旅行・グルメ

「おでん」の種類と買い方

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2023年02月17日

日本で昔から愛され、冬の味覚の定番となっている「おでん」。最近では多くのコンビニで「おでんコーナー」が設けられているほどですが、外国人にとっては具材の内容や名前が分からず、買ったり食べたりするのにちゅうちょするケースがあるかも知れません。そのような方々のために、おでんの種類や買い方などを写真で分かりやすく紹介します。安くておいしい日本の冬の定番料理をあなたも味わってみてはいかがですか?

おでんとは

「おでん」は1200年以上続いている日本料理で、シンプルな煮物です。かつおぶしや昆布からとっただし(スープ)をベースに、さまざまな具材を入れて弱火で長時間煮込むと、だしが具材にしみ込み、具材のうまみもだしに混じって、絶妙の味になっていきます。

おでんのだしは地域ごとに少し違います。

・関東:かつお節から取っただしにしょうゆなどを合わせます。
・関西:昆布から取っただしにしょうゆなどを混ぜ、少しあっさりした味わいです。
・九州:鶏ガラからとっただしに九州特有の甘いしょうゆで味付けをします。

さまざまなおでんの具

最近ではコンビニでもおでんが売られていますが、ベトナム人にとっては具材の内容が分からないので選びにくいのではないでしょうか? 伝統的な定番の具材を中心に、おでんの具を写真付きで紹介します。ちなみに、おでんの具のことを「おでんのタネ」と呼ぶこともあります。

定番のおでんの具

昔ながらの定番の具から紹介していきます。

①厚揚げ(あつあげ):豆腐(とうふ)をあげたもので、中は普通の豆腐です。表面の皮にしみ込んだだしが口の中で広がり、豆腐の食感と混じり合います。

②大根:ダイコンを輪切りにしたシンプルな具材です。厚揚げやたまご、ちくわ、こんにゃく、がんもどき、牛すじなどと並び、おでんの具の定番中の定番です。

③しらたき(糸こんにゃく):細長いこんにゃくです。関東では「しらたき」、関西では「糸こんにゃく」と呼ぶことが多いですが、同じものです。

④ジャガイモ:ジャガイモを煮込んだだけのシンプルな具材です。

⑤たまご:ゆで卵を煮込んだものです。中の黄身にだしをしみ込ませて食べると絶品です。

⑥こんにゃく:しらたき(糸こんにゃく)と味は同じです。

⑦牛すじ:牛のアキレス腱です。肉にだしがしみ込んで濃厚な味わいです。

⑧がんもどき:豆腐をつぶして、ニンジンやレンコン、ごぼうなどを混ぜてから、油で揚げた食べ物です。ジューシーな味わいです。

⑨豆腐(とうふ)

⑩ゆば:豆乳を加熱したときに表面にできる薄皮です。

⑪もち巾着(きんちゃく):油揚げの包みの中にとろとろのもちが入っています。

多様化するおでんの具材

定番の具以外にもお店や家庭によってさまざまな具を入れます。写真で例を見てみましょう。

①タケノコ:タケノコもおでんでよく使われる具材です。

②銀杏(ぎんなん):イチョウの実です。

③シイタケ

④くきわかめ:ワカメの芯の部分(固い部分)を煮込んだものです。

これら以外に、

・タコ
・はんぺん(魚のすり身にヤマイモなどを混ぜて加工した食品)
・さつまあげ(魚のすり身にニンジンやゴボウなどを混ぜ、油で揚げた食品)
・ごぼう天(魚のすり身のなかにゴボウが入っているもの)
・ウインナー

など、さまざまな具材があります。

わさびではなく、からしをつける

左手前の黄色いものが「からし」

寿司を食べるときには「わさび」をつけますが、おでんを食べるときには「からし」をつけて食べるのが定番です。

からしをつけて食べるようになった理由には諸説あります。その中でも有力なのは、おでんを屋台で売っていたころ、作り置きのおでんで食中毒が発生したことをきっかけに、殺菌作用のあるからしをつけて食べる習慣が広まったと言われています。

コンビニでおでんを買う

コンビニのおでんは、自分で容器に入れてレジに持って行くセルフサービスが多くなっています。

⭕️自分でおでんの容器に入れる

今はたいていのコンビニに「おでんコーナー」があります。安くておいしいので、とても人気があります。おでんの鍋の近くに置かれているプラスチック容器に好きな具材とだしを入れてレジに持って行きます。

❌指でツンツンしてはいけない

鍋の中のおでんの具材は、間違っても手で直接触ってはいけません。トングなどが備え付けられていますので、それを使いましょう。

家でおでんを食べる

おでんは具材を切って煮込むだけなので、家でも簡単に料理できます。昆布やかつお節から取っただしに酒やしょうゆ、みりん、塩などを混ぜて作りますが、くわしくはネットで検索してください。また、それが面倒な場合は、スーパーでおでんのだしのもと(粉末スープ)を買うこともできますし、カット済みの具材とだしがセットになったもの売られています。

友だちが遊びに来たときに一緒に食べるのもいいですし、1人で一度にたくさん食べられなくても、鍋に入れたまま保存して2、3日に分けて食べてもいいですね。鍋の中で日増しに味が具にしみ込むので、「おでんは初日より二日目の方がおいしい」と言われています。味のしみ込んだおでんは白いご飯との相性も抜群です!

おでん屋さん

観光で京都や大阪に来る人も多いことでしょう。その際に立ち寄って頂けるように、私の住む大阪で特に人気のあるおでん屋さんを3店紹介します。みなさんの家の近くにもおいしい店があるかも知れませんので、ネットで「おでん 美味しい店 〇〇(地名)」などのキーワードで検索してみてくださいね。

おでん屋さんには、昔から長く愛され、外観は年季が入っているお店も多いですが、そのようなお店ほど味は絶品です。

花くじら 本店
大阪市福島区福島2-8-2
JR福島から300m
JR新福島から100m
16:00~23:00
定休日:年末年始、8月(1カ月間)
予約不可、現金のみ
たこ梅 本店
大阪市中央区道頓堀1-1-8
地下鉄・日本橋と近鉄日本橋から270m
16:00~22:50
無休(12/31-1/3だけ休み)
予約可、カード可、電子マネー不可
よかろ
大阪市中央区島之内2-9-9
地下鉄・日本橋と近鉄日本橋から500m
17:30~22:00
定休日:日曜・月曜・祝日
予約不可、現金のみ

まとめ

秋から春先にかけての寒い季節、日本のコンビニでも売られている「おでん」。この記事では、鍋料理と並んで日本の冬の定番料理として愛され続けているおでんの具の種類や買い方を紹介しました。

定番の厚揚げ、大根、ジャガイモ、ちくわ、こんにゃく、牛すじ、がんもどきなどの具材を写真で見て頂きました。コンビニで買うときは、自分で容器に入れてレジに持って行きますが、素手で具やだしを触ってはいけません。

家でおでんを楽しみたい人は「おでんは初日より二日目の方がおいしい」と言われる二日目のおでんをぜひ味わってみてください! そして、おでんの具は無限大です。皆さんの好きな具材で独自のおでんを楽しんでください。