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マンガ・読書感想文コンクール

“大同生命”という日本の保険会社をつくった「広岡浅子」の伝記マンガのベトナム語版が発刊されました。このマンガを読んで感じたこと、勉強になったことを、A4・1枚程度の感想文に書いて応募してください。入賞者には賞金が渡されるほか、応募者全員にデジタルギフト券が贈られます。 このコンクールには、ベトナムと日本から計655作品の応募がありました。厳正な審査の結果、12人の受賞者が選ばれ、2023年11月に表彰式を行いました。くわしくはこちらをお読みください。 主人公は女性の実業家 ...

2023年04月05日
  • ベトナムの常識・日本の非常識_35:「はい」は1回だけ

    2023年03月28日
    あなたが職場の上司から指示を受けたとき、ベトナムでは「はい、はい、はい」と返事をするのは一般的なことです。また、目上の人には車内で助手席に座ってもらうのが普通です。ところが、日本で同じことをすると……。 「はい」と3回連続で言うのは… 失礼です 上司から仕事の指示を受ける場面を想像してみてください。ベトナムでは、あなたが何か仕事の指示を受けたとき、「はい、はい、はい」または「OK、OK、OK」と答えるでしょう。これはベトナムではごく普通の返事で、指示をしっかり理解したという証しであり、礼儀正しい表現です。 しかし、日本で「はい」を2、3回続けて言うと、相手に良い感情を持たれません。上司やお客さんから指示や依頼、説明などを受けたときは、「はい」と1回だけ答えましょう。相手の顔を見て「はい」と1回だけ言えば、「(あなたの指示や説明を)理解しました」という意味になります。日本で仕事をするときは、このことを覚えておいてください。 話す相手が上司ではなくても、日本で「はい、はい、はい」と答えるのはよくありません。ある日本語の先生が教えてくれたことですが、日本人が「Yes」または「OK」と答えるとき、「はい」は1回だけです。「はい、はい」と答えると、「相手を軽く見ている」「聞き流している」「面倒くさそうにしている」などと誤解されてしまうそうです。「はい、はい、はい」も同じです。 ですから、上司とのやり取りだけではなく、アルバイト先の飲食店でお客さんの注文を受ける場面などでも、注文に対し「はい、はい」や「はい、はい、はい」と答えるのは失礼にあたります。お客さんが気分を損ねて帰ってしまうかもしれませんので、気をつけましょう。 食べるときはおわんを手で持つ ベトナムでは、おわんをテーブルに置いてスプーンで食べるのが一般的です。はしを使う場合も、おわんを置いて食べることについて何も気になりません。しかし、日本の文化では、おわんをテーブルに置いたまま、首を伸ばしておわんに口を近付けてはしやスプーンで食べると、「行儀が悪い」と思われてしまいます。日本では、おわんを片手で軽く持ち上げて口に近付けてから、はしやスプーンで食べる方が良いのです。ただし、大きなお皿については、片手で持ち上げる必要はなく、テーブルに置いたままで大丈夫です。 私は、日本の小学校に通う娘から、給食の時間に「3つのノー」運動があるということを聞くまでこのことを知りませんでした。「3つのノー」とは、①テーブルにこぼさない ②食べ物を残さない ③テーブルの上におわんを置いたまま食べない、の3つです。 日本人には、おわんやお茶わんをテーブルに置いたまま顔を近付けて食べることはペットのような食べ方と映るのかも知れません。さらに、おわんやお茶わんを手に持つことは、お米を作っている農家の人たちへの感謝の気持ちも表しているそうです。お子さんが日本の学校に通っていたり、職場で日本人の同僚と一緒に食事をしたりする場合は、このことに注意してください。 車に乗るとき、目上の人はどの席? 日本では車に乗る時、ベトナムとは異なる座席のマナーがあります。これは多くの国に共通することかもしれません。 ベトナムでは、運転席の隣の席(助手席)は家族や親しい友人のための優先席だと考えられています。例えば、私の家族が車に乗るとき、父はいつも運転する私の隣(助手席)に座り、後部座席には母と妻と子供たちが座ります。この配置の根拠は簡単で、父は家族で最年長なので一番良い席(広々とした視界がある助手席)に座るのです。これはおそらく多くのベトナム人家庭で共通のルールになっていると思われます。 しかし、日本のルールはこれとは違います。卒業式のとき、友人と車で日本語教師を迎えに行きました。私は友人(運転手)の隣(助手席)に座っていましたが、先生の家に到着すると、いったん車から降りて先生に助手席に座ってもらい、私は後部座席に回りました。それが先生への敬意だと考えたからです。 先生は少しとまどったような顔をしていましたが、何も言いませんでした。行事が終わった後、先生から興味深い文化の違いを聞きました。日本では、目上の人やお客さんを後部座席に座らせることが多いそうです。例えば、会社の上司や先輩とあなたがタクシーで移動する場合、上司と先輩に後部座席に座ってもらい、あなたは助手席に座るのがマナーなのだそうです。日本で仕事をする人はこのことにも気を付けてください。
  • 新入社員向けの基本ビジネスマナー_02

    2023年02月10日
    就職活動を終えてこれから日本で働き始める人や働き始めて間もない人は、日本での基本的なビジネスマナーを学びましょう。「電話の受け方」「お茶の出し方」「ホウ・レン・ソウ」について解説した新入社員向けの基本ビジネスマナー_01に続き、この記事では「メールの基本的なマナー」と「敬語の使い方の注意点」を紹介します。 メールの基本的なマナー 留学生の皆さんは大学・学校の先生や職員の方々と電子メールでやりとりをしたことがありますよね? その中には、学校からの連絡事項であって返事をしなくてもよいメールもあります。しかし、仕事関連のメールとなると、社外からのメールであれ社内からであれ、必ず返信する必要があります。これから紹介する5つのことに気をつけましょう。 件名(タイトル)をよく考える メールの件名には内容や重要度を知らせる役割がある メールを受け取る人が最初に見るのが件名(タイトル)です。そのため、送り手はメールの用件がひと目でわかるような件名を書くことが大切です。 「御社訪問の日程について」 「〇〇記念式典の準備会合について」 「御社ビル清掃サービスの契約更新のお願い」 などと書けば、件名を読むだけでメールの内容がだいたいわかります。 忙しい人は大事なメールから読む 1日に何十本ものメールを受け取る人もたくさんいます。そういう人たちにメールを送信する場合、件名は一層重要です。彼らは件名で判断して重要なメールを先に読み、内容がよくわからないメールは後回し(場合によっては数日後)にする場合も多いからです。 社名を入れる メールの件名にあなたの社名や名前を入れると、相手がメールの内容を想像することが一層容易になります。また、後からメールを検索する際にも便利です。 「3日の打ち合わせ資料(森興産、ブイ・リン)」 などと書けば、相手は一目でメールの内容や送り主がわかります。過去のメールを後から探す際にも、件名にメールの内容や送信者の会社名・名前などが入っていると、とても探しやすいです。 24時間以内に返信する 仕事を進めるためにメールで連絡を取り合うことはひんぱんにあります。その際、多くの人はメールを送ってから1日以上返事がないと、不安になります。そこで、メールを受信してからなるべく早く返信する習慣を付けましょう。事情があって遅くなっても、受信から24時間以内に返信するように心がけてください。 ・あなたの返信が早いと、相手はあなたに下記のような好印象を持ちます。 仕事が早い 仕事ができる 信頼できる ・あなたの返信がいつも遅いと、相手はあなたのことを下記のように思いがちです。 この人と一緒に仕事をするのは不安だ 返信が遅いので、仕事が円滑に進まない そもそも、相手はあなたの返信を待って仕事を次のステップに進めることが多いので、返信が遅いと、相手に迷惑をかけることになります。 ところで、ほとんどの会社が土日祝に休業します。もし金曜日にメールを受信した場合は、翌週の月曜日までに返信するとよいでしょう。 急ぎの用件はメールだけに頼らない トラブルやミスが起きたとき、納品スケジュールが押しているとき、予定の緊急調整が必要なときなど、急ぎの用件でメールを送る場合があります。しかし、相手がそのメールをいつ読むかはわかりません。場合によっては、2、3日放置されてしまう恐れもあります。 急ぎの場合は、メールを送るだけではなく、相手に早く確認してもらえるように電話やSNSなどでメールを読んでくれるように催促することも大切です。そして、緊急性が高い場合は、メールを送るより先に電話をかける方がよいでしょう。 早めにお礼メールを送る お客さんはあなたのために時間を作ってくれています。そのため、お客さんと打ち合わせをした後には、なるべく「お礼メール」を送りましょう。 お礼メールの内容は、感謝の気持ちのみならず、打ち合わせた内容のまとめや今後の課題・展望も書きましょう。そうすることで、その後の仕事がスムーズに進みます。 送信前に誤字・脱字や添付ファイルを確認する メールの送信ボタンを押す前に、件名、相手の名前、本文などに誤字・脱字がないか確認しましょう。もし、相手の名前を間違えてしまうと、大変失礼になります。また、本文に重要な誤字・脱字があると、あなたの仕事の信用性にかかわります。 また、添付ファイルの付け忘れや間違ったファイルを送ってしまうこともよくあるミスです。間違ったファイルを添付していないか、送信ボタンを押す前に添付ファイルの内容を必ず確認するようにしましょう。そうすることで添付忘れも防げますね。 敬語の使い方の注意点 しっかりとあいさつをする これから一緒に働く人たちと良い関係を築いていくための最初のステップはあいさつです。 社内でのあいさつの言葉 ・おはようございます。 ・お疲れ様です。 社外でのあいさつの言葉 ・お世話になります。 ・お世話になっております。 こうした言葉を欠かさないようにしましょう。仕事でよく使う言葉については、下記の記事でくわしく紹介していますので、こちらも参考にしてください。 仕事で使う日本語 適切な返事やあいづち 「うん」はNG 日本人の友人と話すとき、「うん」「そうだね」などという返事をよくしていると思います。しかし、お客様や目上の人と話すときに「うん」とか「そうだね」などの言葉を使うのは御法度(ごはっと)です。「うん」や「そうだね」は自分と対等か立場が下の相手にしか使ってはいけません。お客様や上司、先輩にうっかり「うん」とか「そうだね」などと答えてしまうと、大変失礼なことになります。 「はい」は1回 返事をする際に「はい、はい」や「なるほど、なるほど」のように、本来は一度ですむ言葉を2回繰り返して使うと、相手は「適当にあしらわれている」と感じたり、あなたのことを「軽薄な人だ」と思ったりしますので、気をつけてください。 同意を表す表現 ・私もそう思います。 ・私もそのように思います。 ・私もそのように感じておりました。 ・おっしゃる通りです。 ・おっしゃる通りかと存じます。 承諾や同意の言葉 ・承知しました。 ・承知いたしました。 ・かしこまりました。 ・左様(さよう)でございます 。 ビジネスシーンにふさわしい言葉を選び、失礼がないように気をつけましょう。 主語に応じた敬語を選ぶ 敬語の中には、「丁寧(ていねい)語」、「尊敬(そんけい)語」、「謙譲(けんじょう)語」があります。 尊敬語と謙譲語を使い分けるのは外国人には難しいことですが、次の手順を知っておくと、少し簡単になります。まず、「その行為をするのはだれ?」と考えると、主語が分かります。主語を確認した上で、次の原則に当てはめると、敬語の間違いが激減します。 ・主語が相手や他人(主に目上の人)のとき→尊敬語 ・主語が自分や身内のとき→謙譲語 敬語の大事な原則や間違いやすい事例を知りたい方は下記の記事を読んでください。 これでスッキリ!敬語はこうして覚える また、丁寧語の「〜です」「〜ます」は使用頻度(ひんど)が高いので、意識しなくても使えるように普段から使って慣れておきましょう。 まとめ この記事では、新入社員が覚えておくべきビジネスマナーとして「メールの基本的なマナー」と「敬語の使い方の注意点」について説明しました。 【メールの基本的なマナー】 ・件名をよく考える(端的でわかりやすい件名を付ける) ・24時間以内に返信する ・急ぎの用件はメールだけに頼らない ・早めにお礼メールを送る ・送信前に誤字・脱字や添付ファイルを確認する 【敬語の使い方の注意点】 ・しっかりとあいさつをする ・「うん」はNG ・「はい」は1回 ・主語に応じた敬語を選ぶ これから日本で働く皆さんや日本で働き始めて間もない皆さん、この記事と新入社員向けの基本ビジネスマナー_01で紹介したマナーを覚えれば、基本的には大丈夫です。職場や取引先の皆さんから信頼される社員に早くなれるよう、ビジネスマナーにも注意しながらがんばってください。
  • 新入社員向けの基本ビジネスマナー_01

    2023年01月28日
    日本で留学生の就職活動をサポートしていると、「入社するまでに、どのようなことを勉強しておけばよいですか?」とよく聞かれます。その質問への私たちの答えは「ビジネスマナーの勉強」です。基本的なビジネスマナーを入社前に知っておくと、他の新入社員より一歩先からスタートできます。そこで、新入社員向けのビジネスマナーについて2回に分けて紹介します。今回は「電話の受け方」や「お茶の出し方」、そして日本でとても重視されている「ホウ・レン・ソウ」についてです。 電話は3コールまでに出る 会社にかかってきた電話の相手は、電話に出てみないと分かりません。そのため、「電話に出るときは自分が会社を代表する立場なのだ」という自覚を常に持つことが大切です。 まず、電話がかかってきたとき、相手を待たせるのはよくありませんので、できるだけ早く電話に出てください。人間は10秒以上待たされることを不愉快に感じてしまう傾向があります。電話の場合、呼び出し音を何回も聞くと、相手に対して悪い印象を持ちやすくなります。一般的に1コールが3秒、3コールで約10秒なので、3コール以内を目標に受話器を取るように心がけましょう。 一番良くないのは「だれかほかの人が受話器を取るだろう」と考えて人任せにすることです。多くの職場では、入社歴の浅い人が先に電話に出ることが暗黙の了解になっています。手が離せない仕事をしている場合を除いて、入社して1、2年の間は「自分が一番先に受話器を取ろう」というぐらいの気持ちを持ちましょう。 ただ、1コールもたたず、呼び出し音が鳴った瞬間に電話を取られると少し驚いてしまいます。そのため、1コールか2コール鳴った後に電話に出ることが望ましいでしょう。 電話の受け方 会社にかかってきた電話に対しては、基本的には以下のように対応します。 ①私 : はい、〇〇(自分の会社名)でございます。お電話ありがとうございます。 ②相手: 私、〇〇(会社名)の△△と申します。お世話になっております。 ③私 : 〇〇の△△様でいらっしゃいますね。お世話になっております。 ④相手: 様はいらっしゃいますか? 相手の名前を確認 もし、相手の会社名や名前を聞き取れなかった場合は、聞き返して相手の名前を確実に把握しましょう。「恐れ入りますが、もう一度会社名とお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」など聞いてください。すると、相手は社名と自分の名前をもう一度言いますので、あなたは担当者に「〇〇社の△△様からお電話です」と伝えることができます。 相手が自分の名前を名乗らずにだれかを指名した場合も、「恐れ入りますが、お宅様(おたくさま)のお名前を教えて頂けますか?」と聞いてください。 自分の名前を名乗る 相手が電話の相手を指名せず、あなたでも対応できる内容だった場合、③の「いつもお世話になっております」の前に「私は☆☆(自分の名前)と申します」と答えましょう。これは、相手が名前を名乗ったことへの返礼の意味にもなります。自分が相手に対応する場合、基本的に自分の名前を名乗るようにしましょう。 受話器を取るのが遅れた場合 電話に出るまで長くかかった場合、「お電話ありがとうございます」の前に「大変お待たせしました」などと言うのがよいでしょう。 お茶の出し方 通常、お客様が来社したら、お茶を出します。コーヒーを出す会社もあります。基本的な作法は次の通りです。 ①応接室のドアを3回ノックします。「失礼します」と伝えてから入室します。 ②サイドテーブルがある場合、お盆をサイドテーブルに置いてお茶を出す準備をします。サイドテーブルがない場合、お盆を片手で持ちながら、もう片方の手で作業をします。 ③茶碗と受け皿を両手で持って、「上座」に座っている役職の高いお客様から順に「どうぞ」、「失礼します」などと声をかけながらお茶を出します。 お茶を出す席順は入り口から一番遠い上座から順に、下座の人が最後になるように出すとよいでしょう。また、先にお客様にお茶を出し終えてから、自分の会社の人に出すようにしてください。 上座と下座の順については、この記事を参考にしてください。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 目上の人との食事会でのマナー ④お茶を出し終えたら、ドアの前でお客様に向かって「失礼しました」とおじぎをしてから退室します。 ⑤応接室の外に出たら、ドアを開けたままお客様に向かってもう一度おじぎをし、頭を下げたままドアを閉めます。 「ホウ・レン・ソウ」は欠かせない 日本の会社で働く際によく耳にする言葉が「ホウ・レン・ソウ」です。これは次の三つの言葉の頭文字を合わせた言葉です。 ・ホウ=報告(ほうこく)・レン=連絡(れんらく)・ソウ=相談(そうだん) 報告・連絡・相談は日々の生活においても基本的なことです。仕事では、いつ・どうやって「ホウ・レン・ソウ」を行うかが重要となります。 ❌ 仕事の進捗状況を報告しない。 上司や先輩から仕事を任されたときは、その人に仕事の進捗を必ずこまめに「報告」してください。上司や先輩があなたに助言やサポートをしたり、職場での仕事の割り振りを調整したり、次の仕事を適切なタイミングで指示したりするには、あなたの仕事の状況を把握することが不可欠です。 そのためには、あなたが自分の仕事の状況を上司・先輩にこまめに報告しなければなりません。日本の会社ではこまめな「報告」がとても重視されています。 ❌ リマインドしない。 相手がとても忙しいとき、あなたの報告・連絡・相談・依頼などにすぐに対応できないこともあります。その場合、タイミングをみて、遠慮せずに自分からもう一度相手に「ホウ・レン・ソウ」を行って対応を促してください。 ❌ 自分の判断だけで行動する。 新入社員の場合、分からないことがたくさんあるはずです。自分の仕事に関してわからないことが出たり判断に迷ったりした場合は、上司や先輩に遠慮なく尋ねてください。 まとめ 今回は、新入社員が知っておくべき基本的なビジネスマナーのうち「電話対応」や「お茶・コーヒーの出し方」、「ホウ・レン・ソウ」について説明しました。 ・電話には3コールまでに出る。 ・電話対応の際、必要に応じて自分の名前を名乗る。 ・電話対応の際、必要に応じて相手の社名や名前を聞く。 ・お茶の出し方 ・仕事の進捗について上司や先輩にこまめに報告する。 ・上司や先輩が忙しくてすぐに対応できないときは、同じ内容の「ホウ・レン・ソウ」を繰り返す。 ・分からないことがあるときや迷ったときは上司・先輩に相談する。 このような基本的なビジネスマナーを入社後1カ月ぐらいでマスターするように意識して取り組んでみてください。また、こうした事柄を入社前に頭に入れておき、実際に働き始めてからもときどき読み返すことで、実体験と結びついた習慣になっていくことでしょう。 ビジネスマナーを身につけて、日本の会社で活躍してくださいね。

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【在ベトナム日本国大使館後援】

  • 日本の結婚式に招かれたら…

    日本の結婚式はベトナムとかなり違います。結婚の「儀式」とお祝いパーティー「披露宴」のいわゆる“二部制”が主流で、服装は、男性は黒の礼服が多く、女性は着飾って出席します。皆さんが日本の結婚式に招かれたとき、ネクタイは何色がいいか、お祝い金の相場はいくらぐらいか、結婚式では何をするかなど、日本の結婚式のあれこれについて紹介します。 【 グエン・べト・ハー 】 日本で結婚式が多い時期は? ベトナムでは秋の収穫期から年末にかけての11~12月ごろに結婚式がよく行われますね。天気の良い日が多く、結婚式に向いています。日本の結婚式は暑い夏や寒い冬はあまり人気がなく、季候のよい春や秋に多く行われます。 日本の6月は「梅雨」と呼ばれ雨の日が多いので、気候の面では結婚式に向いていません。ところが、ほかの理由で結婚式によく選ばれます。それは、「6月の花嫁」「6月の結婚」を意味する「ジューンブライド(June Bride)」になりたい女性が多いからです。6月に結婚式を挙げると一生涯幸せな生活を送ることができると言われています。ローマ神話の女神で女性や子供、家庭の守護神と言われるユノが守っている月が6月だからです。 結婚式の形式は様々 日本の結婚式は新郎新婦の宗教や好み、経済状況によって様々な形式で行われます。最近は、2人でプランニングをすれば、家族が反対することはあまりありません。わが子の自立を尊重し、結婚相手や将来設計は自分で決める…というのが、最近の日本人家庭の傾向なのです。 日本の結婚式の招待人数は年々減っています。 遠くに住む親せきやご近所さん、あまり親しくない同僚や友人を呼ばなくなったからで、最近は数十人から100人が一般的です。ある結婚式情報サイトが最近行ったアンケートでは、全国平均で67人でした。ベトナムの結婚式と比べてこじんまりしていますね。逆に、親族やごく親しい人だけを招いて数人から十数人で挙式を行うパターンは増えています。その場合、挙式の場所としてハワイが選ばれることが時々あります。日本の若い女性はハワイが大好きなのです。 結婚式の費用 ホテルや結婚式場では、結婚式(儀式)の費用は数万円~20万円で収まりますが、式後のパーティー(披露宴)には多額の費用がかかります。招待客1人あたりの料理・飲み物・お土産の平均費用が約25,000円です。このため、招待客が渡す祝儀(お祝い金)もベトナムの結婚式と比べると高額になります。祝儀の相場については後で説明します。 親族だけでのミニ結婚式の場合でも、日を改めて友人を招いた結婚披露パーティーが行われる場合があります。その場合は、レストランなどで行われるケースが多く、新郎新婦の友人が主催します。ホテルや結婚式場で行う場合と違って、費用がそれほどかかりませんので、通常、定額の会費制で招待されます。レストランの内容にもよりますが、会費は1万円ぐらいのことが多いです。 結婚の儀式 神社での神前結婚式 次に日本の様々な結婚式(儀式)の形式について紹介しましょう。日本では多くの場合、信仰とかかわりなく選択されています。 ⚫ 教会式 ホテルや結婚式場のチャペルで行われます。新郎新婦が無宗教の場合はプロテスタント式が主流で、2人が夫婦になることを牧師が宣言します。挙式は20〜25分ほどの短時間で、式後、新婦がゲストに向かってブーケ(小さな花束)を投げます。 ⚫ 神前式 神社の正殿や結婚式場の神殿で行います。日本の大きなホテルや結婚式場の多くにチャペルや神殿があります。神前式では、新郎新婦が杯を交わす「三々九度の盃」という儀式があります。 ⚫ 仏前式 お寺で行う結婚式です。仏様と祖先に出会いを感謝し、結婚の報告と誓いをします。 ⚫ 人前式 宗教と無関係の形式です。新郎新婦が結婚の誓いを述べ、参列者に承認してもらいます。 ゲストに向かってブーケトス 私は厳かな神前式や、純粋な教会式、ハワイのレストランでの人前式など、様々な結婚式に参加したことがあります。日本の伝統的な結婚式、5つ星ホテルで行う華やかな結婚式、そしてビュッフェスタイルのカジュアルな結婚式など、それぞれに特色があり、よい挙式でした。ベトナムと比べると参加人数が少ないので、新郎新婦も交えて皆でおしゃべりを楽しむこともできます。 結婚式に招かれたときに知っておくべきこと ➊ 出欠を早く知らせる ➊ 出欠を早く知らせる 日本では招待状は式の2~3カ月前に届きます。新郎新婦は参加者の人数などを早く確定して式場に知らせないといけませんので、招待状が届いたらなるべく早く返信してください。 ➋ 交通費 遠方から参加する場合は交通費が高いので、費用負担について新郎新婦と相談しましょう。日本の結婚式では、結婚祝い(ご祝儀)を持参しますが、場合によっては「ご祝儀は要らないので、遠方の式場まで自費で来てほしい」とお願いされるケースもあります。通常は、このような詳細が記載された招待状が送られてきます。 ➌ ご祝儀を準備 ➌ ご祝儀を準備 祝儀袋はお祝い専用の封筒で、文房具店や書店、コンビニで購入できます。祝儀袋には新札を入れます。金額は奇数が良いと言われています。友達の結婚式の場合、親しさにもよりますが3万円か5万円が相場です。家族や親戚であれば5万、7万、9万円です。 招待側が交通費などを出してくれる場合、新郎新婦の負担を軽減するため多めに包みます。 ➍ 服装 ➍ 服装 日本ではフォーマルな結婚式には、親族なら礼服と呼ばれる黒のスーツやワンピースで参加します。男性のネクタイの色は白です。招待客も男性の場合は礼服で参加する場合が多いですが、女性は色とりどりに着飾って参列します。着物やアオザイでもOKです。分からない場合は新郎新婦に相談しましょう。 ➎ 絶対に遅刻しない ➎ 服装 日本の結婚式は必ず予定時刻に始まりますので、遅刻厳禁です。 以上が日本の結婚式の概要です。ベトナムの結婚式とは少し違いますね。招待されたときにはこのブログのことを思い出してください。

    2021年03月08日

  • 日本のビジネス文化_02:職場に私物を届けない

    ベトナムでは、ネットショップで買った商品を職場に届けてもらうのはよくあることですが、日本ではNGです。また、日本人は長期休暇が終わった次の日から「仕事モード全開」の状態に戻ります。私はベトナムで9年間働いた経験があり、3度の日本留学を経て日本で正社員として働いています。ベトナムと日本のビジネス文化の違いをお伝えしていきます。〈Vân Hoàng〉 「オン」「オフ」の切り替え ハノイで働いていたとき、日系企業はベトナムの会社より祝日が多いのでうらやましいと、ずっと思っていました。2021年10月に東京の会社に入社すると、正月休み以外にも毎月のように3連休がありました。 すごくうれしいのですが、私にとって大変なこともあります。それは仕事とプライベートの「オン」「オフ」を切り替えることです。連休後にいかに早く気分を切り替えられるかが課題ですが、周りの日本人の同僚たちはプロで、連休明けでも朝からしっかり「仕事モード全開」の状態です。 日本では年末年始に約1週間の休みがあり、1月の初出社の日に社長が社員に新年のあいさつを述べます。それが終わった途端、同僚たちは皆、1週間の休暇がうそのように、完全に通常の仕事モードに入っていました。 ベトナムでは「1月は遊びの月だ」という言葉があります。ベトナムの正月休み(旧正月=テト)の期間はもちろん、その前後を含めて約1カ月は遊びモードで過ごすという意味です。連休前はテトの準備や買い物、連休の過ごし方を考えることでそわそわ過ごし、連休後は新年会や初詣、春の旅といったさまざまなイベントで頭がいっぱいです。 それに比べて日本人の「オン」「オフ」の切り替え方には感心させられるものがあり、日本が大きな経済成果をあげてきた背景の一つだと、一緒に働いてみて感じました。 公私の区別もしっかり このように「仕事の時間」と「プライベートの時間」をしっかり切り替える日本人は、時間以外の点でも公私をしっかり区別します。例えば、私の同僚たちは勤務時間中は仕事に集中し、雑談や家庭の話はほとんどしません。 また、日本では従業員の私物が会社に配達されることもありません。ベトナムでは、ネットショップで買い物する場合、会社に届けてもらう人もたくさんいます。私もそうでした。しかし、日本の会社ではそのような人はいません。私も今は、ネットショッピングで買った商品は週末に自宅で受け取っています。 昼休みは休んではいかが? このようにしっかり働く日本人ですが、それが行き過ぎるのか、「オフの時間を大事にするのは少しへたかも」と思う場面があります。それは毎日の昼休みです。 日本の会社に入って一番驚いたことは日本人の昼休みの過ごし方です。以前、ハノイの大学で日本語を教えていたとき、同僚の日本人(法律の授業を担当する弁護士)が、「日本ではランチを5分で済ませる人も多い」と話していました。私はそれを聞いて「大げさだ」と思っていました。 しかし、日本の会社で働いてみると、それはまったく誇張ではなかったことが分かりました。当社には、昼休みを短縮する人もいますし、ランチを食べずにずっと仕事をする人もいます。また、ベトナムではあり得ないことですが、会議に出席しながらランチを食べることもあります。 ベトナムでは「天罰ですら食事の時間は避ける」ということわざがあります。食事の時間を大切にしようという意味です。日本の正社員なら、多くの場合、労働契約書に昼休みは1時間と書かれていますね? その時間をどのように過ごすかは自由ですが、自分のための時間をもう少し大切にしたほうが良いのではないかと思うこともあります。 休憩を取った方が仕事の能率向上にもつながると思います。また、会社の人と一緒にゆっくりランチを食べながら、いろいろな話をするのも有意義です。ベトナム人なら、休憩時間に同僚とプライベートな話題も含めて何でもおしゃべりします。それが良い人間関係やお互いの理解につながっています。 まとめ 私は日本の会社に入って日本人の働き方や仕事の文化を学び、見習うべき点が多いと感じています。ベトナムでの働き方とかなり違います。それは文化の違いであり、どちらが優れどちらが劣っていると評価する種類のものではないと思いますが、採り入れることで自分の仕事を改善できるのであれば、それも一つの方法です。 今回は、日本の職場の良い点として「オン・オフの切り替え」と「公私の区別」を紹介し、残念に感じる点として「昼休みの使い方」をお伝えしました。お互いのビジネス文化を理解し、仲良く働いていきたいですね。

    2022年02月17日

  • 日本での「遅刻」は何分遅れから?

    遅刻は何分から? (村田奈緒=日本語教師、元ハノイ国家大学講師、元社長秘書) 昨年、ハノイの大学で学生と卒業生に対して日本語で「ビジネスマナー講座」を行いました。教室の後ろにはオブザーバーの日本人駐在員や日本語教師も座り、教室の前はベトナム人、後ろは日本人となっていました。 「皆さんは会社員です。日本で働いています。今日はお客様と会います。遅刻はいいですか、悪いですか?」 受講生たちは「そんなのわかってるよ」と言わんばかりの顔で「遅刻はダメです」と口々に言います。そこで、「午前10時のアポイントメントです。何時何分から遅刻ですか?」と、最前列の受講生にあててみました。 「遅刻は10時20分からです!」 自信満々のこの答えに、後ろの日本人たちからざわめきが起こりました。 その空気を感じとった別の受講生が何か言いたそうだったので、「どう思いますか?」とあててみました。 「遅刻は10時15分からです!」 日本人たちのざわめきはさらに大きくなり、絶句している人もいます。受講生たちは後ろを振り返り、不安そうな表情になっています。そこで、私は正解を教えました。 「遅刻は10時1秒からです」 すると、今度は教室の前半分(ベトナム人受講生たち)が大騒ぎになりました。「えっ!」「1秒過ぎたらもう遅刻!?」。答えがあまりにも意外だったのか、ざわめきがやみません。 日本社会では、約束の時刻を1秒でも過ぎると遅刻とみなされます。15分も20分も遅れると、信頼回復はかなり難しくなります。このような日本の“常識”を良いと思うかどうかは別にして、日本に行く前に、あるいは日本で働く前に、時間に関する感覚の違いを知っておくことは大切です。 逆に、ベトナム人と一緒に働く日本人にとってもこの違いを理解しておくことは重要です。私は「遅刻をしないように指導しても、改善しない」と日本人駐在員から相談を受けることがあります。そういうときは、「具体的な数字を示すと分かりやすいですよ。『10時1秒から遅刻です。遅刻しないでください』と言ってみてください」と助言しています。 Đúng giờ “時間通り” (Bùi Bình Minh=人材紹介会社役員) 私は日本に約30年間住み、日本企業で5年間役員を務めてきました。日本社会では“時間通り”が当たり前。数分遅れならまだ許容されますが、15分遅れると信頼回復は難しく、30分ともなると“論外”です。 外国人にとって、日本での仕事のスケジュールの細かさには驚くべきものがあります。また、日本に来たばかりの人にとって、公共交通機関の時間の正確さは正に“奇跡”のようだと思うでしょう。時間を守らない…それは、日本では“約束を守れない”とみなされてしまいます。相手の時間を無駄にするような人間は信頼できず、相手を尊重できない人格だとみなされてしまうのです。特に、採用面接や顧客との最初の面談など重要な機会で遅刻をしてしまうと、その後の結果に深刻な影響をもたらしかねません。 日本の常識として、仕事での“時間厳守”とは時間通りに約束の場所に着くことではなく、“少なくとも10分前に到着すべきこと”と理解した方がよいでしょう。その“10分前到着”を確実なものにするために、待ち合わせ場所までの電車などの時刻を調べた上で、道中で何か問題が起きる場合も想定し、余裕をもったスケジュールを組んでおきたいものです。 しかし、それでも遅れそうになった場合、どのように対処すればよいでしょうか。遅刻の可能性が高くなった時点で、まずそのことを相手にできるだけ早く伝えましょう。そのときに、何時に着きそうかも伝えます。到着時間がすぐにはわからなくても、時間のメドが立ち次第、必ず相手に連絡を入れてください。そうすることで、相手は待ち時間を有効に使うことができます。 社内の会議でも同じです。遅れる場合は、遅れることとその理由を早めに関係者に伝えてください。ただし、社外の人との会合の場合、遅刻の影響は会社全体の信用に関わりますので、相手が受け入れやすい理由や説明の手立てを考える必要があります。 当たり前ですが、そのような状況に陥らないことが第一です。しっかりした計画と早めの出発を心がけましょう。約束より早く到着すれば、会議に最適な状態で臨めますし、相手にも好印象を持たれます。ただし、先方への到着が早過ぎた場合、約束の時刻の10分前ぐらいまでは外で待つ方が賢明です。日本人は予定をたくさん入れる傾向があるので、早過ぎると、相手の準備が整っていない場合があるからです。 ただ、興味深いことに、日本人は“始まり”の時間には厳格なのに、“終わり”の時間には何かと寛容です。会議も終わりなく続くことも多々ありますし、終わりのない宴会も珍しくありません。開始と同様、終了にも“時間通り”が必要だと私は思うのですが、そもそも終了時刻を決めずに打ち合わせに入ることもよくあります。予定通りの時刻に会合を終わらせたい場合は、最初に自分の都合を伝えましょう。そうすれば、相手もそれを理解し、終了時刻を意識してくれます。

    2020年07月01日

  • ベトナムの常識・日本の非常識_23:隣人の家に勝手に上がらない

    日本では、いくら親しい間柄の隣人でもさまざまな節度を守る必要があります。隣人と外で立ち話はするのに、自宅にはなかなか入れない▽玄関を閉め、窓にはカーテンを閉めて自宅内が外から見えないようにする▽“騒音”に敏感――など、日本の近所付き合いの文化を一緒に見ていきましょう。 隣人宅に入るのはハードルが高い 「遠くの親戚より近くの他人」はベトナムで古くから語り継がれてきた言い伝えで、ベトナム人にとって隣人は特別に親しい間柄の人たちです。私の家はハノイの高層アパート(日本で言う「マンション」)にあります。同じ階に10軒あり、ほとんどの家はほぼ終日、玄関のドアが開いていて、大人も子どももお互いの家に自然に出入りします。唐辛子を求めて隣家を訪ねたり1ケースの卵をあげるために出入りしたりすることもあり、いつも活気があってフレンドリーな雰囲気です。 立ち話はよく見かけるが… しかし、こうした文化は日本人から見るとちょっと奇妙に映り、人によっては厄介だと感じる場合もあります。多くの日本人、特に都会に住む日本人にとって、彼らの家は家族だけが出入りする場所なのです。アパートの隣人同士がいくら親しくても、ベトナムのようにお互いの家に出入りすることはあまりありません。日本では、主婦が玄関前で何時間も立っておしゃべりすることはありますが、お互いの家に入ることはまた一つ上の領域なのです。私の姉は日本に30年以上住んでいて近所の方々ととても親しくしていますが、彼女たちの自宅に招かれたことはたった1度しかありません。 自宅の中をあまり見せない 日本の家の様子 先ほどの話と関連しますが、私のアパートでは玄関ドアや窓を開け放っていることが多く、カーテンも日光や新鮮な空気を取り込むためにいつも開けています。近所の人に自宅内を見せるためそうする人もいます。 しかし、多くの日本の家では常にカーテンを閉め、窓もあまり開けたままにしていません。昼間は、日光を取り込むために厚手のカーテンは開けていますが、室内が見えないようにレースのカーテンなどを閉めているケースが大半です。そして、玄関が常に閉まっているのは普通です。日本の住宅街を歩いていると、そこに人が住んでいるのになぜこんなに静かなのか、不思議に思えます。ベトナム人の皆さんはこれに驚かないでくださいね。 日本人は自分の家の中を人に見せたいと思わないのです。ですから、たとえ開いている窓のそばを通りがかったとしても、室内をじろじろ見ないでくださいね。カーテンを閉められてしまうケースが多いでしょうから。しかし、これが日本人の文化であり、日本人らしさであって、決して「冷たい」わけでも「よそよそしい」わけでもないのです。 廊下での“騒音” 日本のアパート(マンション)の静かな廊下 引き続き近所付き合いの話です。アパート(マンション)の廊下を巡る生活文化についても、日本とベトナムで大きな違いがあります。 ハノイの私のアパートの玄関前の廊下では、毎日午後になると、近所の子どもたちが数人、サッカーをしたりおもちゃで遊んだり、叫んだりしています。その子どもたちが遊ぶ様子を見ているおばあちゃんが常に2、3人いる……。そういったシーンはまさに“ベトナム”です。あるおばあちゃんは「新型コロナで自粛中は周辺が静か過ぎて寂しかった。でも、家で遊ぶ子どもたちの声を聞くと、前向きなエネルギーをもらえたわ」と話していました。 以前、日本からの帰国子女である私の娘が通うハノイ日本人学校の女性教師(日本人)は「自宅アパートの廊下がうるさすぎる」と生徒たちに不平を言っていました。彼女はアパートの管理組合に繰り返し相談したのですが、状況は変わりませんでした。子どもたちが遊ぶ声が程度を過ぎると、日本人にとっては“騒音”となり、迷惑に感じてしまうのです。これは、日本人が子どもを嫌いなわけではなく、騒ぐ声の程度によるようです。 日本ではアパート(マンション)の管理規約に騒音に関する項目が盛り込まれているケースも多いです。「子どもが廊下で遊んだり騒いだりすることを禁止する」とまで書かれているかどうかは別にして、廊下や玄関ホールなど共用スペースは基本的に静かです。それは、「騒音を出さない」というのが日本人社会での暗黙のルールだからです。 あなたが部屋で多人数の宴会やカラオケで大きな音を出し続けると、「近所迷惑」となり、通報されて警察がやってくることもあります。日本では、トラブルを避けるためにこのルールをよく覚えておいてください。

    2021年11月09日

  • ベトナムの常識・日本の非常識_22:恋人に毎日メッセージを送らない?

    スマホで恋人にメッセージを送る頻度、ベトナムと日本とで全然違います。また、ペットを散歩に連れていくとき、日本ではいろいろな道具と準備が必要です。こんな日本の常識を一緒に見ていきましょう!〈Thạch Long〉 恋人に毎日メッセージを送らない? ある日の昼食どき、妹がふくれっ面でご機嫌ななめでした。どうしたのか聞いてみると……。その日、彼女の恋人が(ほぼ日課であるらしい)「最高の一日を♡」というメッセージをスマホで送るのを忘れたそうです。さらに、その前日も、彼女から彼へのメッセージが既読になっていたのに返信がなかった(既読スルー)とのこと。彼女はこれらのことに非常に憤慨(ふんがい)しており、荒れていたのです。 この手の話、日本でもたまにあるかも知れませんが、それほど多くは聞きませんね。 私のめいにも同種の話がありました。彼女は2000年生まれで、京都で留学中に日本人の同級生に恋をしました。残念ながら、その恋はベトナム人にありがちなささいなことが原因で2カ月あまりで終わってしまいました。その原因というのは「彼女が恋人にメッセージを送りすぎた」ということでした。ほぼ毎日、彼女は彼にメッセージを送り、既読になるとその度にすぐに返信を求めたそうです。 私が知っているほとんどの日本人は恋愛よりも仕事を優先します。ガールフレンドやボーイフレンドに送ったメッセージが既読になっても返信がない場合、彼らは相手が何か大事な勉強や仕事で忙しかったり、だれかと話したりしている最中であると理解します。相手は時間に余裕ができたときに初めて返信のメッセージを送りますが、待つ方もそれでまったくOKなのです。 日本人には、ベトナム人のように恋人に毎日メッセージを送る人は少なく、週に2、3回しかメッセージを交わさない日本人カップルも珍しくありません。ベトナム人と日本人との国際恋愛が長続きするためには、このような国民性の違いを互いに理解することが必要かも知れません。 ペットを散歩に連れて行くために何を準備しますか? ベトナムでは今、ペットブームが急速に拡大しています。 Covid-19(新型コロナ)の発生前は、週末になると、ペットと飼い主たちで通りがごった返していました。彼らは自慢のペットについて人に話したりペットの写真を撮ったりする時間を楽しみ、時にはペットを通じて友人が広がることもあるようです。 しかし、散歩に連れて行くと、ペットは道路に“落とし物”を残します。ベトナムの飼い主はその落とし物は自然に片付くであろうと考えがちです。一方、日本のペットブームはベトナムよりも歴史が古く、最近さらに加熱しています。そして、公共の場でのペットの世話に関しては多くの決まりやルールがあります。 「フンはお持ち帰りください」と書かれた表示板 日本人がペットを散歩に連れて行く際、ペットにリード(ひも)を付け、ボトルに入った水や数枚のビニール袋、ウェットティッシュを持って行きます。水はペットがおしっこをした場所を洗い流すためのもの、ビニール袋はペットのふんを回収するためのものです。日本人はさらに、ペットがふんをした場所をウェットティッシュを使ってきれいにし、そのティッシュもビニール袋に入れて捨てずに持ち帰ります。 また、日本ではペットが(リードを付けずに)通りを走り回ることは許容されませんペットを走らせたい場合は、広い公園などに行って長さを調節できるリードでつなぐのが一般的です。日本で犬や猫を飼いたい場合は、こうした公共の場でのルールに注意してくださいね。 日本ではバスとトイレは別? 浴室とトイレの話です。ベトナムでは、シャワールームの中にトイレが同居するタイプが人気があります。より近代的な住宅では、シャワーブースがガラス戸で仕切られ、水がブース外に漏れ出ないようになっています。 しかし、日本人は浴室とトイレが一室に同居するタイプをあまり好みません。私にはハノイの高級マンションVinhomes Gardeniaに住む日本人の友人が1人います。彼が借りている部屋では浴室とトイレが同じ空間にあります(=写真)が、彼はそれを不便で不快だと感じるそうです。「日本人から見ると、浴室とトイレが同じ空間にあるのは衛生的ではない」とも言っています。 ただし、日本にも浴室とトイレが一室に収まっている住宅はたくさんあります。特に一人暮らし用のワンルームマンション(アパート)では、浴室内にトイレがあるケースが多く見られます。逆に、一人暮らし向けの部屋なのに浴室とトイレが別々になっている場合は、不動産店の物件紹介ファイルに「浴室とトイレがセパレート」と特記されています。部屋のセールスポイントの一つになるからです。 日本の住宅の浴室 しかし、部屋数が多い家族向けの住宅(一戸建て、マンション)では、ほとんどの物件で浴室とトイレが分離しています。トイレは独立した小さな部屋になっています。そして、浴室前には脱衣場があり、そこには洗面台と洗濯機が配置されています。また、浴室内にはバスタブとシャワー付きの洗い場があり、日本人は洗い場に座って体を洗います。 私は家族で日本に住んでいましたが、このように、日本の家族向け住宅では「脱衣場(洗面台と洗濯機)」「浴室」「トイレ」がそれぞれ別の部屋になっており、ベトナムのレイアウトに似た住宅はなかなか見つかりませんでした。

    2021年10月07日

  • ベトナムの常識・日本の非常識_21:バスケットボールシューズでランニングはしません

    日本人には直接的な言い方を避ける傾向があります。タクシーの乗り方もベトナムとは違います。今回もベトナムと日本の文化の違いをKOKORO編集部と一緒に見ていきましょう! 「遠回しな表現」は美徳 私たちベトナム人はあいまいな表現や言葉づかいを避けます。例えば、友人とコーヒーを飲んでいる場合を想像してください。つい時間を忘れて話し込んでいたらお腹が減ってきました…。 そのような場合、ベトナムでは、友人にはっきりと「お腹がすいたので、何か食べに行ってくるから、待っててね」とごく普通に言います。しかし、日本人はこのように言うでしょう。「そろそろ夕食の時間ですね」。この言葉の本当の意味は「お腹がすいた」ですが、はっきりそう言うのではなく「夕食」という単語を使って遠回しに空腹を伝えようとしているのです。これを聞いた人は、相手がお腹をすかせているのだと察しなければなりません。日本で外国人が遭遇する「日本人の言うことが理解できない!」の典型的な例です。 相手への配慮を忘れずに会話をする日本人 日本に住んだ私の外国人の友人たちも「日本人は直接的な表現を避け、何でも遠回しに言う傾向がある」と言っています。日本人には自分の思いや考えをストレートに表現せず、示唆に富んだ間接的な言い方をする文化がありますので、あなたは、彼らが何を言おうとしているのか推測しなければなりません。 日本人が直接的な表現を避けるのは、「相手の状況を考えながら話す」という文化があるからです。例えば、「お腹がすいた」とはっきり言うことは「相手の状況を無視して自分のことだけを考えた発言」だと、多くの日本人は考えます。自己中心的な人だと思われることを避けたいという意識が働き、遠回しな表現をすることが礼儀だと考えています。 ちなみに、空腹であることを「夕食の時間」と表現する場合は、暗に「そろそろ夕食の時間ですが、よかったら一緒にどうですか?」というお誘いの意味を含む場合も多いので、覚えておきましょう。 並んで待つタクシー 次は日本のタクシーについてです。こんな場面をイメージしてみてください。あなたがベトナムのバス停に到着しました。バスを降りると、すぐにタクシー運転手たちが寄ってきて「こっちに乗りなよ」と囲まれます。あなたは運賃や車種などを比較し、どのタクシーに乗るのが最適かを考えてタクシーを選ぶことができます。 しかし、日本では、あらゆる駅や空港、観光名所などでタクシーが「タクシー乗り場」の前できれいな列を作って並び、順番を待っています。タクシー乗り場の場所は、その場所の管理者(行政や鉄道会社など)が決めます。乗客もタクシー乗り場の前に並び、乗る順番を待ちます。タクシーも乗客も順番が回ってきた者同士がマッチングされ、どのタクシーに乗るかは自動的に決まっていきます。 ただし、例外的に、タクシーチケット(特定のタクシーで使える後払いチケット)を持っている客やタクシーに乗り慣れた客がチケットの使えるタクシーや好きなタクシーに乗るために、そのタクシーが来るまで順番を人に譲る場合もたまにあります。 また、交通量の多い都会の道路では、ベトナムと同じように手を挙げてタクシーをつかまえることができます。日本人は駅前などに並んでいるタクシーを「客待ちタクシー」、道路で手を挙げて止めるタクシーを「流しのタクシー」と呼んでいます。ちなみに、ベトナムの Grab タクシーのようなシステムは日本では普及していません。マイカーで有料で人を運ぶ行為は日本では法律違反になるからです。 ところで、日本の多くのタクシーは会社に所属し、「個人タクシー」も協同組合に所属しています。すべてのタクシーにメーターが付いており、同じエリアでは、どのタクシーに乗っても短距離の料金は大きく変わりません。ただし、深夜の割増料金なしの会社や一定額を超えた部分を半額にする会社などもあり、遠距離の場合は、タクシー会社を選ぶ日本人も結構います。とはいえ、いったんタクシーに乗ってしまえば、各会社が行政から認可された基準に従ってメーターが正確に距離と料金を計算するので、価格交渉はできません。 それから、日本でタクシーに乗るときは、ドアが自動で開きます。タクシー会社によっては運転手が降りてきてドアを開けてくれるケースもあります。多くの運転手は白い手袋を着用し、支払い方法は現金やクレジットカード、ICカードなど多様です。また、運転手へのチップは必要ありません。 「運動」の違いあれこれ だれでもエクササイズをしますね。ストレッチやランニング、腕立てふせや懸垂(けんすい)など、そのメニューにベトナム人と日本人とで大きな違いはありません。しかし、スポーツに関する習慣の違いには興味深いものがたくさんあります。 一つは、エクササイズの基本的な位置づけや考え方の違いです。多くのベトナム人にとって午後遅い時間の運動は、友だちが集まって一緒に運動やおしゃべりをし、少し汗をかいたら切り上げてビールを飲みに行くという流れです。ベトナム人はグループで運動するのが好きで、仲間との結束を示す活動とさえ考えられています。しかし、日本人は単独でジムなどに通うのが好きです。たまに数人のグループで走っている光景も見かけますが、基本的には独り黙々とトレーニングに励む人が多い傾向があります。つまり、「運動は運動」なのです。 ランニング専用のウエアやシューズで走る日本人たち〈東京〉 運動の服装にも大きな違いがあります。ベトナム人は運動するとき、なるべく自分が快適な服を選ぶ傾向があります。タンクトップやショートパンツ、さらにはシルクの部屋着という人もいます。彼らは快適さを最優先に服装を選びます。 一方、日本人は時と場所、場合(TPO)に合わせた服装を重んじます。仕事でも冠婚葬祭でもアウトドアでもそうですが、自分が参加する活動に合った服を着用します。運動も例外ではなく、走るときはランニング用の服や靴、山に登るときは登山の服と登山靴を着用します。 このように、日本人はその運動に合わせたウエアやシューズを着用するので、バスケットシューズでランニングに出ることはありませんし、ランニングシューズでテニスをやることもありません。したがって、日本では、野球をするときにテニスウエアを着たり、サッカーをするときにバスケットのユニフォームを着たりしないでください。それはとても(悪い意味で)面白がられてしまうでしょう。

    2021年09月09日

主催者

Nhà tài trợ Bạch Kim

後援

  • 在ベトナム日本国大使館
  • 国際交流基金ベトナム日本文化交流センター
  • JNTOハノイ事務所
  • 関西経済連合会
  • 一般社団法人 国際人流振興協会
  • 公益社団法人 ベトナム協会
  • NPO法人 日越ともいき支援会

協力

JASSO(日本学生支援機構)

外国人労働者弁護団

WA.SA.Bi.