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日本の災害危険情報と避難指示

近年は気候変動の影響により、大雨による洪水や土砂災害が増えています。そのため、日本では気象情報や避難情報が頻繁(ひんぱん)に発表されます。これらの情報の意味を正しく理解し、早めに適切に行動することが自分や家族の命を守ることにつながります。この記事では、災害危険情報や避難指示について紹介します。※トップの写真はNHKニュース(2026年6月3日)より 〈この記事の内容〉 1.現在の災害情報の概要 2.従来の災害情報との違い ...

2026年07月10日
  • 外国人のための防災の基礎知識と情報収集方法

    2026年06月04日
    日本は災害が多い国です。地震、台風、大雨などが毎年のように発生しています。災害が起きたときに、その災害に関する知識が少ない場合や備えをしていない場合、避難が遅れたり当面の生活に困ったりします。外国人にとっては、言葉や文化の違いによって必要な情報を正しく理解できず、避難のタイミングが遅れることもあります。この記事では、外国人が災害時にできるだけ安全に行動できるように、防災の基本をまとめました。 〈この記事の内容〉 1.日本で起こりやすい災害 2.大雨や台風のときはどう行動するか 3.地震のときはどう行動するか 4.津波の被害を避けるには 5.火山が噴火したときはどう行動するか 6.災害時の避難 7.災害への備え(備蓄など) 8.災害時の情報収集 9.まとめ 1.日本で起こりやすい災害 日本で起こりやすい災害には次のようなものがあります。地域ごとにハザードマップがあり、災害被害の予測について事前に知ることができます。 台風・大雨 事前に予報が出ますが、雨が長く続くと、川のはんらんや洪水、土砂崩れが起こります。 地震 日本ではどの地域でも地震が起きます。揺れが大きい場合、建物が倒れる、家具が倒れる、窓ガラスが割れる、停電、断水などが同時に起こることがあります。 津波 地震の後に発生し、大きな波が非常に速いスピードで陸地に押し寄せます。第二波や第三波などもありますので、長時間の警戒が必要です。 噴火 火山の近くでは火山灰や噴石の影響があります。大きな火山が噴火すると、遠方にも被害が及びます。 2.大雨や台風のときはどう行動するか 日本では近年、地球温暖化の影響で、各地でしばしば集中豪雨(ゲリラ豪雨)が降ります。また、台風も大型化し、たくさんの雨を伴います。 大雨によって洪水が発生すると、建物が水につかることがあります。また、大雨によって山や斜面が崩れたり、土砂が流れて建物が壊れたり道路がふさがれたりすることがあります。 このような洪水や土砂災害から命を守るために、次のような行動をとってください。 大雨や台風への備え ・普段からハザードマップ(災害の発生するおそれがある場所が書いてある地図)で洪水や土砂災害の危険がある場所を確認しておきましょう。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] ハザードマップポータルサイト(国土交通省) 大雨や台風のときの行動 ①海や川を見に行かない ・海や川の様子を見に行って、風雨の影響で水中に転落するケースが非常に多く発生しています。絶対に水辺に近づかないでください。 ②早めに避難 ・気象庁の災害情報などをもとに早めに避難しましょう。避難タイミングをのがすと、風雨がひどくなったり道路が通行止めになったりして移動できなくなることがあります。 ・市区町村から「避難指示」が出たときは、近くの避難所に必ず避難してください。 3.地震のときはどう行動するか 日本の周辺には、複数のプレートが存在しており、世界有数の地震多発地帯となっています。地震から命を守るために、次のような行動をしてください。 地震への備え 地震が起きた場合に避難する場所を家族と話し合っておきましょう。 地域の防災訓練に参加し、災害時の避難方法や避難経路を学んでおいてください。 家具が倒れないように固定しておきます。また、倒れても大丈夫なように、家具の配置にも気をつけます。 地震が起きたときの行動 地震が発生したら、次の点に注意してください。 ① 落下物や転倒物から身を守る ・建物の中にいる場合→落下物から身を守るため、机やテーブルの下に入り、揺れが収まるまで待ちましょう。 ・外出している場合→建物の近くにいると、看板や建物の壁、割れたガラスなどが落ちてくる可能性があるので、カバンなどで頭を守りながら安全な場所に避難してください。 ・車に乗っている場合→車を道路の左はしに停めてエンジンを止め、歩いて安全な場所へ避難してください。 ② 火の始末(火災を防ぐ) ・揺れが収まったら、台所やストーブなどの火を消してください。 ・もし出火した場合は、消火器などでできるだけ消火しましょう。 ・地震の後は、ガス漏れが起きている可能性があるので、火はつけないでください。 ③エレベーターを使わない ・故障して中に閉じ込められる危険性があります。 ④安全な場所に避難 ・揺れが強いと、建物の倒壊や火災の危険があり、山や丘では土砂くずれの危険性もあります。揺れが収まったら、近くの避難場所などへ移動してください。 4.津波の被害を避けるには 海底の下で大きな地震が発生すると、海底が盛り上がったり沈んだりします。これに伴って津波が発生します。 津波への備え 普段からハザードマップなどで危険地域や避難場所への経路などを確認しておきましょう。 地域の防災訓練に参加し、災害時の避難方法を学んでおいてください。 津波が起きそうなときの行動 津波が海岸に近づいてくるのを見てから避難を始めても間に合いません。以下のことに気をつけて早急に避難してください。 ①揺れを感じたら避難 ・海や大きな川の近くで強い揺れを感じたときや、弱い揺れでも長い時間ゆっくりした地震を感じたときは、すぐに海や川から離れ、高台や避難ビルなど高い場所に避難してください。 ②警報を聞いたら避難 ・地震を感じなくても、気象庁から津波警報が発表されたときは、すぐに高い場所に避難しましょう。 ③長時間、警戒する ・最初の津波より第二波や第三波の方が大きい場合もあります。地震の揺れが収まってから長時間の警戒が必要です。 5.火山が噴火したときはどう行動するか 日本には多くの火山があります。噴火から命を守るために、以下の行動をしましょう。 噴火への備え 普段からハザードマップで自分の住む地域にどのような災害の危険性があるのか確認しておいてください。 登山をするとき→気象庁のサイトやハザードマップで火山に関する情報を確認▽登山届を提出▽通信機器やヘルメットを準備。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] Compass(登山届けを出すためのサイト) 噴火が起きたときはこうする ①マスクや布で口をおおう ・火山灰を吸い込んではいけません。火山灰には、細かいガラス片や鉱物の破片が含まれており、肺などに悪影響を与えます。 ②避難 ・建物の中に避難し、火山灰や噴石から身を守ります。 ・市区町村から「避難指示」が出たときは、すぐに安全な場所に避難してください。 ③登山中に噴火が発生したとき ・すぐに火口から離れ、山小屋やシェルターなどに避難してください。 ・頭を守るためにヘルメットをかぶってください。 6.災害時の避難 避難所の様子(さまざまなタイプの避難所があります) 避難場所 ・災害が発生しそうな場合や発生した場合、早めに安全な場所に避難してください。 ・住んでいる地域の避難場所を普段から確認しておいてください。 ※各市区町村のホームページなどで確認できます。 ・避難場所へ行くことが難しいときは、近くの安全な場所(しっかりした建物など)に逃げましょう。 避難指示 ・災害による被害が発生する可能性が高まった場合、自治体が「避難指示」を発令します。テレビやラジオ、スマートフォンへの緊急速報メールなどで避難指示を知ることになります。「避難指示」が出る場合は命の危険もありますので、近くの避難所などにすぐに避難してください。 避難方法 ・避難をするときには、必ず火を消してから外出してください。また、持ち物をできるだけ少なくして背中に背負うなどし、両手が自由に使えるようにしてください。 7.災害への備え(備蓄など) 災害に備えた備蓄 災害時に当面の生活を続けるために、水・食料や緊急用トイレなどの備蓄が必要です。 基本的な備蓄 飲料水:最低でも1人1日3ℓ×3日分以上備蓄してください。大きな地震などが起きると、水道管が破損して長期間、断水することも多いので、できれば1~2週間分準備しておく方が望ましいです。 生活用水:断水に備えて生活用水の備蓄も必要です。 食料(保存食):缶詰やレトルト食品。大災害が起きたら、店の商品はあっという間になくなり、長期間買えなくなります。道路が寸断されると、品物が長期間入ってきません。数日分の備蓄を推奨する記事も多いですが、できれば2週間分以上の備えがある方が良いでしょう。 災害用トイレ:通常のトイレで水が流れなくなりますので、使い捨てトイレ(または大きなゴミ袋)を多めに用意しておきましょう。 非常用持ち出し袋(防災リュック):懐中電灯やラジオ、電池など災害時に必要なものを詰め込んだ袋です。モバイルバッテリーや現金(災害時は電子決済ができないことがあります)、常備薬なども入れておきましょう。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 防災リュックを準備しましょう(JP MIRAI) 外国人にとっては身分証関係も重要 ・在留カード、パスポート、在留資格関連書類:本人確認やさまざまな手続きに必要です。 ※コピーだけでも非常持ち出し袋などに入れておきましょう。 避難場所を事前に知っておく ・大きな災害のときには公共施設などが「避難所」として使われます。避難所になる場所はあらかじめ決まっていますので、市区町村のホームページなどで普段から確認しておいてください。 ・災害が起きたら、自治体の情報などを確認して早めに避難してください。 ・避難所では地域住民との共同生活が原則です。日ごろから「おはようございます」「こんにちは」とあいさつをするなどして、地域住民と良い関係をつくっておきましょう。 連絡方法や集合場所 連絡方法や集合場所を事前に決めておく ・災害が起きた場合に家族や友人と連絡を取り合う方法や集合場所を決めておきましょう。通信障害や停電もありますので、スマートフォンがいつでも使えるとは限りません。 紙に書いた連絡先 ・家族・友人・勤務先・学校の連絡先を書いた紙を持っておくと、災害時にスマートフォンの電波が届きにくい場合や電源が切れた場合に役立ちます。 8.災害時の情報収集 災害が起こりそうなときや災害が起こった場合はどのように情報を収集したらよいでしょうか。 災害時の情報収集ツール 災害時の情報収集ツールには、テレビ・ラジオのニュースや行政の公式サイト、スマートフォンで受け取る緊急速報メールやエリアメール(大きな音とともに通知が届く)などがあります。 災害時に役立つサイトやアプリを紹介します。 外国人向けの災害情報サイト [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 国土交通省の防災ポータル(多言語)※さまざまな災害情報にアクセスできるポータルサイト。各自治体の情報(避難情報など)にもここからアクセスできます。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 気象庁の災害情報(多言語)※さまざまな災害情報を多言語で発信 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] ハザードマップポータルサイト 外国人向けの防災アプリ(スマートフォン用) ・Safety Tips:地震・津波・台風などの災害情報や避難情報を多言語で通知します。 ・NHK WORLD-JAPAN:通常ニュースや災害情報を多言語で配信します。 ※アプリは事前にダウンロードしておくことが重要です。 外国人向けの相談窓口 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 外国人在留支援センター(FRESC)※在留資格や生活について相談できる窓口。災害時にも今後の仕事や生活について相談できます。 フェイクニュースに注意 ・災害時にはフェイクニュースが多発します。特にSNSでたくさんのデマが飛び交うこともあります。不確かな情報を信じないでください。 ・公式情報を優先する:自治体や公的機関、報道機関からの情報を確認してください。 9.まとめ 日本は地震や台風、大雨などの自然災害が多い国なので、災害への備えや知識が重要です。 大雨や台風のときは水辺に近づかず、早めに避難します。 地震のときは落下物から身を守ることと火の始末に特に注意してください。 津波のときは一刻も早く高い場所へ逃げることが重要です。 噴火の際には火山灰から身を守るための対策が必要です。 さらに、災害への備えとして、水や食料などの備蓄、在留カードなど重要書類の管理、避難場所の事前確認などが大事です。 災害時には正確な情報を得ることが重要です。SNSの不確かな情報に惑わされず、自治体や公的機関、報道機関の情報を優先してください。多言語対応の情報サイトやアプリも活用しましょう。 日ごろから準備しておくと、実際の災害時に被害を大きく減らし、避難生活にもしっかり対応することができます。できることから防災対策を始めていきましょう。
  • 日本に長く住むあるベトナム人の大みそかとお正月

    2025年09月08日
    私は日本人男性と結婚し、日本に住んで長い年月がたちました。子育てをしていたころは「お正月は日本とベトナムのどちらの国にとっても大事なイベント」と娘に伝えたかったので、毎年年末には日本の伝統的なお正月の準備をして新年を祝ってきました。その習慣は、娘が大きくなった今も続けています。わが家の年末年始の様子を紹介します。〈執筆:日本に長く住むベトナム人女性〉 ※上の写真は日本の「おせち料理」 〈このページの内容〉 ・年末の過ごし方:お正月の準備 ・わが家のお正月 ・お正月のさまざまな過ごし方 年末の過ごし方:お正月の準備 かがみもち 大そうじと正月の飾り わが家では毎年、年末に家族で大そうじをします。みんなで手分けして部屋や押し入れの中を整理し、不要になったものは捨てます。そして、部屋の窓やバルコニーの大きなガラス窓をていねいにふき、日ごろはあまりそうじをしないキッチンの換気扇もきれいにします。家中がきれいになったら、リビングに「かがみもち」を置きます。かがみもちは日本のお正月の風物詩の一つです。 おせち料理作り 年末になると、日本のデパートやスーパーマーケットで、四角い箱(重箱)に詰められた「おせち料理」のサンプルや写真をよく目にしますね。日本では、日持ちする料理を詰め合わせて1月1日~3日(三賀日)に食べる文化があります。これを「おせち料理」と言います。この記事の冒頭の写真がおせち料理です。私は、おせち料理の中で自分で作れるものは自分で作っています。12月30日や31日はその料理作りでも忙しくしています。 ちなみに、日本に住むベトナムの若者たちの中には、日本の正月に、ベトナムの旧正月(テト)のときと同じようにバインチュンや伝統料理を準備して集まり、宴会を楽しむ人も多いようです。 年こしそば 年越しそば 日本では12月31日のことを「大みそか」と呼びます。大みそかの夜、日本ではそばを食べる習慣があります。このそばを「年こしそば」と言います。わが家でも、大みそかの夜は、家族で年こしそばを食べ、NHKの「紅白歌合戦」を観ながら過ごすのが定番。日本では、大みそかの夜をこのようにして過ごす家庭が多いです。 除夜の鐘(じょやのかね) 大みそかの深夜、お寺に行って108回の除夜の鐘を鳴らす行事に参加してから新年を迎え、そのまま初詣をする人もいます。 わが家のお正月 初もうでの風景 元旦の朝 元日の朝は、家族でおせち料理を囲み、おもちを入れた「雑煮」(ぞうに)を食べます。お雑煮は正月用の特別なみそ汁です。その後、子どもたち(自分の子どもや孫、親せき)に「お年玉」を渡します。お年玉は新年の特別なお小づかいです。 初もうで わが家では、元日の午後は、夫の両親の家を訪問して新年のあいさつをします。その後、神社へ行って「初もうで」。お参りの後は、縁起物の「破魔矢(はまや)」を買い、「おみくじ」を引きます。そして、神社の境内にある露店でたこ焼きなどを買って食べるのも楽しみです。 ちなみに、神社の宗教は神道(しんとう)、寺の宗教は仏教(ぶっきょう)ですが、ほとんどの日本人が宗教の違いを気にせず、神社や寺の景観や立地、にぎやかさなどの基準で行き先を決めます。また、同じ人が日ごろから神社にも寺にも行きます。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 初詣で人気の高い全国の社寺 三賀日(さんがにち)の過ごし方 わが家では、1月2日以降は、それぞれの予定にしたがって過ごします。私は関東地方の大学同士が長距離のリレー競走をする「箱根駅伝」が好きで、1月2日も3日もテレビにかじりついています。三賀日(1月1日~3日)はこのように、お祝いの料理を食べたり、親せきを訪問したり、初もうでに行ったり、自由時間をゆったり過ごしたりする期間です。 お正月のさまざまな過ごし方 わが家の年末年始を紹介しましたが、お正月の過ごし方は人や家庭によってさまざまです。 家族の再会 お正月は、家族・親族が再会する時期です。故郷を離れて暮らしている人は年末年始に実家に帰省することも多く、親や親せきといっしょに過ごします。 旅行・レジャー 年末年始には、海外や国内に旅行に行く人もたくさんいます。このため、年末年始の公共交通はとても混雑し、ホテルの宿泊費も高くなります。これは日本のゴールデンウィーク(4月末~5月上旬)や盆休み(8月)と同じです。また、たとえば東京に住んでいる人が遠くに行かない代わりに都内の高級ホテルでぜいたくな年末年始を過ごすというケースもあります。 日本に住んでいる私のベトナムの友人にも、日本の正月休みを利用してベトナムに帰省する人が多いです。ベトナムの旧正月(テト)の時期に日本で長期休暇を取るのは難しいケースが多いためです。 もち 日本のお正月の食べ物で欠かせないのは「もち」です。ベトナム人はもちにハムなどをはさんで食べますが、日本人は焼いたもちを雑煮(ぞうに)の中に入れたり、もちにのりを巻いてしょうゆをつけたり、大根おろしとしょうゆをつけたりして食べます。私はチーズをはさんでしょうゆをつけて食べるのが好きです。 年賀状 日本では、新年のあいさつをはがきに書いて郵便で送る「年賀状」という文化が長く続いています。日本郵便は毎年11月1日に年賀はがきを発売します。絵や図柄が裏に印刷されている年賀はがきもあれば無地の年賀はがきもあります。無地の年賀はがきに家族の写真やあいさつ文をパソコンなどで印刷して送る人も多くいます。 年賀はがきの発行枚数は2003年にピークの約44.6億枚を記録しましたが、近年はメールやSNSで年始のあいさつをすませる人が急増し、年賀状文化は急速に衰退しています。年賀はがきの発行枚数は年々減り、2025年用(2024年12月発売)は約10.7億枚でした。
  • 東京で生活・通学・仕事をする外国人の強い味方「東京都多言語相談ナビ」/無料

    2025年02月26日
    東京都で生活や仕事、勉強をしているベトナム人の皆さん、仕事や生活で困ったことがあったとき、「信頼できる相手に相談したい」と思ったことはありませんか? そのようなとき、あなたはベトナム人が運営するSNSで情報を探すことが多いことでしょう。しかし、SNSの情報の中には重大な間違いが含まれることもよくあります。「確かな相手に相談したい」「法律的な知識についても専門家に相談したい」。そんなときは、「東京都多言語相談ナビ」を使ってみてはいかがでしょうか? この記事では、公的機関が提供する電話相談サービス(無料)や地域の日本語教室(低額)を探すためのサイトについて紹介します。 〈このページの内容〉 1. ベトナム語で生活相談 2. 無料の法律相談 3. 無料の在留相談(ビザ・入管関係) 4. 日本語教室を探すサイト 5. まとめ 1. ベトナム語で生活相談 「東京都つながり創生財団」(つながり財団)はフリーダイヤルで外国人からのさまざまな相談に応じています。不要品を回収してもらう方法(粗大ゴミの出し方)や役所でのさまざまな手続き、年金のこと、保育園や学校のこと、医療のこと、交通事故のことなど、あなたの悩みや質問に、つながり財団のベトナム人スタッフが答えます(ベトナム人以外のスタッフがベトナム語通訳と一緒に答える場合もあります)。 相談は無料です。 このサービスの名前は「東京都多言語相談ナビ」です。ベトナム語も含めてさまざまな言葉で相談することができるので「多言語」という名前がついています。もちろん、日本語が得意な場合は、日本語でも相談できます。 東京都多言語相談ナビ 【相談できる人】 ・東京都内に住んでいる人 ・東京都内で働いている人(住所は東京以外でもOK) ・東京都内の学校に通っている人(住所は東京以外でもOK) 【相談できる日】 ・月~金(10:00~16:00) ※日本の祝日をのぞきます。 【電話番号】 0120-142-142 ※電話料金はかかりません。 ※電話にはベトナム人以外の人が出る場合もありますが、あなたが「ベトナム語でお願いします」と言えば、ベトナム人スタッフに代わるかベトナム語通訳を加えます。 【相談料】 ・無料 ※1回の相談時間は60分までです。 どんな相談が多いの? 「東京都多言語相談ナビ」に外国人から寄せられる相談はさまざまで、相談の種類としては次のようなものが多いです。 ・在留資格(広い意味の「ビザ」) ・住宅 ・医療 ・労働関係 ・結婚・離婚 ・出産・育児 ・保育園や幼稚園 ・学校 ・生活一般 ・交通事故 ◆具体的な相談例 生活一般 ・粗大ゴミ(大型ゴミ)の捨て方がわからない(ベッドを捨てたい、スーツケースを捨てたい、など)。・役所から手紙が届いたが、手続きの仕方がわからない。・保育園の探し方や申し込み方を教えてほしい。 医療 ・虫歯の治療をしたい(どこの歯科に行けばよいか、保険は使えるのか、など)。・予防接種を受けたい。 住宅(賃貸住宅) ・電気やガスを止められた。・アパートの契約期間がもうすぐ満了する。更新するにはどうしたらよいか。・アパートの退去の手続きについて教えてほしい。 その他 ・国民年金の納付書が届いたが、どうしたらよいかわからない。 変わった相談もありますか? 「東京都多言語ナビ」にはさまざまな相談があり、めずらしい相談もあります。相談ナビが分からない質問については、ほかに相談できるところを案内します。 ◆相談例 相談例① ・5、6人の警察官が家に押しかけ、尿検査を強要された。ベランダでお灸(きゅう)を使用していたため、薬物使用を疑った近所の人が通報したようだ。 相談例② ・ベランダに置いていた粗大ごみが台風でふき飛ばされ、階下の部屋の窓ガラスと車を破損させてしまった。自然災害によって予期せず加害者となってしまったが、どこまで責任を負うべきか。→この相談には無料の法律相談を紹介しました。 2. 無料の法律相談 もし、あなたがトラブルに巻き込まれた場合や日本の法律が分からなくて困っている場合は、無料で法律相談を受けられます。日本の弁護士が対応し、通訳もつきます。 【無料法律相談】 ・1回60分まで ・予約が必要です。多言語相談ナビに電話して予約してください。 0120-142-142 【相談できる人】 ・東京都内に住んでいる人 ・東京都内で働いている人(住所は東京以外でもOK) ・東京都内の学校に通っている人(住所は東京以外でもOK) 【相談できる日】 ・月・水・金曜日(①13:30~、②14:45~) ※日本の祝日をのぞきます。 ◆相談例 日本語学校 ・高額な入学料と授業料を前納したが、授業に不満なのでやめることにした。授業料を返してほしい。 離婚 ・日本人の配偶者と離婚したいが、財産分与はどうなるか、どの国の法律が適用されるか。・日本人の配偶者と離婚したが、相手が子どもの養育費を払ってくれない。 賃貸住宅 ・家主から退去するように言われたが、従う必要があるのか。・退去にあたって部屋の修繕費を請求されたが、内容に納得できない。 交通事故 ・仕事でレンタカーを使って事故を起こした。勤務先の会社が保険等で対応してくれない。自分はどこまで責任を負うべきか。 交通事故 ・レンタカーで冷蔵庫を運んでいる途中に駐車車両にぶつかったが、相手と連絡が取れないので、立ち去った。その後、警察から連絡がきた。保険は使えるか。→これについては、警察に通報せずに立ち去ったので、保険は適用されません。交通事故を起こしたら、まず警察(電話で110)に連絡し、警察官に現場に来てもらわなければなりません。 3. 無料の在留相談(ビザ・入管関係) 東京都多言語相談ナビは「無料在留相談」も行っています。在留資格(広い意味のビザ)のことや在留期間のことなど、入管手続きで分からないことがあれば、遠慮なく相談してください。 【無料在留相談】 ・1回60分まで ・予約が必要です。多言語相談ナビに電話して予約してください。そのときに在留カードに書いてある内容を聞きますので、在留カードを手もとに用意して電話してください。 0120-142-142 【相談できる人】 ・東京都内に住んでいる人 ・東京都内で働いている人(住所は東京以外でもかまいません) ・東京都内の学校に通っている人(住所は東京以外でもかまいません) 【相談できる日】 ・毎月4番目の火曜日(14:00~16:00) ※日本の祝日をのぞきます。 【相談の場所】 ・つながり財団の事務所(西新宿) ・Zoom(オンライン) 【相談例】 ・特定技能外国人だが、妻を日本に呼べるか。 ・入管から書類が届いたが、内容を理解できない。 ・留学生だが、特定技能ビザや就労ビザに切り替えるにはどうしたらよいか。 4. 日本語教室を探すサイト つながり財団は、東京都内の日本語教室を探すためのウェブサイト「東京日本語教室サイト」も運営しています。 日本で仕事や留学をしているベトナム人の皆さんには、「安い費用で日本語をもっと教えてもらいたいなあ」と思っている人も多いことでしょう。「東京日本語教室サイト」はそういう人たちにボランティア団体などが低額で授業を提供している「日本語教室」を紹介するサイトです。 ※「日本語教室」は「日本語学校」ではありません。地域の日本人たちが低額で日本語を教えてくれる教室です。 そのサイトで紹介されている日本語教室には、先生と会って対面で教えてもらう教室とオンラインで教えてもらう教室の2種類があります。紹介されている教室はすべて東京都内の教室で、たくさんの教室が紹介されています。 もし、その中に興味のある教室が見つかった場合は、教室紹介ページの中にメール送信フォームがありますので、そこから問い合わせや申し込みをすることができます。 5.まとめ この記事では、「東京都多言語相談ナビ」の活動を中心に紹介しました。多言語相談ナビは、外国人が日本で生活や仕事、留学などをする上でのさまざまな悩みや質問について、その外国人の母国語で相談に乗ってくれます。 その中で法律に関する専門知識が必要な相談があれば、弁護士と通訳が対応する無料法律相談も受けられます。 また、入管手続きやビザに関する問題については、特別な相談日を設けて対応しています。 休みの日や仕事が終わった後の夜などに教室やオンラインで日本語の勉強をしたいと思っている人には、地域の人と知り合いになれて、低額で日本語を学ぶことができる日本語教室を探すための「東京日本語教室サイト」も運営しています。 「東京都つながり創生財団」は公的な団体で、営利団体ではありませんので、これらの無料サービスはいずれも安心して使えます。東京都に住むベトナム人の皆さん、あるいは東京都で仕事や留学をしているベトナム人の皆さん、「東京都多言語相談ナビ」のサービスをぜひ使ってみてくださいね。

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  • 総まとめ・ベトナム人向け相談窓口

    学習や仕事(技能実習・正社員・派遣・アルバイト)、生活、在留資格などの関係で困ったことが起こり、会社や受入組合、学校、先輩などに相談しても解決しない場合、どこに相談したらいいでしょうか? 多くの先輩がこれまでさまざまな相談窓口や支援団体に助けられています。一つの窓口で解決しない場合でもあきらめたり失踪したりせず、複数の機関に相談してみてください。 知っておきたい相談窓口 日越ともいき支援会 外国人技能実習機構(OTIT) 技能実習で困ったことが起き、監理団体(受入組合)や受入会社が適切に対応しない場合は、まずは外国人技能実習機構(OTIT)に相談してください。公式HPからベトナム語で相談内容を送信できます。フリーダイヤルの電話(0120-250-168)もあります。 OTITの事務所を直接訪れるのも有効です。その際、自分の在留カードをコンビニでコピーし、その紙の余白部分にあなたの悩みや不満の要点を書いて持参することをお勧めします。事務所に着いたら、紙を読んでもらってから自分で説明もします。必要がある場合は、OTITが通訳を手配してくれます。 労働基準監督署(労基署) 技能実習生も留学生も、残業代を払ってもらえないなどの相談は全国の労働基準監督署に相談してください。最近は外国人の相談にも対応しています。 全国の労基署 実績のある民間の支援団体 外国人実習生支援 OTITや労基署に相談しても解決しない場合やこのような公的機関に1人でうまく相談できない場合、次のような民間の支援団体のサポートを得る方法があります。いずれも実績の多い団体です。 外国人実習生SNS相談室(Facebook) =技能実習生の労働問題、雇用問題、生活問題、在留資格関連 日越ともいき支援会 =留学生や技能実習生などあらゆるベトナム人の労働・雇用・生活・就職・在留資格などに関する問題 岐阜一般労働組合 第2外国人支部 =甄凱(けんかい)支部長:090・8496・9668(日本語) =技能実習生、正社員、派遣労働者などあらゆる外国人労働者の労働や雇用、在留資格に関する問題 活発なベトナム人団体 在日ベトナム人協会(VAIJ) =生活・医療・健康に関するホットライン:050-6874-8385 在仙台ベトナム人協会(SenTVA) 茨城県ベトナム人協会 ベトナム語の通じる相談窓口(主要都市) 全国の主要都市にあるベトナム語の通じる主な相談窓口を紹介します。 ■東京都 外国人在留支援センター(FRESC) =あらゆる外国人の生活・労働・雇用・就職・在留資格などあらゆる分野の相談 =FRESCヘルプデスク:0120-76-2029=月~金(9:00~17:00) =FRESCの入管電話予約:03-5363-3025=月~金(9:00~17:00) ※ヘルプデスクは全国からの相談に対応。 ※どちらの電話でも、ベトナム語を希望する場合は、最初に「ベトナム語でお願いします」と日本語か英語で告げてください。 ■北海道 北海道外国人相談センター = 011-200-9595(平日9:00-12:00 / 13:00-17:00) ■宮城県 みやぎ外国人相談センター = 022-275-9990 ■茨城県 外国人相談センター =TEL:029-244-3811(ベトナム語:月・火・水) ■埼玉県 外国人総合相談センター埼玉 =048-833-3296 ■千葉県 千葉県外国人相談 =043-297-2966(平日9:00-12:00 / 13:00-16:00) =E-mail:ied@ccb.or.jp ■神奈川県 横浜市多文化共生総合相談センター = 045-222-1209 = E-mail:t-info@yoke.or.jp ■静岡県 静岡県多文化共生総合相談センター かめりあ = 054-204-2000(平日10:00~16:00) = E-mail:sir07@sir.or.jp ■愛知県 あいち多文化共生センター = 052-961-7902(月~土10:00~18:00) ■大阪府 大阪府外国人情報コーナー = 06-6941-2297 = E-mail:jouhou-c@ofix.or.jp ■大阪市 外国人のための相談窓口 = 06-6773-6533(平日 9:00~19:00、土日祝:9:00~17:30) ■兵庫県 神戸国際コミュニティセンター = 078-291-8441(ベトナム語:月・水 09:00~12:00、13:00~17:00) ■兵庫県 日越交流センター兵庫 = 078-646-3110 = E-mail:cntorimoto@yahoo.co.jp ■岡山県 岡山県外国人相談センター = 086-256-6052(平日9:00~17:00) = E-mail:support@opief.or.jp ■広島県 ひろしま国際センター = 0120-783-806 ■福岡県 福岡県外国人相談センター = 092-725-9207(毎日10:00~19:00) = E-mail:fukuoka-maic@kokusaihiroba.or.jp ■福岡市 福岡市外国人総合相談支援センター = 092-262-1799(平日8:45~18:00) 自治体や国際交流協会などの窓口リスト(全県) このコーナーでは、日本全国の都道府県(地方自治体)や国際交流協会などによる外国人向け相談窓口のリスト(ベトナム語版、日本語版)をご紹介します。 あなたのお住まいの都道府県名(日本語とアルファベット)が記載された四角い欄をクリックすると、その地域の相談窓口の一覧表が現れます。ベトナム語で相談できる窓口には赤い文字で「ベトナム語」と記されています。また、出てきた表の中の青いURLをクリックすると、その相談窓口のウェブサイトにつながります。 地域別:国際交流協会などの相談窓口リスト(リンク)

    2021年03月24日

  • 困りごと相談簿 file 09:「自主退職」ではないことの証明

    技能実習生が無断で県外に出ただけで退職に追い込まれました。支援団体のサポートで転職先を見つけましたが、在留資格を変更する際に入管が前の会社に退職理由を聞くと、会社は「自分からやめた」と説明しました。自分からやめた場合、在留資格変更が難しくなります。しかし、彼女はある手紙を入管に提出し、会社の説明がウソだと信じてもらうことができました。 カテゴリー 労働、技能実習 【相談者】 ・元技能実習生 ・20代・ベトナム人女性 ・実習地:徳島県 労働契約法は技能実習など期間の定めのある雇用契約について、「やむを得ない事由(理由)」がなければ、期間途中で解雇はできないと規定しています。しかし、会社が実習生に退職(実習中止)を強制し、「自分の意思で退職する」という虚偽の書類に署名させることが横行しています。このようにして失業した実習生が新たな職場を探す場合、このような書類や会社側の虚偽説明が妨げになる場合があります。 「仕事をやめて帰国してください」 スーパーで惣菜や弁当を作る実習をしていました アンさんは徳島県のスーパーマーケットで惣菜(そうざい)などを作る技能実習をしていましたが、新型コロナの感染拡大が続いていた2020年11月、同僚と2人で有給休暇(5日間)を取って隣県の友だちに電車で会いに行きました。すると、初日に別のベトナム人の同僚から電話があり、「県外に遊びに行っているのならすぐに帰ってくるようにと店長が言っている」とのことでした。 アンさんは休暇申請時に会社から聞かれ、「外出予定はない」と答えましたが、その後、香川県の友人から誘われ、会社に言わずに会いに行きました。そのことをだれかが職場で話したようです。 アンさんたちは翌日、徳島に戻り、監理団体(組合)の用意した部屋で2週間、隔離されました。PCR検査の結果は陰性で、隔離後に職場に戻りましたが、約1週間後の12月中旬、上司から「あなたたちのことはもう信用できないから、仕事をやめて帰国してほしい」と言われ、「意思確認書」に署名するように求められました。 「意思確認書」の内容 会社が示した「意思確認書」 アンさんたちが署名するように言われた「意思確認書」の要点は次の通りです。 ☑私たちは、感染防止のため会社と宿舎の往復以外は移動しないよう、会社から指導されていました。また、 感染したら、会社や地域全体に大きな影響が出ることを知っていました。それにもかかわらず、無断で徳島県外に出たり人ごみの多い場所に行ったりしました。 ☑私は会社や地域に迷惑をかけないようにベトナムに帰ります。ただし、会社から「意思に反して帰国する必要はない」と説明を受けており、意思に反して帰国するものではありません。 抵抗できず退職願いを提出 提出した退職届 「意思確認書」には事実と異なる部分があったので、私たちは署名を拒否しました。休暇申請前には「県外に出てはいけない」との指示はありませんでした。また、感染対策をした上で約30㌔しか離れていない香川県丸亀市に1度行っただけなのに、解雇までされるのはあんまりだと思いました。 しかし、私たちはその後も会社から繰り返し退職を求められたため、2021年1月5日、抵抗しきれなくなって「退職願い」を書きました。 そして、住むところがなくなったので、1月13日、高速バスと新幹線を乗り継いで東京のベトナム人支援団体「日越ともいき支援会」を訪ねました。 新しい在留資格を申請 日越ともいき支援会で書類作成(左端がアンさん) 「日越ともいき支援会」は行き場のなくなったベトナム人を保護し、食料も提供しています。私たちもここに住ませてもらい、代表の吉水慈豊さん(通称・りえさん)に今後のことを相談しました。 その結果、私たちは雇用維持支援を目的とする「特定活動」という在留資格を申請することにしました。これは、新型コロナの影響で失業した技能実習生などのための在留資格で、特定技能外国人を目指すことが条件です。 この在留資格を取ると、最長1年間フルタイムで働けます。その間に希望職種の技能試験や日本語能力試験(JLPT)N4以上に合格すれば、「特定技能」の在留資格を申請することができます。 私は長野県のレストランの面接に合格したので、在留資格を「技能実習」から「特定活動」に変更するための申請書を4月1日に東京入管に出しました。その際、支援会が、私が事実上解雇された経緯を書いた書類を作成し入管に出してくれました。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 日越ともいき支援会 入管に提出した説明文 入管に提出した説明文 その後、入管は徳島の会社に私の退職の経緯を確認しました。すると、会社は私の退職理由について「特定技能になるために技能実習を途中でやめた」と説明したそうです。4月下旬、入管から私に「特定技能になるために技能実習をやめたというのは本当ですか? あなたが技能実習をやめた理由を書いて提出してください」と問い合わせがありました。 私は「会社と監理団体から、技能実習をやめて帰国しろとしつこく求められた」「特定技能になるために技能実習を途中でやめたという説明は間違いだ」などと書いた説明文を入管に提出しました。 レストランに就職 レストランの実技試験 すると、在留資格変更が無事に認められ、私は5月から軽井沢(長野県)のレストランで調理の手伝いをしています。今はアルバイトですが、7月にJLPT・N4を受け、近いうちに外食の技能試験も受けます。合格したら特定技能の在留資格を申請します。 ポイント:退職強制は違法 レストランの寮で同僚(左)や支援会スタッフ(右)と談笑〈2021年7月〉 会社が決めた禁止事項を破ったからといって、どのような場合でも解雇できるわけではありません。労働契約法は解雇について制限を設けており、技能実習など期間を定めた雇用契約については、「やむを得ない事由(理由)がある場合」でなければ解雇を行うことができないと定めています。よほどの理由がなければ、本人の意に反して技能実習をやめさせることはできません。 また、外出・外泊のルールについて、技能実習法は「技能実習生の外出その他の私生活の自由を不当に制限してはならない」と定めています。新型コロナで移動制限を呼びかけるのはよいとしても、県外への移動を一切禁止し、破ったからといって解雇まですることに合法性があるかどうかは疑問です。 意に反して技能実習をやめさせられそうになったら、必ず外国人技能実習機構(OTIT)に相談してください。それでもうまくいかない場合は、「日越ともいき支援会」や「外国人実習生支援」などの相談機関もあります。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] OTITの母国語相談 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 日越ともいき支援会 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 外国人実習生支援(FB)

    2021年07月30日

  • 困りごと相談簿 file 08:帰国便の費用負担

    彼は技能実習を終えましたが、新型コロナの影響で帰国できず、同じ会社で働いていました。しかし、そろそろ帰国しようと自分で飛行機を予約したところ、組合は「飛行機代は5万円までしか払わない」と言いました。彼はOTITに相談し、OTITが組合を指導し、全額を払ってもらうことができました。彼がOTITに渡した手紙などを紹介します。 カテゴリー 労働、技能実習 【相談者】 ・元技能実習生 ・20代・ベトナム人男性 ・実習地:愛知県 日本で技能実習を終えても、最近は新型コロナの影響でベトナムにすぐには帰れません。大使館を通じて行う飛行機の予約がなかなか取れず、別ルートで帰国便を申し込んだ場合、組合が飛行機代を一部しか払ってくれないケースもあり、各地で元実習生たちが困っています。しかし、法律では、帰国費用は組合が全額を負担しなければなりません。外国人技能実習機構(OTIT)に相談し、組合から飛行機代を全額出してもらった先輩の体験談を紹介します。 組合が飛行機代を払わない ベトジェットの予約リストと旅行会社からの請求書 Tran Van Phong(チャン・ヴァン・フォン)さんは2021年1月に5年間の技能実習を終えましたが、すぐには帰国できず、在留資格(ビザ)を特定活動に変更して同じ職場(愛知県の工場)で仕事を続けていました。 フォンさんは「4月22日に有給休暇を取りたい」と会社に申請しました。有給休暇 はたくさん残っていましたが、会社は有給休暇を認めず代わりの日も示さなかったので、フォンさんは4月22日に合意なしで会社を休みました。すると、23日、会社から解雇を言い渡されてしまいました。 寮を追い出されたフォンさんはしばらく友人の家に泊まりましたが、収入がなくなったので自分で飛行機を予約して帰国しようと思いました。 ベトナム大使館を通じて申し込む安い帰国便(ベトナム航空)はなかなか順番が回ってこないので、フォンさんはベトジェットの臨時便を申し込んだところ、6月8日の便の予約が取れました。飛行機代は120,000円で、組合に支払いを求めると、組合は「帰国の飛行機代は50,000円だけサポートする。帰国後に送出機関を通じて支払う」と答えました。 しかし、50,000円では帰国できません。また、数カ月前に帰国した先輩も組合から同じことを言われ、飛行機代を立て替えて帰国しましたが、帰国して5カ月経っても送出機関から支払いを受けていませんでした。 ポイント:帰国の飛行機代と法律 さて、それでは組合が「飛行機代を50,000円しか負担しない」と言っていることや「ベトナムに帰国してから送出機関を通じて支払う」と言っていることは日本の法律で許されるのでしょうか? 答えはNo です。 技能実習に関する法律の施行規則は監理団体(組合など)に対し「技能実習の終了後の帰国が円滑になされるよう必要な措置」を行うことを義務づけています。技能実習生の在留資格が特定活動に変更されていても同じです。 そこで、フォンさんはKOKOROスタッフのサポートを受けて手紙を書き、OTIT名古屋事務所に持って行きました。フォンさんはベトナム語と日本語で1通の手紙を書きましたが、ベトナム語だけでも構いません。日本の行政機関では、口頭だけで説明するより文書を渡した方が効果的です。それに、担当者にも状況を正しく理解してもらえます。 また、フォンさんは日本語の得意な友人に一緒について行ってもらいましたが、そのような友人がいない場合は、OTITが通訳を用意してくれます。 フォンさんがOTITに渡した手紙 宛名と日付、名前、署名を忘れずに! フォンさんがOTITに渡した手紙の文面は下記の通りです。コンビニで在留カードをコピーして、その紙の余白に手紙を書きました。こうすると、だれが書いたのか明確になるからです。また、手紙の最初に「OTIT名古屋事務所様」と宛名を書き、最後に日付と自分の名前を書いて署名をしました。 用紙の1枚目の上の方に「申告書」というタイトルを入れると、さらに完璧です。 【手紙の本文】 私は知立市の⚫⚫工業で2021年1月まで5年間、技能実習をしました。その後、コロナですぐに帰国できないため、同社で仕事を続けていました。 (1)私は、17.5日分の有給休暇が残っていたので、今年4月20日に4月22日の有休休暇を申請しましたが、会社は認めてくれませんでした。私はなっとくできず、4月22日に会社を休みました。すると、4月23日に解雇され、収入がなくなりました。とても困っています。法律違反だと思うので、助けてください。 (2)また、私の職場では、⚫⚫協同組合が帰国のエア・チケットを負担しますが、問題があります。 ・⚫⚫は「コロナでチケット代が値上がりしたので、5万円しか負担しない」と言っています。 ・その5万円についても、「ベトナムに帰国してから送り出し機関で受け取るように」と言われました。 チケット代金をベトナムで受け取らせるのは法律違反だと思います。また、5万円だけでは帰国できません。助けてください。 OTITが組合を指導 組合から飛行機代全額を受け取って受領証に署名 フォンさんは5月25日にOTIT名古屋事務所を訪ねて受付で手紙を渡すと、担当官が話を聞いてくれました。担当官はフォンさんの話をていねいに聞いたうえで、「組合に聞いてみる」と回答しました。 フォンさんはその後、念のため「外国人実習生支援」という支援団体を運営している榑松(くれまつ)さん(名古屋市)を訪ねました。榑松さんに委任状を書くと、翌日、榑松さんがOTITに電話をして対応状況を確認してくれました。「外国人実習生支援」にはFacebookページがありますので、遠くからでもメッセンジャーで相談することができます。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 外国人実習生支援(FB) その後、OTITは法律に基づいてこの組合を指導し、組合はフォンさんの帰国費用をすべて負担してくれることになりました。内容は愛知県から成田空港までの交通費と成田からダナンまでの飛行機代(120,000円)で、ダナンのホテルでの滞在(隔離)費150,000円はフォンさんの自己負担です。 無事に帰国 フォンさんが乗ったベトジェットの帰国便 OTITの指導で組合から飛行機代全額を受け取ったフォンさんは6月7日夜、組合が用意したバスで成田空港に向けて出発(他の元実習生も含めて約15人)。翌8日にベトジェットで成田を発ってその日のうちにダナンに着きました。ダナンでは隔離のためにホテル(2人1室)に3週間滞在し、6月29日にハノイ経由で故郷のナムディン省に帰りました。 まとめ フォンさんが泊まったホテルの部屋と部屋からの眺め〈ダナンで2021年6月〉 技能実習生の帰国旅費(帰国後のホテル代は除く)は組合が負担しなければなりません。それは法律で決められています。組合が支払ってくれない場合は、地元のOTITに相談しましょう。OTITに行く場合は、手紙を書いて持って行く方が効果的です。手紙を書く場合の注意点や文例はこのブログを参考にしてください。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 外国人技能実習機構(OTIT) ホテルでの食事と窓からの眺め

    2021年07月02日

  • 困りごと相談簿 file 07:婚約者を寮に宿泊させ解雇

    カンボジア人の技能実習生が寮の自分の部屋に婚約者(別の会社の技能実習生)を泊めたところ、「会社の規則に違反した」として解雇されそうになりました。この解雇は法律違反の疑いがあります。無理に解雇され帰国させられそうになったときは、どのように対処したらよいでしょうか? カテゴリー 労働 【相談者】 ・技能実習生 ・20代・カンボジア人男性 ・実習地:静岡県 「婚約者が寮に宿泊」を理由に解雇通告 婚約者宿泊で解雇通告 相談者はカンボジア人の技能実習生で、静岡県の家具工場で働いていました。2020年11月21~23日の3連休に、岐阜県で技能実習をしているカンボジア人女性が相談者に会いに来ました。この女性とは母国で親同士も会って結婚の約束をしています。女性は相談者の部屋に宿泊していましたが、11月23日朝、相談者は休日出勤のため女性を部屋に残して工場で働いていると、会社幹部(日本人)が合鍵で部屋に入り、女性を発見しました。 幹部からの連絡を受けた監理団体(受入組合)の担当社が同日午後、会社にやって来て、相談者は仕事を中断させられました。担当社は相談者を寮に連れて行って荷物をまとめさせ、監理団体の宿泊施設に連れて行きました。その日、監理団体は相談者に「会社はあなたを解雇した」と通告しました。「外部の人を寮に入れる場合は、事前に会社と相談する」という規則を破ったという理由でした。 労働組合が会社と交渉し解雇撤回 相談者は仕事を与えられず、その日から監理団体の施設に宿泊させられました。監理団体は12月2日の航空券を買い、相談者に帰国するように言いました。相談者は日本に長く住むカンボジア人に相談したところ、ある労働組合を紹介されたので、電話をして訪問しました。強制帰国が4日後に迫っていました。 相談者が訪ねたのは外国人労働者のための労働組合支部でした。支部長は相談者の話を聞くと、相談者をその日から提携宿泊施設で保護するとともに、会社と監理団体に交渉を申し入れました。翌月、会社と監理団体が労組に来て協議し、数日後、会社の代理人(弁護士)から解雇撤回などの提案がありました。労組はこれに対し、再発防止に関する協定を結んでから職場復帰することを提案しましたが、合意に至りませんでした。現在は、11月23日以降の賃金の支払いなどを求めて交渉を続けています。支払額について合意すれば、この会社を合意退職し、労組が紹介する別の職場で仕事を続ける方針です。 ポイント:寮の宿泊ルール この監理団体の外出・外泊ルール この監理団体は技能実習生に対して外出・外泊ルールを課していました。「他社の寮に泊まるときは、自分の会社に事前に相談する」「自分の会社の寮に部外者を泊めるときも会社に事前に相談する」などの内容です。相談者は以前、会社に相談せずに婚約者の寮に泊まりに行ったのがばれ、監理団体から注意を受けました。今回も会社に相談せずに婚約者を宿泊させたため、監理団体から「ルールを破ったのは2回目なので、会社はあなたを解雇した。帰国してもらう」と通告されました。 会社が禁止事項を設け、従業員がそれを破ったからといって、どのような場合でも解雇できるわけではありません。労働契約法は解雇について制限を設けており、特に一定の雇用期間を定めた有期の雇用契約については、「やむを得ない事由」がある場合でなければ解雇を行うことができないと定めています。 また、外出・外泊のルールについては、技能実習法は「技能実習関係者は、技能実習生の外出その他の私生活の自由を不当に制限してはならない」と定めています。相談者が婚約者と交際することや婚約者を自分の部屋に数日間泊めることは「私生活の自由」にあたり、制限できないと解釈する余地があります。 ※ただし、会社に無断で寮に無制限に部外者を泊めると、会社に迷惑をかける恐れもあります。例えば、技能実習生の寮に不法滞在者が泊まる事例が散見されますが、これはその人の不法滞在を手助けしていることになり、会社の管理責任が問われることにもなりかねません。 ポイント:強制帰国は違法 強制帰国は違法 技能実習生が強制的に帰国させられることは時々あります。しかし、それは違法です。技能実習法やその運用要領は実習生の帰国や解雇について次のように規定しています。実習生が希望していないのに無理に帰国させることは違法です。 〇 技能実習生を技能実習計画の途中で帰国させる場合は、実習生に対し、意に反して途中で帰国する必要はないことの説明や帰国の意思確認を書面で十分に行ったうえで、外国人技能実習機構(OTIT)に届けなければならない。 〇 技能実習生が技能実習の継続を希望している場合、受入会社や監理団体が責任を持って次の実習先を確保することが必要。 岐阜一般労働組合・第2外国人支部 相談者が相談したのは岐阜一般労働組合・第2外国人支部の甄凱(けん・かい)支部長です。事務所は岐阜県羽島市にあります。甄凱さんは提携するNPO法人のシェルター(宿泊施設)に相談者を住ませ、会社や監理団体と交渉しました。その後、会社は弁護士を通じて解雇撤回と謝罪を文書で提案しましたが、支部と相談者はその内容では不十分と考え、その後も交渉を続けています。また、支部は外国人技能実習機構(OTIT)にも事実経過を申告し、OTITは2021年3月に調査を始めました。技能実習生もやむを得ない事情がある場合は、OTITや支援団体を通じて新しい職場に移ることが可能です。 ポイント:OTITや支援団体を頼る 岐阜一般労組・第2外国人支部の事務所と甄凱支部長 監理団体や会社が適切に対応しない場合は、外国人技能実習機構(OTIT)に相談しましょう。ベトナム語で相談内容を送信できます。電話もあります(0120-250-168)。事務所を直接訪れるのも有効です。 万一、OTITに相談しても解決しない場合は、次のような民間の支援団体もあります。OTITや労基署に1人でうまく相談できない場合も助けてくれます。「外国人実習生支援」は、緊急性が高い場合、代表が自分の名刺の画像をSNSで送ってくれます。そして、無理に空港に連れて行かれた場合は、出国審査(パスポート審査)で名刺の画像を見せて「本当は帰国したくない」と伝えるようアドバイスしています。 ・岐阜一般労働組合 第2外国人支部(甄凱支部長) 090・8496・9668(日本語) ・外国人実習生支援(Facebook) ・日越ともいき支援会

    2021年03月21日

  • 困りごと相談簿 file 06:技能実習生の強制帰国

    彼女が技能実習を始めて数カ月で送出機関の社長がベトナムからやってきて、「会社はあなたをいらないと言っている。一緒に帰国しよう」と言いました。彼女は以前から相談していた外国人支援団体に連絡。支援団体のサポートでOTITが彼女を救出し、転職サポートもしてくれました。 カテゴリー 労働 【相談者】 ・技能実習生 ・30代・ベトナム人女性 ・居住地:奈良県→岩手県 送出機関社長が帰国を強要 ブラック企業で技能実習 相談者は奈良県の小さな縫製工場で技能実習を始め、毎日2~5時間残業しましたが、残業代を一切もらえませんでした。社長の説明は「本来は200枚を8時間以内に縫わなければならない。200枚縫い終わるまでは残業にカウントしない」というものでした。このため、手取り給料は88,000円(約18,610,000ドン)しかありませんでした。 ※100円=21,148 VND(2021年3月17日現在) 相談者はベトナムの縫製工場で12年間ミシンを踏んでいたので、経験はあります。しかし、奈良では仕上げ縫いを担当し、そで、肩、わき、えりなどすべての部分を縫わなければならないので、頑張っても1枚5分かかりました。100枚で500分。3時間残業しても1日150枚が精一杯でした。 強制帰国の危機 相談者が働き始めて3カ月目、社長は「1日200枚縫えないなら、あなたはもう会社に来なくていい」と言いました。そのときは監理団体(組合)の通訳が間に入り、仕事を再開できました。しかし、その4カ月後、送出機関の社長がベトナムから来て、「会社はあなたを要らないと言っている。私と一緒に帰国しよう」と相談者に迫りました。そして、相談者を見張るために、その夜は相談者の寮に泊まりました。 外国人技能実習機構が保護 相談者は4カ月前から「外国人実習生支援」という組織にSNSで相談を続けていました。送出機関社長が来た日の夜は、この組織の代表に「ベトナムに連れて帰られそうなので、助けてほしい」とSNSで送信しました。代表はその夜のうちに外国人技能実習機構(OTIT)と労基署に詳しいレポートをFAX送信し、翌朝、OTITの担当者たちが会社に来て相談者を保護してくれました。その後、この会社は技能実習を実施できなくなり、相談者たちは新しい会社で技能実習を続けられることになりました。 ポイント:強制帰国は違法 強制帰国の手順 技能実習生が強制的に帰国させられることは時々あります。しかし、それは違法です。そして、送出機関や監理団体が実習生を強制帰国させる際、次のようなことがよく行われます。 ・技能実習生に「自分の希望で帰国する」という文書を書かせる。 ・「帰国して何カ月か待てば、新しい技能実習先を紹介する」と言って実習生を説得する。 今回の送出機関社長も同じでした。しかし、相談者は本当に新しい実習先を紹介してもらえる保証はないと考え、「次の実習先が見つかるまで日本で待ちたい」と返事しました。 強制帰国は違法 技能実習法やその運用要領は実習生の帰国や解雇について次のように規定しています。実習生が希望していないのに無理に帰国させることは違法です。 〇 技能実習生を技能実習計画の途中で帰国させる場合は、実習生に対し、意に反して途中で帰国する必要はないことの説明や帰国の意思確認を書面で十分に行ったうえで、外国人技能実習機構(OTIT)に届けなければならない。 〇 技能実習生が技能実習の継続を希望している場合、受入会社や監理団体が責任を持って次の実習先を確保することが必要。 ポイント:OTITや支援団体を頼る 強制帰国への対処 監理団体や受入会社が適切に対応しない場合は、外国人技能実習機構(OTIT)に相談しましょう。ベトナム語で相談内容を送信できます。電話もあります(0120-250-168)。事務所を直接訪れるのも有効です。 万一、OTITに相談しても解決しない場合は、次のような民間の支援団体もあります。OTITや労基署に1人でうまく相談できない場合も助けてくれます。「外国人実習生支援」は、緊急性が高い場合、代表が自分の名刺の画像をSNSで送ってくれます。そして、無理に空港に連れて行かれた場合は、出国審査(パスポート審査)で名刺の画像を見せて「本当は帰国したくない」と伝えるようアドバイスしています。 外国人実習生支援(Facebook) 日越ともいき支援会 岐阜一般労働組合 第2外国人支部:甄凱(けんかい)支部長 090・8496・9668(日本語) OTITが保護→別の会社で実習 相談者が「外国人実習生支援」にSOSを送った翌日、OTITの担当者たちが会社を訪れ、相談者が強制帰国させられないようにホテルに移して保護しました。相談者は約2カ月後、OTITや支援団体の手配で新しい会社に転籍しました。新しい会社は残業代をきちんと支払い、技能実習生の生活サポートもしっかりやってくれます。このように、やむを得ない事情がある場合は、OTITや支援団体を通じて新しい職場に移ることが可能です。

    2021年03月19日

  • 困りごと相談簿 file 05:短期滞在ビザで出産

    彼女は技能実習を無理にやめさせられ、自力で新しい仕事を探している最中に妊娠・出産しました。彼女は市役所や支援団体のサポートを受けて低費用で出産し、再就職もできました。彼女が出産の際に受けた助成や、再就職するまで在留資格(ビザ)をどうしたかについて紹介します。 カテゴリー 出産・子ども、在留資格 【相談者】 ・元技能実習生 ・20代・ベトナム人女性 ・関東地方在住 【概要】中途帰国→再訪日→出産&再就職 技能実習中に中途帰国 相談者は鹿児島県で介護の技能実習を始めましたが、その介護施設の経営不振によって1カ月半で宮崎県の別の施設に転職させられました。ところが、それから1カ月余りたったある日、監理団体の職人が突然、寮にやってきました。相談者は監理団体の車で空港に連れて行かれて飛行機に乗せられ、ベトナムに帰国させられました。 約100万円の借金をして訪日したのに、3カ月だけ働いて帰国させられては困ります。相談者は4日後に自費で日本に戻り、関東に住むベトナム人の友人宅を渡り歩きました。そんなある日、不法残留者の集まるパーティーで知り合った男性と関係を持ち、妊娠しました。互いに恋愛感情はなく相手に経済力もないため、妊娠の事実は知らせませんでした。相談者は1人で出産するつもりで病院に通い仕事探しも続けてきましたが、仕事が見つからず、困っていました。 再訪日、妊娠・出産、再就職 相談者はそんなとき、日越ともいき支援会と出会いました。支援会の支援で2020年12月に食品加工会社の面接を受け、合格。この会社と雇用契約を結んで新しい在留資格を取得し、その直後に出産しました。2021年4月から勤務する予定で、現在、保育所など子どもを預ける施設を探しています。 ポイント:監理団体による強制帰国は違法 希望しないのに帰国 相談者が帰国させられた背景には、勤務先の意向があったようです。2019年12月12日、相談者は監理団体から面会を求められましたが疲れていたので断ったところ、4日後に監理団体のスタッフと通訳が寮に訪れ、「今から空港に行くので荷物をまとめるように」と通告されました。また、「もう施設職員ではないので、このアパートに住むことはできない」とも言われました。その後、車で空港に連れて行かれ、ベトナム語の帰国同意書に署名させられたそうです。 強制帰国は違法 技能実習法やその運用要領で実習生の帰国や解雇については次のように規定されています。実習生が希望していないのに無理に帰国させることは違法です。 〇 技能実習生を技能実習計画の途中で帰国させる場合は、実習生に対し、意に反して途中で帰国する必要はないことの説明や帰国の意思確認を書面で十分に行ったうえで、外国人技能実習機構(OTIT)の事務所に届けなければならない。 〇 技能実習生が技能実習の継続を希望している場合は、受入会社や監理団体が責任を持って次の実習先を確保することが必要。 強制帰国への対処 日越ともいき支援会 監理団体や受入会社から上記のような対応が望めない場合は、外国人技能実習機構(OTIT)に相談してください。ベトナム語で相談内容を送信できます。電話もあります(0120-250-168)。事務所を直接訪れるのも有効です。 万一、OTITに相談しても解決しない場合は、次のような民間の相談機関もあります。「外国人実習生支援」は、緊急性の高い相談の場合、代表者が自分の名刺の画像をSNSで送ってくれます。そして、強制帰国させられそうになった場合は、日本の空港の出国審査(パスポート審査)で「帰国を強制されたが、本当は帰国したくない」と伝えるようアドバイスしています(その際に代表者の名刺の画像も見せます)。 外国人実習生支援(Facebook) 日越ともいき支援会 ポイント:再訪日後の在留資格 技能実習から短期滞在へ 相談者は自力で日本に戻り、不法残留者の家を渡り歩きましたが、技能実習の在留資格の期限が迫っていました。相談者が母子健康手帳をもらうために市役所の担当課を訪ねたところ、その後、市役所の担当者が通訳と一緒に何回かアパートに来て相談に乗ってくれました。この担当者が入管などに問い合わせ、短期滞在(30日)の在留資格に切り替えることができ、毎月更新してきました。 再就職先が決まり、特定活動へ 相談者は、面接で合格した会社との雇用契約書を入管に提出し、特定技能への移行を目指すことを条件に特定活動(雇用維持支援)の在留資格に変更してもらいました。在留期間は12カ月で、その間に日本語能力試験(JLPT)・N4と技能試験に合格すれば、特定技能1号の在留資格を取得できる可能性があります。特定技能1号では最長5年間働けます。 ポイント:出産費用と育児 相談者と赤ちゃん。右は日越ともいき支援会の吉水代表〈2021年〉 出産費用 市役所の担当者の手配で児童福祉法の助産制度を受けられ、分娩費用は5万円ですみました。 出産一時金 日本では出産した人に42万円を支給する「出産一時金」という制度があります。相談者の場合、 ・出産一時金を受給するには、国民健康保険への加入が必要 ・国民健康保険に加入するには、市役所への住民登録が必要 ・住民登録をするには、3カ月を超える在留資格が必要 という条件がありました。しかし、短期滞在(30日)から特定活動(12カ月)の在留資格に変更できたのは出産後となり、出産一時金はもらえませんでした。 出産一時金 相談者は、将来は子どもをベトナムの母親に預かってもらうつもりです。しかし、それまでは保育所などに預けて働くことを希望しています。

    2021年03月17日

主催者

Nhà tài trợ Bạch Kim

後援

  • 在ベトナム日本国大使館
  • 国際交流基金ベトナム日本文化交流センター
  • JNTOハノイ事務所
  • 関西経済連合会
  • 一般社団法人 国際人流振興協会
  • 公益社団法人 ベトナム協会
  • NPO法人 日越ともいき支援会

協力

JASSO(日本学生支援機構)

外国人労働者弁護団

WA.SA.Bi.