょうか。 災害時の情報収集ツール 災害時の情報収集ツールには、テレビ・ラジオのニュースや行政の公式サイト、スマートフォンで受け取る緊急速報メールやエリアメール(大きな音とともに通知が届く)などがあります。 災害時に役立つサイトやアプリを紹介します。 外国人向けの災害情報サイト [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 国土交通省の防災ポータル(多言語)※さまざまな災害情報にアクセスできるポータルサイト。各自治体の情報(避難情報など)にもここからアクセスできます。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 気象庁の災害情報(多言語)※さまざまな災害情報を多言語で発信 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] ハザードマップポータルサイト 外国人向けの防災アプリ(スマートフォン用) ・Safety Tips:地震・津波・台風などの災害情報や避難情報を多言語で通知します。 ・NHK WORLD-JAPAN:通常ニュースや災害情報を多言語で配信します。 ※アプリは事前にダウンロードしておくことが重要です。 外国人向けの相談窓口 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 外国人在留支援センター(FRESC)※在留資格や生活について相談できる窓口。災害時にも今後の仕事や生活について相談できます。 フェイクニュースに注意 ・災害時にはフェイクニュースが多発します。特にSNSでたくさんのデマが飛び交うこともあります。不確かな情報を信じないでください。 ・公式情報を優先する:自治体や公的機関、報道機関からの情報を確認してください。 9.まとめ 日本は地震や台風、大雨などの自然災害が多い国なので、災害への備えや知識が重要です。 大雨や台風のときは水辺に近づかず、早めに避難します。 地震のときは落下物から身を守ることと火の始末に特に注意してください。 津波のときは一刻も早く高い場所へ逃げることが重要です。 噴火の際には火山灰から身を守るための対策が必要です。 さらに、災害への備えとして、水や食料などの備蓄、在留カードなど重要書類の管理、避難場所の事前確認などが大事です。 災害時には正確な情報を得ることが重要です。SNSの不確かな情報に惑わされず、自治体や公的機関、報道機関の情報を優先してください。多言語対応の情報サイトやアプリも活用しましょう。 日ごろから準備しておくと、実際の災害時に被害を大きく減らし、避難生活にもしっかり対応することができます。できることから防災対策を始めていきましょう。
  • 日本に長く住むあるベトナム人の大みそかとお正月

    2025年09月08日
    私は日本人男性と結婚し、日本に住んで長い年月がたちました。子育てをしていたころは「お正月は日本とベトナムのどちらの国にとっても大事なイベント」と娘に伝えたかったので、毎年年末には日本の伝統的なお正月の準備をして新年を祝ってきました。その習慣は、娘が大きくなった今も続けています。わが家の年末年始の様子を紹介します。〈執筆:日本に長く住むベトナム人女性〉 ※上の写真は日本の「おせち料理」 〈このページの内容〉 ・年末の過ごし方:お正月の準備 ・わが家のお正月 ・お正月のさまざまな過ごし方 年末の過ごし方:お正月の準備 かがみもち 大そうじと正月の飾り わが家では毎年、年末に家族で大そうじをします。みんなで手分けして部屋や押し入れの中を整理し、不要になったものは捨てます。そして、部屋の窓やバルコニーの大きなガラス窓をていねいにふき、日ごろはあまりそうじをしないキッチンの換気扇もきれいにします。家中がきれいになったら、リビングに「かがみもち」を置きます。かがみもちは日本のお正月の風物詩の一つです。 おせち料理作り 年末になると、日本のデパートやスーパーマーケットで、四角い箱(重箱)に詰められた「おせち料理」のサンプルや写真をよく目にしますね。日本では、日持ちする料理を詰め合わせて1月1日~3日(三賀日)に食べる文化があります。これを「おせち料理」と言います。この記事の冒頭の写真がおせち料理です。私は、おせち料理の中で自分で作れるものは自分で作っています。12月30日や31日はその料理作りでも忙しくしています。 ちなみに、日本に住むベトナムの若者たちの中には、日本の正月に、ベトナムの旧正月(テト)のときと同じようにバインチュンや伝統料理を準備して集まり、宴会を楽しむ人も多いようです。 年こしそば 年越しそば 日本では12月31日のことを「大みそか」と呼びます。大みそかの夜、日本ではそばを食べる習慣があります。このそばを「年こしそば」と言います。わが家でも、大みそかの夜は、家族で年こしそばを食べ、NHKの「紅白歌合戦」を観ながら過ごすのが定番。日本では、大みそかの夜をこのようにして過ごす家庭が多いです。 除夜の鐘(じょやのかね) 大みそかの深夜、お寺に行って108回の除夜の鐘を鳴らす行事に参加してから新年を迎え、そのまま初詣をする人もいます。 わが家のお正月 初もうでの風景 元旦の朝 元日の朝は、家族でおせち料理を囲み、おもちを入れた「雑煮」(ぞうに)を食べます。お雑煮は正月用の特別なみそ汁です。その後、子どもたち(自分の子どもや孫、親せき)に「お年玉」を渡します。お年玉は新年の特別なお小づかいです。 初もうで わが家では、元日の午後は、夫の両親の家を訪問して新年のあいさつをします。その後、神社へ行って「初もうで」。お参りの後は、縁起物の「破魔矢(はまや)」を買い、「おみくじ」を引きます。そして、神社の境内にある露店でたこ焼きなどを買って食べるのも楽しみです。 ちなみに、神社の宗教は神道(しんとう)、寺の宗教は仏教(ぶっきょう)ですが、ほとんどの日本人が宗教の違いを気にせず、神社や寺の景観や立地、にぎやかさなどの基準で行き先を決めます。また、同じ人が日ごろから神社にも寺にも行きます。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 初詣で人気の高い全国の社寺 三賀日(さんがにち)の過ごし方 わが家では、1月2日以降は、それぞれの予定にしたがって過ごします。私は関東地方の大学同士が長距離のリレー競走をする「箱根駅伝」が好きで、1月2日も3日もテレビにかじりついています。三賀日(1月1日~3日)はこのように、お祝いの料理を食べたり、親せきを訪問したり、初もうでに行ったり、自由時間をゆったり過ごしたりする期間です。 お正月のさまざまな過ごし方 わが家の年末年始を紹介しましたが、お正月の過ごし方は人や家庭によってさまざまです。 家族の再会 お正月は、家族・親族が再会する時期です。故郷を離れて暮らしている人は年末年始に実家に帰省することも多く、親や親せきといっしょに過ごします。 旅行・レジャー 年末年始には、海外や国内に旅行に行く人もたくさんいます。このため、年末年始の公共交通はとても混雑し、ホテルの宿泊費も高くなります。これは日本のゴールデンウィーク(4月末~5月上旬)や盆休み(8月)と同じです。また、たとえば東京に住んでいる人が遠くに行かない代わりに都内の高級ホテルでぜいたくな年末年始を過ごすというケースもあります。 日本に住んでいる私のベトナムの友人にも、日本の正月休みを利用してベトナムに帰省する人が多いです。ベトナムの旧正月(テト)の時期に日本で長期休暇を取るのは難しいケースが多いためです。 もち 日本のお正月の食べ物で欠かせないのは「もち」です。ベトナム人はもちにハムなどをはさんで食べますが、日本人は焼いたもちを雑煮(ぞうに)の中に入れたり、もちにのりを巻いてしょうゆをつけたり、大根おろしとしょうゆをつけたりして食べます。私はチーズをはさんでしょうゆをつけて食べるのが好きです。 年賀状 日本では、新年のあいさつをはがきに書いて郵便で送る「年賀状」という文化が長く続いています。日本郵便は毎年11月1日に年賀はがきを発売します。絵や図柄が裏に印刷されている年賀はがきもあれば無地の年賀はがきもあります。無地の年賀はがきに家族の写真やあいさつ文をパソコンなどで印刷して送る人も多くいます。 年賀はがきの発行枚数は2003年にピークの約44.6億枚を記録しましたが、近年はメールやSNSで年始のあいさつをすませる人が急増し、年賀状文化は急速に衰退しています。年賀はがきの発行枚数は年々減り、2025年用(2024年12月発売)は約10.7億枚でした。
  • 東京で生活・通学・仕事をする外国人の強い味方「東京都多言語相談ナビ」/無料

    2025年02月26日
    東京都で生活や仕事、勉強をしているベトナム人の皆さん、仕事や生活で困ったことがあったとき、「信頼できる相手に相談したい」と思ったことはありませんか? そのようなとき、あなたはベトナム人が運営するSNSで情報を探すことが多いことでしょう。しかし、SNSの情報の中には重大な間違いが含まれることもよくあります。「確かな相手に相談したい」「法律的な知識についても専門家に相談したい」。そんなときは、「東京都多言語相談ナビ」を使ってみてはいかがでしょうか? この記事では、公的機関が提供する電話相談サービス(無料)や地域の日本語教室(低額)を探すためのサイトについて紹介します。 〈このページの内容〉 1. ベトナム語で生活相談 2. 無料の法律相談 3. 無料の在留相談(ビザ・入管関係) 4. 日本語教室を探すサイト 5. まとめ 1. ベトナム語で生活相談 「東京都つながり創生財団」(つながり財団)はフリーダイヤルで外国人からのさまざまな相談に応じています。不要品を回収してもらう方法(粗大ゴミの出し方)や役所でのさまざまな手続き、年金のこと、保育園や学校のこと、医療のこと、交通事故のことなど、あなたの悩みや質問に、つながり財団のベトナム人スタッフが答えます(ベトナム人以外のスタッフがベトナム語通訳と一緒に答える場合もあります)。 相談は無料です。 このサービスの名前は「東京都多言語相談ナビ」です。ベトナム語も含めてさまざまな言葉で相談することができるので「多言語」という名前がついています。もちろん、日本語が得意な場合は、日本語でも相談できます。 東京都多言語相談ナビ 【相談できる人】 ・東京都内に住んでいる人 ・東京都内で働いている人(住所は東京以外でもOK) ・東京都内の学校に通っている人(住所は東京以外でもOK) 【相談できる日】 ・月~金(10:00~16:00) ※日本の祝日をのぞきます。 【電話番号】 0120-142-142 ※電話料金はかかりません。 ※電話にはベトナム人以外の人が出る場合もありますが、あなたが「ベトナム語でお願いします」と言えば、ベトナム人スタッフに代わるかベトナム語通訳を加えます。 【相談料】 ・無料 ※1回の相談時間は60分までです。 どんな相談が多いの? 「東京都多言語相談ナビ」に外国人から寄せられる相談はさまざまで、相談の種類としては次のようなものが多いです。 ・在留資格(広い意味の「ビザ」) ・住宅 ・医療 ・労働関係 ・結婚・離婚 ・出産・育児 ・保育園や幼稚園 ・学校 ・生活一般 ・交通事故 ◆具体的な相談例 生活一般 ・粗大ゴミ(大型ゴミ)の捨て方がわからない(ベッドを捨てたい、スーツケースを捨てたい、など)。・役所から手紙が届いたが、手続きの仕方がわからない。・保育園の探し方や申し込み方を教えてほしい。 医療 ・虫歯の治療をしたい(どこの歯科に行けばよいか、保険は使えるのか、など)。・予防接種を受けたい。 住宅(賃貸住宅) ・電気やガスを止められた。・アパートの契約期間がもうすぐ満了する。更新するにはどうしたらよいか。・アパートの退去の手続きについて教えてほしい。 その他 ・国民年金の納付書が届いたが、どうしたらよいかわからない。 変わった相談もありますか? 「東京都多言語ナビ」にはさまざまな相談があり、めずらしい相談もあります。相談ナビが分からない質問については、ほかに相談できるところを案内します。 ◆相談例 相談例① ・5、6人の警察官が家に押しかけ、尿検査を強要された。ベランダでお灸(きゅう)を使用していたため、薬物使用を疑った近所の人が通報したようだ。 相談例② ・ベランダに置いていた粗大ごみが台風でふき飛ばされ、階下の部屋の窓ガラスと車を破損させてしまった。自然災害によって予期せず加害者となってしまったが、どこまで責任を負うべきか。→この相談には無料の法律相談を紹介しました。 2. 無料の法律相談 もし、あなたがトラブルに巻き込まれた場合や日本の法律が分からなくて困っている場合は、無料で法律相談を受けられます。日本の弁護士が対応し、通訳もつきます。 【無料法律相談】 ・1回60分まで ・予約が必要です。多言語相談ナビに電話して予約してください。 0120-142-142 【相談できる人】 ・東京都内に住んでいる人 ・東京都内で働いている人(住所は東京以外でもOK) ・東京都内の学校に通っている人(住所は東京以外でもOK) 【相談できる日】 ・月・水・金曜日(①13:30~、②14:45~) ※日本の祝日をのぞきます。 ◆相談例 日本語学校 ・高額な入学料と授業料を前納したが、授業に不満なのでやめることにした。授業料を返してほしい。 離婚 ・日本人の配偶者と離婚したいが、財産分与はどうなるか、どの国の法律が適用されるか。・日本人の配偶者と離婚したが、相手が子どもの養育費を払ってくれない。 賃貸住宅 ・家主から退去するように言われたが、従う必要があるのか。・退去にあたって部屋の修繕費を請求されたが、内容に納得できない。 交通事故 ・仕事でレンタカーを使って事故を起こした。勤務先の会社が保険等で対応してくれない。自分はどこまで責任を負うべきか。 交通事故 ・レンタカーで冷蔵庫を運んでいる途中に駐車車両にぶつかったが、相手と連絡が取れないので、立ち去った。その後、警察から連絡がきた。保険は使えるか。→これについては、警察に通報せずに立ち去ったので、保険は適用されません。交通事故を起こしたら、まず警察(電話で110)に連絡し、警察官に現場に来てもらわなければなりません。 3. 無料の在留相談(ビザ・入管関係) 東京都多言語相談ナビは「無料在留相談」も行っています。在留資格(広い意味のビザ)のことや在留期間のことなど、入管手続きで分からないことがあれば、遠慮なく相談してください。 【無料在留相談】 ・1回60分まで ・予約が必要です。多言語相談ナビに電話して予約してください。そのときに在留カードに書いてある内容を聞きますので、在留カードを手もとに用意して電話してください。 0120-142-142 【相談できる人】 ・東京都内に住んでいる人 ・東京都内で働いている人(住所は東京以外でもかまいません) ・東京都内の学校に通っている人(住所は東京以外でもかまいません) 【相談できる日】 ・毎月4番目の火曜日(14:00~16:00) ※日本の祝日をのぞきます。 【相談の場所】 ・つながり財団の事務所(西新宿) ・Zoom(オンライン) 【相談例】 ・特定技能外国人だが、妻を日本に呼べるか。 ・入管から書類が届いたが、内容を理解できない。 ・留学生だが、特定技能ビザや就労ビザに切り替えるにはどうしたらよいか。 4. 日本語教室を探すサイト つながり財団は、東京都内の日本語教室を探すためのウェブサイト「東京日本語教室サイト」も運営しています。 日本で仕事や留学をしているベトナム人の皆さんには、「安い費用で日本語をもっと教えてもらいたいなあ」と思っている人も多いことでしょう。「東京日本語教室サイト」はそういう人たちにボランティア団体などが低額で授業を提供している「日本語教室」を紹介するサイトです。 ※「日本語教室」は「日本語学校」ではありません。地域の日本人たちが低額で日本語を教えてくれる教室です。 そのサイトで紹介されている日本語教室には、先生と会って対面で教えてもらう教室とオンラインで教えてもらう教室の2種類があります。紹介されている教室はすべて東京都内の教室で、たくさんの教室が紹介されています。 もし、その中に興味のある教室が見つかった場合は、教室紹介ページの中にメール送信フォームがありますので、そこから問い合わせや申し込みをすることができます。 5.まとめ この記事では、「東京都多言語相談ナビ」の活動を中心に紹介しました。多言語相談ナビは、外国人が日本で生活や仕事、留学などをする上でのさまざまな悩みや質問について、その外国人の母国語で相談に乗ってくれます。 その中で法律に関する専門知識が必要な相談があれば、弁護士と通訳が対応する無料法律相談も受けられます。 また、入管手続きやビザに関する問題については、特別な相談日を設けて対応しています。 休みの日や仕事が終わった後の夜などに教室やオンラインで日本語の勉強をしたいと思っている人には、地域の人と知り合いになれて、低額で日本語を学ぶことができる日本語教室を探すための「東京日本語教室サイト」も運営しています。 「東京都つながり創生財団」は公的な団体で、営利団体ではありませんので、これらの無料サービスはいずれも安心して使えます。東京都に住むベトナム人の皆さん、あるいは東京都で仕事や留学をしているベトナム人の皆さん、「東京都多言語相談ナビ」のサービスをぜひ使ってみてくださいね。

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  • 留学前にこれをやろう part_2

    留学前にこれをやろう part_2 1.日本人主催のボランティア活動 2.越日学生会議(VJSC) 3.日越親友会(学習サークル) 4.ドラマ・アニメ・ニュース 5.自宅で1日3時間 6.まとめ 留学前にこれをやろう part_2 日本語能力試験(JLPT)N1・N2の先輩たちも最初はN5レベルの勉強から始めました。先輩たちの学習方法を参考に、あなたも高い日本語力を身に付け、キャリアアップにつなげましょう。また、留学する場合は、ベトナムでできるだけ日本語力を高めてから日本に行く方が、効果の高い留学ができます。 留学前にベトナムで日本語力を大きく伸ばした先輩たちの学習法をシリーズで紹介しています。今回は、ハノイの外国語大学で優秀な成績を上げた先輩が日本語の会話力を身に付けるために行ったさまざまな工夫について紹介します。 1. 日本人主催のボランティア活動 Lam sach dep Ho Guom voi NinomiyaのFBページより 私は大学で日本語を勉強し、1年間の交換留学もしました。今は日本語力を生かしてハノイの日系企業に勤務しています。しかし、留学するだけで日本語が話せるようになるわけではありません。私が大学時代に取り組んだ日本語学習のさまざまな方法を紹介します。 私は大学1、2年生のとき、月2回ほど、日曜日にハノイのホアンキエム湖の周りでゴミ拾いをするボランティア活動に参加しました。この活動は日本人が主催し、毎回20人以上のベトナム人と日本人が参加していました。 ゴミ拾いが終わると、みんなでコーヒーショップに行き、日本人はベトナム人に日本語を教え、ベトナム人は日本人にベトナム語を教えます。楽しく交流し、会話力がつきました。このグループは今も活動しています。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ]Lam sach dep Ho Guom voi Ninomiya 2.越日学生会議(VJSC) 越日学生会議“Vietnam Japan Student Conference (VJSC)”はハノイの大学生が参加できるクラブで、VJCC HanoiやJICAなどの支援で2007年に設立されました。ハノイ貿易大学に拠点があり、ベトナムと日本の大学生の交流を促進する活動を行っています。 私は大学1年のときにVJSCの交流プログラム(8カ月間)に参加しました。越日の学生10~20人が毎月2回ぐらい集まって交流するので、日本人と話しても緊張しなくなりました。日本人学生たちが観光するときにサポートしたり、彼らと一緒に越日の文化を紹介する資料を日本語で作成して発表したりしました。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ]越日学生会議(VJSC) 3.日越親友会(学習サークル) 大学1年のとき、「日越親友会」という学習サークルにも参加しました。これは、漢字、会話、文法、読解などに分かれてグループ学習をするサークルで、学費が安く、指導役の日本人もいました。私は苦手な漢字の力をつけたかったので、漢字グループに入って勉強しました。 また、このサークルで知り合った仲間とサークル活動以外でも一緒に日本語能力試験(JLPT)の勉強に取り組み、N3合格を目指しました。 4.ドラマ・アニメ・ニュース 今の時代、さまざまなオンライン・コンテンツも学習に不可欠ですね。私がお世話になったコンテンツは次の通りです。 ■ 日本のドラマやアニメ 音声は日本語、字幕はベトナム語。リスニング力が向上し、好きなセリフをまねることで発音もきれいになりました。 ■ You Tubeの学習チャンネル ■ 日本の歌 何かをしながら好きな日本語の歌を聴くこともあります。 ■ New Web Easy(NHK) やさしい日本語でニュースが書かれ、漢字にふりがなもついています。動画もあります。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ]News Web Easy 5.自宅で1日3時間 私は大学時代、家で1日3時間勉強しました。私のお勧めの教材を紹介します。 みんなの日本語 定番の入門書 「新完全マスター」シリーズ JLPT受験者に評価が高い。練習問題が多い。「読解」が特に人気。 「耳から覚える日本語能力試験」シリーズ 「語彙」が特に人気。CDやMP3もあり、聞きながら言葉を覚える。 「日本語総まとめ」シリーズ 「新完全マスター」と比べて練習問題は少ないが、毎日2ページずつ8週間で完成するプログラムで、独学でも続けやすい。 6.まとめ マインさんは大学で優秀な成績を収めましたが、日本語の会話力を身に付けるために、さまざまな機会を利用しました。マインさんの学習法の要点をもう一度振り返りましょう。 ✔︎ 日本人とベトナム人が交流するボランティア活動に参加✔︎ ハノイの大学生が参加できる交流プログラムを活用(VJSC)✔︎ 安価な学習サークルで学習✔︎ 学習サークルで知り合った仲間とグループ学習✔︎ インターネットラジオのニュースでリスニングの勉強✔︎ New Web Easy(NHK)の活用✔︎ 自宅で1日3時間学習 優秀な成績の背景には、このような地道な努力があるのですね。これを参考にあなたも日本語をしっかり学び、将来の目標のために役立ててください。 今回の先輩 Lỗ Thị Mạnh(ロ・ティ・マイン) 1997年生まれ、ハノイ市出身。2015年、ハノイ国家大学・外国語大学日本言語文化学部入学。2018年、明治大学に1年間交換留学(留学中にN2合格)。2020年、ハノイの日系IT企業に就職、大学卒業。

    2021年05月29日

  • 留学前にこれをやろう part_3

    留学前にこれをやろう part_3 1.日本の商社に就職 2.その日に習ったことはその日に覚える 3.音声に集中してアニメ動画を観る 4.自分に日本語で話しかける 5.生活で日本語を使う 6.まとめ 留学前にこれをやろう part_3 日本語能力試験(JLPT)N1・N2の先輩たちも最初はN5レベルから勉強しました。先輩たちの学習方法をまねてワンランク上の日本語力を身に付け、キャリアアップにつなげましょう。また、留学する場合は、留学前にベトナムでできるだけ日本語力を高めてから日本に行く方が、留学の成果がはるかに高くなります。 留学前にベトナムで高い日本語力を身に付けた先輩たちの学習法をシリーズで紹介しています。今回は、日本に2回(計14カ月)留学しただけで日本語をネイティブ並みに話せるようになった先輩の地道で確実な学習法を紹介します。 1. 日本の商社に就職 私はハノイ国家大学の人文社会科学大学東洋研究部で日本の政治・経済を勉強しました。外国語大学に比べて日本語の授業は少なかったのですが、せっかく学習するなら話せるようになろうと思い、独学で補いました。日本への留学は計14カ月間しかありませんが、ベトナムでの勉強で不自由なく話せるようになり、ハノイの日系企業に勤務後、正社員として日本の商社に就職しました。日本で働いていますが、ベトナムへの長期出張もあります。私がどのようにして日本語力を身に付けたのか紹介します。 2.その日に習ったことはその日に覚える 私はアニメ「銀魂」の登場人物の性格や考え方が好きで日本に興味を持ち、大学で初めて日本語を勉強しました。外国語大学と比べて日本語の授業は少なかったのですが、私は授業の復習に力を入れ、その日に習ったことはその日のうちに覚えるようにしました。そして、試験のときにまた復習しました。 つまり、短い試験勉強のような学習(しっかりした復習)を毎日続け、本当の試験の前にもう一度総復習をするという流れです。こうすると、学んだことが頭に定着する割合が飛躍的に高まります。 3.音声に集中してアニメ動画を観る また、私は日本語の勉強を兼ねてアニメ動画(音声・日本語、字幕・ベトナム語)もよく見ました。漫画本を読んでストーリーを覚えているので、なるべく音声に集中しました。 4.自分に日本語で話しかける 私は学んだ日本語を使って自分に話しかける取り組みを頻繁(ひんぱん)に行いました。その日のできごとを言葉にして自分に報告し、それに対して自分で質問したり、その質問に自分で答えたりします。これらをすべて日本語で行い、なるべく新しく学んだ単語や文法を使います。 外国語は、使わなければ忘れてしまいます。口に出して使うことで頭に残り、実際の会話でも口から出るようになります。私は日本語能力試験(JLPT)はN1で、英語のIELTSも7.0(9段階の上から3番目)ですが、日本語も英語もこの学習法がとても効果的でした。 5.生活で日本語を使う 学んだ単語や文法を使いながら日本語で自分に話しかけることで、言葉を頭に定着させるとともに、言葉が口から出やすくなるように準備を重ねたら、今度は実践です。実際の生活の中で使うことで言葉が本当に身に付きます。そして、それは留学しなくてもベトナムででもできます。 日本人と交流 私の大学では年に2、3回、東京の大学生たちと一緒に研究をし、一緒に日本語で発表する取り組みがありました。このプログラムを通じて日本人と話す機会が増えました。ネイティブ・スピーカーと話すことで外国語の上達が加速します。 アルバイトでさらに日本語上達 大学3年のときに10カ月間、東京大学に留学しましたが、それが終わってから就職するまで約4年間、ハノイで日本人にベトナム語を教えました。日本語を使いながら教えるので、私の日本語も上達しました。最初は教室だけで教えましたが、途中から家庭教師もしました。相手はJICA、JETROや企業の駐在員やご家族で、人間関係も広がりました。また、Facebookで見つけた通訳のアルバイトもしました。イベントでの通訳が多く、これも日本語を使う機会を増やすことにつながりました。 6.まとめ アインさんはネイティブに近い日本語を話します。彼女の日本語は上級者の中でも特にすぐれていますが、彼女の学習法は初級者にもまねができるシンプルで地道な方法です。その中でも特に重要なノウハウは次の2点でしょう。 ✔︎ その日に習ったことをその日のうちに覚える✔︎ 学んだ日本語を使って自分で自分に話しかける 最初は少し苦しいかも知れませんが、こうした努力を毎日続けて習慣にできれば、アインさんのような大きな成果につながります。本気で勉強がしたくなったときは、この学習法を読み返してください。 今回の先輩 Trần Diệu Anh(チャン・ジエウ・アイン) 1993年生まれ、ハノイ市出身。2011年、ハノイ国家大学入学。2013年、東京大学留学(10カ月)。2016年、日越大学の大学院入学。2017年、東京大学留学(4カ月)。2018年、ハノイの日系損保会社入社。2020年、日本の総合商社に入社(東京採用)。

    2021年06月01日

  • ★基本情報=日本で働くための在留資格

    日本で働くことが決まったら、そのための「在留資格」(通称「ビザ」)を取らなければなりません。「技能実習」「特定技能」「技術・人文知識・国際業務」など、日本で働くためのさまざまな在留資格の概要を紹介します。〈協力:岡部国際行政書士法人〉 【ポイント】 日本で働くための代表的な在留資格は次の3種類です。 技術・人文知識・国際業務※通称「技人国(ぎじんこく)」または「就職ビザ」 特定技能 技能実習 ※「留学」の在留資格では本来は働けません。「資格外活動許可」を取れば、アルバイトはできますが、規定の勤務時間(週28時間)を超えて働くと、在留資格を更新できない場合が多々あります。 さまざまな在留資格 日本で働いたり留学したりするには何らかの在留資格が必要です。「在留資格」はビザを得るための条件ですが、在留資格のことを「ビザ」と呼ぶケースも多いので、ここでも「在留資格」と「ビザ」を似たようなものと理解してもかまいません。在留資格には、さまざまな仕事や活動ができる「永住者」から、活動が非常に制限されている「短期滞在」まで、たくさんの種類があります。 日本の外国人政策は、非専門的・非技術的分野(いわゆる単純労働分野)で働くための長期滞在(いわゆる移民)を原則的に認めていません。そこで、日本で長期的に勉強や仕事をしたいと思っている人にはどのような在留資格が必要なのか気になります。 在留資格の取得や更新にはさまざまな条件があります。仕事に勧誘する人や友だちの言うことを無条件に信じるのではなく、自分でも在留資格について知っておきましょう。 主な在留資格と就労できる範囲 日本で働くための主な在留資格の種類と、それぞれの在留資格でできる仕事の範囲を下の表にまとめました。 どんな仕事ができるか 在留資格の種類 どんな仕事でもできる 永住者 永住者の配偶者等 日本人の配偶者等 定住者 その他 限られた範囲で就労が可能 技術・人文知識・国際業務 特定技能 技能実習 介護 技能 経営・管理 企業内転勤 その他 資格外活動許可を取ればアルバイトができる資格外活動許可を取ればアルバイトができる 留学 家族滞在 その他 アルバイトもできない 短期滞在 在留資格による主な違い 在留資格ごとの「在留期間の上限」「必要な学歴」「日本語レベル」を下の表にまとめました。日本語レベルには個人差がありますが、訪日してからある程度の期間が経った後の平均レベルを記載しています。 技術・人文知識・国際業務 技能実習 特定技能 留学 在留期間 上限なし 最長5年 最長5年 卒業まで 学歴 母国の短大以上卒か日本の専門学校以上卒 条件なし 条件なし 留学先の教育機関の種類によって異なる 日本語レベル N3-N5中心 N3-N4中心 N3-N4中心 N2-N3中心 就労時間 日本人と同じ 日本人と同じ 日本人と同じ 週28時間以内 転職 ○ × ○ ○ ※在留期間=更新を重ねた最長年数。特定技能2号の場合は上限なし。

    2021年12月30日

  • Vol. 46 イチゴ農園で楽しく技能実習

    今回の先輩 ファム・ラ・チュック・リーさん 2007年高校在学中から靴工場勤務(10年間)〈ホーチミン〉 2008年ジ・アン高校卒業〈ビンズオン県〉 2018年日本語センター入所(4月)〈ホーチミン〉 2018年訪日(12月)→講習→イチゴ農園で技能実習開始〈宮崎県〉 〈1989年生まれ、ビンズオン省出身〉 ベトナムに4歳の一人娘を置いて日本のイチゴ農園で働くリーさん。日本滞在中の3年間に日本語をマスターして帰国後に娘に教えたいと、勉強も毎日欠かさない。もっと給料の多い仕事もあったが、農園の社長も受入組合の支社長も親切で、この農園に入れてよかったと思っている。リーさんの体験談を紹介する。 〈このページの内容〉 • 娘に日本語を教えたい • 送出機関への支払い • イチゴ農園での仕事 • 日本人とのふれ合いが多い職場 • 故郷の娘 • 日本での生活(私の家計簿) • 日本語の勉強 • 受入組合はキーポイント • 経営者から見た技能実習生の働きぶり 娘に日本語を教えたい 私は高校を出て工場で10年間働きました。その間に結婚し、2016年に娘も生まれました。そして、娘のために訪日を決意しました。技能実習の給料が家計の助けになります。さらに、実習中に努力して日本語を身に付ければ、帰国後、私が娘に日本語を教えることができます。娘には将来、日本に留学していい会社に入ってもらいたいのですが、それに備えて家庭で日本語教育ができるのです。そう考えて技能実習に応募しました。 実習先のイチゴ農園 以前から外国で働いてみたいとは思っていました。もともとはロシアに行きたかったのですが、日本で働いて帰国した友人から、▽日本で技能実習をすれば、お金も稼げて日本語も覚えられる▽街がきれい▽泥棒が少ない▽人が親切▽気候が穏やか▽日本人の仕事のやり方が勉強になる――と聞かされ、日本に行きたくなりました。そして、日本に来てみると、実際にその通りでした。 送出機関への支払い 入国後講習で滞在した大阪で観光〈2018年〉 私は近所の実習経験者から紹介された送出機関に登録し、2カ月後に「ひなたいちご園」の面接に合格しました。面接にはイチゴ園の社長が来てくれました。送出機関には、面接合格時に約50,000,000ドン、訪日1カ月前にも約50,000,000ドンを支払いました。そのために銀行から60,000,000ドンを借りましたが、訪日後数カ月ですべて返済しました。 本当は食品加工などもっと給料の高い仕事を希望していたのですが、私は年齢が比較的高いのと既婚なので人気職種では面接に受かりにくいと言われ、イチゴ園に応募しました。イチゴ園には、送出機関での同期のハンさん、フェップさんと一緒に赴任しました。 イチゴ農園での仕事 上空から見たひなたいちご園 ひなたいちご園には計26棟のビニールハウスがあります。ハウス内の面積は合計7,000平方㍍。社長を含めて約10人が働いており、そのうち外国人は私たち3人です。大粒で味のよい高級イチゴを生産する農園で、最高級品は1箱(12個)5,000円(約1,100,000ドン)で販売しています。 ● 収穫シーズンの仕事――イチゴの味見も イチゴの収穫は11月~6月。この間の仕事は収穫・選別・箱詰めなどです。この農園はイチゴジャムも販売しているので、ジャムのびんにラベルをはる仕事もあります。また、変わった仕事としては、イチゴの味見があります。計測器でイチゴの糖度を測り、外観と合わせてランク分けして販売しますが、スタッフも味見をします。女性の方が味の違いに敏感だといい、社長が私たち実習生にイチゴの味見をさせます。毎日のように味見の仕事があり、他職種の友だちからうらやましがられています。 ● オフシーズンの仕事 収穫しないシーズンには、ハウスの外でイチゴの苗を育てます。私たちは苗の水やりや病気チェックをします。また、ハウス内をほうきで掃除したり設備を入れ替えたりもします。苗は9月~10月にハウス内に移し、収穫を待ちます。 ひなたいちご園での収穫 日本人とのふれ合いが多い職場 右から社長、菜々花さん、通訳2人、技能実習生3人〈2019年〉 仕事上の指示や相談で社長や農場長と話をすることも多いですし、休憩時間にパートの方々ともよく話をします。日本人と会話をする機会が多く、日本語習得に適した環境です。 社長のめいの菜々花さんは、休日に私たち実習生を車でスーパーや観光地に連れて行ってくれることもあります。この夏には、社長が海辺のキャンプ場でバーベキューパーティーを開いてくれました。また、私たちは自転車通勤ですが、大雨の日は社長や農場長が車で送迎してくれます。 故郷の娘 4歳の娘は今、夫と一緒に暮らしています。日本に来て娘と離れ、当初は、娘と同じくらいの小さい子を見るたびにつらくて泣いていました。娘とはビデオ電話で毎日話をします。娘に会いたくて、今年5月の連休に一時帰国しようと思っていましたが、新型コロナで帰省できなくなり、とても残念でした。 日本での生活 イチゴ農園から見る夜明け〈2020年3月〉 寮では1人に一つずつ寝室があります。通常、夜11時に寝て朝5時半に起き、7時から夕方4時まで働きます。朝は早いですが、仕事が終わるのも早いので、つらくはありません。 私の家計簿(1カ月の平均) ※100円=22,151 VND(2020年10月30日現在) 手取り給料(平均110,000円) 手取り給料 95,000円~140,000円 ※税金、社会保険料、寮費、水道・光熱費を引いた後の手取り額 ※このうち寮費は15,000円(Wi-Fi込み)、水道・光熱費は平均8,000円 ※収穫シーズンは残業代が多い 支出(合計平均30,000円) 食費 25,000円 ※主に自炊 雑費・生活用品 5,000円 ※衣類は買わない。外食はめったにしない。 差額・貯金(平均80,000円) 差額 80,000円 ※差額は母に送金(2カ月ごとに100,000~120,000円) 菜々花さんが連れて行ってくれた宮崎県のサンメッセ日南〈2019年〉 送金したお金は、母が生活費や下の妹の学費、娘の幼稚園の費用になどに使っています。もっとお金があれば、娘の背が高くなるようにカルシウムのサプリメントを買いたいです。また、母には血圧の薬や関節の痛みを和らげる薬を買ってあげたいです。 日本では、入国後講習の際に大阪や神戸を見物したほかは、宮崎県外に遊びにいったことがありません。もし、お金に余裕ができたら沖縄に行ってみたいです。 日本語の勉強 毎晩2時間、教材とインターネットで日本語を勉強しています。「新完全マスター」シリーズや「耳から覚える日本語能力試験」シリーズなどを使っています。週2回の休みの日は、朝ゆっくり寝ますが、日本語の勉強も5時間以上します。来日して2年近く経ち、聞き取りはかなり上達しましたが、漢字を覚えるのが難しいですね。 Link:【特集】N1・N2合格者たちの勉強法(ツール編) 受入組合はキーポイント 左の男性が西日本技能センターの代表、右端がイチゴ園の社長 私たちの技能実習の監理団体(受入組合)は「西日本技能センター」で、大阪府に本社、鹿児島県に支社があります。支社長の山﨑良一さん(73)が毎月1、2回、私たちに会いに来て話を聞き、親身になってサポートしてくれます。また、ときどき一緒に来る女性スタッフが古着を持ってきてくれることもあり、私たちは服を買わなくてもすみます。 技能実習生にとって監理団体はとても大切です。もし、同センターが担当する職場で実習したい場合は、送出機関を選ぶ前に同社に問い合わせることもできます。 ・西日本技能センター https://www.facebook.com/japanskill/ ※ベトナム語で問い合わせができます。 私たちに会いに来てくれた「お父さん」〈2020年7月〉 山﨑さんは私たちに日本語を教えたり、食事や観光に連れて行ってくれたりもします。私たちは山﨑さんのことを「お父さん」と呼んでいます。「お父さん」は本当のお父さんのように私たちを気遣い、健康や生活、仕事のことなどいろいろなサポートをしてくれます。私は毎月「お父さん」に会うのがとても楽しみで、「お父さん」のことを実父と同じぐらい尊敬しています。 他の職場で実習をしている送出機関の同期生と連絡を取り合っていますが、受入組合がこれほど親身にサポートしてくれるケースはあまりないようです。また、農園の社長や農場長、菜々花さんにも親切にしてもらっています。もっと給料が高い職場もありますが、お金に代えがたいものもあります。私はここに実習に来られてよかったと思っています。 経営者から見た技能実習生の働きぶり 【インタビュー】ひなたいちご園・長友一平社長(34)の話 春は、ビニールハウス内が高温になりますが、暑くなる前に収穫した方がイチゴの鮮度を保てるので、朝4時ごろに収穫を始める日もあります(そのときは終業も早めます)。このような早朝の仕事は、パートさんでは長く務まりません。私と農場長、実習生の計5人が中心的に働くことで安定的な運営ができます。 リーさんたち3人は仕事を覚えるも日本語の上達も速かったですし、まじめに堅実に働いてくれます。花や枝を摘むといった作業も年配のパートさんたちの2倍近く速くできます。若いからというだけではなく、ベトナム人は手先が器用なのでしょう。また、彼女たちがいると職場も明るくなります。技能実習が終わっても特定技能で残ってほしいぐらいです。 今回の先輩 Phạm La Trúc Ly (ファム・ラ・チュック・リー)さん 2007年高校在学中から靴工場勤務(10年間)〈ホーチミン〉 2008年ジ・アン高校卒業〈ビンズオン〉 2018年日本語センター入所(4月)〈ホーチミン〉 2018年訪日(12月)→講習→イチゴ農園で技能実習開始〈宮崎〉 〈1989年生まれ、ビンズオン省出身〉 ベトナムに4歳の一人娘を置いて日本のイチゴ農園で働くリーさん。日本滞在中の3年間に日本語をマスターして帰国後に娘に教えたいと、勉強も毎日欠かさない。もっと給料の多い仕事もあったが、農園の社長も受入組合の支社長も親切で、この農園に入れてよかったと思っている。リーさんの体験談を紹介する。 〈このページの内容〉 • 娘に日本語を教えたい • 送出機関への支払い • イチゴ農園での仕事 • 日本人とのふれ合いが多い職場 • 故郷の娘 • 日本での生活(私の家計簿) • 日本語の勉強 • 受入組合はキーポイント • 経営者から見た技能実習生の働きぶり 娘に日本語を教えたい 私は高校を出て工場で10年間働きました。その間に結婚し、2016年に娘も生まれました。そして、娘のために訪日を決意しました。技能実習の給料が家計の助けになります。さらに、実習中に努力して日本語を身に付ければ、帰国後、私が娘に日本語を教えることができます。娘には将来、日本に留学していい会社に入ってもらいたいのですが、それに備えて家庭で日本語教育ができるのです。そう考えて技能実習に応募しました。 以前から外国で働いてみたいとは思っていました。もともとはロシアに行きたかったのですが、日本で働いて帰国した友人から、▽日本で技能実習をすれば、お金も稼げて日本語も覚えられる▽街がきれい▽泥棒が少ない▽人が親切▽気候が穏やか▽日本人の仕事のやり方が勉強になる――と聞かされ、日本に行きたくなりました。そして、日本に来てみると、実際にその通りでした。 送出機関への支払い 私は近所の実習経験者から紹介された送出機関に登録し、2カ月後に「ひなたいちご園」の面接に合格しました。面接にはイチゴ園の社長が来てくれました。送出機関には、面接合格時に約50,000,000ドン、訪日1カ月前にも約50,000,000ドンを支払いました。そのために銀行から60,000,000ドンを借りましたが、訪日後数カ月ですべて返済しました。 本当は食品加工などもっと給料の高い仕事を希望していたのですが、私は年齢が比較的高いのと既婚なので人気職種では面接に受かりにくいと言われ、イチゴ園に応募しました。イチゴ園には、送出機関での同期のハンさん、フェップさんと一緒に赴任しました。 入国後講習で滞在した大阪で観光〈2018年〉 イチゴ農園での仕事 ひなたいちご園には計26棟のビニールハウスがあります。ハウス内の面積は合計7,000平方㍍。社長を含めて約10人が働いており、そのうち外国人は私たち3人です。大粒で味のよい高級イチゴを生産する農園で、最高級品は1箱(12個)5,000円(約1,100,000ドン)で販売しています。 上空から見たひなたいちご園 ⚫ 収穫シーズンの仕事――イチゴの味見も イチゴの収穫は11月~6月。この間の仕事は収穫・選別・箱詰めなどです。この農園はイチゴジャムも販売しているので、ジャムのびんにラベルをはる仕事もあります。また、変わった仕事としては、イチゴの味見があります。計測器でイチゴの糖度を測り、外観と合わせてランク分けして販売しますが、スタッフも味見をします。女性の方が味の違いに敏感だといい、社長が私たち実習生にイチゴの味見をさせます。毎日のように味見の仕事があり、他職種の友だちからうらやましがられています。 ひなたいちご園での収穫 ⚫ オフシーズンの仕事 収穫しないシーズンには、ハウスの外でイチゴの苗を育てます。私たちは苗の水やりや病気チェックをします。また、ハウス内をほうきで掃除したり設備を入れ替えたりもします。苗は9月~10月にハウス内に移し、収穫を待ちます。 日本人とのふれ合いが多い職場 仕事上の指示や相談で社長や農場長と話をすることも多いですし、休憩時間にパートの方々ともよく話をします。日本人と会話をする機会が多く、日本語習得に適した環境です。 社長のめいの菜々花さんは、休日に私たち実習生を車でスーパーや観光地に連れて行ってくれることもあります。この夏には、社長が海辺のキャンプ場でバーベキューパーティーを開いてくれました。また、私たちは自転車通勤ですが、大雨の日は社長や農場長が車で送迎してくれます。 右から社長、菜々花さん、通訳2人、技能実習生3人〈2019年〉 故郷の娘 4歳の娘は今、夫と一緒に暮らしています。日本に来て娘と離れ、当初は、娘と同じくらいの小さい子を見るたびにつらくて泣いていました。娘とはビデオ電話で毎日話をします。娘に会いたくて、今年5月の連休に一時帰国しようと思っていましたが、新型コロナで帰省できなくなり、とても残念でした。 日本での生活 寮では1人に一つずつ寝室があります。通常、夜11時に寝て朝5時半に起き、7時から夕方4時まで働きます。朝は早いですが、仕事が終わるのも早いので、つらくはありません。 イチゴ農園から見る夜明け〈2020年3月〉 私の家計簿(1カ月の平均) ※100円=22,151 VND(2020年10月30日現在) 手取り給料(平均110,000円) 手取り給料 95,000円~140,000円 ※税金、社会保険料、寮費、水道・光熱費を引いた後の手取り額 ※このうち寮費は15,000円(Wi-Fi込み)、水道・光熱費は平均8,000円 ※収穫シーズンは残業代が多い 支出(合計平均30,000円) 食費 25,000円 ※主に自炊 雑費・生活用品 5,000円 ※衣類は買わない。外食はめったにしない。 差額・貯金(平均80,000円) 差額 80,000円 ※差額は母に送金(2カ月ごとに100,000~120,000円) 送金したお金は、母が生活費や下の妹の学費、娘の幼稚園の費用になどに使っています。もっとお金があれば、娘の背が高くなるようにカルシウムのサプリメントを買いたいです。また、母には血圧の薬や関節の痛みを和らげる薬を買ってあげたいです。 日本では、入国後講習の際に大阪や神戸を見物したほかは、宮崎県外に遊びにいったことがありません。もし、お金に余裕ができたら沖縄に行ってみたいです。 菜々花さんが連れて行ってくれた宮崎県のサンメッセ日南〈2019年〉 日本語の勉強 毎晩2時間、教材とインターネットで日本語を勉強しています。「新完全マスター」シリーズや「耳から覚える日本語能力試験」シリーズなどを使っています。週2回の休みの日は、朝ゆっくり寝ますが、日本語の勉強も5時間以上します。来日して2年近く経ち、聞き取りはかなり上達しましたが、漢字を覚えるのが難しいですね。 Link:【特集】N1・N2合格者たちの勉強法(ツール編) 受入組合はキーポイント 私たちの技能実習の監理団体(受入組合)は「西日本技能センター」で、大阪府に本社、鹿児島県に支社があります。支社長の山﨑良一さん(73)が毎月1、2回、私たちに会いに来て話を聞き、親身になってサポートしてくれます。また、ときどき一緒に来る女性スタッフが古着を持ってきてくれることもあり、私たちは服を買わなくてもすみます。 技能実習生にとって監理団体はとても大切です。もし、同センターが担当する職場で実習したい場合は、送出機関を選ぶ前に同社に問い合わせることもできます。 ・西日本技能センター https://www.facebook.com/japanskill/ ※ベトナム語で問い合わせができます。 左の男性が西日本技能センターの代表、右端がイチゴ園の社長 山﨑さんは私たちに日本語を教えたり、食事や観光に連れて行ってくれたりもします。私たちは山﨑さんのことを「お父さん」と呼んでいます。「お父さん」は本当のお父さんのように私たちを気遣い、健康や生活、仕事のことなどいろいろなサポートをしてくれます。私は毎月「お父さん」に会うのがとても楽しみで、「お父さん」のことを実父と同じぐらい尊敬しています。 他の職場で実習をしている送出機関の同期生と連絡を取り合っていますが、受入組合がこれほど親身にサポートしてくれるケースはあまりないようです。また、農園の社長や農場長、菜々花さんにも親切にしてもらっています。もっと給料が高い職場もありますが、お金に代えがたいものもあります。私はここに実習に来られてよかったと思っています。 私たちに会いに来てくれた「お父さん」〈2020年7月〉 経営者から見た技能実習生の働きぶり 【インタビュー】ひなたいちご園・長友一平社長(34)の話 春は、ビニールハウス内が高温になりますが、暑くなる前に収穫した方がイチゴの鮮度を保てるので、朝4時ごろに収穫を始める日もあります(そのときは終業も早めます)。このような早朝の仕事は、パートさんでは長く務まりません。私と農場長、実習生の計5人が中心的に働くことで安定的な運営ができます。 リーさんたち3人は仕事を覚えるも日本語の上達も速かったですし、まじめに堅実に働いてくれます。花や枝を摘むといった作業も年配のパートさんたちの2倍近く速くできます。若いからというだけではなく、ベトナム人は手先が器用なのでしょう。また、彼女たちがいると職場も明るくなります。技能実習が終わっても特定技能で残ってほしいぐらいです。

    2020年11月18日

  • 日本語学習の目標・計画を立てよう

    せっかく日本に行くのなら、将来の可能性を広げるため、できるだけ日本語力を高めましょう。学習のモチベーションを保つには、目標と計画を立てることが大事です。その方法をアドバイスします。 留学や仕事で来日し、2、3年で日本人と十分に話せるようになったり、日本語能力試験(JLPT)・N2以上に合格したりした先輩たちに聞くと、彼らは目標を達成しようという強い気持ちを持っていました。 来日前の学習 留学生でも働く人でも多くの場合、日本に行く前に日本語センターなどで数カ月から1年間、日本語の授業を受けます。高い日本語力をつけた先輩たちに聞くと、どの人も来日前に次のような努力をしていました。 ・センターのテキストを授業より先取りして勉強する。 ・授業で習ったことはその日か次の日に復習する。 ・「みんなの日本語」などセンターのテキストを、授業で習う範囲にかかわりなく、自分で最後まで勉強する。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 来日前に勉強をがんばった先輩の話 *来日前にN4~N3を取る人もいます。来日前にJLPT合格を目指す場合は、「みんなの日本語」ではなく、練習問題などが入っているJLPT対策のテキストを中心に勉強しましょう。 来日後の目標と計画 来日後は、JLPTやJFT-Basic、BJTなど日本語試験での合格を目標の1つにしましょう。 どの試験・ランクにいつ合格したいかを決め、それに向かって勉強すると励みになります。試験対策のテキスト(問題集)を中心に勉強し、Facebookの学習ページやYouTubeの学習講座で補う人が多いです。 まず、自分のランクに応じたテキストをそろえます。そして、1回だけでは覚えられないので、試験までに1冊につき2回ずつ学習すると、よい結果につながります。試験までにテキストを2回ずつこなすには、1カ月や1週間に何ページ勉強すればよいかを計算すると、1日に必要な勉強時間がわかります。 また、せっかく日本に住むので、勉強で覚えた言葉を日本人との会話で使いましょう。言葉を実際に使うことで記憶に定着します。 まとめ 日本語学習で目標を立てることはとても大切です。北海道の技能実習生の先輩(農業)は、一緒に住む仲間とJLPTの合格目標を立て、親に電話するとき以外はベトナム語を話さないようにしました。また、勉強した日本語を使って勤務の休憩時間に日本人とたくさん会話をしました。こうして、来日して2年半でN2に合格し、会話の力もつきました。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] この先輩の体験談|KOKORO(日本語・ベトナム語) 留学生の場合は、自宅での学習を管理・指導してくれる日本語学校もあります。そのような学校を選ぶのも1つの方法ですね。

    2021年09月10日

  • Vol. 45 エンジニアとして日本で転職重ねる

    今回の先輩 ルオン・スィ・タンさん 2008年タンプー高校 卒業〈ハティン県〉 2008年ハノイ工科大学入学 2013年ハノイ工科大学卒業 2013年Y-Tec Vietnam入社〈ベトナム、日本〉 2016年Recruit R&D Staffing入社〈群馬県〉 2017年AZA engineering入社〈神奈川県〉 2020年NPテック入社〈大阪〉 2017年日本語能力試験N2合格 〈1990年生まれ、ハティン省出身〉 Luongsytan90@gmail.com 日系企業の長期研修で初めて訪日後、再就職の面接は日本語で受け、その後4年以上日本に住み続けているタンさん。日本語初心者の妻を日本に呼び寄せ、最初は苦労したが、親切な日本人や無料日本語教室のベトナム人仲間に支えられた。エンジニア、タンさんの体験談を紹介する。 〈このページの内容〉 • いとこの活躍で日本に関心 • 日系企業の研修で初訪日 • 事業縮小で大量退職 • 転職、結婚、3回目の訪日 • 日本で転職2回 • 日本語学習の手法 • 夫婦で日本社会に助けられ • 日本での仲間づくり • 日本のここが好き • 日本での暮らし いとこの活躍で日本に関心 Y-Tec Vietnamの仲間たち〈東京で2014年1月〉 私は2020年5月から、9歳年上のいとこが経営する大阪の金属加工会社で働いています。いとこは2007年にエンジニアとして訪日し、私は彼の活躍について叔父から聞かされていました。そこで、自分も日本で働いてみたいと思い、大学卒業後の2013年、日本での長期研修があるハイフォンの日系企業に入りました。 当時、外国で成功するベトナム人が増え始めており、大学の先生も私の訪日に賛成してくれました。私は人材会社の紹介で自動車部品メーカー、Y-Tec Vietnamに入りました。ただ、日本語の準備は、大学卒業前に日本語教室に3カ月間通っただけでした。 日系企業の研修で初訪日 ベトナム人の同僚と京都旅行〈2014年5月〉 入社して5カ月後の2013年12月、私は親会社で研修するために初めて日本に行きました。Y-Tec Vietnamは新会社で、ベトナム人18人(エンジニア13人、通訳3人、総務・経理2人)と日本人3人でのスタートでした。このうちベトナム人16人が将来の業務に備えて日本で10カ月間、研修を受けたのです。 住居は埼玉県内の会社施設でした。16人は仲がよく、いつも一緒に行動しました。当時は日本のベトナム人は少なく、身近な仲間が頼りでした。休日にはみんなで観光にも出かけました。 ベトナム人の同僚とテト祝い〈2014年2月〉 富士山〈2014年8月〉 事業縮小で大量退職 日本人社員に連れられてベトナム人の同僚と地域の祭りに参加。居心地のよい会社でした。〈埼玉県で2014年7月〉 研修は充実していましたが、施設は都会から遠く、生活は退屈でした。そんな私たちを気遣って会社が毎月、私たちをバスで日帰り旅行に連れて行ってくれました。日本人社員もみな親切で、とてもいい会社でした。 研修から帰国後、私はハイフォンで10カ月間働き、2015年7月にまた日本に行きました。日本人エンジニアをサポートしながら技術を習得する目的でした。このときは、ベトナム人エンジニア4人と通訳1人だけで、6カ月間の滞在でした。しかし、この滞在中にY-Tec Vietnamの事業縮小が決まり、当時多数いたエンジニアの大半が解雇されました。私も2015年末の帰国後に退社し、同社勤務は2年半で終わりました。 転職、結婚、3回目の訪日 結婚〈ハティン省で2016年3月〉 Y-Tec Vietnamを退職後は、退職仲間で情報交換をしながら新しい仕事を探しました。私は2016年3月、「リクルートR&Dスタッフィング」への就職が決まりました。面接(日本語)はハノイで受けましたが、勤務地は日本です。再就職が決まった直後に高校の同級生だった妻と結婚し、4月に日本に赴任しました。このときから現在までずっと日本に住むことになります。赴任して4カ月後に妻も日本に呼び寄せました。 再就職して日本に赴任直後、大学の同級生と大阪旅行〈2016年5月〉 訪日後、研修を経て自動車部品メーカーで働くことになりました。就労形態は派遣でした。勤務地は群馬県の工場で、私の仕事は外装部品の設計でした。ただ、発注元の車のリコールが影響して途中から受注が激減し、残業も減りました。このことや、派遣ではなく1カ所で長く働きたいという希望もあり、1年半でまた転職しました。 日本で転職2回 今の職場で家族交流会〈大阪で2020年8月〉 派遣会社を退職後、Indeed(日本語)というサイトで見つけた仕事に応募し、2017年10月から「AZAエンジニアリング」で働き始めました。神奈川県の機械設計会社で、約30人の従業員の中で外国人は私だけでした。先輩も同僚も親切で、いい会社でしたが、2020年にいとこが大阪に会社を設立することになり、エンジニアが必要なので同社を手伝うことになりました。同社ではベトナム人が5人、日本人が2人います。 私の家計簿(1カ月の平均) ※現在の家計簿※100円=22,128ドン(2020年10月27日現在) 収入(合計240,000円) 手取り給料 140,000円 ※税金、社会保険、寮費を差引後 ※寮は2階建て。4DK。 妻のパート 100,000円 ※工場で製品検査業務 支出(合計135,000円) 家賃 42,000円 水道・光熱費 13,000円 食費 50,000円 公立幼稚園 10,000円 雑費 20,000円 ※ガソリン・高速道路など 差額・貯金(合計105,000円) 差額 105,000円 ※大半を実家に送金。妹の大学の学費や生活費を支援。自分たちの貯金はあまりない。 日本語学習の手法 日本で長く暮らすには日本語習得が必須です。私の日本語学習の要点をお伝えします。 【学習機会】 ・会社でベトナム人通訳が教える日本語教室(最初の3カ月間のみ) ・仕事で日本語使用 ・地域のボランティア日本語教室(週1~3回) ・家で毎晩、勉強 【主な教材】 ・みんなの日本語▽「日本語総まとめ」シリーズ▽「耳から覚える日本語能力試験」シリーズ▽NIHONGONOMORI(YouTube) Link:【特集】N1・N2合格者たちの勉強法(ツール編) 夫婦で日本社会に助けられ 左:日本語教室の先生が持ってきてくれた着物〈群馬県の自宅で2016年〉右:転居先の自宅で。先生方とは転居後も交流〈2017年〉 妻は2016年8月に日本で合流し、間もなく妊娠しましたが、最初は日本語が分からず苦労しました。週末は私がいますが、平日は周囲にベトナム人仲間がいません。そんな妻を助けてくださったのはボランティア日本語教室の日本人の先生方でした。 妻は当初、約5㌔離れた教室に自転車で週2回通いました。年配の女性の先生2人は日本語を教えるだけではなく、妻を気遣って通院や買い物にも付き添ってくださいました。そして、妻のおなかが大きくなって教室に通えなくなると、交代でわが家に来て日本語を教え、さまざまなサポートもしてくださいました。私たちは本当に助かり、この先生方を恩人だと思っています。 日本での仲間づくり Y-Tec Vietnamに残った元同僚たちとは長く交流〈埼玉県で2018年〉 私たちが最初に住んだ群馬県では、当時ベトナム人が少なく、ベトナム人向けの情報もあまりありませんでした。職場でも外国人は私だけでした。ベトナム人仲間を作る機会が少なく、妻は最初さびしがりました。Y-Tec Vietnamの後輩で解雇されずに残っていたベトナム人が隣の埼玉県に少しいたので、妻を連れてたまに会いに行きましたが、普段は日本語教室の先生たちとの交流が頼りでした。 日本語教室のベトナム人仲間の家で食事会〈神奈川県で2018年〉 しかし、神奈川県に移ってからは、ベトナム人の友だちがたくさんできました。ここでも職場で外国人は私だけでしたが、ボランティア日本語教室で同じ境遇のベトナム人3家族と出会いました。これが交流の基点となり、妻の「ママ友」もできました。大阪に移ってからは、仲間がさらに増えました。ベトナム語を使う機会が急増し、ベトナムに住んでいるような感覚です。また、私は訪日後ずっと、職場や地域のベトナム人とサッカーチームを作り、週末に練習や試合を楽しんでいます。 日本のここが好き 置き忘れ〈イメージ図〉 私は日本の治安の良さや日本人の親切が好きです。私はある日、Y-Tec Vietnamのバス旅行で旅先の展望台にかばんを置き忘れました。かばんの中には携帯電話や財布が入っていました。会社に戻って気づくと、会社の人が展望台周辺の関係者に連絡し、かばんが届いていないか、または元の場所に置かれたままになっていないか、問い合わせてくれました。すると、かばんが無事に見つかり、2日後に会社に郵送されてきました。財布の中の現金(約20,000円)も携帯電話もそのままでした。 また、その数年後にも電車内にかばんを置き忘れてしまいました。下車後に気付き、近くの大きな駅に行って駅員さんにお願いしたところ、このときもかばんが返ってきました。中には仕事の資料や財布が入っていましたが、やはり無事でした。 日本での暮らし 今の大阪の職場で〈2020年10月〉 私は3年前に自動車教習所に通って日本の運転免許を取得し、中古車も買いました。教習は約30万円、車は約25万円でしたが、家族と郊外で長く暮らすにはマイカーが欠かせません。日本の工業技術は先進的で、いつか帰国した際に私の知識・技術が祖国の役に立つかも知れません。ただ、いつまで日本に住むかはまだ決めていません。日本では、医療が進んでいますし、農薬が少なく食べ物も安全で大気汚染も少ないので、子どもが大きくなるまでは日本にいる方がよいかも知れません。先のことは分かりませんが、当面は目の前の仕事や生活に集中したいと思っています。 いとこ家族と日帰り旅行〈奈良県で2020年〉 娘と雪遊び〈神奈川県で2020年〉 今回の先輩 Lương Sỹ Tân(ルオン・スィ・タン)さん 2008年タンプー高校 卒業〈ハティン〉 2008年ハノイ工科大学入学 2013年ハノイ工科大学卒業 2013年Y-Tec Vietnam入社〈ベトナム、日本〉 2016年Recruit R&D Staffing入社〈群馬県〉 2017年AZA engineering入社〈神奈川県〉 2020年NPテック入社〈大阪府〉 2017年日本語能力試験N2合格 〈1990年生まれ、ハティン省出身〉 Luongsytan90@gmail.com 日系企業の長期研修で初めて訪日後、再就職の面接は日本語で受け、その後4年以上日本に住み続けているタンさん。日本語初心者の妻を日本に呼び寄せ、最初は苦労したが、親切な日本人や無料日本語教室のベトナム人仲間に支えられた。エンジニア、タンさんの体験談を紹介する。 〈このページの内容〉 • いとこの活躍で日本に関心 • 日系企業の研修で初訪日 • 事業縮小で大量退職 • 転職、結婚、3回目の訪日 • 日本で転職2回 • 日本語学習の手法 • 夫婦で日本社会に助けられ • 日本での仲間づくり • 日本のここが好き • 日本での暮らし いとこの活躍で日本に関心 私は2020年5月から、9歳年上のいとこが経営する大阪の金属加工会社で働いています。いとこは2007年にエンジニアとして訪日し、私は彼の活躍について叔父から聞かされていました。そこで、自分も日本で働いてみたいと思い、大学卒業後の2013年、日本での長期研修があるハイフォンの日系企業に入りました。 当時、外国で成功するベトナム人が増え始めており、大学の先生も私の訪日に賛成してくれました。私は人材会社の紹介で自動車部品メーカー、Y-Tec Vietnamに入りました。ただ、日本語の準備は、大学卒業前に日本語教室に3カ月間通っただけでした。 Y-Tec Vietnamの仲間たち〈東京で2014年1月〉 日系企業の研修で初訪日 入社して5カ月後の2013年12月、私は親会社で研修するために初めて日本に行きました。Y-Tec Vietnamは新会社で、ベトナム人18人(エンジニア13人、通訳3人、総務・経理2人)と日本人3人でのスタートでした。このうちベトナム人16人が将来の業務に備えて日本で10カ月間、研修を受けたのです。 住居は埼玉県内の会社施設でした。16人は仲がよく、いつも一緒に行動しました。当時は日本のベトナム人は少なく、身近な仲間が頼りでした。休日にはみんなで観光にも出かけました。 ベトナム人の同僚と京都旅行〈2014年5月〉 ベトナム人の同僚とテト祝い〈2014年2月〉 富士山〈2014年8月〉 事業縮小で大量退職 研修は充実していましたが、施設は都会から遠く、生活は退屈でした。そんな私たちを気遣って会社が毎月、私たちをバスで日帰り旅行に連れて行ってくれました。日本人社員もみな親切で、とてもいい会社でした。 研修から帰国後、私はハイフォンで10カ月間働き、2015年7月にまた日本に行きました。日本人エンジニアをサポートしながら技術を習得する目的でした。このときは、ベトナム人エンジニア4人と通訳1人だけで、6カ月間の滞在でした。しかし、この滞在中にY-Tec Vietnamの事業縮小が決まり、当時多数いたエンジニアの大半が解雇されました。私も2015年末の帰国後に退社し、同社勤務は2年半で終わりました。 日本人社員に連れられてベトナム人の同僚と地域の祭りに参加。居心地のよい会社でした。〈埼玉県で2014年7月〉 転職、結婚、3回目の訪日 Y-Tec Vietnamを退職後は、退職仲間で情報交換をしながら新しい仕事を探しました。私は2016年3月、「リクルートR&Dスタッフィング」への就職が決まりました。面接(日本語)はハノイで受けましたが、勤務地は日本です。再就職が決まった直後に高校の同級生だった妻と結婚し、4月に日本に赴任しました。このときから現在までずっと日本に住むことになります。赴任して4カ月後に妻も日本に呼び寄せました。 結婚〈ハティン省で2016年3月〉 訪日後、研修を経て自動車部品メーカーで働くことになりました。就労形態は派遣でした。勤務地は群馬県の工場で、私の仕事は外装部品の設計でした。ただ、発注元の車のリコールが影響して途中から受注が激減し、残業も減りました。このことや、派遣ではなく1カ所で長く働きたいという希望もあり、1年半でまた転職しました。 再就職して日本に赴任直後、大学の同級生と大阪旅行〈2016年5月〉 日本で転職2回 派遣会社を退職後、Indeed(日本語)というサイトで見つけた仕事に応募し、2017年10月から「AZAエンジニアリング」で働き始めました。神奈川県の機械設計会社で、約30人の従業員の中で外国人は私だけでした。先輩も同僚も親切で、いい会社でしたが、2020年にいとこが大阪に会社を設立することになり、エンジニアが必要なので同社を手伝うことになりました。同社ではベトナム人が5人、日本人が2人います。 今の職場で家族交流会〈大阪で2020年8月〉 私の家計簿(1カ月の平均) ※現在の家計簿 ※100円=22,128ドン(2020年10月27日現在) 収入(合計240,000円) 手取り給料 140,000円 ※税金、社会保険、寮費を差引後 ※寮は2階建て。4DK。 妻のパート 100,000円 ※工場で製品検査業務 支出(合計135,000円) 家賃 42,000円 水道・光熱費 13,000円 食費 50,000円 公立幼稚園 10,000円 雑費 20,000円 ※ガソリン・高速道路など 差額・貯金(合計105,000円) 差額 105,000円 ※大半を実家に送金。妹の大学の学費や生活費を支援。自分たちの貯金はあまりない。 日本語学習の手法 日本で長く暮らすには日本語習得が必須です。私の日本語学習の要点をお伝えします。 【学習機会】 ・会社でベトナム人通訳が教える日本語教室(最初の3カ月間のみ) ・仕事で日本語使用 ・地域のボランティア日本語教室(週1~3回) ・家で毎晩、勉強 【主な教材】 ・みんなの日本語▽「日本語総まとめ」シリーズ▽「耳から覚える日本語能力試験」シリーズ▽NIHONGONOMORI(YouTube) Link:【特集】N1・N2合格者たちの勉強法(ツール編) 夫婦で日本社会に助けられ 妻は2016年8月に日本で合流し、間もなく妊娠しましたが、最初は日本語が分からず苦労しました。週末は私がいますが、平日は周囲にベトナム人仲間がいません。そんな妻を助けてくださったのはボランティア日本語教室の日本人の先生方でした。 妻は当初、約5㌔離れた教室に自転車で週2回通いました。年配の女性の先生2人は日本語を教えるだけではなく、妻を気遣って通院や買い物にも付き添ってくださいました。そして、妻のおなかが大きくなって教室に通えなくなると、交代でわが家に来て日本語を教え、さまざまなサポートもしてくださいました。私たちは本当に助かり、この先生方を恩人だと思っています。 左:日本語教室の先生が持ってきてくれた着物〈群馬県の自宅で2016年〉;右:転居先の自宅で。先生方とは転居後も交流〈2017年〉 日本での仲間づくり 私たちが最初に住んだ群馬県では、当時ベトナム人が少なく、ベトナム人向けの情報もあまりありませんでした。職場でも外国人は私だけでした。ベトナム人仲間を作る機会が少なく、妻は最初さびしがりました。Y-Tec Vietnamの後輩で解雇されずに残っていたベトナム人が隣の埼玉県に少しいたので、妻を連れてたまに会いに行きましたが、普段は日本語教室の先生たちとの交流が頼りでした。 Y-Tec Vietnamに残った元同僚たちとは長く交流〈埼玉県で2018年〉 しかし、神奈川県に移ってからは、ベトナム人の友だちがたくさんできました。ここでも職場で外国人は私だけでしたが、ボランティア日本語教室で同じ境遇のベトナム人3家族と出会いました。これが交流の基点となり、妻の「ママ友」もできました。大阪に移ってからは、仲間がさらに増えました。ベトナム語を使う機会が急増し、ベトナムに住んでいるような感覚です。また、私は訪日後ずっと、職場や地域のベトナム人とサッカーチームを作り、週末に練習や試合を楽しんでいます。 日本語教室のベトナム人仲間の家で食事会〈神奈川県で2018年〉 日本のここが好き 私は日本の治安の良さや日本人の親切が好きです。私はある日、Y-Tec Vietnamのバス旅行で旅先の展望台にかばんを置き忘れました。かばんの中には携帯電話や財布が入っていました。会社に戻って気づくと、会社の人が展望台周辺の関係者に連絡し、かばんが届いていないか、または元の場所に置かれたままになっていないか、問い合わせてくれました。すると、かばんが無事に見つかり、2日後に会社に郵送されてきました。財布の中の現金(約20,000円)も携帯電話もそのままでした。 また、その数年後にも電車内にかばんを置き忘れてしまいました。下車後に気付き、近くの大きな駅に行って駅員さんにお願いしたところ、このときもかばんが返ってきました。中には仕事の資料や財布が入っていましたが、やはり無事でした。 置き忘れ〈イメージ図〉 日本での暮らし 私は3年前に自動車教習所に通って日本の運転免許を取得し、中古車も買いました。教習は約30万円、車は約25万円でしたが、家族と郊外で長く暮らすにはマイカーが欠かせません。日本の工業技術は先進的で、いつか帰国した際に私の知識・技術が祖国の役に立つかも知れません。ただ、いつまで日本に住むかはまだ決めていません。日本では、医療が進んでいますし、農薬が少なく食べ物も安全で大気汚染も少ないので、子どもが大きくなるまでは日本にいる方がよいかも知れません。先のことは分かりませんが、当面は目の前の仕事や生活に集中したいと思っています。 今の大阪の職場で〈2020年10月〉 いとこ家族と日帰り旅行〈奈良県で2020年〉 娘と雪遊び〈神奈川県で2020年〉

    2020年11月12日

主催者

Nhà tài trợ Bạch Kim

後援

  • 在ベトナム日本国大使館
  • 国際交流基金ベトナム日本文化交流センター
  • JNTOハノイ事務所
  • 関西経済連合会
  • 一般社団法人 国際人流振興協会
  • 公益社団法人 ベトナム協会
  • NPO法人 日越ともいき支援会

協力

JASSO(日本学生支援機構)

外国人労働者弁護団

WA.SA.Bi.