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日本の災害危険情報と避難指示

近年は気候変動の影響により、大雨による洪水や土砂災害が増えています。そのため、日本では気象情報や避難情報が頻繁(ひんぱん)に発表されます。これらの情報の意味を正しく理解し、早めに適切に行動することが自分や家族の命を守ることにつながります。この記事では、災害危険情報や避難指示について紹介します。※トップの写真はNHKニュース(2026年6月3日)より 〈この記事の内容〉 1.現在の災害情報の概要 2.従来の災害情報との違い ...

2026年07月10日
  • 外国人のための防災の基礎知識と情報収集方法

    2026年06月04日
    日本は災害が多い国です。地震、台風、大雨などが毎年のように発生しています。災害が起きたときに、その災害に関する知識が少ない場合や備えをしていない場合、避難が遅れたり当面の生活に困ったりします。外国人にとっては、言葉や文化の違いによって必要な情報を正しく理解できず、避難のタイミングが遅れることもあります。この記事では、外国人が災害時にできるだけ安全に行動できるように、防災の基本をまとめました。 〈この記事の内容〉 1.日本で起こりやすい災害 2.大雨や台風のときはどう行動するか 3.地震のときはどう行動するか 4.津波の被害を避けるには 5.火山が噴火したときはどう行動するか 6.災害時の避難 7.災害への備え(備蓄など) 8.災害時の情報収集 9.まとめ 1.日本で起こりやすい災害 日本で起こりやすい災害には次のようなものがあります。地域ごとにハザードマップがあり、災害被害の予測について事前に知ることができます。 台風・大雨 事前に予報が出ますが、雨が長く続くと、川のはんらんや洪水、土砂崩れが起こります。 地震 日本ではどの地域でも地震が起きます。揺れが大きい場合、建物が倒れる、家具が倒れる、窓ガラスが割れる、停電、断水などが同時に起こることがあります。 津波 地震の後に発生し、大きな波が非常に速いスピードで陸地に押し寄せます。第二波や第三波などもありますので、長時間の警戒が必要です。 噴火 火山の近くでは火山灰や噴石の影響があります。大きな火山が噴火すると、遠方にも被害が及びます。 2.大雨や台風のときはどう行動するか 日本では近年、地球温暖化の影響で、各地でしばしば集中豪雨(ゲリラ豪雨)が降ります。また、台風も大型化し、たくさんの雨を伴います。 大雨によって洪水が発生すると、建物が水につかることがあります。また、大雨によって山や斜面が崩れたり、土砂が流れて建物が壊れたり道路がふさがれたりすることがあります。 このような洪水や土砂災害から命を守るために、次のような行動をとってください。 大雨や台風への備え ・普段からハザードマップ(災害の発生するおそれがある場所が書いてある地図)で洪水や土砂災害の危険がある場所を確認しておきましょう。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] ハザードマップポータルサイト(国土交通省) 大雨や台風のときの行動 ①海や川を見に行かない ・海や川の様子を見に行って、風雨の影響で水中に転落するケースが非常に多く発生しています。絶対に水辺に近づかないでください。 ②早めに避難 ・気象庁の災害情報などをもとに早めに避難しましょう。避難タイミングをのがすと、風雨がひどくなったり道路が通行止めになったりして移動できなくなることがあります。 ・市区町村から「避難指示」が出たときは、近くの避難所に必ず避難してください。 3.地震のときはどう行動するか 日本の周辺には、複数のプレートが存在しており、世界有数の地震多発地帯となっています。地震から命を守るために、次のような行動をしてください。 地震への備え 地震が起きた場合に避難する場所を家族と話し合っておきましょう。 地域の防災訓練に参加し、災害時の避難方法や避難経路を学んでおいてください。 家具が倒れないように固定しておきます。また、倒れても大丈夫なように、家具の配置にも気をつけます。 地震が起きたときの行動 地震が発生したら、次の点に注意してください。 ① 落下物や転倒物から身を守る ・建物の中にいる場合→落下物から身を守るため、机やテーブルの下に入り、揺れが収まるまで待ちましょう。 ・外出している場合→建物の近くにいると、看板や建物の壁、割れたガラスなどが落ちてくる可能性があるので、カバンなどで頭を守りながら安全な場所に避難してください。 ・車に乗っている場合→車を道路の左はしに停めてエンジンを止め、歩いて安全な場所へ避難してください。 ② 火の始末(火災を防ぐ) ・揺れが収まったら、台所やストーブなどの火を消してください。 ・もし出火した場合は、消火器などでできるだけ消火しましょう。 ・地震の後は、ガス漏れが起きている可能性があるので、火はつけないでください。 ③エレベーターを使わない ・故障して中に閉じ込められる危険性があります。 ④安全な場所に避難 ・揺れが強いと、建物の倒壊や火災の危険があり、山や丘では土砂くずれの危険性もあります。揺れが収まったら、近くの避難場所などへ移動してください。 4.津波の被害を避けるには 海底の下で大きな地震が発生すると、海底が盛り上がったり沈んだりします。これに伴って津波が発生します。 津波への備え 普段からハザードマップなどで危険地域や避難場所への経路などを確認しておきましょう。 地域の防災訓練に参加し、災害時の避難方法を学んでおいてください。 津波が起きそうなときの行動 津波が海岸に近づいてくるのを見てから避難を始めても間に合いません。以下のことに気をつけて早急に避難してください。 ①揺れを感じたら避難 ・海や大きな川の近くで強い揺れを感じたときや、弱い揺れでも長い時間ゆっくりした地震を感じたときは、すぐに海や川から離れ、高台や避難ビルなど高い場所に避難してください。 ②警報を聞いたら避難 ・地震を感じなくても、気象庁から津波警報が発表されたときは、すぐに高い場所に避難しましょう。 ③長時間、警戒する ・最初の津波より第二波や第三波の方が大きい場合もあります。地震の揺れが収まってから長時間の警戒が必要です。 5.火山が噴火したときはどう行動するか 日本には多くの火山があります。噴火から命を守るために、以下の行動をしましょう。 噴火への備え 普段からハザードマップで自分の住む地域にどのような災害の危険性があるのか確認しておいてください。 登山をするとき→気象庁のサイトやハザードマップで火山に関する情報を確認▽登山届を提出▽通信機器やヘルメットを準備。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] Compass(登山届けを出すためのサイト) 噴火が起きたときはこうする ①マスクや布で口をおおう ・火山灰を吸い込んではいけません。火山灰には、細かいガラス片や鉱物の破片が含まれており、肺などに悪影響を与えます。 ②避難 ・建物の中に避難し、火山灰や噴石から身を守ります。 ・市区町村から「避難指示」が出たときは、すぐに安全な場所に避難してください。 ③登山中に噴火が発生したとき ・すぐに火口から離れ、山小屋やシェルターなどに避難してください。 ・頭を守るためにヘルメットをかぶってください。 6.災害時の避難 避難所の様子(さまざまなタイプの避難所があります) 避難場所 ・災害が発生しそうな場合や発生した場合、早めに安全な場所に避難してください。 ・住んでいる地域の避難場所を普段から確認しておいてください。 ※各市区町村のホームページなどで確認できます。 ・避難場所へ行くことが難しいときは、近くの安全な場所(しっかりした建物など)に逃げましょう。 避難指示 ・災害による被害が発生する可能性が高まった場合、自治体が「避難指示」を発令します。テレビやラジオ、スマートフォンへの緊急速報メールなどで避難指示を知ることになります。「避難指示」が出る場合は命の危険もありますので、近くの避難所などにすぐに避難してください。 避難方法 ・避難をするときには、必ず火を消してから外出してください。また、持ち物をできるだけ少なくして背中に背負うなどし、両手が自由に使えるようにしてください。 7.災害への備え(備蓄など) 災害に備えた備蓄 災害時に当面の生活を続けるために、水・食料や緊急用トイレなどの備蓄が必要です。 基本的な備蓄 飲料水:最低でも1人1日3ℓ×3日分以上備蓄してください。大きな地震などが起きると、水道管が破損して長期間、断水することも多いので、できれば1~2週間分準備しておく方が望ましいです。 生活用水:断水に備えて生活用水の備蓄も必要です。 食料(保存食):缶詰やレトルト食品。大災害が起きたら、店の商品はあっという間になくなり、長期間買えなくなります。道路が寸断されると、品物が長期間入ってきません。数日分の備蓄を推奨する記事も多いですが、できれば2週間分以上の備えがある方が良いでしょう。 災害用トイレ:通常のトイレで水が流れなくなりますので、使い捨てトイレ(または大きなゴミ袋)を多めに用意しておきましょう。 非常用持ち出し袋(防災リュック):懐中電灯やラジオ、電池など災害時に必要なものを詰め込んだ袋です。モバイルバッテリーや現金(災害時は電子決済ができないことがあります)、常備薬なども入れておきましょう。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 防災リュックを準備しましょう(JP MIRAI) 外国人にとっては身分証関係も重要 ・在留カード、パスポート、在留資格関連書類:本人確認やさまざまな手続きに必要です。 ※コピーだけでも非常持ち出し袋などに入れておきましょう。 避難場所を事前に知っておく ・大きな災害のときには公共施設などが「避難所」として使われます。避難所になる場所はあらかじめ決まっていますので、市区町村のホームページなどで普段から確認しておいてください。 ・災害が起きたら、自治体の情報などを確認して早めに避難してください。 ・避難所では地域住民との共同生活が原則です。日ごろから「おはようございます」「こんにちは」とあいさつをするなどして、地域住民と良い関係をつくっておきましょう。 連絡方法や集合場所 連絡方法や集合場所を事前に決めておく ・災害が起きた場合に家族や友人と連絡を取り合う方法や集合場所を決めておきましょう。通信障害や停電もありますので、スマートフォンがいつでも使えるとは限りません。 紙に書いた連絡先 ・家族・友人・勤務先・学校の連絡先を書いた紙を持っておくと、災害時にスマートフォンの電波が届きにくい場合や電源が切れた場合に役立ちます。 8.災害時の情報収集 災害が起こりそうなときや災害が起こった場合はどのように情報を収集したらよいでしょうか。 災害時の情報収集ツール 災害時の情報収集ツールには、テレビ・ラジオのニュースや行政の公式サイト、スマートフォンで受け取る緊急速報メールやエリアメール(大きな音とともに通知が届く)などがあります。 災害時に役立つサイトやアプリを紹介します。 外国人向けの災害情報サイト [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 国土交通省の防災ポータル(多言語)※さまざまな災害情報にアクセスできるポータルサイト。各自治体の情報(避難情報など)にもここからアクセスできます。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 気象庁の災害情報(多言語)※さまざまな災害情報を多言語で発信 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] ハザードマップポータルサイト 外国人向けの防災アプリ(スマートフォン用) ・Safety Tips:地震・津波・台風などの災害情報や避難情報を多言語で通知します。 ・NHK WORLD-JAPAN:通常ニュースや災害情報を多言語で配信します。 ※アプリは事前にダウンロードしておくことが重要です。 外国人向けの相談窓口 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 外国人在留支援センター(FRESC)※在留資格や生活について相談できる窓口。災害時にも今後の仕事や生活について相談できます。 フェイクニュースに注意 ・災害時にはフェイクニュースが多発します。特にSNSでたくさんのデマが飛び交うこともあります。不確かな情報を信じないでください。 ・公式情報を優先する:自治体や公的機関、報道機関からの情報を確認してください。 9.まとめ 日本は地震や台風、大雨などの自然災害が多い国なので、災害への備えや知識が重要です。 大雨や台風のときは水辺に近づかず、早めに避難します。 地震のときは落下物から身を守ることと火の始末に特に注意してください。 津波のときは一刻も早く高い場所へ逃げることが重要です。 噴火の際には火山灰から身を守るための対策が必要です。 さらに、災害への備えとして、水や食料などの備蓄、在留カードなど重要書類の管理、避難場所の事前確認などが大事です。 災害時には正確な情報を得ることが重要です。SNSの不確かな情報に惑わされず、自治体や公的機関、報道機関の情報を優先してください。多言語対応の情報サイトやアプリも活用しましょう。 日ごろから準備しておくと、実際の災害時に被害を大きく減らし、避難生活にもしっかり対応することができます。できることから防災対策を始めていきましょう。
  • 日本に長く住むあるベトナム人の大みそかとお正月

    2025年09月08日
    私は日本人男性と結婚し、日本に住んで長い年月がたちました。子育てをしていたころは「お正月は日本とベトナムのどちらの国にとっても大事なイベント」と娘に伝えたかったので、毎年年末には日本の伝統的なお正月の準備をして新年を祝ってきました。その習慣は、娘が大きくなった今も続けています。わが家の年末年始の様子を紹介します。〈執筆:日本に長く住むベトナム人女性〉 ※上の写真は日本の「おせち料理」 〈このページの内容〉 ・年末の過ごし方:お正月の準備 ・わが家のお正月 ・お正月のさまざまな過ごし方 年末の過ごし方:お正月の準備 かがみもち 大そうじと正月の飾り わが家では毎年、年末に家族で大そうじをします。みんなで手分けして部屋や押し入れの中を整理し、不要になったものは捨てます。そして、部屋の窓やバルコニーの大きなガラス窓をていねいにふき、日ごろはあまりそうじをしないキッチンの換気扇もきれいにします。家中がきれいになったら、リビングに「かがみもち」を置きます。かがみもちは日本のお正月の風物詩の一つです。 おせち料理作り 年末になると、日本のデパートやスーパーマーケットで、四角い箱(重箱)に詰められた「おせち料理」のサンプルや写真をよく目にしますね。日本では、日持ちする料理を詰め合わせて1月1日~3日(三賀日)に食べる文化があります。これを「おせち料理」と言います。この記事の冒頭の写真がおせち料理です。私は、おせち料理の中で自分で作れるものは自分で作っています。12月30日や31日はその料理作りでも忙しくしています。 ちなみに、日本に住むベトナムの若者たちの中には、日本の正月に、ベトナムの旧正月(テト)のときと同じようにバインチュンや伝統料理を準備して集まり、宴会を楽しむ人も多いようです。 年こしそば 年越しそば 日本では12月31日のことを「大みそか」と呼びます。大みそかの夜、日本ではそばを食べる習慣があります。このそばを「年こしそば」と言います。わが家でも、大みそかの夜は、家族で年こしそばを食べ、NHKの「紅白歌合戦」を観ながら過ごすのが定番。日本では、大みそかの夜をこのようにして過ごす家庭が多いです。 除夜の鐘(じょやのかね) 大みそかの深夜、お寺に行って108回の除夜の鐘を鳴らす行事に参加してから新年を迎え、そのまま初詣をする人もいます。 わが家のお正月 初もうでの風景 元旦の朝 元日の朝は、家族でおせち料理を囲み、おもちを入れた「雑煮」(ぞうに)を食べます。お雑煮は正月用の特別なみそ汁です。その後、子どもたち(自分の子どもや孫、親せき)に「お年玉」を渡します。お年玉は新年の特別なお小づかいです。 初もうで わが家では、元日の午後は、夫の両親の家を訪問して新年のあいさつをします。その後、神社へ行って「初もうで」。お参りの後は、縁起物の「破魔矢(はまや)」を買い、「おみくじ」を引きます。そして、神社の境内にある露店でたこ焼きなどを買って食べるのも楽しみです。 ちなみに、神社の宗教は神道(しんとう)、寺の宗教は仏教(ぶっきょう)ですが、ほとんどの日本人が宗教の違いを気にせず、神社や寺の景観や立地、にぎやかさなどの基準で行き先を決めます。また、同じ人が日ごろから神社にも寺にも行きます。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 初詣で人気の高い全国の社寺 三賀日(さんがにち)の過ごし方 わが家では、1月2日以降は、それぞれの予定にしたがって過ごします。私は関東地方の大学同士が長距離のリレー競走をする「箱根駅伝」が好きで、1月2日も3日もテレビにかじりついています。三賀日(1月1日~3日)はこのように、お祝いの料理を食べたり、親せきを訪問したり、初もうでに行ったり、自由時間をゆったり過ごしたりする期間です。 お正月のさまざまな過ごし方 わが家の年末年始を紹介しましたが、お正月の過ごし方は人や家庭によってさまざまです。 家族の再会 お正月は、家族・親族が再会する時期です。故郷を離れて暮らしている人は年末年始に実家に帰省することも多く、親や親せきといっしょに過ごします。 旅行・レジャー 年末年始には、海外や国内に旅行に行く人もたくさんいます。このため、年末年始の公共交通はとても混雑し、ホテルの宿泊費も高くなります。これは日本のゴールデンウィーク(4月末~5月上旬)や盆休み(8月)と同じです。また、たとえば東京に住んでいる人が遠くに行かない代わりに都内の高級ホテルでぜいたくな年末年始を過ごすというケースもあります。 日本に住んでいる私のベトナムの友人にも、日本の正月休みを利用してベトナムに帰省する人が多いです。ベトナムの旧正月(テト)の時期に日本で長期休暇を取るのは難しいケースが多いためです。 もち 日本のお正月の食べ物で欠かせないのは「もち」です。ベトナム人はもちにハムなどをはさんで食べますが、日本人は焼いたもちを雑煮(ぞうに)の中に入れたり、もちにのりを巻いてしょうゆをつけたり、大根おろしとしょうゆをつけたりして食べます。私はチーズをはさんでしょうゆをつけて食べるのが好きです。 年賀状 日本では、新年のあいさつをはがきに書いて郵便で送る「年賀状」という文化が長く続いています。日本郵便は毎年11月1日に年賀はがきを発売します。絵や図柄が裏に印刷されている年賀はがきもあれば無地の年賀はがきもあります。無地の年賀はがきに家族の写真やあいさつ文をパソコンなどで印刷して送る人も多くいます。 年賀はがきの発行枚数は2003年にピークの約44.6億枚を記録しましたが、近年はメールやSNSで年始のあいさつをすませる人が急増し、年賀状文化は急速に衰退しています。年賀はがきの発行枚数は年々減り、2025年用(2024年12月発売)は約10.7億枚でした。
  • 東京で生活・通学・仕事をする外国人の強い味方「東京都多言語相談ナビ」/無料

    2025年02月26日
    東京都で生活や仕事、勉強をしているベトナム人の皆さん、仕事や生活で困ったことがあったとき、「信頼できる相手に相談したい」と思ったことはありませんか? そのようなとき、あなたはベトナム人が運営するSNSで情報を探すことが多いことでしょう。しかし、SNSの情報の中には重大な間違いが含まれることもよくあります。「確かな相手に相談したい」「法律的な知識についても専門家に相談したい」。そんなときは、「東京都多言語相談ナビ」を使ってみてはいかがでしょうか? この記事では、公的機関が提供する電話相談サービス(無料)や地域の日本語教室(低額)を探すためのサイトについて紹介します。 〈このページの内容〉 1. ベトナム語で生活相談 2. 無料の法律相談 3. 無料の在留相談(ビザ・入管関係) 4. 日本語教室を探すサイト 5. まとめ 1. ベトナム語で生活相談 「東京都つながり創生財団」(つながり財団)はフリーダイヤルで外国人からのさまざまな相談に応じています。不要品を回収してもらう方法(粗大ゴミの出し方)や役所でのさまざまな手続き、年金のこと、保育園や学校のこと、医療のこと、交通事故のことなど、あなたの悩みや質問に、つながり財団のベトナム人スタッフが答えます(ベトナム人以外のスタッフがベトナム語通訳と一緒に答える場合もあります)。 相談は無料です。 このサービスの名前は「東京都多言語相談ナビ」です。ベトナム語も含めてさまざまな言葉で相談することができるので「多言語」という名前がついています。もちろん、日本語が得意な場合は、日本語でも相談できます。 東京都多言語相談ナビ 【相談できる人】 ・東京都内に住んでいる人 ・東京都内で働いている人(住所は東京以外でもOK) ・東京都内の学校に通っている人(住所は東京以外でもOK) 【相談できる日】 ・月~金(10:00~16:00) ※日本の祝日をのぞきます。 【電話番号】 0120-142-142 ※電話料金はかかりません。 ※電話にはベトナム人以外の人が出る場合もありますが、あなたが「ベトナム語でお願いします」と言えば、ベトナム人スタッフに代わるかベトナム語通訳を加えます。 【相談料】 ・無料 ※1回の相談時間は60分までです。 どんな相談が多いの? 「東京都多言語相談ナビ」に外国人から寄せられる相談はさまざまで、相談の種類としては次のようなものが多いです。 ・在留資格(広い意味の「ビザ」) ・住宅 ・医療 ・労働関係 ・結婚・離婚 ・出産・育児 ・保育園や幼稚園 ・学校 ・生活一般 ・交通事故 ◆具体的な相談例 生活一般 ・粗大ゴミ(大型ゴミ)の捨て方がわからない(ベッドを捨てたい、スーツケースを捨てたい、など)。・役所から手紙が届いたが、手続きの仕方がわからない。・保育園の探し方や申し込み方を教えてほしい。 医療 ・虫歯の治療をしたい(どこの歯科に行けばよいか、保険は使えるのか、など)。・予防接種を受けたい。 住宅(賃貸住宅) ・電気やガスを止められた。・アパートの契約期間がもうすぐ満了する。更新するにはどうしたらよいか。・アパートの退去の手続きについて教えてほしい。 その他 ・国民年金の納付書が届いたが、どうしたらよいかわからない。 変わった相談もありますか? 「東京都多言語ナビ」にはさまざまな相談があり、めずらしい相談もあります。相談ナビが分からない質問については、ほかに相談できるところを案内します。 ◆相談例 相談例① ・5、6人の警察官が家に押しかけ、尿検査を強要された。ベランダでお灸(きゅう)を使用していたため、薬物使用を疑った近所の人が通報したようだ。 相談例② ・ベランダに置いていた粗大ごみが台風でふき飛ばされ、階下の部屋の窓ガラスと車を破損させてしまった。自然災害によって予期せず加害者となってしまったが、どこまで責任を負うべきか。→この相談には無料の法律相談を紹介しました。 2. 無料の法律相談 もし、あなたがトラブルに巻き込まれた場合や日本の法律が分からなくて困っている場合は、無料で法律相談を受けられます。日本の弁護士が対応し、通訳もつきます。 【無料法律相談】 ・1回60分まで ・予約が必要です。多言語相談ナビに電話して予約してください。 0120-142-142 【相談できる人】 ・東京都内に住んでいる人 ・東京都内で働いている人(住所は東京以外でもOK) ・東京都内の学校に通っている人(住所は東京以外でもOK) 【相談できる日】 ・月・水・金曜日(①13:30~、②14:45~) ※日本の祝日をのぞきます。 ◆相談例 日本語学校 ・高額な入学料と授業料を前納したが、授業に不満なのでやめることにした。授業料を返してほしい。 離婚 ・日本人の配偶者と離婚したいが、財産分与はどうなるか、どの国の法律が適用されるか。・日本人の配偶者と離婚したが、相手が子どもの養育費を払ってくれない。 賃貸住宅 ・家主から退去するように言われたが、従う必要があるのか。・退去にあたって部屋の修繕費を請求されたが、内容に納得できない。 交通事故 ・仕事でレンタカーを使って事故を起こした。勤務先の会社が保険等で対応してくれない。自分はどこまで責任を負うべきか。 交通事故 ・レンタカーで冷蔵庫を運んでいる途中に駐車車両にぶつかったが、相手と連絡が取れないので、立ち去った。その後、警察から連絡がきた。保険は使えるか。→これについては、警察に通報せずに立ち去ったので、保険は適用されません。交通事故を起こしたら、まず警察(電話で110)に連絡し、警察官に現場に来てもらわなければなりません。 3. 無料の在留相談(ビザ・入管関係) 東京都多言語相談ナビは「無料在留相談」も行っています。在留資格(広い意味のビザ)のことや在留期間のことなど、入管手続きで分からないことがあれば、遠慮なく相談してください。 【無料在留相談】 ・1回60分まで ・予約が必要です。多言語相談ナビに電話して予約してください。そのときに在留カードに書いてある内容を聞きますので、在留カードを手もとに用意して電話してください。 0120-142-142 【相談できる人】 ・東京都内に住んでいる人 ・東京都内で働いている人(住所は東京以外でもかまいません) ・東京都内の学校に通っている人(住所は東京以外でもかまいません) 【相談できる日】 ・毎月4番目の火曜日(14:00~16:00) ※日本の祝日をのぞきます。 【相談の場所】 ・つながり財団の事務所(西新宿) ・Zoom(オンライン) 【相談例】 ・特定技能外国人だが、妻を日本に呼べるか。 ・入管から書類が届いたが、内容を理解できない。 ・留学生だが、特定技能ビザや就労ビザに切り替えるにはどうしたらよいか。 4. 日本語教室を探すサイト つながり財団は、東京都内の日本語教室を探すためのウェブサイト「東京日本語教室サイト」も運営しています。 日本で仕事や留学をしているベトナム人の皆さんには、「安い費用で日本語をもっと教えてもらいたいなあ」と思っている人も多いことでしょう。「東京日本語教室サイト」はそういう人たちにボランティア団体などが低額で授業を提供している「日本語教室」を紹介するサイトです。 ※「日本語教室」は「日本語学校」ではありません。地域の日本人たちが低額で日本語を教えてくれる教室です。 そのサイトで紹介されている日本語教室には、先生と会って対面で教えてもらう教室とオンラインで教えてもらう教室の2種類があります。紹介されている教室はすべて東京都内の教室で、たくさんの教室が紹介されています。 もし、その中に興味のある教室が見つかった場合は、教室紹介ページの中にメール送信フォームがありますので、そこから問い合わせや申し込みをすることができます。 5.まとめ この記事では、「東京都多言語相談ナビ」の活動を中心に紹介しました。多言語相談ナビは、外国人が日本で生活や仕事、留学などをする上でのさまざまな悩みや質問について、その外国人の母国語で相談に乗ってくれます。 その中で法律に関する専門知識が必要な相談があれば、弁護士と通訳が対応する無料法律相談も受けられます。 また、入管手続きやビザに関する問題については、特別な相談日を設けて対応しています。 休みの日や仕事が終わった後の夜などに教室やオンラインで日本語の勉強をしたいと思っている人には、地域の人と知り合いになれて、低額で日本語を学ぶことができる日本語教室を探すための「東京日本語教室サイト」も運営しています。 「東京都つながり創生財団」は公的な団体で、営利団体ではありませんので、これらの無料サービスはいずれも安心して使えます。東京都に住むベトナム人の皆さん、あるいは東京都で仕事や留学をしているベトナム人の皆さん、「東京都多言語相談ナビ」のサービスをぜひ使ってみてくださいね。

留学生・技能実習生・エンジニアをサポートするサイト

【在ベトナム日本国大使館後援】

  • 外国人在留支援センター(FRESC)に行ってみた

    今年7月に東京・四ッ谷にできた外国人在留支援センター(FRESC=フレスク)に行ってみました。弁護士による相談窓口や入管、ハローワークなどがワンフロアに集まり、通訳付きで連携して対応してくれます。4省庁・8機関(全体でスタッフ約140人)が集まる最新施設の様子を取材しました。 FRESCってどこにあるの? ・所在地: 東京都新宿区四谷1-6-1 (CO・MO・RE YOTSUYA 13F) JR中央線・総武線「四ツ谷駅」、東京メトロ丸の内線・南北線「四谷駅」から1~3分の巨大なビルの13階にあります。ビルの名前は「四谷タワー」(別名CO・MO・RE YOTSUYA)です。 ① 四ッ谷駅上のatreの近く FRESCはこのビルの13階 ③ 地上階ではここから入ります。 ④ エスカレーターで2階へ(2階からはエレベーター) FRESC(フレスク)とは 日本に住む外国人や外国人を雇用する企業を支援する国の8つの機関を1カ所に集め、相談を受けやすいように工夫した施設です。例えば、入管にもハローワークにも用事がある人、法テラスと入管に同時に相談したい人など、さまざまなニーズにワンフロアで対応できます。開所以来、来所での相談は1日平均100件以上あります。 また、9月からは、新型コロナの影響で困っている外国人から無料で電話相談を受ける「FRESCヘルプデスク」(多言語対応)を臨時的に実施しており、最近は1日約20件の相談を受けています。来所もヘルプデスクも対応は月~金の9:00~17:00です ワンフロアに8機関が集結 【FRESCに集まっている主な機関】 ❶ 東京入管(東京出入国在留管理局) ・日本に住む外国人や外国人を雇用したい企業の相談に乗ります。原則・予約制(電話番号は下記)。 ❷ 東京法務局人権擁護部 ・外国人や障害のある人への差別、いじめ、虐待、パワハラ、セクハラなど、人権に関するさまざまな問題の相談に乗ります。 ❸ 法テラス ・正式名は「日本司法支援センター」。法制度や相談窓口を紹介します。弁護士が法律的なアドバイスや解決方法の提案を行うこともあります。その後、弁護士への依頼が必要な場合は、地元の法律相談窓口を案内します。経済的に余裕がない人には、弁護士費用の立 替えも行います(=条件あり)。 ❹ 東京労働局外国人特別相談・支援室 ・厚生労働省の組織で、外国人労働者から労働条件などに関する相談を受けます。外国人を雇う企業からも法律関係などの相談に応じます 。 ❺ ハローワーク ・正式名は「東京外国人雇用サービスセンター」。高度人材(留学生や専門・技術的分野の在留資格を持つ外国人)の就職・転職を支援します。一般のハローワークより通訳も充実しています。 ❻ 外務省ビザ・インフォメーション ・家族を呼び寄せる際のビザ申請手続きなどの相談に応じます。 具体的な相談例 ★ 相談例1 「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で勤務している。在留期限がもうすぐ切れるので更新したいが、会社が必要書類(課税証明書や雇用契約書など)を用意してくれない。 【労働局、法テラス、入管、ハローワークが対応】 ・会社が相談者に仕事を辞めさせようとしている可能性があるので、会社と争う場合に備えて会社とのやり取りを記録することなどを説明し、地元の法律相談窓口を紹介。 ・今の職場で雇用が継続されない場合に備えて新しい仕事探しの相談 ・転職する場合のつなぎの在留資格について説明 FRESCの相談ブース ★ 相談例2 新型コロナの影響で帰国できず、在留期限が切れそうだ。 【入管とハローワークが対応】 ・在留期限更新や在留資格変更の制度・手続きについて説明 ・帰国までの仕事探しについてアドバイス ◎ 相談後はどうするのか? FRESCでは、仕事の紹介以外は、制度や支援策に関する情報提供や相談を行います。相談後の実際の対応は自治体など地元の行政機関や支援者、本人が行います。問題解決への道筋を教え、関係機関などを紹介するのがFRESCの役割です。 トップインタビュー FRESCの田平浩二(たびら・こうじ)センター長に聞きました。 田平センター長(中央前) ――相談者の国籍は? 田平 把握できている中では中国人が一番多く、2番目以降は、月によって変わりますが、ベトナム人や韓国人などが多いです。日本人の支援者や知人の来訪もよくあります。 ――相談者の在留資格は? 田平 今のところ、入管やヘルプデスクへの相談は「技術・人文知識・国際業務」の人からが多く、技能実習生や留学生からの相談もあります。外国人技能実習機構(OTIT)とも意見交換しています。在留資格にかかわらず、困ったことがあれば遠慮なく相談に来てください。 ――他のハローワークとFRESCのハローワークの違いは? 田平 FRESCは高度人材(留学生や専門・技術的分野の在留資格を持つ外国人)の就職・転職を支援します。また、一般のハローワークより通訳が充実しています。永住者や定住者は、新宿駅近くにある別の外国人専門ハローワークで 支援します。 ――ワンストップ制度のメリットについて 田平 来所の場合もFRESCヘルプデスク(0120-76-2029)での相談の場合も、相談中に複数機関での対応が必要と分かれば、その場で対応できます。また、入管の電話予約(03-5363-3025)で相談の概要があらかじめ分かれば、必要な機関が最初から一緒に相談を受けることもできます。 ――相談者の居住地域は? 田平 来所者は東京や周辺の県からの方が多いようですが 、FRESCヘルプデスクには全国から電話がかかってきています。 まとめ FRESCは外国人からの相談に対する一元的対応を目指しています。通訳・電話通訳も充実していますので、もし困ったことがあれば、皆さんも遠慮なく利用してはいかがでしょうか。 ◎ FRESCヘルプデスク(0120-76-2029)=月~金(9:00~17:00) ◎ FRESCの入管電話予約(03-5363-3025)=月~金(9:00~17:00) ※ベトナム語での対応を希望する場合は、いずれも最初に「ベトナム語でお願いします」と日本語か英語で告げてください。

    2020年12月16日

  • ベトナム人ゆかりの寺院(東日本)

    お寺は古くからベトナム人の心に深く根付いています。日本には、もともとたくさんお寺がありますが、ベトナム人に縁の深い寺も増えています。在日ベトナム人の心の支えになっているほか、困窮したベトナム人たちの支援を行っているお寺もあります。 大恩寺(埼玉県) 大恩寺は新型コロナの影響などで困っているベトナム人を保護(寺に住ませ食事も提供)したり、帰国のサポートをしたりしてきました。保護した人が野菜を栽培できるように支援したり、その人たちの悩みの相談に乗ったりもしています。また、日本の会社から求人があれば、保護しているベトナム人に情報を提供し、再就職を支援します。 現在はティック・タム・チー僧侶が管理し、正月や旧正月、4月の花祭り、盂蘭盆会(うらぼんえ)などの年間行事を行っています。また、ベトナム人コミュニティの団結や故国への思いを大切にしてもらうことを目的に活動しています。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 「大恩寺」のFacebookページ 大恩寺 所在地 埼玉県本庄市児玉町高柳 668-2 電話 080-4133-6999 交通 JR児玉駅から5キロ以上。バスはない。 南和寺(埼玉県) 南和寺は2006年に建てられた敷地300平方㍍の寺で、ティック・ヌー・トン・タン僧侶が管理をしています。正月や旧正月、花祭り、盂蘭盆会などの年間行事にはベトナム人が100人以上集まります。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 「南和寺」のFacebookページ 南和寺 所在地 埼玉県越谷市小曽川1019-2 電話 048-977-8323 交通 東武伊勢崎線の越谷駅前からバス。「しらこばと水上公園」で下車し、約550㍍。 ベトナム寺(神奈川県) 2010年に開設され、創始者が亡くなった後、2018年からはティック・ニュアン・アン僧侶とティック・ヌー・ゾイ・バオ 僧侶が管理・運営をしています。ベトナム寺でも正月や旧正月、花祭り、盂蘭盆会などの年間行事を行っています。 また、在日ベトナム人や地域の日本人向けに仏教入門や座禅、ヨガ、ベトナム語、日本語などの指導を行ってきました(現在はコロナ禍のため休止中)。 さらに、妊娠などベトナム人の悩みの相談、親が亡くなったのに新型コロナの影響で帰国できない人の支援、日本で亡くなったベトナム人の葬儀なども行ってきました。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 「ベトナム寺」のFacebookページ ベトナム寺 所在地 神奈川県愛川町半原4889-1 電話 046-281-4226 交通 小田急線・本厚木駅前から半原行きバス(01番か02番)で「半原」下車(乗車約50分)。そこから約500㍍。 精進寺(静岡県) 毎月・第1日曜日に行われる修行の様子 地元のベトナム人コミュニティの財政支援で2018年に設立されました。ベトナム人コミュニティを育み、ベトナムの国民文化を守る場所として活動しています。正月と旧正月、花祭り、盂蘭盆会などの年間行事以外に毎月・第1日曜日の修行も行っています。 また、さまざまな組織と協力して、困窮しているベトナム人技能実習生や留学生に食料を提供したり、必要な法的手続きに関するアドバイスを行ったりしています。2020年1月には、約1,000名参加のチャリティー・コンサートも開催しました。2021年には、新型コロナの影響で困っているベトナム人たちに計約300㎏の米を配りました。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 「精進寺」のFacebookページ 精進寺 所在地 静岡県浜松市西区大久保町 6044-1-2 電話 090-9819-1987 (ティック・タイン・ズエン住職) 交通 JR浜松駅前から37番バスで「西ノ平」下車(30分以上乗車)。そこから約550㍍。またはJR舞阪駅からタクシーで15分。

    2021年08月05日

  • ベトナム人ゆかりの寺院(西日本)

    日本ではベトナム人に縁の深い寺も増えており、在日ベトナム人の心の支えになっています。また、困窮したベトナム人たちの支援を行っている寺もあります。今回は西日本にあるベトナム人にゆかりの深い寺院を紹介します。 1.大南寺(兵庫県) 大南寺は、ティック・ニュアン・フォー僧侶が龍谷大学の留学生だった時代に、信者たちとともに純粋なベトナム寺院を日本に建てようと1400平方㍍の土地を購入して2013年に建てた寺院です。現在の住職はティック・トゥオン・ギェムさん。正月や旧正月、4月の花祭り、盂蘭盆会(うらぼんえ)、中秋の名月などの年間行事のほか、毎月1回、一般信者が参加する修行を行っています(現在は新型コロナウイルスの影響で休止中)。 また、ベトナム人コミュニティの暮らしの安定を助ける▽ベトナム人コミュニティの権利を保護し、生活、仕事、社会での困難を支援する――などのミッションを掲げ、下記のようなコミュニティ支援に力を入れています。このため、生活・仕事・留学などに行き詰まった在日ベトナム人の相談に乗り、寺に住ませるなどの保護やアドバイス、必要な支援も行っています。 コミュニティ活動 ✔︎ ベトナムと日本の文化交流 ✔︎ 在日ベトナム人の生活や仕事への助言・サポート ✔︎ ベトナム人の葬儀を支援 ✔︎ ベトナム中部地域の洪水で被災した人たちや、日本で(何らかの事情で)治療できない重病を患っている人たちへの寄付金や必需品の募集と提供 ✔︎ ベトナムの山岳地帯に住む子どもたちのために学校を建てたり食事を提供したりする 大南寺は広島県府中町の久蔵寺(きゅうぞうじ)や福岡県北九州市の永明寺(えいみょうじ)とも協力し、それぞれの寺院での修行などにも協力しています。いずれもベトナム人がたくさん集まるお寺です。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 大南寺のHP [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 久蔵寺のHP [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 永明寺のHP 大南寺 所在地 兵庫県姫路市四郷町坂元157-1 電話 079-258-0961、090-9259-0696(ティック・ドゥック・チー僧侶) E-mail dainamtemple@gmail.com 交通 JR神戸線・御着駅から1.7㎞(徒歩の場合)。駅から400㍍離れたバス停からバスもあるが、乗り継ぎが必要で片道運賃も440円かかるため、3人以上なら駅からタクシーを利用する方が経済的。 2.和楽寺(兵庫県) 大南寺の姉妹寺で、2011年から活動しています。大南寺と同じミッションを持ち、同じくベトナム人コミュニティの支援に力を入れています。そして、大南寺と同じように生活・仕事・留学などに行き詰まった在日ベトナム人の相談に乗り、保護やアドバイス、支援を行っています。 KOKORO編集部が2021年4月にこの寺を訪れた際は、寺のスタッフ以外に2人のベトナム人がこの寺に住んでいました。1人は30代の元技能実習生の女性。病気で実習を中止し、ベトナムに帰国するまでの滞在と帰国支援を求めてこの寺に来ました。監理団体(組合)が支援してくれないため、和楽寺に助けを求めました。 もう一人は元留学生の男性で、仙台の日本語学校に通っていましたが、学業とアルバイトを両立できず、退学してオーバーステイ(不法滞在)で働いていました。2020年11月、大阪でフード配達のアルバイト中に警察に逮捕され、有罪判決を受けましたが、執行猶予が付いたので収監されず、人生を立て直すためにこの寺に来ました。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 和楽寺のFBページ 和楽寺 所在地 兵庫県神戸市長田区東尻池町8-2-14 電話 078-651-6505、090-9259-0696(ティック・ドゥック・チー住職) E-mail ドゥック住職:thichductrijp@gmail.com 交通 神戸市営地下鉄海岸線・苅藻駅から200㍍ 3.福光寺 (大阪府) 福光寺(右奥)の前で信者とあいさつを交わす住職 Ⓒ毎日新聞社 約2000人の在日ベトナム人が暮らす大阪府八尾市。JR八尾駅近くの路地裏に、黄や赤の華やかな「仏旗」で彩られた建物があります。民家を改装した寺院で、2014年に地域のベトナム人向けに開かれた「福光寺(ふっこうじ)」です。一般信者向けの修行は毎月・第1日曜日に行われています。 福光寺での説法の様子 Ⓒ毎日新聞社 福光寺にはベトナムから運んできた仏像があり、地域のベトナム人の大事な祈りの場です。また、ベトナム人同士の貴重なコミュニケーションの場にもなっています。周辺には、ベトナム料理店やベトナム食材店なども多数あります。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 福光寺のFBページ 福光寺 所在地 大阪府八尾市安中町7-5-10 E-mail chuaphuocquangyao@gmail.com 交通 JR関西本線・八尾駅から800㍍ 4.福圓寺(兵庫県) 福圓寺(クアン・二エム住職)も地域のベトナム人仏教徒の祈りと交流の場になっています。この寺では毎月・第2日曜日に一般信者が参加できる修行を行っています。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 福圓寺のFBページ 福圓寺 所在地 兵庫県姫路市花田町高木194-4 電話 090-6464-8597 交通 JR姫路駅の北口から神姫(しんき)バス「城見台行き」乗車。「大小路」で下車後徒歩1.4㌔。 5.徳林寺(愛知県名古屋市) 徳林寺は約30年前から困窮者や難民などの保護を続け、2011年の東日本大震災でも被災者を受け入れました。また、ベトナム人留学生の僧侶も長年、受け入れてきました。 寺の敷地内には困窮者のためのシェルターがあり、数十人が暮らせます。高岡秀暢(しゅう・ちょう)住職は2020年、新型コロナの影響で失業するなどした在留外国人を多数受け入れ、転職や帰国までの住居や食料を提供しました。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 徳林寺(KOKOROの記事) 徳林寺 所在地 愛知県名古屋市天白区野並相生 電話 052-896-1606 交通 地下鉄桜通線・相生山駅から徒歩600㍍ 6.愛知福慧寺(愛知県稲沢市) 愛知福慧寺(ティック・ニュー・タム住職)は徳林寺の高岡住職の全面的な支援を受けて同寺院の敷地内に2013年4月に設立されました。2019年、愛知福慧寺は稲沢市の古民家を購入し、徳林寺から移転しました。 愛知福慧寺は新型コロナへの対応として、在日ベトナム仏教信者会やその他の支援団体と連携して“Mon qua yeu thuong(愛の贈り物)”というプロジェクトを行っています。東海地方(愛知県、三重県、岐阜県)やその周辺地域で困窮しているベトナム人に食料などを送るプロジェクトです。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 愛知福慧寺のFBページ 愛知福慧寺 所在地 愛知県稲沢市祖父江町神明津治左エ門西3192 電話 090-9915-5347 交通 名鉄尾西線・上丸渕駅から徒歩3.8㌔。1日の修行の場合、駅から送迎サービスがあります。

    2021年08月13日

  • 名古屋の駆け込み寺「徳林寺」

         名古屋市の徳林寺を6月初めに訪れました。寺には十数室の宿坊(宿泊施設)があり、新型コロナウイルスの影響で生活に行き詰まったベトナム人四十数人とスリランカ人2人が身を寄せていました。      そのうちの1人ハインさん(25)=仮名=は2018年、技能実習生として沖縄の建築現場で働き始めました。しかし、仕事でミスをすると、上司に資材の鉄筋でヘルメットの上からたたかれました。ある日、鉄筋ですねをたたかれて激しく痛み、実習生の面倒をみる監理団体(受入組合)に相談しました。しかし、組合の責任者が通訳なしで訪れてほとんど調査せず、通院と休暇1日を手配しただけで終わりました。 鉄筋で頭をたたくいじめはその後も毎日続き、ハインさんは約2カ月後に姿を消します。実習生が職場を離れると不法滞在ですが、彼らに仕事を紹介する違法業者がいます。ハインさんもこうした業者を頼って全国を転々とし、アルバイトで1年半近く過ごしましたが、新型コロナで仕事がなくなり、名古屋入管に出頭しました。入管の許可を得て、出国まで徳林寺にお世話になる予定です。 ハインさん(左)      徳林寺の滞在者を管理するのは在東海ベトナム人協会副会長のユン・テイ・トゥイ・ユンさん(41)。2001年から日本に住み、地域のベトナム人の相談役です。ユンさんは生活に困った実習生や留学生の支援について高岡秀暢(しゅう・ちょう)住職(76)に相談し、4月から徳林寺でベトナム人の保護を始めました。 宿坊 宿坊の部屋      滞在者らは北海道や神奈川、大阪、鹿児島などで技能実習や留学をしていましたが、仕事がなくなり、Facebookで知ったユンさんに連絡してきました。滞在中の四十数人のうち70~80%は元技能実習生で、その大半がハインさんと同じく不法滞在者だったそうです。ほかに出国できない元留学生や元エンジニアもいます。      徳林寺は約30年前から困窮者や難民などの保護を続け、2011年の東日本大震災でも被災者を受け入れました。高岡住職は「不法滞在者が入管に出頭しても働くことはできず、だれかが生活の面倒をみなければならないので、うちで引き受けた。ただ、新型コロナの影響でいつ出国できるか見通しが立たないので、食料や資金の支援が引き続き必要です」と話しています。寺は住居と食料を提供し、協会がそれ以外の世話をするという役割分担で、料理・掃除・洗濯などは滞在者が自分たちで行っています。      保護を求める人の増加に備え、宿坊の増設を進めるベトナム人滞在者ら(2020年6月) 【徳林寺】 ◇ 住所:〒468-0037 名古屋市天白区野並相生 ◇ 生活や労働関係の相談=在東海ベトナム人協会・ユン副会長(080-3610-6997) ◇ 寄付(食料、お金)の連絡=高岡住職(052-896-1606)

    2020年06月12日

  • 技能実習生のベトナム帰国体験記

    新型コロナの影響でベトナムに帰国できない技能実習生や留学生が日本にたくさんいますが、帰国の流れが徐々に加速し、名古屋市の技能実習生ゴックさん(21)も11月9日にベトジェットのチャーター便で帰国できました。 技能実習生時代のゴックさん=右〈2019年〉 鹿児島からチャーター便で帰国 ゴックさんは名古屋市内の工場で技能実習をしていました。今年7月に実習が終わりましたが、新型コロナの影響ですぐには帰れず、工場に残って後輩の指導などをしていました。ゴックさんはベトナム大使館のHPで鹿児島からベトナムに帰国するチャーター便の募集を発見して申し込み、11月6日に大使館から「搭乗OK」の連絡をもらいました。そして、11月9日に鹿児島からベトナム北東部ヴァンドンに飛んでその日の夜に帰国し、現在は、海の見えるホテルで隔離生活を送っています。 ヴァンドン空港に到着したチャーター便〈2020年11月9日〉 帰国と隔離の費用 かかった費用(税込み)は下記の通りでした。飛行機代はすべて会社が支払い、ゴックさんは出発までにすべての費用を航空会社やホテルに振り込みました。 1名古屋→鹿児島の飛行機代=16,240円 2鹿児島→ヴァンドンの飛行機代=12,900,000 VND(約58,800円) 3ハロンでのホテル滞在費(2週間)=18,700,000 VND(約85,300円) 1名古屋→鹿児島の飛行機代=16,240円 2鹿児島→ヴァンドンの飛行機代=12,900,000 VND(約58,800円) 3ハロンでのホテル滞在費(2週間)=18,700,000 VND(約85,300円) ゴックさんのベトジェットの予約票(携帯電話の画面) 帰国に必要な書類 帰国するにあたり、実習先の会社と監理団体(組合)に「技能実習修了証明書」や「厚生年金基金加入員証」など必要書類を用意してもらいました。会社はゴックさんにもう少し日本にいてほしかったようですが、ゴックさんは外国人技能実習機構(OTIT)に依頼して会社を指導してもらい、会社は出発までに書類をそろえてくれました。技能実習制度の決まりで、訪日と帰国の際の飛行機代は受入会社が全額負担しなければならないので、OTITの指導で飛行機代も会社から払ってもらうことができました。 ゴックさんの必要書類 名古屋から鹿児島、鹿児島からベトナムへ 11月9日午前4時、監理団体の担当者が会社の寮にゴックさんを迎えに来て車で中部国際空港(セントレア)まで送ってくれました。セントレアを午前6時半に出て鹿児島空港に午前8時に到着。午前11時のチェックイン開始を空港で待っていると、名古屋の近くの工場で働いていた別の会社の技能実習生と会いました。彼とは地域の実習生仲間の宴会でよく一緒になりましたが、連絡を取り合っていなかったので、お互いとてもびっくりしました。 午前11時にチェックインが始まり、出国審査を終えて搭乗口に行くと、防護服を配られてみんなで着ました。一緒に飛行機に乗った人たちの中には技能実習生がたくさんいました。 近所の工場で働いていた実習生と鹿児島空港で再会〈11月9日〉 3年ぶりのベトナム! 飛行機はその日の夜にヴァンドン国際空港に着き、防護服を着たまま入国審査を経てバスに乗り込み、約1時間かけてハロン市内のホテルに移動しました。ホテルの部屋は立派で、年上の女性と2人です。この女性は孫に会うために今年3月に6カ月間の在留資格で訪日し、コロナの影響で帰国できなくなっていたそうです。 帰国した翌朝のホテルの朝食〈11月10日〉 到着した翌朝の朝食はフォーでした。部屋から廊下にも出られず、食事は自分の部屋でとります。部屋から外に出られないので不便ですが、窓から海と街並みが見えて景色を楽しめます。ハイズオン省に住むご家族がゴックさんをホテルに迎えるに来るのは11月23日夜。3年4カ月ぶりの家族との再会をゴックさんは指折り数えて待っています。 ホテルの部屋からの眺め〈ハロン市で11月10日〉 困ったときは、まずOTITに相談 ところで、ゴックさんが帰国準備を始めたとき、実習先の会社は飛行機代や必要書類をすぐには用意してくれませんでした。そこで、大使館からチャーター便に乗れるという連絡をもらった11月6日、ゴックさんは会社を休んでOTIT名古屋事務所に行きました。その際、名古屋市の支援団体「外国人実習生支援」などに相談して簡単な手紙を書き、持っていきました。手紙には、自分の名前や在留カードの番号とその日の日付に加え、「私は名古屋市の技能実習生で、7月に実習が終わったが、新型コロナの影響で日本に残っている」「飛行機の予約が取れたが、会社が飛行機代をすぐに支払ってくれない」などと書きました。その手紙をOTITで渡すと、担当係長ら2人が出てきてゴックさんの話をじっくり聞いてくれました。 外国人実習生支援(Facebook) OTIT相談ページ 2人はゴックさんの話を聞き終わると、会社や監理団体に連絡して対応を急ぐようにうながし、ゴックさんが会社に帰ると、その日のうちに必要書類が用意され、飛行機代も支払ってもらえました。 隔離先のホテルにて〈ハロン市で11月10日〉 ゴックさんからのメッセージ ゴックさんのメッセージをベトナム人読者の皆様に紹介します。 ベトナム人技能実習生の皆様へ 日本に来て、いい会社やいい人たちに出会えればラッキーです。しかし、だれもが幸運な実習生活を送れるわけではありません。だから、困ったときやつらいときは、あなたを支えてくれる人たちに相談してみてください。黙ってがまんを続けたり、耐えきれなくなって職場から逃げ出したりすることは絶対にしないでください。そうではなく、身近な相談相手や支援団体、OTITなどに粘り強く相談してください。 ベトナム人技能実習生の皆様へ 日本に来て、いい会社やいい人たちに出会えればラッキーです。しかし、だれもが幸運な実習生活を送れるわけではありません。だから、困ったときやつらいときは、あなたを支えてくれる人たちに相談してみてください。黙ってがまんを続けたり、耐えきれなくなって職場から逃げ出したりすることは絶対にしないでください。そうではなく、身近な相談相手や支援団体、OTITなどに粘り強く相談してください。 ゴックさんの日本語 ゴックさんがOTITに渡した手紙は日本語。担当官への説明もすべて日本語で行いました。OTITには通訳もいますが、いつも対応できるわけではありません。また、通訳をはさんで状況を正確に理解してもらうにはとても時間がかかります。ゴックさんの日本語力がOTITの迅速な対応につながりました。 ゴックさんは2017年7月に訪日し、間もなくNPO法人「Lotus Works」に登録して週2回、Skypeで日本語の授業を受けました。ノートに毎週20ページ以上の日本語を書き込んで練習し、Lotus Worksの先生に提出したゴックさん。2019年12月に日本語能力試験(JLPT)N2に合格し、KOKOROの体験談取材にも上手な日本語で対応しました。有名国立大学に合格しながら、家庭の事情で進学せず日本に来たゴックさん。日本での経験や日本語力を活かし、ベトナムで素晴らしい将来を切り開いてほしいと、筆者は願っています。 Lotus Works(2カ国語) ゴックさんの体験談「国立大に合格後、日本で技能実習」(2カ国語) ゴックさんの日本語学習ノート

    2020年11月19日

  • 包丁持ち歩きで逮捕!?

    在日ベトナム人も飲食品や食器などを持ち寄って友人宅や野外でよく宴会をします。しかし、その際に料理を手伝おうと思って包丁を持って行くと、場合によっては警察につかまってしまいます。包丁やナイフなどの持ち歩きに関する注意点をお伝えします。 包丁所持で交番に同行① 私は以前、留学生として全国チェーンの居酒屋でアルバイトをしていました。店は東京・渋谷にありましたが、うちの店が忙しいときは、近くのグループ店のスタッフがうちの店にサポート(手伝い)に来ましたし、近くの店が忙しいときには、逆にうちからだれかがサポートに行きました。 ある日の午後8時ごろ、同僚のベトナム人留学生が店長から「包丁を持って隣の店にサポートに行ってください」と指示されました。包丁は厨房の仕事で使います。包丁を持って他店のサポートに行くことは当時よくあることで、彼は包丁1本を新聞紙で包み、そのまま手に持って出かけました。 渋谷の繁華街 すると、彼が数百メートル離れた他店に歩いて向かう途中、警察官2人に呼び止められ、職務質問されました。日本では警察官が不審に思った人を呼び止めるのはよくあることです。何をしているのか聞かれ、場合によっては所持品も調べられます。彼は新聞紙で包んだ包丁を持っていたことがもとで近くの交番に連れていかれてしまいました。 彼は警察官に事情を説明しましたが、日本に来てまだ2年目で日本語力が足りず、意味があまり伝わりません。やがて、警察からうちの店に「おたくのスタッフが包丁を持って繁華街を歩いていたため、交番で一時的に保護している」と電話がかかってきました。 店長が交番に出向いて事情を説明し、やっと納得してもらえましたが、店長も同僚も「すぐに使える状態で包丁を持ち歩くのは危険だ」と警察から注意されたそうです。彼が警察から解放されたのは、店を出てから約2時間後のことでした。 包丁所持で交番に同行:ケース② 上野公園の夜桜 私は東京に長く住んでおり、ベトナム人仲間で宴会をしたり、桜や紅葉を見に行ったりすることがよくあります。その際、食べ物や飲み物、果物、食器など、飲食品や備品の準備を分担します。2017年春に東京の上野公園に二十数人で花見に出かけたときもそうでした。 このとき、果物の皮をむくための包丁や肉を切るはさみを持ってくる担当になった留学生がいました。彼は包丁と大きなはさみをカバンに入れて電車に乗り、上野駅で降りましたが、駅の近くで警察官たちから職務質問を受け、カバンに包丁が入っていたため、やはり交番に連れて行かれました。 彼も日本語があまり話せなかったため、包丁を持っていた理由をきちんと説明できませんでした。また、彼は普段は携帯電話をWi-FiにつないでSNSで仲間と連絡を取っており、携帯にSIMが入っていなかったので、Wi-Fiのない警察から私たちに連絡することもできませんでした。 警察は結局、彼の留学先の日本語学校に電話し、学校の担当者と通訳が警察に説明に来てやっと理解してもらえました。彼が職務質問されてから解放されるまで4時間半ぐらいかかりました。 刃物に関する日本の法律 日本には銃や刃物の携帯を規制する法律があります。包丁やナイフ、はさみなどは仕事や生活に必要なので、所有することは自由です。しかし、正当な理由なくこれらを持ち歩くことは法律で禁止されています。刃物の携帯は犯罪につながるので、必要な場合に警察が取り締まることができるようにするためです。 この法律では、刃渡りが6 cmを超える刃物について、「業務その他正当な理由による場合を除いては、これを携帯してはならない」と定めています。違反すると刑罰の対象になります。 ここで「業務その他正当な理由」とは次のような意味です。 「業務」とは仕事です。例えば、調理師が包丁をカバンに入れて職場に持って行く場合は「業務のため」なので合法です。また、「その他正当な理由(それ以外の正当な理由)」とは、例えば、店で包丁を購入し、パッケージされた状態のままカバンに入れて自宅に持ち帰る場合などを指します。しかし、護身のためにナイフなどを持ち歩く行為は「正当な理由」とはみなされず、違法となります。 居酒屋のアルバイトで包丁を持って他店に行くことは仕事上の行為ではあります。しかし、新聞紙に包んだ包丁を持ち歩くと、包丁をすぐに使える状態なので、周囲から見ると非常に危険です。したがって、警察から厳重に調べられてしまいます。カバンに入れて持ち歩いても、ケースなどに入れずカバンからすぐに取り出して使える状態であれば、同じように危険なので、やはり警察から詳しく調べられる可能性があります。 なお、刃渡り6 cm以下の刃物の携帯も別の法律で規制されており、正当な理由が必要です。正当な理由なく刃物を持ち歩くと周囲に不安を与え、場合によっては警察に逮捕されます。日本では、基本的に刃物を持ち歩かない方がよいでしょう。

    2021年11月16日

主催者

Nhà tài trợ Bạch Kim

後援

  • 在ベトナム日本国大使館
  • 国際交流基金ベトナム日本文化交流センター
  • JNTOハノイ事務所
  • 関西経済連合会
  • 一般社団法人 国際人流振興協会
  • 公益社団法人 ベトナム協会
  • NPO法人 日越ともいき支援会

協力

JASSO(日本学生支援機構)

外国人労働者弁護団

WA.SA.Bi.