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ベトナム人留学生の私が日本で米国観光ビザを取得!

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2023年02月03日

アメリカ合衆国(米国)のビザは、ベトナム人にとって世界中で最も取得しにくいビザの一つだと言われています。しかし、十分な知識とある程度の外国語力があれば、自分で米国のビザを取得することができます。日本のベトナム人留学生の私がどうやって自分で米国の観光ビザ(B-2ビザ)を取得したか、総領事館での面接の質問内容も含めて紹介します。
※トップの写真は私が取得した米国のビザ

英語ができなくても大丈夫!

私が通っている大学

私は大阪の大学に通っています。夏休みに一人でニューヨークに旅行したかったので、米国の観光ビザを申請することにしました。通常は旅行会社に頼んでビザ申請手続きをしてもらいますが、私は手数料を支払いたくなかったので、自分でやってみることにしました。

私は小学生のときから英語を勉強しており、英会話は得意です。このことはビザ取得のための面接で大いに役に立ちました。このように書くと、英語に自信のない人は不安になるかもしれませんが、心配することはありません。ビザ申請フォームはすべて英語で記入しなければなりませんが、記入方法を解説した日本語の動画もありますし、面接は日本語でも受けることができます。ですから、日本で米国ビザを申請する場合、英語か日本語のどちらかができれば大丈夫です。

米国ビザ申請の流れ

「米国ビザ申請の流れ」を紹介しているウェブページ

ビザ申請の流れには、大きく分けて4つのステップがあります。

・ステップ①:DS-160オンラインビザ申請書に記入する。
・ステップ②:ビザ申請料金を支払う。
・ステップ③:面接を予約する。
・ステップ④ 面接を受ける。

external link 米国ビザ申請の流れ【日本語】

external link 米国ビザ申請の流れ【英語】

また、日本で米国のビザを申請できる場所は東京の米国大使館や大阪の総領事館など、下記の6カ所です。

在日米国大使館(東京都)
在大阪・神戸米国総領事館(大阪府)
在名古屋米国総領事館(愛知県)
在福岡米国総領事館(福岡県)
在札幌米国総領事館(北海道)
在那覇米国総領事館(沖縄県)

ただし、東京・大阪・沖縄でのビザ申請方法は、札幌・福岡でのビザ申請方法と少し違うのでご注意ください。この記事では、東京・大阪・沖縄でのビザ申請方法を中心に説明します。

ステップ①:DS-160に記入する

DS-160オンラインビザ申請書へのアクセスページ

DS-160はオンラインのビザ申請フォームです。下記のリンク先からDS-160の記入ページにアクセスできます。

external link DS-160アクセスページ

このページでは、

上の画像の①で申請先の大使館・総領事館を選び、ページに表記されているコードも入力します。

次に②で、申請フォームに初めてアクセスするときは「START AN APPLICATION」をクリックし、未完成の申請フォームに再アクセスするときは「RETRIEVE AN APPLICATION」をクリックします。初めてのアクセスのときは、下記のような確認ページに移ります。


ここで①にチェックを入れ、②の質問と答えを完成させ、③のContinueをクリックすると、いよいよDS-160の記入ページ(下の画像)に移ります。


記入(入力)ページでは、右上の選択窓で説明言語を選べます。例えばベトナム語を選択した場合、記入フォームの項目名にカーソルを当てると、その言葉のベトナム語訳がポップアップ表示されます。記入項目がたくさんあり、かなり時間がかかりますが、根気よく取り組んでください。

記入方法


DS-160のくわしい記入(入力)方法については、米国大使館が提供している下記ページ(上の画像)を参考にしてください。このページから「DS-160の記入方法」に関する動画「面接の流れ」に関する動画にアクセスできます。

external link DS-160 に関する情報【日本語】

external link DS-160 に関する情報【英語】

ただし、この動画で取り上げられているビザ申請は短期商用・観光ビザ(Bビザ)ではなく、留学ビザ(Fビザ)なので、Bビザ申請のために記入する際には少しだけ注意が必要です。例えば、「短期観光」の目的でビザを申請する場合、下記項目には次の答えを選びましょう。


・Purpose of Trip to the U.S.(渡米目的):
TEMP.BUSINESS PLEASURE VISITOR (B) / 短期商用・観光 (B)
・Specify(詳細):
TOURISM/MEDICAL TREATMENT (B2) / 観光・医学的治療 (B2)

DS-160の作成に必要な書類

ビザ申請に必要な書類は次の通りです。

・パスポート
・証明写真(電子ファイル)

  • 撮影する前に「写真要件」を必ずチェックしましょう!
  • 証明写真撮影機で撮影して印刷することができます。安ければ500円ぐらいです。
  • 撮影したらデジタルファイルを携帯電話などに保存しましょう!
  • 背景を必ず白にしましょう。
  • メガネをかけずに撮影してください。

external link 写真要件【日本語】

external link 写真要件【英語】

ベトナム人の情報交換ページ


こうした情報を参照しても、申請フォームを記入する際にわからないことは出てくると思います。そんなときは、米国のビザ申請に関する情報を交換するベトナム人のFacebookグループ「Chia sẻ phỏng vấn xin Visa du lịch Mỹ」などに参加して、グループメンバーに聞いてみましょう。多くの場合、親切に答えてもらえます。

DS-160提出確認ページ


DS-160を無事に提出すると上の画像のような「DS-160提出確認ページ」が表示されます。このページは面接の際に必要なので、プリントアウトしてください。

ステップ②:ビザ申請料を支払う

ビザの申請料金はビザの種類によって異なり、「ビザ申請料金」のページで確認することができます。商用・観光のビザ(B類のビザ)の手数料は$160相当で、日本で申請する際は円で支払います。換算レートは「ビザ申請料金」のページで確認してください。支払いには銀行振込などのオプションもありますが、私はクレジットカードが一番簡単だと思います。

external link ビザ申請料金【日本語】

external link ビザ申請料金【英語】

ステップ③:面接を予約する

面接予約確認書

DS-160を提出した後、私は在大阪・神戸米国総領事館での面接をオンラインで予約しました。面接を受けたい日の2、3週間前に予約すると、予約可能な日時が比較的たくさん空いています。しかし、希望日の直前だと、予約枠がほとんど埋まっていますので、注意してください。

面接予約が完了すると、上の画像のような「面接予約確認書」が表示されます。このページも面接の際に持って行くため、プリントアウトしてください。面接予約についてくわしく知りたい場合は、下記のページを参考にしてください。

external link 面接の予約をする【日本語】

external link 面接の予約をする【英語】

ステップ④:面接本番

米国大使館(東京)

それでは、いよいよ面接です。大使館や総領事館を訪問して面接を受けます。東京、大阪、那覇でビザを申請した場合、大使館・総領事館に下記の書類を持って行ってください。

面接当日に必要な書類

・面接予約確認書(プリントアウト)
・DS-160提出確認ページ(プリントアウト)
・証明写真1枚 (ステップ①を参照)
・パスポート
・過去10年間に発行された古いパスポート(あれば)
・外国人登録証明書または在留カードの両面のコピー

面接の流れ

指紋採取(面接に関する公式動画より)

私が総領事館(大阪)に着いてからの面接の流れは次の通りでした。

① 警備員がビザ申請者の予約時刻を確認し、しばらく待つように言います。セキュリティ上の理由で、予約時刻の15分前までは中に入れません。

② 自分の名前を呼ばれたらセキュリティチェックを受けます。空港と同じように金属探知機などで体や手荷物などの検査をします。

③ 上記の「面接当日に必要な書類」を提出し、指紋の採取を受けます。

④ 面接を受けます。私は最初は日本語で質問されましたが、「英語で面接を受けたい」と伝えたら、英語に切り替わりました。面接の結果は、面接が終わったらすぐに知らされました。

面接に関する公式動画より

【注意】
大使館や総領事館に持ち込めるアイテムは限られています。例えば、大きな荷物やパソコンなどは持ち込めません。下記ページであらかじめ確認してください。

external link ご来館前の注意事項【日本語】

external link ご来館前の注意事項【英語】

面接に関する動画

下記ページから面接に関する公式動画にアクセスできます。

external link DS-160 に関する情報【日本語】

external link DS-160 に関する情報【英語】

私が面接で聞かれたこと

私が面接で聞かれたことやどのように答えたかを、覚えている範囲でまとめました。

※質問の順番は実際と異なります。
※他の質問もありました。

問:あなたはなぜ米国に行きたいのですか?
答:Netflixで「Inventing Anna」という面白いドラマを見ましたが、そのドラマの舞台がニューヨークだったので、どうしてもニューヨークに行きたくなりました。

問:米国のどこへ行く予定ですか?
答:ニューヨークに行くつもりです。

問:そこにどれぐらい滞在するつもりですか?
答:米国に1週間滞在しますが、その間はニューヨークだけに滞在するつもりです。

問:旅行の計画はどのような感じですか?
答:まだ詳しい計画ができていませんが、ニューヨークのさまざまな観光地に行きたいです。例えば、リバティー島やメトロポリタン美術館、ウォール・ストリート、エンパイア・ステート・ビルなど、有名なところに行ってみたいです。

私がビザ取得後に実際に訪れたリバティー島

問:いくらぐらいの現金を持っていくつもりですか?
答:1,200ドルの現金を持っていこうと思っています。

問:米国に知り合いがいますか?
答:はい。テキサス州に住んでいる友人が1人います。

問:どれぐらい日本に滞在していますか?
答:2018年に交換留学で初めて日本に来ましたが、そのときは半年間だけ滞在しました。今回は大学で勉強するために2021年1月に来日したので、現在(2022年5月)までに約2年間日本に住んでいます。

問:あなたは大学で何を勉強していますか?
答:経済学を勉強しています。

問:いつ大学を卒業しますか?
答:2025年3月に卒業する予定です。

問:卒業後は何をする予定ですか?
答:卒業したら日本で働くつもりです。

私が面接に合格できた理由とは?

NYのトップ・オブ・ザ・ロック展望台にて

私は面接をパスしビザを発給してもらえました。そこで、その理由を考えてみました。

理由①:私が米国で不法滞在をしないということを信じてもらえた。

ビザ申請で最も重要なのは、自分が米国で不法滞在をしないということを信じてもらうことです。私は大学を卒業するまであと2年あり、卒業後には日本で就職するつもりです。そのことをしっかり伝えられたので、米国で不法滞在をする可能性は低いと思われたのだと思います。

理由②:具体的で分かりやすい受け答えができた。

面接官の質問に対して、なるべく具体的で分かりやすい情報を伝えると良いそうです。短すぎる答えやイエスかノーだけの答えはN Gなので、避けた方が賢明です。私はこのような点はクリアできたと思います。

理由③:面接でのコミュニケーションが円滑だった。

私は英語が得意なので、面接で緊張せずに質問に答えることができました。面接官の方もとても親切だったので、そのことにも助けられました。皆さんも面接でうまく受け答えできるよう、事前に英語か日本語で練習するとよいと思います。

まとめ

私が撮影したNYの街

私が米国の観光ビザを取得したプロセスは以上です。

時間と労力を要するので、忍耐力が大事です。希望の日程で旅行に出発できるよう、ビザ申請を出発予定の数カ月前に完了させることをおすすめします。また、ビザ申請で最も重要なのは、自分が米国で不法滞在をしないことを信じてもらうことです。DS-160の記入や面接の受け答えをする際にこのことを意識すれば、あなたがビザを取得できる可能性は確実に上がると思います。がんばってください!