文化

新入社員向けの基本ビジネスマナー_02

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2023年02月10日

就職活動を終えてこれから日本で働き始める人や働き始めて間もない人は、日本での基本的なビジネスマナーを学びましょう。「電話の受け方」「お茶の出し方」「ホウ・レン・ソウ」について解説した新入社員向けの基本ビジネスマナー_01に続き、この記事では「メールの基本的なマナー」と「敬語の使い方の注意点」を紹介します。

メールの基本的なマナー

留学生の皆さんは大学・学校の先生や職員の方々と電子メールでやりとりをしたことがありますよね? その中には、学校からの連絡事項であって返事をしなくてもよいメールもあります。しかし、仕事関連のメールとなると、社外からのメールであれ社内からであれ、必ず返信する必要があります。これから紹介する5つのことに気をつけましょう。

件名(タイトル)をよく考える

メールの件名には内容や重要度を知らせる役割がある

メールを受け取る人が最初に見るのが件名(タイトル)です。そのため、送り手はメールの用件がひと目でわかるような件名を書くことが大切です。

「御社訪問の日程について」
「〇〇記念式典の準備会合について」
「御社ビル清掃サービスの契約更新のお願い」

などと書けば、件名を読むだけでメールの内容がだいたいわかります。

忙しい人は大事なメールから読む

1日に何十本ものメールを受け取る人もたくさんいます。そういう人たちにメールを送信する場合、件名は一層重要です。彼らは件名で判断して重要なメールを先に読み、内容がよくわからないメールは後回し(場合によっては数日後)にする場合も多いからです。

社名を入れる

メールの件名にあなたの社名や名前を入れると、相手がメールの内容を想像することが一層容易になります。また、後からメールを検索する際にも便利です。

「3日の打ち合わせ資料(森興産、ブイ・リン)」

などと書けば、相手は一目でメールの内容や送り主がわかります。過去のメールを後から探す際にも、件名にメールの内容や送信者の会社名・名前などが入っていると、とても探しやすいです。

24時間以内に返信する

仕事を進めるためにメールで連絡を取り合うことはひんぱんにあります。その際、多くの人はメールを送ってから1日以上返事がないと、不安になります。そこで、メールを受信してからなるべく早く返信する習慣を付けましょう。事情があって遅くなっても、受信から24時間以内に返信するように心がけてください。

・あなたの返信が早いと、相手はあなたに下記のような好印象を持ちます。

  • 仕事が早い
  • 仕事ができる
  • 信頼できる

・あなたの返信がいつも遅いと、相手はあなたのことを下記のように思いがちです。

  • この人と一緒に仕事をするのは不安だ
  • 返信が遅いので、仕事が円滑に進まない

そもそも、相手はあなたの返信を待って仕事を次のステップに進めることが多いので、返信が遅いと、相手に迷惑をかけることになります。

ところで、ほとんどの会社が土日祝に休業します。もし金曜日にメールを受信した場合は、翌週の月曜日までに返信するとよいでしょう。

急ぎの用件はメールだけに頼らない

トラブルやミスが起きたとき、納品スケジュールが押しているとき、予定の緊急調整が必要なときなど、急ぎの用件でメールを送る場合があります。しかし、相手がそのメールをいつ読むかはわかりません。場合によっては、2、3日放置されてしまう恐れもあります。

急ぎの場合は、メールを送るだけではなく、相手に早く確認してもらえるように電話やSNSなどでメールを読んでくれるように催促することも大切です。そして、緊急性が高い場合は、メールを送るより先に電話をかける方がよいでしょう。

早めにお礼メールを送る

お客さんはあなたのために時間を作ってくれています。そのため、お客さんと打ち合わせをした後には、なるべく「お礼メール」を送りましょう。

お礼メールの内容は、感謝の気持ちのみならず、打ち合わせた内容のまとめや今後の課題・展望も書きましょう。そうすることで、その後の仕事がスムーズに進みます。

送信前に誤字・脱字や添付ファイルを確認する

メールの送信ボタンを押す前に、件名、相手の名前、本文などに誤字・脱字がないか確認しましょう。もし、相手の名前を間違えてしまうと、大変失礼になります。また、本文に重要な誤字・脱字があると、あなたの仕事の信用性にかかわります。

また、添付ファイルの付け忘れや間違ったファイルを送ってしまうこともよくあるミスです。間違ったファイルを添付していないか、送信ボタンを押す前に添付ファイルの内容を必ず確認するようにしましょう。そうすることで添付忘れも防げますね。

敬語の使い方の注意点

しっかりとあいさつをする

これから一緒に働く人たちと良い関係を築いていくための最初のステップはあいさつです。

社内でのあいさつの言葉

・おはようございます。
・お疲れ様です。

社外でのあいさつの言葉

・お世話になります。
・お世話になっております。

こうした言葉を欠かさないようにしましょう。仕事でよく使う言葉については、下記の記事でくわしく紹介していますので、こちらも参考にしてください。

仕事で使う日本語

適切な返事やあいづち

「うん」はNG

日本人の友人と話すとき、「うん」「そうだね」などという返事をよくしていると思います。しかし、お客様や目上の人と話すときに「うん」とか「そうだね」などの言葉を使うのは御法度(ごはっと)です。「うん」や「そうだね」は自分と対等か立場が下の相手にしか使ってはいけません。お客様や上司、先輩にうっかり「うん」とか「そうだね」などと答えてしまうと、大変失礼なことになります。

「はい」は1回

返事をする際に「はい、はい」や「なるほど、なるほど」のように、本来は一度ですむ言葉を2回繰り返して使うと、相手は「適当にあしらわれている」と感じたり、あなたのことを「軽薄な人だ」と思ったりしますので、気をつけてください。

同意を表す表現

・私もそう思います。
・私もそのように思います。
・私もそのように感じておりました。
・おっしゃる通りです。
・おっしゃる通りかと存じます。

承諾や同意の言葉

・承知しました。
・承知いたしました。
・かしこまりました。
・左様(さよう)でございます 。

ビジネスシーンにふさわしい言葉を選び、失礼がないように気をつけましょう。

主語に応じた敬語を選ぶ

敬語の中には、「丁寧(ていねい)語」、「尊敬(そんけい)語」、「謙譲(けんじょう)語」があります。

尊敬語と謙譲語を使い分けるのは外国人には難しいことですが、次の手順を知っておくと、少し簡単になります。まず、「その行為をするのはだれ?」と考えると、主語が分かります。主語を確認した上で、次の原則に当てはめると、敬語の間違いが激減します。

主語が相手や他人(主に目上の人)のとき→尊敬語
主語が自分や身内のとき→謙譲語

敬語の大事な原則や間違いやすい事例を知りたい方は下記の記事を読んでください。

これでスッキリ!敬語はこうして覚える

また、丁寧語の「〜です」「〜ます」は使用頻度(ひんど)が高いので、意識しなくても使えるように普段から使って慣れておきましょう。

まとめ

この記事では、新入社員が覚えておくべきビジネスマナーとして「メールの基本的なマナー」と「敬語の使い方の注意点」について説明しました。

【メールの基本的なマナー】

・件名をよく考える(端的でわかりやすい件名を付ける)
・24時間以内に返信する
・急ぎの用件はメールだけに頼らない
・早めにお礼メールを送る
・送信前に誤字・脱字や添付ファイルを確認する

【敬語の使い方の注意点】

・しっかりとあいさつをする
・「うん」はNG
・「はい」は1回
・主語に応じた敬語を選ぶ

これから日本で働く皆さんや日本で働き始めて間もない皆さん、この記事と新入社員向けの基本ビジネスマナー_01で紹介したマナーを覚えれば、基本的には大丈夫です。職場や取引先の皆さんから信頼される社員に早くなれるよう、ビジネスマナーにも注意しながらがんばってください。