日本語学習

日本の不思議なカタカナ語_01

hen-katakana-7
2022年10月10日

皆さんは日本のカタカナ語が難しいと感じたことはありませんか?日本語には英語に由来するカタカナの言葉がたくさんあります。それらは元の英語の意味とは少し違う場合もありますが、日本人(特に若者たち)の間では意味が通じ合っています。私たち外国人が初めて聞くと不思議な感じがするカタカナ語も多いのですが、言葉の成り立ちや使われ方を知ると、なるほどと思うこともあります。そのような難しいカタカナ語を10個紹介します。

アポ

部下:部長、アポなしで来られたお客さんがいます。どうすればいいですか?
部長:本来はアポを入れてもらわないと困るんだけど、たまたま私の時間が空いているので、会議室に案内してください。

→→「アポ」とは英語のappointment(予約、約束)の略語で、「会う約束」という意味で使われています。非常によく使われるカタカナ語です。

私がこの単語と初めて出会ったのは、留学生時代にアルバイト先のオフィスで働いているときでした。大学では聞いたことがなかったのですが、その後も職場でよく耳にします。仕事などで相手と会う約束を取り付けることを「アポ取り」と言います。「リンさん、(私は)◎◎商事の△△さんに今週中に会いたいので、代わりにアポ取りをしてください」というふうに使われます。

◎アポ=appointoment(約束、予約)

・アポなし=約束(予約)なし
・アポを取る=会う約束を取り付ける
・アポを入れる=会う約束をする

リスケ

上司:28日の飲み会だけど、都合の悪い人が多いから、リスケしようか?
部下:あ、そうなんですね。それだったら29日はいかがですか?
上司:じゃ、それでみんなに確認してみるね。

→→「リスケ」は英語のreschedule(予定などを変更する)の略語です。Rescheduleは動詞ですが、日本のカタカナ語では、「リスケ」=「日程変更」、「リスケする」=「日程を変更する」というように、名詞のように使われています。

◎リスケ←reschedule(日程などを変更する)

・リスケ=日程変更
・リスケする=日程を変更する

コピペ

授業前の会話です。

私:Aくん、課題やった?
A:うん、大丈夫。先生が配った資料の中から適当に抜き取ってコピペしたら、すぐに終わったよ!
私:マジ?それで大丈夫かなあ…

→→「コピペ」はcopy and paste(コピーしてはり付ける)の略語で、もともとはパソコンやスマホの操作のことです。

今では、パソコンに限らず多くの場面で「そのまま写す」という意味で使われています。

メアド

友人:良さそうなインターンシップの情報がメールに届いたんだけど、見る?
私:うん、見たい!私に転送して!
友人:了解。メアドを教えて!

→→「メアド」はe-mail address(メールアドレス)の略語です。

私は初めて「メアドを教えてください」と言われたときは、何を教えたらいいのか分かりませんでした。日本人は長い言葉を省略して言うことが多いですね。

スタンス

当社とA社、B社の商談の後で

マイ:「先ほどの商談で、A社のスタンスが最初はよく分からなかったけど、結局は、うちの社に損をさせてでもB社に得をさせたいという偏(かたよ)ったスタンスだったね」
サキ:「そうね。A社には中立のスタンスを期待していただけに、残念だったわ。これからは警戒してかからないとね」

→→「スタンス」はstance(姿勢、態度、足の位置)から来るカタカナ語です。ビジネスシーンにおける「スタンス」は「仕事に対する姿勢」や「仕事のやり方」、「仕事上の立場」など複数の意味で使われますので、シーンに応じて意味を理解しましょう。

ダントツ

私:京都では抹茶系のスイーツがおいしいって聞いたけど、オススメのお店ある?
友人:そうねぇ。抹茶スイーツのお店はいっぱいあるけど、ダントツでおいしいのはこのお店かな。

→→「ダントツ」は「断然(だんぜん)トップ」の略で、2位以下を大きく引き離して先頭に立っていることです。

ベトナム語では「トップ1」という言い方がポピュラーですが、日本語にはそういう言い方がないので、「ダントツ」を使います。

リモート

友人:就職活動はうまく進んでる?
私:良さそうな会社は見つけたけど、その会社ではリモートワークができないから、考え中なの。
友人:最近は会議もリモートが主流だもんね。リモートワークができないとなると、時代に遅れている感じだね。

→→「リモートワーク」は英語のremote(遠隔の、遠隔操作の)とwork(仕事)をかけ合わせて、「自宅などオフィスから離れた場所で仕事をすること」という意味で使われています。単に「リモート」と略されることもあります。

コロナ禍の影響で、会社に出勤しない働き方が推進され、今ではネットワーク環境があればどこでも働けるようになりました。そんな働き方を日本では「リモートワーク」と呼んでいます。英語ではwork remotely / remote workingと言いますので、いわゆる和製英語(日本人が作った英語のような言葉)の一種です。

リモートワーク=出社せず会社から離れた場所で働くこと
リモート会議=離れた場所にいる人同士でオンライン上で行う会議
リモート=リモートワーク、リモート会議

ドタキャン

友人:本当にごめん!急に外せない用事が入ったから、明日からの旅行に行けなくなっちゃった!
私:えー、もう予約とか全部できてたのに!ドタキャンしないでよ!

→→「ドタキャン」は「土壇場(どたんば)でキャンセル」の略語で、何かしらの約束を直前にキャンセルすることです。

当日キャンセルはもちろん、旅行など大きな約束の場合は、1週間前でも「ドタキャン」と感じる人が多いです。飲み会や買い物、初デートなどであれば、平均で2、3日前から「ドタキャン」と感じるようです。

昔、日本で処刑場のことを「土壇場」と呼んだことから、現在でも「最後の場面」という意味でこの言葉が用いられています。

ステマ

同僚:リンちゃん、このYouTuberの動画を見た?このサンドイッチ屋さんはすごくおいしいらしいよ!近いうちに一緒に行かない?
私:あ、おいしいお店のレビュー動画を上げているYouTuberだよね!?あの人の投稿は最近、「ステマ」と指摘されてSNSで炎上してるらしいよ。
同僚:え、本当?知らなかった!やっぱりSNSの情報をうのみしちゃだめだね。

→→「ステマ」は stealth marketing(ステルスマーケティング)の略語です。

Stealthは「レーダーで捉えられない」などという意味の形容詞で、戦闘機などに用いられてきた言葉です。Stealth marketingは「広告・宣伝であることを隠し、中立の第三者を装って商品やサービスの評価・情報を発信すること」です。

ノルマ

同僚:今月の契約ノルマは20件だよ。
私:高い目標だね。がんばらなきゃ!

→→「ノルマ」はロシア語の「norma」からきています。日本のビジネスシーンで、「仕事の達成目標」と言う意味でよく使われるのでおさえておいてください。

単なる「目標」というより「義務」に近い強い意味で使われることも多いので、実際に自分の職場でノルマを課されたときは、意味の理解に気を付けてください。

まとめ

今回は日本の不思議なカタカナ語10個を紹介しました。

アポ
会う約束
リスケ
日程変更
コピペ
・コピーしたコンテンツをはり付けること
・そのまま写すこと
メアド
メールアドレス
スタンス
・仕事に対する姿勢
・仕事のやり方
・仕事上の立場
ダントツ
2位以下を引き離して先頭に立っていること
リモート
・会社から離れた場所で仕事をすること
・離れた場所にいる人同士でオンラインで行う会議
ドタキャン
直前でキャンセルすること
ステマ
広告・宣伝であることを隠し、中立の第三者を装って商品やサービスの評価・情報を発信すること
ノルマ
仕事の達成目標(義務)

実際の職場ではもっと多くのカタカナ語が飛び交っています。まずはこの記事に出てきた言葉を頭に入れ、職場で意味を取り違えないようにしてください。