体験談(技能)

sumb_09
By KOKORO(毎日新聞社+VAIJ主催、在ベトナム日本国大使館など後援)

今回の先輩

BÙI THI HÀ(ブイ ティ ハー)さん

1998年2月1日生まれ、タインホア省出身
2016年6月 Thạch Thành 1高校卒業
2017年4月 福岡県の食品工場で技能実習開始

はじめに

私より4カ月早く宮崎県で技能実習を始めた姉(28)の後を追うように、私も2017年4月に福岡県の食品(弁当)工場で実習を始めました。コンビニエンスストアで販売する麺類のトッピングを容器に入れるのが私の実習内容(仕事)です。職場ではあまり日本語を話す機会がありませんが、夜間や休日にSkype(インターネット電話)を使って日本人の先生と会話をし、YouTubeやFacebookでも日本語を勉強しています。

また、貯金したお金はベトナムの両親に送っていますが、残ったお金で1、2カ月に1度、コスメを買うのが楽しみです。日本のコスメはベトナムでも人気ですが、高くて手が出ません。でも、日本でなら半分近い値段で買えます。日本語ももっと勉強したいですし、買い物も楽しいので、技能実習が終わっても、できれば特定技能の在留資格で日本に残れたらいいなあと思います。

宮崎県で技能実習をしていた姉と博多で【2019年5月】

技能実習先での仕事

職場では衛生管理のため、このような格好をしています【2019年】

私の技能実習先は、大手コンビニで発売する持ち帰り用のそばやうどん、焼きそば、冷麺などを製造しています。流れ作業で、トッピングの卵やキュウリ、にんじんなどを容器に入れるのが私の仕事です。日本人の先輩たちは皆さん親切で、時間や仕事のルールもしっかり守るので、一緒に働いてとても勉強になりました。

また、職場には、ベトナム人の実習が39人(女性23人、男性16人)いますので、ホームシックにはなりません。時々、実習仲間で食事会やお出かけをします。

寮の近くのレストランで技能実習仲間の誕生祝いを兼ねて食事会【2019年9月】

Skypeで日本語会話を練習

職場にはたくさんの日本人がいますが、それぞれ黙って自分の作業をします。単純作業なので指示や質問もあまりありません。ですから、仕事中に会話をすることはほとんどなく、日本語の勉強は夜間か休日が中心です。私は日本に来て2年あまりで日本語能力検定試験(JLPT)のN3に合格しました。こうした資格を取ると、帰国後の就職で有利になります。私は、日本に来てからも問題集やFacebook、You-tubeなどを使って、毎日1時間~2時間、日本語の勉強を続けてきました。

問題集はこれを使っています

Facebookでは例えば「Cùng Nhau Đỗ N3-N2 (日本語のグループ N3-N2)」というページを使い、You-tubeでは例えば「Riki Nihongo Dayo」といったチャンネルを見て勉強しています。Facebookで出てきた単語はスクリーンショットで保存し、仕事の休憩時間などに繰り返し覚えます。

FBの日本語学習ページからスクリーンショット

また、日本に来て2年目からは、週に1度、Skypeを使って日本人教師の授業も受けています。Lotus Works というNPOが日本で働くベトナム人技能実習生に提供しているサービスで、週1〜2回、約30分間の日本語指導を無料で受けられます。日本での生活についても相談に乗ってくれます。興味のある人はLotus Works のHP(ベトナム語)から問い合わせてください。

Lotus Works のHP(ベトナム語もあります)
http://lotusworks.biz/vi/index.html

日本での暮らし

私たちの職場は繁華街から遠く、普段は近くのスーパーに自転車で食材を買いに行くぐらいです。でも、職場のベトナム人仲間と一緒に2カ月に一度ぐらい、自転車・バス・電車を乗り継いで福岡市や久留米市の繁華街に遊びに行きます。その時は、コスメや衣類(ZARA、UNIQLO、H&Mなど)を選ぶのが楽しみです。

同僚のアインさんと「博多」にお出かけ【2019年10月】

[iconpress id="local_120" title="book" style="color:#525252; font-size:25px;" ]私の家計簿(1カ月の平均)

※100円=21,145 VND(2020年2月7日現在)

手取り給料(100,000円~155,000円)


手取り給料
95,000円~150,000円
※税金、社会保険料、寮費を引いた後の手取り額
※このうち寮費は15,000円(寮は3ベッドルームのマンションに6人)

支出(合計 40,000円~50,000円)

光熱費・通信費    5,000円
※電気・ガス・水道代・Wi-Fiの合計
携帯電話  0円
※SIMなし(Wi-Fiのみ使用)
食費 20,000円
※主に自炊
雑費・交通費  15,000~25,000円
※化粧品や衣類、繁華街への交通費など
※あまり買い物をしない

差額(貯金) 

差額(貯金)  60,000円~120,000円
※冬は残業がほとんどなく収入が少ないが、春・夏(4~10月)は残業が多く収入も多い。
※貯金を2カ月に1回、両親に送金。1回の送金は10万円程度。

日本のコスメが大好き

日本の商品で特に気に入っているのは、お手ごろな美容グッズ(コスメ)です。ベトナム人女性は韓国や日本のコスメが大好きです。私は例えばこうしたコスメグッズをよく買います。

日本の衣類やコスメを紹介するベトナム語のサイトもたくさんあり、そこにベトナム語で商品説明が紹介さていますし、パッケージの日本語の説明も7割ぐらいは理解できます。日本のファッションや美容に関するサイトには、例えばこういうものがあります。

Sakurafashion.vn

こういう商品もチェック

日本の景色を楽しむ

姉は2019年12月に帰国するまで、年に1、2回、福岡に来て私の部屋に泊まっていきました。九州では福岡市が一番大きな都会です。姉とは「博多」や「天神」といった大きな繁華街によく一緒に行きました。

また、技能実習仲間と日帰りで旅行したり、花火大会に行ったりもします。実習先の工場は郊外にあって不便ですが、自然は豊かで、春には花がたくさん咲きます。

寮の近くで桜見物【いずれも2019年4月】

花火大会

実習仲間5、6人で花火大会を見物(福岡県久留米市)【2019年8月】

仲良しのアインさんとヒマワリを鑑賞(福岡県柳川市)【2019年8月】

日本にもう少し

このように、職場ではあまり日本語を話す機会がありませんが、せっかく日本に住んでいるので日本語をもっと覚えられるように、Skypeで日本人の先生と会話をしますし、You-tubeやFacebook、問題集で毎日、勉強を続けています。また、実習仲間と遊びや買い物に出かけたり、休みの日に一人でじっくりコスメを選んだりするのもとても楽しいです。3年間では短いので、できればもう少し日本を楽しめたらいいなあと思います。