生活・ビザ

ベトナムの市場を思い出す日本の商店街

shotengai1
2022年09月22日

「桃、おいしいよ!お姉さん、見てらっしゃい!」
「いらっしゃい。いらっしゃい!はい、2パック買ってくれたら、値引きするよ!」
「はいよ!一番良いのを選ぶね!任せて!」

このような店員のかけ声を聞くと懐かしいと思いませんか?そう、この声はベトナムの市場や街中でよく聞くやり取りですね!実は、日本の商店街でもこのようなベトナムの街と同じ雰囲気を味わうことができます。

この記事では、日本の商店街の特徴と私がおすすめしたい首都圏の商店街を紹介します。ぜひ、あなたも日本の商店街を楽しんでください。

屋根付き歩行者天国での散歩は最高

ホアンキエム湖周辺の歩行者天国

2016年、ハノイのホアンキエム湖周辺の道路で週末だけ自動車乗り入れが禁止され、歩行者専用になりました。当時、日本人の知人に「ホアンキエム湖周辺は週末、散歩専用の道になりましたよ!」と説明すると、その人は「あ、それは日本語で歩行者天国と言います」と教えてくれました。過去に日本で歩行者天国にいくつも出会いましたが、それを「歩行者天国」と呼ぶことをそのとき初めて知りました。

彼は日本の商店街のほとんどが歩行者天国になっていることも教えてくれました。私は旅行が好きで、これまでに日本の47都道府県のさまざまな商店街を訪れましたが、確かに、ほとんどの商店街が歩行者と自転車しか通れず、上に屋根(アーケード)も付いています。このような商店街を「アーケード商店街」と言います。

アーケード商店街(石川県金沢市)

歩行者天国がなぜ「天国」と呼ばれているのか分かりませんが、商店街の中では車を気にせずに歩け、暑い日も強い日差しに当たらず、雨の日も傘が要(い)りません。このように歩行者が気軽に散歩や買い物を楽しめる空間はまさしく「天国」に違いないと思います。

ところで、私は留学生として東京郊外に住んでいましたが、約1年前に東京で就職したので、通勤に便利な場所に引っ越さなければなりませんでした。そこで、不動産屋さんに東京都23区内の物件をいくつか見せてもらいましたが、今のマンションを選んだ決め手はアーケード商店街が近いことでした。自宅から駅のそばまで商店街を通るので、駅まで日傘や雨傘は不要です。しかも、商店街を歩くのは楽しいので、疲れません。ここを選んでよかったと、住み始めて1年経った今も思います。

客と店員が楽しく交流、値引きも

コンビニやスーパーはとても便利で、私たちの生活に欠かせない存在です。しかし、これらの店での暗黙の決まりとして、客はレジで品物について聞いたり値段交渉したりせず、客と店員がほとんど会話せずに品物の受け渡しが済みます。

その点、商店街では、店員さんとときどき世間話をしたり、野菜や果物の種類やお勧め品について説明してもらったりして、気軽に交流できることがあります。ベトナムの市場と同様、値引き交渉をしたら、少し応じてくれることもあります。あるいは、顔なじみの客に店主がおまけで野菜や小さな商品をサービスしてくれることもあります。

アメ横商店街|KOKORO

私や友だちはベトナム料理を食べたくなると、いつも東京・上野の「アメ横」に行き、ベトナム食材を買い込みます。もともとスーパーより値段が安いはずですが、毎回店員さんと楽しく交流するうち、ときどき、さらに値引きしてくれるようになりました。すると、私たちはうれしくなって、後日またその店で買い物をします。こうしてお互い気持ちよく売買を続けています。機会があれば、あなたもアメ横で買い物を試してみてください。

商店街で昔ながらの雰囲気を味わう

新宿

先日、遠くから東京に来た友人と新宿駅で待ち合わせました。彼女から「よく新宿に遊びに来るの?」と聞かれましたが、新宿には3、4カ月ぶりでした。なぜかというと、私が住んでいる地域には、大きなショッピングモールが複数あり、現代的なビルが建ち並ぶ中に昔から続く商店街もあるので、わざわざ新宿まで足を運ばなくても、地元でショッピングを十分に楽しめるからです。私は特に、活気にあふれ日本の伝統文化を受け継ぐ商店街の雰囲気が大好きです。

私の地元の商店街には、スーパーやコンビニはもちろん、八百屋(やおや)さんや魚屋さんといった食料品店から衣料品店や薬局、100円ショップまで、ありとあらゆる商店があり、生活に必要なものが何でもそろいます。また、日本の居酒屋やタイ・韓国・インド・ベトナムなど各国の料理店も並び、初めてここに来たとき、「1年ぐらい自炊しなくても、毎晩、商店街で食事を楽しめる」と思いました。

八百屋さん

その中でも私が特に好きなのは八百屋さんです。この商店街の八百屋さんはとてもリーズナブルな値段で野菜や果物を売っています。以前は、日本の野菜と果物はベトナム人には高すぎて手が出ないときもありましたが、こちらに越してからは、このお店のお陰で値段を気にせず野菜・果物を買えるようになりました。しかも、安いからといって質が悪い訳ではなく、よく売れるので毎日仕入れをするらしく、いつも新鮮な商品が並んでいます。

この八百屋さんを始めステキなお店がたくさんあり、私はこの商店街に文句なしに大満足しています!

私のオススメ商店街

私の趣味は週末に友だちと一緒に商店街をぶらぶら散歩することです。東京や周辺で私が気に入っている商店街をいくつかご紹介します。

アメ横商店街(東京・上野)

アメ横商店街

アメ横商店街(東京都台東区)では世界各国の食材が売られています。私はベトナムやベトナム料理が恋しくなると、いつもアメ横に飛んでいきます。アメ横商店街のウェブサイトには「アメ横で上手な買い物のしかたとは、まずは店員さんに遠慮(えんりょ)なく話かけてみてください」と書いてあります。まさにその通りで、店員さんたちはフレンドリーで、いつも笑顔で接してくれますし、適度な値引き交渉に応じてくれる場合もあります。ただし、買いすぎないように気をつけてください。

中野サンモール商店街(東京・中野)

中野サンモール商店街

中野サンモール商店街(東京都中野区)は中野駅(JR、東京メトロ)の前にある商店街で、鉄道の発達とともに栄えてきた駅前商店街として知られています。人通りが多いので、テレビのインタビュー取材がよく行われるそうです。

メインのアーケード商店街と並行する通りには居酒屋などの飲食店がびっしり並び、この2本の通りを結ぶたくさんの小道にも店が並んでいて、何回行っても飽きません。

LaLaガーデン(東京・赤羽)

LaLaガーデンはJR赤羽駅(東京都北区)の前にあるローカルな商店街で、正式名は「赤羽スズラン通り商店街」です。激安の八百屋さんや激安の衣料品店などがあり、地元の人々から愛されている商店街です。

また、近くにはベトナムを含むアジア各国の料理店や昭和の雰囲気が漂(ただよ)うレトロな飲み屋街もあり、新宿に負けないぐらい遅くまでにぎわっています。商店街の店は午後8時までですが、飲食店は遅くまで開いています。

仲見世商店街(東京・浅草)

仲見世商店街

浅草の仲見世(なかみせ)商店街は約300年の歴史を持つ日本で最も古い商店街の1つで、浅草寺(せんそうじ)の参道です。浅草寺と仲見世商店街がセットで観光名所となっており、外国人観光客にとって見逃せない場所になっています。この商店街で江戸時代の雰囲気を楽しんでください。

横浜中華街

夜の横浜中華街

横浜中華街は中華料理店、雑貨店、屋台などが500店以上が軒を連ねる世界最大級の中華街です。高級中華もありますが、ベトナム人の私にとっては中華料理の食べ放題コースが一番魅力的です。

まとめ

高知市内の商店街

日本では1980年代以降、ショッピングモールや大型スーパー、コンビニが急増し、商店街が衰退しています。全国には閉店してシャッターが閉まった店が目立つ「シャッター商店街」が増え、日本の商業文化の移り変わりを示しています。

そのような中、さまざまなサービスを考えたり商店街としてのブランド発信に力を入れたりして生き残りに成功してきた商店街もあります。また、アメ横や横浜中華街などの一部の有名商店街は観光地としての要素も強いため、集客力が健在です。

私は人とのコミュニケーションが好きなので、コンビニやスーパーより商店街の方が居心地良く感じます。店員さんのかけ声を聞いたり笑顔を見たりするたびに、ふるさとベトナムの行商人の声や市場の人々の顔が思い浮かび、懐かしさで胸がいっぱいになるのです!あなたも日本の商店街をゆっくり味わってみてください。