生活・ビザ

イベント参加者のけがなどを補償する保険

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2023年04月14日

ピクニックやスポーツ大会、公園でのフェスティバルなど、イベントが多い季節になりました。在日ベトナム人のコミュニティでも、サッカーなどのスポーツ大会が盛んです。では、イベント参加者のけがや熱中症、食中毒に備える安いかけ金の「レクリエーション傷害保険」があるのをご存じでしょうか?手続きが面倒なためあまり普及していませんでしたが、最近はオンラインでも申し込めるようになり、加入者が急増しています。イベントでは思わぬ大けがが発生する可能性もあり、そうなった場合は、多額の費用がかかります。この記事では、イベント主催者向けの保険について紹介します。

レクリエーション傷害保険とは

レクリエーション傷害保険とは、スポーツ大会やウォーキング、祭りなどさまざまなイベントに適用される保険です。イベントの主催者が加入すると、イベント参加者全員が補償対象になります。

・保険契約者:イベント主催者
・補償対象者:イベント参加者全員
・補償されるケース:イベント参加中のけが・熱中症・食中毒による入院・通院、万一の死亡・後遺障害など
・往復時も補償:イベント参加中だけではなく、参加者が家を出てから帰るまでに起きたけがなどにも補償が適用されます。

※レクリエーション傷害保険の申し込みはこちら

契約プランの例

◆ ウォーキングイベント(A料率)参加者50名の場合

プレミアム スタンダード エコノミー
補償 死亡・後遺障害 1,000万円 800万円 500万円
入院(1日あたり) 10,000円 5,000円 3,000円
通院(1日あたり) 5,000円 3,000円 1,000円
その他の補償 熱中症・食中毒・会場への往復時のけがへの補償
保険料 天災補償あり 3,986円 2,639円 1,592円
天災補償なし 3,568円 2,346円 1,410円

※1日の行事の例です。行事によってA料率・B料率・C料率のどれかが適用され、B・C料率の場合の保険料はこの表とは異なります。

保険金が支払われた例

レクリエーション傷害保険が適用された事例を保険代理店に取材したところ、イベント中にけがをしたり熱中症になったりした人の年齢は10代~70代と幅広く分布しています。そして、けが人などが出たイベントはスポーツ大会だけではありません。清掃活動や焼きいもパーティー、写真撮影会など、一見「けが」とは無縁に思えるイベントでもけが人が出て、保険金が支払われています。

年令 性別 イベント内容 けがをしたときの状況 治療 保険金
44 駅伝 走っている途中に転倒して骨折 通院 12,000
43 ソフトボール ほかの選手と接触してひざをいためた 通院 69,000
45 ウォーキング 歩行中にみぞにはまって足首の靱帯(じんたい)を損傷 通院 10,000
53 ソフトボール 試合中に転倒してひざを骨折 通院 78,000
40 運動会 走っているときに足首を捻挫(ねんざ) 通院 5,000
61 バドミントン プレー中に転倒して足首を捻挫(ねんざ) 通院 12,000
31 よさこい祭り よさこいを踊った後、熱中症(脱水症状)で搬送 入院 12,000
10 きもだめし きもだめしで歩行中につまずいて頭を打った 通院 5,000
49 撮影講座 馬を撮影中、馬に指をかまれた 通院 4,000
12 車椅子サッカー プレー中にほかの選手と接触して頭から出血 通院 2,000
36 清掃活動 倉庫で木材を整理中にくぎを踏んで足をけが 通院 15,000
47 焼きいもパーティー 木の枝が目に入ってしまった 通院 1,000
75 舞踊会 舞台から降りるときに階段を踏み外して腰を骨折 入院 85,000

そして、スポーツ大会ではやはり大きなけがが発生しています。ソフトボールの試合中に転倒してひざを骨折(支払われた保険金:78,000円)▽ソフトボールでほかの選手と接触してひざをいためた(保険金:69,000円)――などです。在日ベトナム人の間ではサッカーなどが盛んですが、試合中に大きなけがが発生したとき、すべてを自己負担すると大変な費用になる場合もあります。保険で補償してもえれば、助かりますね。

また、舞踏会で舞台から降りるときに階段を踏み外して転倒し、腰を骨折(保険金:85,000円)▽焼きいもパーティーで木の枝が目に入った(保険金:1,000円)――といった事例を見ると、文化的なイベントでも大きなけがが発生する可能性があることが分かります。

オンラインでも加入可能に

こども会や老人ホームでのイベントやお祭り、スポーツ大会などの際に起きる「けが」を補償するレクリエーション傷害保険。かけ金が安い割に補償が大きい保険ですが、以前はオンライン加入のシステムがなく、紙の申込書で加入するしかありませんでした。このため、保険料が安い割に保険代理店の作業負担が大きいことから、十分にPRされていませんでした。

しかし、保険商品の開発を行っているマーブル(株)が2022年、レクリエーション傷害保険にオンラインで加入できるシステムを開発し、最近は加入者が急増しています。

マーブルの保険申し込みサイト

まとめ

スポーツ大会やハイキング、祭り、料理教室、パーティーなどさまざまなイベントで発生する可能性がある「けが」や熱中症、食中毒。こうした不慮(ふりょ)のできごとに備え、比較的安い費用で参加者らの入院・通院や死亡・後遺障害に対する補償を受けられる「レクリエーション傷害保険」。イベントを主催する皆さんはこのような保険があることも知っておきましょう。