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2020年10月12日 ブログ

入管法に関するトピック第3弾です。今回は、「在留カード」について説明します。中長期の滞在を予定して日本に入国する際に「在留カード」を受け取ります。外国人はこの在留カードを常に持ち歩かなければならないということは、ご存知の方も多いと思います。しかし、「在留カード」に関する決まりは携帯義務だけではありません。在留カードに関する決まりには、守らないと刑罰が科されるものが多くあり、注意が必要です。【センチュリー法律事務所・弁護士 杉田昌平】

在留カードが発行される人

在留カードを渡されるのは「中長期在留者」という外国人です。3カ月間以内の在留期間の人や「短期滞在」「外交または公用」の在留資格の人はそれに含まれませんが、「留学」や「技能実習」の場合は在留カードが交付されます。

在留カードの携帯義務

在留カードを交付された人は、在留カードを常に持ち歩かなければなりません。また、例えば警察官などに「在留カードを見せてください」と言われたとき、在留カードを見せることも義務として定められています。

✔ 在留カードの不携帯→→20万円以下の罰金【入管法75条の3】

✔ 警察官などに求められても在留カードを見せなかった場合→→1年以下の懲役か20万円以下の罰金【入管法75条の2第2号】

在留カードを貸してはいけない

在留カードを持っていない人から、例えば、仕事の面接や病院に行くために「在留カードを貸して」とお願いされることがあるかもしれません。しかし、在留カードの貸し借りは、してはいけません。

✔ 何かに使う目的で他人の在留カードを渡す、受け取る、所持する→→強制的に帰国させられる原因になる【入管法24条第3の5号ロ】

✔ 何かに使う(使わせる)目的で自分の在留カードを他人に貸す→→1年以下の懲役か20万円以下の罰金【入管法73条の6第3号】

人助けのためにと思って在留カードを貸したら、貸した人が犯罪をしたことになってしまいます。不法残留の外国人が日本で働き続けるために知人の在留カードのコピーを職場に提出し、その人も在留カードを貸した人も逮捕されたケースがあります。また、他人の在留カードのコピーを病院に提出して手術を受け、費用を支払わずに連絡を絶った事例が報告されています。カードを貸した人も罪になります。自分の在留カードは他人に貸さないようにしてください。

在留カードを借りてはいけない

他人の在留カードを借りることも犯罪です。貸してくれた人にも迷惑をかけてしまいますので、他の人から在留カードを借りないようにしてください。

✔ 何かに使うために他人の在留カードを持つ、または実際に使う→→1年以下の懲役か20万円以下の罰金▽強制的に帰国させられる原因にもなる。【入管法73条の6第1号・2号▽24条第3の5号ロ・ハ】

在留カードをなくしたら

在留カードをなくしたことに気付いたら、その日から14日以内に近くの出入国在留管理局(入管)で在留カードの再交付を申請してください。

✔ 再交付の申請をしない→→1年以下の懲役か20万円以下の罰金【入管法71条の2第2号】

偽造・変造在留カードの禁止

✔ 偽造や変造された在留カードを何かに使うために持つ→→重い罪(5年以下の懲役または50万円以下の罰金)▽強制的に帰国させられる原因にもある【入管法73条の4▽24条第3の5号イ】

✔ 偽造や変造された在留カードを使う→→非常に重い罪(1年以上10年以下の懲役)▽強制的に帰国させられる原因にもなる【入管法73条の3第2項▽24条第3の5号ハ】

例えば技能実習で働く先から逃げ出した場合や、留学の在留期間が終わっても日本に残っている場合は、在留カードがないことがあると思います。在留カードがないと仕事もできませんし、病院にもいけません。そんなとき、偽造された在留カードを売っている情報をSNSなどで見ると、買いたくなるかもしれません。

しかし、偽造や変造された在留カードを作ることは犯罪です。そして、それを持つことも犯罪です。偽造や変造された在留カードを買わないでください。そして、それらを買わなくても済むように、失踪や在留期間が満了する前に、行政の窓口や弁護士会などに相談しましょう。そして、1カ所に相談して解決しない場合でも、あきらめずに他の相談先に相談してください。

技能実習生の場合は、何か困ったことがあれば、まず監理団体に相談し、それでも解決しない場合は、外国人技能実習機構(OTIT)に必ず相談してください。下記ページからベトナム語で相談内容を送信できます。電話もあります(0120-250-168)。

https://www.support.otit.go.jp/soudan/vi/

万一、OTITに相談しても解決しない場合は、下記のような民間の相談窓口もあります。「日越ともいき支援会」は留学生の相談にも乗ってくれます。

日越ともいき支援会(E-mail): n.tomoiki@gmail.com

外国人実習生支援(Facebook): https://www.facebook.com/jissyuseisien/

在留カードの記載事項の変更

在留カードには、氏名や生年月日、国籍、住居地などが書かれています。住所などが変わった場合は、新しい住居地の市区町村の窓口に14日以内に届出を行い、その際に在留カードも持参してください。

✔ 住所変更などの届出をしなかった場合→→20万円以下の罰金【入管法71条の5第2号3号】

最後に

このように在留カードには決まりがたくさんあり、罰則もあります。悪質ではない場合には、「次から注意してください」と注意を受けるだけのこともあります。しかし、その場合でも、在留資格を変更する際や在留期間を更新する際に不利になる可能性があります。在留カードに関するルールを覚え、ルールを守るようにしてください。