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送金詐欺、多発中!

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2022年01月21日

ベトナムの親に少しでも多く送金しようと思い、FacebookにPRを出していた業者に依頼したら、お金を振り込んでも送金が実行されず、業者と連絡が取れなくなった!テト(ベトナムの正月)を前にこんな被害が続出しています。被害の実例を報告します。

85万円が消えた!

送金サービスの投稿例(Tokyo Baito)

KOKOROの主催者「在日ベトナム人協会(VAIJ)」はベトナム人のさまざまな相談に応じています。最近は、テトが近づいていることもあり、送金詐欺の相談が相次いでいます。

兵庫県の技能実習生はFacebookのTokyo baitoで「安い送金サービス」の投稿を発見し、興味を持ちました。テトの前に実家にまとまったお金を送りたかったのです。せっかくなので、有利なレートや手数料で送金し、少しでも多くの現金を送りたいと思いました。

SBIやKYODAIなどの正規業者を使うと、手数料が必要です。しかし、Tokyo baitoに投稿していた業者は「手数料はゼロ」のうえ、両替レートも正規業者より良いということでした。

投稿にメッセージを入れると、個別メッセージに移るように言われ、そこで振込先としてゆうちょ銀行の口座を指定されました。彼女はさっそく85万円を振り込むと、業者から「入金を確認したので、ベトナムの指定口座にドンを振り込んだ」と連絡がありました。

ところが、親が銀行に行ってみると、そのようなお金は入っていませんでした。彼女は急いで業者に連絡しようとしましたが、連絡が取れなくなっていました。

50万円をだまし取られた!

神奈川県の技能実習生もTokyo baitoで同じような広告を見て、50万円を振り込みました。この業者も「手数料ゼロ」という触れ込みでした。

直後に業者から「あなたからの入金を確認できたので、ベトナムにいる私の仲間が、指定されたベトナムの口座にドンを振り込んだ」と連絡がありました。口座の残高が増えたことを知らせるショートメッセージも銀行から親に届きました。

ところが、翌日、親が銀行に行くと、そのようなお金は入っていませんでした。ショートメッセージは、業者が送った偽物でした。それ以来、業者には連絡が取れず、彼女は途方に暮れています。

VAIJが警察に相談したところ、同じような被害が全国的に非常に多いとのことでした。

違法業者の特徴

格安送金サービスの案内など

海外送金を行うには、行政に登録をしなければなりません。その際に審査があり、合格した業者だけが事業を行うことができます。しかし、Tokyo baito や OSAKA BAITO などにPRを投稿している業者の多くは登録をしていません。これは違法です。

登録業者であれば、行政が監督していますが、違法業者を利用して詐欺の被害にあっても、行政はサポートできません。警察に被害届けを出すことはできますが、犯人の特定は困難です。

まとめ:被害をなくすには

VAIJは事件について警察に相談し、このような事件が増えないように要請しました。ただし、通常、事件で使われるFacebookアカウントには虚偽の個人情報が登録されていますし、振込先の銀行口座は違法売買で取得した口座(キャッシュカード)です。そのため、犯人を追跡することは非常に難しいです。

こうした詐欺の被害にあわないための最善の方法は、法律を守る意識を高めることです。違法サービスを利用したり支援したりしないことが被害を減らします。違法の可能性が高い業者を使ったり、帰国する前にキャッシュカードを人に売ったりすることは、絶対にやめましょう。