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外国人に大人気のドラッグストア

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2022年10月12日

日本のドラッグストアでは、医薬品やコスメ、サプリメント、日用雑貨、菓子などが安くたくさん売られているうえ、免税になる店も多いので、外国人観光客に大人気です。日本人の生活にも必要不可欠な存在となり、毎年店が増え続けているドラッグストア。何がそこまで人を引きつけるのか、その魅力と品ぞろえを紹介します。

増え続けるドラッグストア

ドラッグストアとは、医薬品や化粧品、健康・美容に関する商品、日用雑貨、食品、酒類、文房具などを販売する店です。価格も安いので、スーパーに行く感覚で利用できます。

豊富な品ぞろえと低価格が人気を集め、2000年度に11,787店だった全国の店舗数は2018年度に20,000店を突破し、2022年1月には23,572店になりました。

◆大手ドラッグストアの店舗数

順位 チェーン名 2021年1月 2022年1月
1 ウエルシア 3,055 3,328
2 ドラッグスギ 1,724 1,926
3 ツルハドラッグ 1,430 1,529
4 クスリのアオキ 1,004 1,238
5 ディスカウントドラッグコスモス 1,103 1,205
6 ドラッグセイムス 893 937
7 クリエイトエス・ディー 852 926
8 ドラッグストアマツモトキヨシ 839 890
9 サンドラッグ 833 871
10 ココカラファイン 736 779
11 薬マツモトキヨシ 722 768

※日本ソフト販売調べ

ドラッグストアの食品が安い理由

ドラッグストアでは菓子や加工食品がとても安く売られています。スーパーより安い食品も多く見かけます。ドラッグストアの食品はなぜ安いのでしょうか?

ドラッグストアの食品が安い理由

医薬品や化粧品の利益率が高いので、それ以外の商品を低価格で販売できます。
※日用品なども安く売られています。

大型チェーンの場合、大量仕入れによって仕入れ単価を下げることができます。

・大型チェーンは多くの食品会社と提携し、低価格で高品質のオリジナル商品を作ることにも成功しています。

外国人観光客に人気の商品トップ15

ドラッグストアは外国人観光客にもとても人気があります。

外国人観光客がドラッグストアで使うお金は1回当たり約16,500円(2019年3月のデータ)で、国内客の約10倍です。

外国人観光客に人気の商品トップ15(2019年)

それでは、どのような商品が外国人観光客に人気があるのでしょうか?新型コロナの影響が出る前の2019年(1~12月)のデータを見てみましょう。

◆ドラッグストアで外国人観光客がよく買う商品トップ15

種類 商品名
1 フェイスクリーム 花王:キュレル 潤浸保湿フェイスクリーム 40g
2 リップクリーム DHC:DHC薬用リップクリーム 1.5g
3 目薬 参天製薬:サンテFXネオ 12 ㎖
4 UBケア 資生堂:アネッサ パーフェクトUV スキンケアミルク 60 ㎖
5 キャンデイ 江崎グリコ:ポップキャン
6 洗顔料 資生堂:専科パーフェクトホイップn 120g
7 のど薬 龍角散:龍角散ダイレクト ステイック ピーチ16包
8 パック 石澤研究所:毛穴撫子 お米のスキンケア お米のマスク 10枚
9 湿布 久光製薬:サロンパスAe 140枚
10 のど薬 龍角散:龍角散ダイレクト ステイック ミント16包
11 チョコレート 不二家:アンパンマン ペロペロチョコ
12 かぜ薬 大正製薬:パブロンゴールドA 微粒 44包
13 湿布 ニチバン:ロイヒつぼ膏 RT156 156枚
14 パック pdc:ワフードメイド 酒粕パック 170g
15 水産珍味 扇屋食品:チーズおやつ

※True Data調べ〈2019年〉

コスメや医薬品が人気上位に並んでいますね。このほか、サプリも外国人に人気が高いそうです。

リップクリームなど

目薬

免税店

TAX FREEと表示された都心のドラッグストア

都心のドラッグストアは広さが限られているので、外国人観光客や若者に人気の高い化粧品やサプリなどを中心に品ぞろえを展開しています。スピルリナやナットウキナーゼといった日本独特のサプリメントもたくさん取り扱っています。

観光客など短期滞在(90日以内)の在留資格の外国人がパースポートを見せると免税で購入できるドラッグストアもあります。消費税8~10%を節約できるので、大きいですね!

ドラックストアで何を買える?

菓子や調味料の販売コーナー

住宅地のドラッグストアは都心より広く、医薬品や化粧品はもちろん、洗剤やトイレットペーパーなどの日用品、食品、ベビー用品などの品ぞろえも充実しています。

ティッシュペーパーのコーナー

郊外の店はさらに大型化が進んでおり、土や肥料などのガーデニング用品も売っています。日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)が調査した2021年度のデータによると、ドラッグストアの売上げ構成は次のような順番になっています。

①フーズ、その他:27.7%
②ホームケア:22.2%
③ヘルスケア:18.2%
④調剤:13.7%
⑤ビューティケア:18.1%

◆ドラッグストアで売られている主な商品

フーズ、その他
◆食べ物
・パン、卵、牛乳、チーズ、豆腐、ハム、カップ麺、パスタ、香辛料、調味料、コーヒー豆、米、小麦粉、紅茶など。
・菓子の種類も豊富で、アイスクリームも買えます。
◆飲み物
・ミネラルウォーター、各種ソフトドリンク、アルコール飲料(ワイン、ビール、日本酒など)。
ホームケア
◆生活雑貨、ボディケア用品
・石けん、ボディソープ、シャンプー、コンディショナー、ハンドクリーム、洗顔クリーム、整髪料、ヘアスプレーなど
・台所洗剤、ラップ、ホイルなどのキッチン用品
・殺虫剤や衣類の防虫剤
・トイレットペーパーやトイレクリーナー、芳香剤
◆文房具や電気製品
・少なめですが、ボールペンやノート、封筒などがあります。
・蛍光灯や電球、乾電池なども売られてます。
ヘルスケア
・かぜ薬、解熱剤(げねつざい)、胃腸薬、目薬など処方せんがいらない薬(一般医薬品)
・ほうたい、軟膏(なんこう)、傷バンドなど、ケガの治療用品
・マスクや消毒液
・サプリメントや機能性食品、栄養剤など
調剤
・薬剤師が調剤したる薬(医師が作成した処方せんが必要)
ビューティケア
・化粧品:ファンデーションや口紅、マスカラなど多数。高級品も安い商品もあり。
・化粧水や乳液、クリームなどのスキンケア用品

薬局とドラッグストアの違い

処方せんに沿って薬を探す薬剤師〈薬局で〉

日本の薬局(pharmacy)ドラッグストア(drug store)は区別されています。

①薬剤師の有無

薬局は正式には「調剤薬局」といい、調剤薬局には必ず薬剤師がいます。
・ドラッグストアでは、どの店にでも薬剤師がいるわけではありません。

薬局(調剤薬局)は単なる薬店ではなく、常駐の薬剤師が調剤室で医薬品を調剤します。病院やクリニックでもらった処方せんを薬局に持って行くと、その内容に沿った薬を調合したり選んだりして販売してくれます。処方せんで買う薬には医療保険が適用され、自己負担額が減ります。

薬を調合する薬剤師

ただし、最近では、薬剤師が常駐し調剤薬局の機能を備えたドラッグストアも増えています。調剤薬局を兼ねたドラッグストアかどうかは、白衣を着た薬剤師がいるか、調剤室があるかどうかで見分けることができます。

②売っているもの

・調剤薬局で売られているのは調剤した薬と医薬品だけです。
・ドラッグストアでは食品や日用品なども売られています。

③共通点

・処方せんが要らない一般用医薬品(かぜ薬や胃腸薬など市販の薬)は薬局でもドラッグストアでも買えます。

まとめ

この記事では、「ドラッグストアの食品が安い理由」や「外国人観光客に人気の商品トップ15」、「薬局とドラッグストアの違い」などについてお伝えしました。大型チェーンのドラッグストアが独特の仕組みで商品を安く販売していることなどが分かりました。

「100円均一ショップ」と並んで日本で増え続けている「ドラッグストア」。留学や技能実習などで日本に住むあなたも、観光で訪日するあなたも、ドラッグストアを訪れたら何かを買わずにはいられなくなることでしょう。