ブログ

センパイ座談会_02 日本の治安

東京
2021年11月23日

By KOKORO(毎日新聞社+VAIJ主催、在ベトナム日本国大使館など後援)

 

日本では、落とした財布や携帯電話が返ってくるって本当 !? 来日して間もないころに受けたカルチャーショックや“びっくりエピソード”を先輩たちが振り返る『センパイ座談会』。今回は「日本の治安」がテーマです。

今回のセンパイたち

左からゴック・リンさん、ブイ・リンさん、ヴ・ハーさん

Ngoc Linh (ゴック・リン)さん=2016年来日。神奈川県在住。私立大学4年。
Bui Linh(ブイ・リン)さん=2019年来日。大阪府在住。大阪大学大学院修士課程2年。
Vu Ha(ヴ・ハー)さん=2017年来日。大阪府在住。大阪大学大学院修士課程2年。
Dung (ズン)さん=2008年来日。留学を経て東京で会社経営。

司会=Lan Anh(ランアイン、LA)さん=KOKORO編集部。日本在住30年以上。

ズンさんとLAさん

落とした携帯や現金が返ってきた!

――(司会LA)今回の「センパイ座談会」は日本の治安についてです。日本の治安の良さに驚く外国人旅行者は多いですが、日本で実際に長く生活している留学生の皆さんはどのように感じていますか?

ゴック・リン 私は来日して3、4か月ぐらいたったころ、東京の池袋駅から田端駅に向かう途中、一緒に乗っていた友人と別れるために巣鴨駅でいったんホームに降りました。降りた直後に自分が座っていた座席を振り返ると、そこに私の財布がありました。座っている途中でポケットから落ちたようです。

私は急いで取りに戻ろうとしましたが、ドアが閉じてしまいました。私は車外から財布を指さして「私の財布です!」と日本語で大声で叫びました。すると、車内にいた若いカップルが「(2駅先の)田端駅で渡します!」と応じてくれました。

次の電車で田端駅まで行くと、本当にそのカップルがホームで待っていてくれました。財布には在留カードや学生証、銀行のキャッシュカードと約10,000円(約1,983,000 VND)の現金が入っていました。財布を受け取った私は、まだ日本語があまり話せなかったので、「ありがとうございます」と何度も言いました。

100円=約19,880 VND(2021年11月20日現在)

――(LA)財布が戻らなければ、在留カードなどの再発行に大変な手間がかかるところでしたが、本当に助かりましたね!

ブイ・リン 私にも似たような体験があります。約2週間の短期交換留学で初めて来日した2016年8月、仲良くなった京都大学の日本人学生たちと一緒に大阪に花火見物に出かけました。阪急電車・京都河原町駅から大阪梅田駅に向かう際、ある神社に立ち寄るために途中の駅で降りました。友だちが降りるのであわてて一緒に降りたところ、座席に携帯電話を置き忘れてしまいました。

その携帯電話はカメラ代わりに父から借りてきた電話でした。電車を降りて数分後、何かを撮影しようとして携帯がないことに気付き、青くなりましたが、一緒にいた友人が大学の先生に電話してくれました。すると、先生が阪急電車に電話してくださり、翌朝、阪急電車から先生に「見つかった」という連絡が入りました。そして、先生は京都から大阪まで携帯電話を受け取りに行ってくれました。

阪急電車・大阪梅田駅の「お忘れ物センター」。ここで電車内での落とし物を受け取る。

――(LA)非常に感情的なお話です。よかったですね!

ブイ・リン はい、とても感動しました。日本人は落とし物を拾ったとき、落とした人の気持ちを考えることのできる人たちなのだと思いました。

実は最近も同じような体験をしました。今度は現金です。KOKOROの観光ブログの取材で編集責任者(日本人)と一緒に大阪から奈良に行ったときのことです。近鉄日本橋駅(大阪市)の構内で撮影のためにカバンからタブレットを取り出した際にカバンの中に入れていた5,000円札を落としました。

external link 観光ブログ・奈良

5,000円の紛失に気付いたのは近鉄奈良駅を降りてから

ブイ・リン その日、私は財布を家に忘れてきて編集責任者から5,000円を借り、そのまま裸でカバンの中に入れていました。落としたことに気付いたのは、そこから電車で移動し、近鉄奈良駅を降りてからのことでした。それまでにカバンを空けたのは近鉄日本橋駅だけだったので、そこで落としたに違いないと思いました。

その後、2人で12時間以上取材し、夜遅くに大阪に戻りました。編集責任者は近鉄日本橋駅の駅員に5,000円札の落とし物が届いていないか聞きました。駅員は落とした場所や時刻を聞き、責任者は詳しく答えました。すると、何と、「その時間帯にその場所で拾ったという5,000円が届けられている」という返事でした!

こうしてまた落としものが戻ってきました。財布にも入れていない現金が戻ってきたことで、私は携帯電話が戻ってきたときよりもさらに驚き、感動しました。

戻ってきた5,000円札〈近鉄電車の駅で2021年〉

過信は禁物

ズン 私はベトナム人留学生を日本語学校に紹介する仕事もしています。留学生が来日した後もさまざまなサポートをしますが、ある日、留学生の一人が家族からの送金が学費納入期限に間に合わなかったので、私が現金9万円(約17,890,000 VND)を彼に貸しました。しかし、彼はその直後、私の会社の近く(JR新大久保駅付近)で財布を落としてしまいました。

私は彼に付き添って近くの交番に届け、2日後に警察から「財布が見つかった」と連絡がありました。しかし、財布の中には1,000円しか残っておらず、彼は大変落ち込んでいました。

JR新大久保駅周辺

――(LA)日本では落とした貴重品が返ってくることがあり、それは驚くべきことですが、もちろんすべての落とし物が返ってくるわけではありません。過信は禁物ですね。

ゴック・リン 私は自転車を盗まれたことがあります。アルバイトに行くために自宅から最寄り駅まで自転車で行き、有料自転車置き場に置いて電車に乗りました。そのときに自転車に鍵(番号式のワイヤー)をかけずに置いていったところ、深夜にアルバイトから戻ると、自転車がなくなっていました。

私はその自転車に防犯登録をしていたので、警察に番号を届けましたが、いつまでたっても見つかったという連絡はなく、新しい自転車を買わざるを得ませんでした。

――(LA)日本社会はとても安全ですが、100%というわけにはいきませんね。親しい日本人によると、日本でも自転車はよく盗まれ、なかなか返ってこないそうです。

ビニール傘

ブイ・リン 傘のお話をします。日本では雨の日に飲食店や商店などを訪ねる際、入口の傘立てに傘を置いて入店することがあります。傘立てにはロックのあるものとないものがありますが、ロックがない場合でも、店を出るときに自分の傘がなくなっていることはあまりありません。

しかし、数百円で買える安いビニールに傘は別ですね。ある日、私は白いビニール傘を傘立てに入れてレストランに入りました。すると、店を出るときに私の傘はなく、隣にあった同じタイプの古い傘だけが残っていました。店の人に事情を話すと、店が持っている傘の中から新しい傘を提供してくれました。

――(LA)安いビニール傘については、見分けがつきにくいのと値段が安いからという理由で、自分の傘と他人の傘をあまり区別しない日本人もときどきいるようです。

ズン あの手の傘はすべて同じか似たように見えます。ネームシールでも貼らない限り、見分けがつきにくいですね。

訪問販売に注意

ヴ・ハー 日本でも商品販売についてはうさんくさいものもあります。特に訪問販売です。例えば、インターネットのプロバイダーや電力会社の人が「うちのサービスに切り替えて欲しい」と売り込みに来ることがあります。「うちの電気はあなたが現在契約している電気より安いので、契約を切り替えてほしい」といったたぐいです。

私はその人を信用してよいのかどうか分かりませんし、サービスの内容や条件も十分に分かりませんので、「ちょっと考える時間をください」とお願いしました。しかし、相手は「今決めないと、キャンペーンが終わってしまう。今、サインしてください」と粘ります。その後、何とか帰ってもらいましたが、ちょっと手こずりました。

――(LA)訪問販売には詐欺や詐欺に近い勧誘もあります。商品やサービスを提供する会社から委託された会社の従業員が、獲得した契約額に応じた歩合制の報酬で勧誘していることも多いので、契約するかどうかは慎重に検討してください。

ズン 電気を提供する会社が増えたのは最近のことなので、彼らは自社サービスのメリットを多くの人に知ってもらって顧客を増やそうと懸命です。もちろん、本当にお得なサービスもありますので、だれかに相談してから決めるとよいでしょう。

ゴック・リン NHKの人もよく訪ねて来ます。受信契約を獲得するためです。でも、家にテレビがない場合は、受信料を払わなくてもよいですね。

 

人気記事ランキング

Platinum Sponsor

Bronze Sponsors

  • 弁護士法人Global HR Strategy
  • シューワ
  • エール学園

後援

  • 在ベトナム日本国大使館
  • 国際交流基金ベトナム日本文化交流センター
  • JNTOハノイ事務所
  • 関西経済連合会
  • 公益社団法人 ベトナム協会
  • NPO法人 日越ともいき支援会
  • 一般社団法人 国際人流振興協会

協力

JASSO(日本学生支援機構)

外国人労働者弁護団

新着記事