
〈199X年生まれ、ベトナム北部出身〉〉
左=ハノイ市内で〈2017年〉
右=ハノイの日本語センターの寮で私の誕生祝い〈2017年〉
訪日したときの搭乗券〈2018年3月〉
鉄筋
ハッカー
【編集部からのアドバイス】
鉄筋で頭をたたくのは刑法の暴行罪、工具ですねを強打してけがをさせる行為は傷害罪です。こうしたことが起きた場合、監理団体(受入組合)が実習先を指導しなければなりませんし、もし解決できなければ、別の実習先を探すなど対処しなければなりません。しかし、監理団体が適切な対処をしてくれない場合は、外国人技能実習機構(OTIT)に連絡してください。下記リンクからベトナム語で相談できます。電話もあります。0120-250-168。
万一、OTITに相談しても改善されない場合は、民間の支援組織にも相談してください。例えば下記のような組織があります。
工具ですねを強打され、監理団体本部の通訳に連絡しました。しかし、その夜、寮にやって来たのは監理団体の沖縄支局長と実習先の社長の2人でした。監理団体が真剣に調べるつもりなら、実習先の会社の関係者がいない場所で通訳を入れて私に事情を聞かなければなりません。ところが、監理団体は通訳なしで実習先の社長と一緒に現れたのです。案の定、ヒアリングは数分で終わりました。「今日は何があったのか」と聞かれ、私がたどたどしい日本語で説明しただけです。社長と一緒に翌日、病院に行きましたが、警察には通報してもらえず、謝罪も補償もありませんでした。
これほどの暴力を受けても監理団体が適切に対処しなかったので、鉄筋で頭をたたかれるいじめはその後も続きました。私はときどき、仕事が終わってから寮の近くで泣きました。昼休みに現場を離れて炎天下で泣くこともありました。
私は「暴力に3年間も耐えられない。しかし、相談する人がいない」と思い詰めるようになりました。そして、不法滞在者に仕事を紹介するFacebookのページを利用しました。こうしたページは複数あり、仕事(不法就労)の紹介だけではなく偽造在留カードの売買や帰国したベトナム人から入手した銀行口座の売買などにも利用されています。
2018年8月13日、私は「今、仕事がありません。だれか私に仕事を紹介してくれませんか?」と投稿しました。その日のうちに約10人から応答がありました。仕事内容は解体や建築、工場など。私はそのうちの1グループに紹介を依頼し、指示されるままに大阪行きの準備を始めました。
那覇空港に行くために寮の近くのバス乗り場へ〈2018年8月19日〉
沖縄から大阪へ向かう飛行機の窓から〈2018年8月19日〉
愛知県の工場でフォークリフトを運転〈2019年〉
同室のベトナム人6人で寮で飲み会〈2019年〉
寮の近くのショッピングモールで〈2019年〉
不法就労あっせんグループの逮捕・起訴を伝える毎日新聞記事〈2019年10月22日〉
京都での就労中はホテル宿泊を提供された〈2019年〉
入国時に受け取り、失踪後に無効になった在留カード
徳林寺で〈2020年6月1日〉
パスポートを紛失し通行証の申請をするハインさん〈在大阪ベトナム総領事館で2020年6月17日〉