わたしの体験

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2020年02月28日 わたしの体験

今回の先輩

Phan Nguyệt Minh(ファン・グエット・ミン)さん

1988年生まれ、ダナン市出身
2006年 5月 PHAN CHAU TRINH 高校卒業
2006年 7月 ドンズー日本語学校入学
2007年 9月 ドンズー日本語学校卒業
2007年10月 福山YMCAビジネス専門学校日本語科入学
2009年 3月 福山YMCAビジネス専門学校日本語科卒業
2009年 4月 国立岡山大学 経済学部入学
2013年 4月 国立岡山大学 科学文化研究科(大学院)入学
2015年 3月 国立岡山大学 科学文化研究科卒業
2015年 4月 カイタック(株)入社(正社員/生産管理)
2017年 3月 カイタック(株)退社、6月帰国
2017年 7月 FPT入社
2018年 5月 FPT退社
2018年 6月 旅行会社経営、通訳(フリーランサー)

仕送りせず、学生生活に集中

私はホーチミンのドンズー日本語学校で1年間勉強し、2007年から7年半、日本で留学しました(専門学校→大学→大学院)。その間、アルバイトは法律を守って週28時間以内にほぼ納めました。岡山は東京などと比べて生活費が安いですし、勉強に力を入れたので大学の授業料も半額が無料にしてもらえ、少ない給料でも生活できました。留学生のときは親に仕送りをできませんでしたが、その分、卒業してから親孝行に努めています。

また、留学中、工夫して安い費用で日本各地を旅行しました。卒業後、正社員として日本で働いた2年間は、6回も海外旅行に行きました。その後、故郷のダナンに帰り、こうした経験がもとになって、旅行を扱う仕事で生計を立てています。それでは、私の日本体験を紹介します。

ダナンのカフェで【2019年12月】

一つの居酒屋で6年間アルバイト

訪日して初めてのアルバイト先はラーメン店で、ここを見つけるまでに2カ月間かかりました。駅などに置かれている無料のアルバイト紹介雑誌を見て先方に電話しても、面接してもらえるのは10件のうち1件くらいでした。その面接にも5、6回落ち、初めて合格したのがこの店でした。当時は、外国人雇用はまだ珍しかったのです。その後、マクドナルドや牛丼店も兼務しましたが、アルバイト時間は、合計で週28時間以内に納めました。

岡山大学(岡山県岡山市)に入学後は一つの居酒屋で6年間働き、最後は私が一番の古株でした。バイト仲間(主に日本人)とよく飲みに行ったのは楽しい思い出で、彼らとは今もLINEなどで連絡を取り合っています。就職前にバイトをやめるときは、店長も含め約20人が送別会をしてくれました。

6年間勤めた居酒屋をやめる際、送別会でもらったメッセージボード【2015年2月】

地方で安く生活

専門学校のあった広島県福山市では、ドンズーから一緒に行った仲間と2人で2DK(寝室2室)の部屋に住みました。その後、ドンズーの後輩が3人加わり、5人で住みました。古いマンションの4階(エレベーターなし)で、家賃は月3万円(約6,350,000ドン)でした。東京では考えられない安さです。ただ、授業料が年間70万円で、これを支払うのが大変でした。日本語を聞いても半分くらいしか分からず、大学受験の勉強もあり、アルバイトにも不慣れで、この時期が一番大変でした。

専門学校の教室でドンズー仲間や日本人の先生と【2007年秋】

ただ、専門学校での成績がよかったので、大学1年の時に毎月5万円の奨学金をもらえました。また、大学と大学院の計6年間のうち3年間は授業料を半額免除され、3年間は全額免除(無料)されました。これは、私の成績が制度の適用基準を満たしたからです。アルバイトに明け暮れて「収入を増やす」より、学業をしっかりやって奨学金や授業料減免を得て「支出を減らす」方が、自分の将来につながるのではないでしょうか。

マンションの部屋が狭かったので、いつも大学の図書館で勉強【2011年11月】

book 私の家計簿(1カ月の平均) ※大学生時代(2009~2013年)

※100円=21,174 VND(2020年2月8日現在)

収入(合計約80,000~90,000円)

アルバイト(居酒屋、牛丼店) 計80,000~90,000円
単発のイベント通訳など 5,000~8,000円
※税金、社会保険などを引いた後の手取り額
※単発バイトは毎月あるとは限らない
※夏休みなど長期休暇時は40,000円~45,000円増える

支出(合計約100,000円)

家賃 28,000円
※1人暮らし、ワンルーム、wi-fi込み
※大学まで自転車で10分
光熱費 7,000円
※電気・ガス・水道の合計
携帯電話 7,000円
学費 22,500円
※成績優秀で半額免除(全額免除の年もあった)
食費 20,000円
※朝はコンビニ、昼は大学の食堂(300~400円)
※夜はバイト先の飲食店で格安で食べる日もあった
雑費・交通費 5,000円~10,000円
※月に数回、友人と一緒に出かける
※あまり買い物をしない

差額(貯金)平均10,000円

※親に仕送りはせず、時々帰国する際に薬やサプリをお土産に買った。

私は岡山に住めてよかったです。生活費も安いですし、お店もそれなりにたくさんあり、ショッピングモールが充実していました。東京は人気がありますが、人が密集しすぎており、生活費も高いので、たまに遊びに行くにはいいですが、私が生活するには適していないように感じました。留学生にとっては、生活費を抑える意味で、地方での生活もお勧めです。

日本語の勉強、受験勉強、大学合格

私は小学校から高校までフランス語を学びました。しかし、フランス留学ではアルバイトだけでは生活できないと聞いたので、日本を選びました。ドンズー日本語学校のことは高校の同級生に教えてもらいました。ドンズーでの1年間は、ダナン出身生徒20人以上と一緒に一軒家(3階建て)に住みました。日本語は初めてでしたが、白紙の状態から集中的に勉強したので、短期間で力がつきました。ただ、訪日したてのころは、相手の話すことの半分ぐらいしか分かりませんでした。

岡山大学を受験する際は、JASSOの留学試験(総合科目、日本語、数学I)の成績を提出し、大学で日本語(小論文)の試験と面接を受けました。

日本語については、私はベトナムでも日本でも学校の予習・復習をしっかりやりました。ある程度力がついたら、日本のテレビ番組を見るのもお勧めです。自然な日本語を使っていますし、冗談の言い方も分かり、岡山にいても東京で何がはやっているのか分かります。また、テレビでの情報を話題に、学校やバイト先で日本人と会話することもできます。

岡山大学の留学生仲間と学園祭でベトナム料理を販売【2014年11月】
岡山大学のベトナム人留学生で桜の花見(岡山市内の植物園で)【2015年4月】

長期休暇時は節約旅行

ドンズー仲間と2人で「青春18切符」で数日間の旅行。東京では、幼なじみと合流し、家に泊めてもらった。【2009年9月】

長期休暇時は、ベトナム人の留学生仲間と一緒に日本各地を旅行しました。北海道や九州にも行きましたが、繰り返し行ったのは、岡山市の隣の倉敷や広島、神戸など近場でした。日本では長期休暇時に定額でJR(鉄道)に1日乗り放題の「青春18切符」という切符が販売されます。特急には乗れませんが、この切符でよく神戸などに日帰り旅行をしました。また、遠くに旅行する際は、そこに住んでいるドンズーの同窓生に連絡し、案内してもらったり家に泊めてもらったりしました。

ドンズー仲間と一緒に三重県の「なばなの里」へ【2012年12月】

専門学校時代のルームメートが広島・岡山・滋賀から集まり、「なばなの里」を観光後、三重大学生の仲間の家に泊まって同窓会【2012年12月】

ダナンから家族を呼んで長期旅行

大学3年生の時、母と弟をダナンから招待し、日本各地を約2週間、旅行しました。行き先は広島、神戸、大阪、京都、富士五湖(富士山の周辺の湖)、東京でした。そのときに持っていた貯金約40万円を全部使いました。(父は用事があって来られませんでした。)

母(左)や弟を連れて行った安芸の宮島(広島)【2012年8月】

岡山は美しい

岡山は人気の観光地ではありませんが、実は美しい名所がたくさんあります。私は岡山の四季を満喫しました。

大学のベトナム人仲間を岡山の有名な日本庭園「後楽園」に案内。浴衣はフリーマーケットで安く購入。【2015年8月】
日本では季節ごとに花が替わる。岡山市内の植物園でアジサイを鑑賞。【2013年6月】

日本の会社に就職

大学院を卒業後、大学の紹介で地元の大手アパレル会社に就職しました。同社はベトナムの工場に生産を委託していたので、生産管理などでベトナム人が必要でした。私が初めてのベトナム人社員で、月給は手取り17~18万円でした。仕事は楽しく、上司もとても親切で、ベトナムへの出張もありました。

この会社で働いた2年間は、長期休暇(春のゴールデンウイーク、夏の盆休み、年末年始)の際に毎回、海外旅行に行きました。行き先は米国(2回)、ヨーロッパ、韓国、台湾などでした。

帰国前直前には、2週間の一人旅。プラハ(左)とストラスブールで。【いずれも2017年5月】

帰国し、独立

仕事にはやりがいがありましたが、ある自動車販売会社から「ダナンでショールームを開設するので手伝ってほしい」と誘われ、悩んだ末に帰国を決意しました。その後、ショールーム計画は頓挫しましたが、アパレル会社に退職を申し出た後だったので、そのまま帰国し、最大手の通信会社で1年間働きました。あと3年住めば日本での永住権も取れたのですが、私はいつか起業したいと思っていたので、日本よりも起業へのハードルが低いベトナムにいつかは帰ろうと思っていました。その後、小さな旅行会社を立ち上げ、サイドビジネスで通訳・翻訳(フリーランス)もしています。

私と同じように楽しい留学をできる人が増えるよう、留学経験やアドバイスをブログにしました。よかったら参考にしてください。

http://mmblog.com.vn/blog/du-hoc-nhat/

ホイアンにて【2019年11月】