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ベトナムの常識・日本の非常識_26:野外での料理や飲食は場所を選ぼう

2022-01-27 (1)
2022年02月03日

日本では、公園や空き地ならどこでもBBQができるわけではありません。また、友だちと歩道に座ってアイスティーを飲みながらおしゃべりするのは、ベトナムでは楽しくて快適かも知れませんが、日本では場所を選ぶ必要があります。

公園でBBQはNGです

もし、あなたがハノイに住んでイェンソー公園を時々訪れると、キャンプをしたり、コンロを持ち込んでバーベキュー(BBQ)をしたりする人々を目にすることでしょう。

しかし、日本の公園で同じことはできません。BBQができる場所は決まっていて、多くの場合は予約が必要です。日本の公園の多くは、歩いたり軽いスポーツをしたり寝そべったりする場所で、食べ物を焼いたりスピーカーを持ち込んでカラオケを歌ったりすることはできません。ただ、桜の季節などに、食べ物や飲み物を持ち込んで、シートを敷いて「花見」などをする光景はよく見られます。

BBQが許可されている場所は、たいていは住宅街から離れた場所にあるアウトドア施設です。防火対策があり、場所だけを貸す施設もあれば、コンロなどを貸してくれる施設もあります。

道ばたで飲食はマナー違反

ベトナムには歩道で飲食するカフェ、パブ、フォーの店があります。みなさんはこの風景に慣れているので、普通のことだと思うでしょう。私自身も歩道で食べるピーナッツキャンディーや熱いお茶のファンです。

しかし、これはベトナムの文化です。私は日本に住んでいたとき、日本語学校の生徒仲間と一緒にコンビニでコーヒーと中華まんを買い、コンビニ前の歩道のすみで飲食しながらおしゃべりをしていました。普通のことだと思っていたのですが、日本人から見ると不自然なことのようです。道行く人たちが私たちをちらっと見ては、何かを言って通り過ぎていきました。内容は聞き取れませんでしたが、どうやら私たちのマナーをとがめているような雰囲気でした。

また、桜の季節のこと、福岡市の大きな公園の前を歩いていたら、ベトナム人数人が民家の前の歩道のはしにシートを広げて座り、公園の桜を眺めながらビールを飲んでいました。自転車に小さなベトナム国旗を付けており、ベトナム人だとわかりました。道行く人々はみな、それを見てびっくりしている様子でした。日本では、歩道に座りこんで飲食をすることはマナー違反なのです。

日本人も桜の季節に缶ビールや弁当を持って公園に行き、座って飲むことはあります。しかし、それは桜の木の下で飲み食いする「花見」という文化です。家の前や歩道のはしに座ってビールやワインを飲むのは、周りから驚かれる行為となりますので、気を付けましょう。

日本人は普段ビールやお酒を飲みたいときは、歩道や街角では飲まず、居酒屋などの飲食店に行きます。

日本とベトナムのバスの違い

ベトナムのバス

ベトナムのバスはかつて、急発進や急ブレーキ、アナウンスなしで突然到着するなど、悪評高い乗り物でした。危険な運転も横行しており、保護者は子どもに「バスに近づいてはだめよ」と言い聞かせていました。

1990年代から2000年代にかけ、ハノイのバスはバス停でも徐行するだけできちんと止まらず、乗客は動いているバスに飛び乗らなければなりませんでした。私も学生のころ、何度もそのような体験をしました。

しかし、最近は、ベトナムのバスの運転マナーもかなり改善されました。車体はきれいになり、急発進や急停車もなく、バス停ではきちんと止まります。クラクションもほとんど鳴らしません。昔のような「アドベンチャーゲーム」のような乗り降りはなくなりました。とはいえ、今でも一部の親はまだバスを恐れており、バスが近付くと子どもを気遣うなど用心深い態度を見せています。

一方、日本のバスの運転は模範的です。安全を最優先してゆっくり走り、2車線の道路でも原則として左側の車線を走ります。

停留所で止まる前には必ず停留所名をアナウンスし、曲がるときには乗客が用心できるように「左に曲がります」などとアナウンスします。乗客もマナーに忠実で、停留所で降りる際は、バスが完全に止まるのを待ってから立ち上がってバスを降ります。

日本のバスで「停車して扉が開くまで席を立たないように」と呼びかける表示(左)と運賃箱(右)

一つ紹介したい経験があります。私が初めて日本でバスに乗ったときのことです。重い荷物を持っていたので、最後に乗車しました。私が最後なので、乗ったらすぐに走り始めると思い、あせって座席を探しました。すると、運転手さんは私が座るまで発車せずに待っていてくれたのです。私は大変驚きました。日本のバスの運転手は乗客の安全を守るのが義務となっていて、ルームミラーなどで客席をいつも見ているのです。

日本のバスの乗り方で皆さんへのアドバイスがあります。バスに乗ったら、素早く座席に座るかつり革を持ってください。運転手さんがスムーズに発車できるようにするためです。また、降りるときは、必ず降車専用ドアから降りてください。空いているからといって乗車専用のドアから降りてはいけません。日本のバスは入口と出口が明確に分けられています。