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航空券詐欺の手口と特徴とは?

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2022年11月26日

皆さんはFacebookで航空券の広告の投稿を見たことがないでしょうか?私の友人がそういった投稿を信じ、Facebookへの投稿者から航空券を購入しようとしたら78万円(約140,000,000 VND)もだまし取られました。これは「航空券詐欺」とも呼ばれ、日本に住んでいるベトナム人の間で多発しています。友人が実際にあった被害例などを通じて航空券詐欺のパターンや防止策を紹介します。《チャン・ゴック・アイン》

航空券詐欺とは

Facebookなどで「航空券」というキーワードで検索すると、「航空券を売ります」という趣旨の投稿がたくさんヒットします。ここでは、購入者の希望するフライトがあれば、販売者が価格を提示し、お互いが合意すると取引成立です。

しかし、「代金を振り込んだのに、航空券を受け取れなかった!」「SNSで買った航空券を空港で提示すると、偽物だった!」などの被害が続出しています!!これを「航空券詐欺」と呼んでいます。

「9万円」の航空券に78万円を振込!

友人がベトナム航空に問い合わせたときの画面

私の高校時代からの友人(大学4年生の女性)は短期交換留学のために来日しました。東京の大学で5カ月間学ぶのですが、帰国便のチケットを安く入手するため、来日早々、チケットを探し始めました。そして、Tokyo BaitoというFacebookグループで格安航空券の投稿を見つけ、ベトナム人の投稿者にメッセンジャーで連絡しました。ハノイ行きのチケットを希望したところ、相手はパスポートの画像送信や9万円の振込を要求してきました。

友人は日本の銀行口座を持っていないので、友人から頼まれて私が自分の口座から9万円を振り込みました。しかし、投稿者から翌日、友人にこのような連絡が入りました。「土曜日に振り込んだためか、まだ入金されていない。早くお金を受け取って手配をしないと、航空券の値段が上がってしまう。最初に振り込んだお金はあとで返すので、別の銀行からもう一度振り込んでください。その銀行から振り込めば、すぐにお金が届くはずです」

私は怪しいと思いましたが、友人に泣きつかれ、指定された銀行からもう一度9万円を振り込みました。しかし、その翌日、投稿者はさらに10万円の振込を求めてきました。理由は「取引が確実に行われたことの確認」ということでした。私は不信に思いましたが、友人は「もう一回振り込んでほしい」と懇願します。私は仕方なく3回目の振込を行いました。その後も投稿者から2回の振込指示(4回目は15万、最後の5回目は10万円)があり、応じました。

私が友人に頼まれて振り込んだのは計5回で、金額は計53万円になりましたが、投稿者は最後まで航空券を送信してきませんでした。そこで、友人はとうとう投稿者に返金を求めることにしましたが、投稿者がFacebookアカウントを削除するなどしたようで、チャット画面の相手のメッセージはすべて非表示になり、連絡先が見つからなくなっていました。

相手のメッセージがすべて非表示になり、連絡が取れなくなった

友人は私以外の3人の友だちにも振込を依頼したらしく、結局、被害総額は78万円に上りました。友人はこのお金を私たちに返さなければならないので、留学予算がほとんど消えたそうです。友人は途中からおかしいと思いましたが、投稿者は「もう一度振り込まないと、事前に振り込んだお金は返せない」「この送金はベトナム航空の指示だ」などとうそを言って友人を信じ込ませたそうです。

本物の予約番号を使って詐欺

日本でのベトナム航空の航空券詐欺に関する記事(2016年3月)

日本に住むベトナム人の労働者や留学生が増えるにつれ、ベトナム人による航空券詐欺が増えてきました。ベトナム航空は以前から航空券詐欺への注意を促しています。この記事によると、ベトナム航空は早くも2016年にFacebookを利用した航空券詐欺について警告を発しています。その手口は次のようなものでした。

  • 詐欺師(投稿者)はベトナム航空の公式HPで後払いチケットを予約し、予約番号を被害者に伝える。
  • 被害者はベトナム航空に問い合わせ、予約番号が有効だと知り、投稿者に代金を振り込む。
  • 振り込んだ後は、投稿者と連絡が取れなくなる。

相次ぐ被害の事例

HỘI VÉ MÁY BAY NHẬT VIỆT(日越航空券協会)などベトナム人が集まる航空券販売のFacebookグループにも航空券詐欺に関する投稿がたくさん載っています。チャンさんという女性は、写真のアカウントからこのグループに投稿した人物から航空券詐欺の被害にあったと訴えています。

投稿によると、チャンさんは写真のアカウントからの投稿を見てメッセージをやり取りし、航空券を買うために5万円を振り込みましたが、チケットを発行してもらえませんでした。相手は「チケットを発行できないのはシステムエラーが原因。航空会社に返金をリクエストしたので、多分月末にお金が戻ってくる」と言いましたが、その後連絡が取れなくなりました。チャンさんによると、ダナン出身の友人も同じ被害にあったそうです。

VÉ MÁY BAY NHẬT – VIỆT(日越チケット)というFacebookグループでは、クイさんという女性が、写真のアカウントが詐欺販売に使われていると警告しています。クイさんによると、投稿者(販売者)は女性で、電話をかけると赤ちゃんの声が聞こえたので、かわいそうに思ってチケット購入を決めたそうです。そして、日本からベトナムに帰る航空券を買おうとしてお金を振り込んだのにチケットを受け取れず、詐欺だと気づきました。この投稿には同じような被害にあった人たちのコメントがたくさん書き込まれています。

警察にできることは少ない

さて、だまされたと確信した私の友人は交番に行って警察官に相談しました。警察は被害届けを受理し、「銀行に連絡して投稿者の銀行口座を凍結させる」と言いましたが、取られたお金が戻ってくるかどうかは分かりません。お金を取り戻すには、犯罪被害を立証しなければなりません。

しかし、詐欺の振込先に使われる口座は、ベトナムに帰国する人から買った口座がほとんどなので、口座から容疑者を特定することは難しいそうです。今回、投稿者は5つの口座を指定しましたが、そのうち二つは日本人名義でした。これは取引の信用性を高めるためだと思いますが、口座の売買は法律に違反し犯罪です。お金がほしくて口座を売る日本人もいることがわかり、私は驚きました。

航空券詐欺の手口と特徴とは?

Facebookでやり取りをして個人事業者から航空券を購入することはリスキーです。今は正規の業者から買っても安い航空券がたくさんありますので、下記に紹介するような信頼できるサイトから購入するのが一番安全です。また、Facebookの航空券販売投稿を見る際には次のような点に注意してください。

〈詐欺投稿の特徴や注意点〉

  • 「いいね」やコメントを購入した疑い:投稿にいいねやコメントがたくさんあるが、コメント内容がほぼ同じ。
  • アップロード写真が少ない
  • 不審な Email アドレスを使う:例えばvietnamairlinees@gmail.comなど
  • 身分証明書:詐欺師は他人の身分証明書や偽造の身分証明書の画像を送信し、買い手を安心させようとします。私の友人も身分証明書の画像を受け取りましたが、証明書の名前とFacebookアカウントの名前が違いました。理由を聞くと、相手はきちんと答えずに別の話題に移りました。
  • 偽のレビュー:私の友人は販売者から顧客のレビューのスクリーンショットを見せられましたが、後から考えるとそれらは偽物でした。
  • 支払いを急がせる:「先着順」「支払いの早い人を優先」「詐欺被害にあいたくないので、先払いでお願いします」など、支払いを急がせるケースがよくあります。
  • 他人名義の口座:だれかが帰国する際に不要になった銀行口座を買い取り、詐欺の振込口座に指定します。「これは私の家族の口座です」などと説明し、その口座への振込を指示します。

まとめ:被害をなくすには

私と友人はこうした詐欺に関する知識が不足していたので大きな被害を受けました。航空券詐欺を世の中から減らすために、皆様にこの記事を共有していただきたいのと、銀行のキャッシュカードや通帳を絶対に他人に売ったり譲ったりしないようにお願いします。そして、航空券はなるべく信頼できる旅行代理店やその代理店のサイト、航空会社の公式サイトなどで買いましょう。

〈信頼できる航空券販売サイトの例〉

external link Skyscanner(ベトナム語)

external link skyticket(ベトナム語)

external link Expedia(ベトナム語)

external link エアトリ(ベトナム語)

external link HIS
※日本の格安航空券販売大手。店舗もあります。

external link ベトジェット(ベトナム語)

これらのサイト(ベトジェットのHPを除く)を利用すると、安いチケットを検索できます。予約・支払い手続きは別のサイトに移動して行う場合もあります。そして、それぞれアプリがあり、携帯電話から予約する場合はアプリの方が便利です。支払い方法はサイトによって違いますが、クレジットカードやデビットカード、銀行振込、コンビニ窓口での支払いなどがあります。