日本語能力試験(JLPT)N1・N2の先輩たちも最初はN5レベルから勉強しました。先輩たちの学習方法をまねてワンランク上の日本語力を身に付け、キャリアアップにつなげましょう。また、留学する場合は、留学前にベトナムでできるだけ日本語力を高めてから日本に行く方が、留学の成果がはるかに高くなります。
留学前にベトナムで高い日本語力を身に付けた先輩たちの学習法をシリーズで紹介しています。今回は、日本に2回(計14カ月)留学しただけで日本語をネイティブ並みに話せるようになった先輩の地道で確実な学習法を紹介します。
私はハノイ国家大学の人文社会科学大学東洋研究部で日本の政治・経済を勉強しました。外国語大学に比べて日本語の授業は少なかったのですが、せっかく学習するなら話せるようになろうと思い、独学で補いました。日本への留学は計14カ月間しかありませんが、ベトナムでの勉強で不自由なく話せるようになり、ハノイの日系企業に勤務後、正社員として日本の商社に就職しました。日本で働いていますが、ベトナムへの長期出張もあります。私がどのようにして日本語力を身に付けたのか紹介します。
私はアニメ「銀魂」の登場人物の性格や考え方が好きで日本に興味を持ち、大学で初めて日本語を勉強しました。外国語大学と比べて日本語の授業は少なかったのですが、私は授業の復習に力を入れ、その日に習ったことはその日のうちに覚えるようにしました。そして、試験のときにまた復習しました。
つまり、短い試験勉強のような学習(しっかりした復習)を毎日続け、本当の試験の前にもう一度総復習をするという流れです。こうすると、学んだことが頭に定着する割合が飛躍的に高まります。
また、私は日本語の勉強を兼ねてアニメ動画(音声・日本語、字幕・ベトナム語)もよく見ました。漫画本を読んでストーリーを覚えているので、なるべく音声に集中しました。
私は学んだ日本語を使って自分に話しかける取り組みを頻繁(ひんぱん)に行いました。その日のできごとを言葉にして自分に報告し、それに対して自分で質問したり、その質問に自分で答えたりします。これらをすべて日本語で行い、なるべく新しく学んだ単語や文法を使います。
外国語は、使わなければ忘れてしまいます。口に出して使うことで頭に残り、実際の会話でも口から出るようになります。私は日本語能力試験(JLPT)はN1で、英語のIELTSも7.0(9段階の上から3番目)ですが、日本語も英語もこの学習法がとても効果的でした。
学んだ単語や文法を使いながら日本語で自分に話しかけることで、言葉を頭に定着させるとともに、言葉が口から出やすくなるように準備を重ねたら、今度は実践です。実際の生活の中で使うことで言葉が本当に身に付きます。そして、それは留学しなくてもベトナムででもできます。
私の大学では年に2、3回、東京の大学生たちと一緒に研究をし、一緒に日本語で発表する取り組みがありました。このプログラムを通じて日本人と話す機会が増えました。ネイティブ・スピーカーと話すことで外国語の上達が加速します。
大学3年のときに10カ月間、東京大学に留学しましたが、それが終わってから就職するまで約4年間、ハノイで日本人にベトナム語を教えました。日本語を使いながら教えるので、私の日本語も上達しました。最初は教室だけで教えましたが、途中から家庭教師もしました。相手はJICA、JETROや企業の駐在員やご家族で、人間関係も広がりました。また、Facebookで見つけた通訳のアルバイトもしました。イベントでの通訳が多く、これも日本語を使う機会を増やすことにつながりました。
アインさんはネイティブに近い日本語を話します。彼女の日本語は上級者の中でも特にすぐれていますが、彼女の学習法は初級者にもまねができるシンプルで地道な方法です。その中でも特に重要なノウハウは次の2点でしょう。
✔︎ その日に習ったことをその日のうちに覚える✔︎ 学んだ日本語を使って自分で自分に話しかける
最初は少し苦しいかも知れませんが、こうした努力を毎日続けて習慣にできれば、アインさんのような大きな成果につながります。本気で勉強がしたくなったときは、この学習法を読み返してください。
今回の先輩
Trần Diệu Anh(チャン・ジエウ・アイン)
1993年生まれ、ハノイ市出身。2011年、ハノイ国家大学入学。2013年、東京大学留学(10カ月)。2016年、日越大学の大学院入学。2017年、東京大学留学(4カ月)。2018年、ハノイの日系損保会社入社。2020年、日本の総合商社に入社(東京採用)。
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わたしの体験
KOKORO BLOG
JASSO(日本学生支援機構)
外国人労働者弁護団
WA.SA.Bi.
日本語が話せるようになった留学生や技能実習生の多くが「ボランティア日本語教室」を活用しています。授業料は無料か格安。ベトナム人仲間も増えます。
「ボランティア日本語教室」だけでは足りない人や近くに教室がない人のために、オンラインの個別レッスンを無料で提供しているNPO法人を紹介します。
KOKOROサイトの2020年の人気記事を「留学関連」「技能実習など」「共通」の3カテゴリーに分けて紹介します。日本で成功・失敗した先輩たちのさまざまなノウハウを参照してください。
日本での生活費は都市によって大きく異なります。特に違うのは住宅費と留学の授業料です。留学先については、都会だけにこだわらず、地方で留学するメリットも知っておきましょう。