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日本の災害危険情報と避難指示

近年は気候変動の影響により、大雨による洪水や土砂災害が増えています。そのため、日本では気象情報や避難情報が頻繁(ひんぱん)に発表されます。これらの情報の意味を正しく理解し、早めに適切に行動することが自分や家族の命を守ることにつながります。この記事では、災害危険情報や避難指示について紹介します。※トップの写真はNHKニュース(2026年6月3日)より 〈この記事の内容〉 1.現在の災害情報の概要 2.従来の災害情報との違い ...

2026年07月10日
  • 外国人のための防災の基礎知識と情報収集方法

    2026年06月04日
    日本は災害が多い国です。地震、台風、大雨などが毎年のように発生しています。災害が起きたときに、その災害に関する知識が少ない場合や備えをしていない場合、避難が遅れたり当面の生活に困ったりします。外国人にとっては、言葉や文化の違いによって必要な情報を正しく理解できず、避難のタイミングが遅れることもあります。この記事では、外国人が災害時にできるだけ安全に行動できるように、防災の基本をまとめました。 〈この記事の内容〉 1.日本で起こりやすい災害 2.大雨や台風のときはどう行動するか 3.地震のときはどう行動するか 4.津波の被害を避けるには 5.火山が噴火したときはどう行動するか 6.災害時の避難 7.災害への備え(備蓄など) 8.災害時の情報収集 9.まとめ 1.日本で起こりやすい災害 日本で起こりやすい災害には次のようなものがあります。地域ごとにハザードマップがあり、災害被害の予測について事前に知ることができます。 台風・大雨 事前に予報が出ますが、雨が長く続くと、川のはんらんや洪水、土砂崩れが起こります。 地震 日本ではどの地域でも地震が起きます。揺れが大きい場合、建物が倒れる、家具が倒れる、窓ガラスが割れる、停電、断水などが同時に起こることがあります。 津波 地震の後に発生し、大きな波が非常に速いスピードで陸地に押し寄せます。第二波や第三波などもありますので、長時間の警戒が必要です。 噴火 火山の近くでは火山灰や噴石の影響があります。大きな火山が噴火すると、遠方にも被害が及びます。 2.大雨や台風のときはどう行動するか 日本では近年、地球温暖化の影響で、各地でしばしば集中豪雨(ゲリラ豪雨)が降ります。また、台風も大型化し、たくさんの雨を伴います。 大雨によって洪水が発生すると、建物が水につかることがあります。また、大雨によって山や斜面が崩れたり、土砂が流れて建物が壊れたり道路がふさがれたりすることがあります。 このような洪水や土砂災害から命を守るために、次のような行動をとってください。 大雨や台風への備え ・普段からハザードマップ(災害の発生するおそれがある場所が書いてある地図)で洪水や土砂災害の危険がある場所を確認しておきましょう。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] ハザードマップポータルサイト(国土交通省) 大雨や台風のときの行動 ①海や川を見に行かない ・海や川の様子を見に行って、風雨の影響で水中に転落するケースが非常に多く発生しています。絶対に水辺に近づかないでください。 ②早めに避難 ・気象庁の災害情報などをもとに早めに避難しましょう。避難タイミングをのがすと、風雨がひどくなったり道路が通行止めになったりして移動できなくなることがあります。 ・市区町村から「避難指示」が出たときは、近くの避難所に必ず避難してください。 3.地震のときはどう行動するか 日本の周辺には、複数のプレートが存在しており、世界有数の地震多発地帯となっています。地震から命を守るために、次のような行動をしてください。 地震への備え 地震が起きた場合に避難する場所を家族と話し合っておきましょう。 地域の防災訓練に参加し、災害時の避難方法や避難経路を学んでおいてください。 家具が倒れないように固定しておきます。また、倒れても大丈夫なように、家具の配置にも気をつけます。 地震が起きたときの行動 地震が発生したら、次の点に注意してください。 ① 落下物や転倒物から身を守る ・建物の中にいる場合→落下物から身を守るため、机やテーブルの下に入り、揺れが収まるまで待ちましょう。 ・外出している場合→建物の近くにいると、看板や建物の壁、割れたガラスなどが落ちてくる可能性があるので、カバンなどで頭を守りながら安全な場所に避難してください。 ・車に乗っている場合→車を道路の左はしに停めてエンジンを止め、歩いて安全な場所へ避難してください。 ② 火の始末(火災を防ぐ) ・揺れが収まったら、台所やストーブなどの火を消してください。 ・もし出火した場合は、消火器などでできるだけ消火しましょう。 ・地震の後は、ガス漏れが起きている可能性があるので、火はつけないでください。 ③エレベーターを使わない ・故障して中に閉じ込められる危険性があります。 ④安全な場所に避難 ・揺れが強いと、建物の倒壊や火災の危険があり、山や丘では土砂くずれの危険性もあります。揺れが収まったら、近くの避難場所などへ移動してください。 4.津波の被害を避けるには 海底の下で大きな地震が発生すると、海底が盛り上がったり沈んだりします。これに伴って津波が発生します。 津波への備え 普段からハザードマップなどで危険地域や避難場所への経路などを確認しておきましょう。 地域の防災訓練に参加し、災害時の避難方法を学んでおいてください。 津波が起きそうなときの行動 津波が海岸に近づいてくるのを見てから避難を始めても間に合いません。以下のことに気をつけて早急に避難してください。 ①揺れを感じたら避難 ・海や大きな川の近くで強い揺れを感じたときや、弱い揺れでも長い時間ゆっくりした地震を感じたときは、すぐに海や川から離れ、高台や避難ビルなど高い場所に避難してください。 ②警報を聞いたら避難 ・地震を感じなくても、気象庁から津波警報が発表されたときは、すぐに高い場所に避難しましょう。 ③長時間、警戒する ・最初の津波より第二波や第三波の方が大きい場合もあります。地震の揺れが収まってから長時間の警戒が必要です。 5.火山が噴火したときはどう行動するか 日本には多くの火山があります。噴火から命を守るために、以下の行動をしましょう。 噴火への備え 普段からハザードマップで自分の住む地域にどのような災害の危険性があるのか確認しておいてください。 登山をするとき→気象庁のサイトやハザードマップで火山に関する情報を確認▽登山届を提出▽通信機器やヘルメットを準備。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] Compass(登山届けを出すためのサイト) 噴火が起きたときはこうする ①マスクや布で口をおおう ・火山灰を吸い込んではいけません。火山灰には、細かいガラス片や鉱物の破片が含まれており、肺などに悪影響を与えます。 ②避難 ・建物の中に避難し、火山灰や噴石から身を守ります。 ・市区町村から「避難指示」が出たときは、すぐに安全な場所に避難してください。 ③登山中に噴火が発生したとき ・すぐに火口から離れ、山小屋やシェルターなどに避難してください。 ・頭を守るためにヘルメットをかぶってください。 6.災害時の避難 避難所の様子(さまざまなタイプの避難所があります) 避難場所 ・災害が発生しそうな場合や発生した場合、早めに安全な場所に避難してください。 ・住んでいる地域の避難場所を普段から確認しておいてください。 ※各市区町村のホームページなどで確認できます。 ・避難場所へ行くことが難しいときは、近くの安全な場所(しっかりした建物など)に逃げましょう。 避難指示 ・災害による被害が発生する可能性が高まった場合、自治体が「避難指示」を発令します。テレビやラジオ、スマートフォンへの緊急速報メールなどで避難指示を知ることになります。「避難指示」が出る場合は命の危険もありますので、近くの避難所などにすぐに避難してください。 避難方法 ・避難をするときには、必ず火を消してから外出してください。また、持ち物をできるだけ少なくして背中に背負うなどし、両手が自由に使えるようにしてください。 7.災害への備え(備蓄など) 災害に備えた備蓄 災害時に当面の生活を続けるために、水・食料や緊急用トイレなどの備蓄が必要です。 基本的な備蓄 飲料水:最低でも1人1日3ℓ×3日分以上備蓄してください。大きな地震などが起きると、水道管が破損して長期間、断水することも多いので、できれば1~2週間分準備しておく方が望ましいです。 生活用水:断水に備えて生活用水の備蓄も必要です。 食料(保存食):缶詰やレトルト食品。大災害が起きたら、店の商品はあっという間になくなり、長期間買えなくなります。道路が寸断されると、品物が長期間入ってきません。数日分の備蓄を推奨する記事も多いですが、できれば2週間分以上の備えがある方が良いでしょう。 災害用トイレ:通常のトイレで水が流れなくなりますので、使い捨てトイレ(または大きなゴミ袋)を多めに用意しておきましょう。 非常用持ち出し袋(防災リュック):懐中電灯やラジオ、電池など災害時に必要なものを詰め込んだ袋です。モバイルバッテリーや現金(災害時は電子決済ができないことがあります)、常備薬なども入れておきましょう。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 防災リュックを準備しましょう(JP MIRAI) 外国人にとっては身分証関係も重要 ・在留カード、パスポート、在留資格関連書類:本人確認やさまざまな手続きに必要です。 ※コピーだけでも非常持ち出し袋などに入れておきましょう。 避難場所を事前に知っておく ・大きな災害のときには公共施設などが「避難所」として使われます。避難所になる場所はあらかじめ決まっていますので、市区町村のホームページなどで普段から確認しておいてください。 ・災害が起きたら、自治体の情報などを確認して早めに避難してください。 ・避難所では地域住民との共同生活が原則です。日ごろから「おはようございます」「こんにちは」とあいさつをするなどして、地域住民と良い関係をつくっておきましょう。 連絡方法や集合場所 連絡方法や集合場所を事前に決めておく ・災害が起きた場合に家族や友人と連絡を取り合う方法や集合場所を決めておきましょう。通信障害や停電もありますので、スマートフォンがいつでも使えるとは限りません。 紙に書いた連絡先 ・家族・友人・勤務先・学校の連絡先を書いた紙を持っておくと、災害時にスマートフォンの電波が届きにくい場合や電源が切れた場合に役立ちます。 8.災害時の情報収集 災害が起こりそうなときや災害が起こった場合はどのように情報を収集したらよいでしょうか。 災害時の情報収集ツール 災害時の情報収集ツールには、テレビ・ラジオのニュースや行政の公式サイト、スマートフォンで受け取る緊急速報メールやエリアメール(大きな音とともに通知が届く)などがあります。 災害時に役立つサイトやアプリを紹介します。 外国人向けの災害情報サイト [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 国土交通省の防災ポータル(多言語)※さまざまな災害情報にアクセスできるポータルサイト。各自治体の情報(避難情報など)にもここからアクセスできます。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 気象庁の災害情報(多言語)※さまざまな災害情報を多言語で発信 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] ハザードマップポータルサイト 外国人向けの防災アプリ(スマートフォン用) ・Safety Tips:地震・津波・台風などの災害情報や避難情報を多言語で通知します。 ・NHK WORLD-JAPAN:通常ニュースや災害情報を多言語で配信します。 ※アプリは事前にダウンロードしておくことが重要です。 外国人向けの相談窓口 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 外国人在留支援センター(FRESC)※在留資格や生活について相談できる窓口。災害時にも今後の仕事や生活について相談できます。 フェイクニュースに注意 ・災害時にはフェイクニュースが多発します。特にSNSでたくさんのデマが飛び交うこともあります。不確かな情報を信じないでください。 ・公式情報を優先する:自治体や公的機関、報道機関からの情報を確認してください。 9.まとめ 日本は地震や台風、大雨などの自然災害が多い国なので、災害への備えや知識が重要です。 大雨や台風のときは水辺に近づかず、早めに避難します。 地震のときは落下物から身を守ることと火の始末に特に注意してください。 津波のときは一刻も早く高い場所へ逃げることが重要です。 噴火の際には火山灰から身を守るための対策が必要です。 さらに、災害への備えとして、水や食料などの備蓄、在留カードなど重要書類の管理、避難場所の事前確認などが大事です。 災害時には正確な情報を得ることが重要です。SNSの不確かな情報に惑わされず、自治体や公的機関、報道機関の情報を優先してください。多言語対応の情報サイトやアプリも活用しましょう。 日ごろから準備しておくと、実際の災害時に被害を大きく減らし、避難生活にもしっかり対応することができます。できることから防災対策を始めていきましょう。
  • 日本に長く住むあるベトナム人の大みそかとお正月

    2025年09月08日
    私は日本人男性と結婚し、日本に住んで長い年月がたちました。子育てをしていたころは「お正月は日本とベトナムのどちらの国にとっても大事なイベント」と娘に伝えたかったので、毎年年末には日本の伝統的なお正月の準備をして新年を祝ってきました。その習慣は、娘が大きくなった今も続けています。わが家の年末年始の様子を紹介します。〈執筆:日本に長く住むベトナム人女性〉 ※上の写真は日本の「おせち料理」 〈このページの内容〉 ・年末の過ごし方:お正月の準備 ・わが家のお正月 ・お正月のさまざまな過ごし方 年末の過ごし方:お正月の準備 かがみもち 大そうじと正月の飾り わが家では毎年、年末に家族で大そうじをします。みんなで手分けして部屋や押し入れの中を整理し、不要になったものは捨てます。そして、部屋の窓やバルコニーの大きなガラス窓をていねいにふき、日ごろはあまりそうじをしないキッチンの換気扇もきれいにします。家中がきれいになったら、リビングに「かがみもち」を置きます。かがみもちは日本のお正月の風物詩の一つです。 おせち料理作り 年末になると、日本のデパートやスーパーマーケットで、四角い箱(重箱)に詰められた「おせち料理」のサンプルや写真をよく目にしますね。日本では、日持ちする料理を詰め合わせて1月1日~3日(三賀日)に食べる文化があります。これを「おせち料理」と言います。この記事の冒頭の写真がおせち料理です。私は、おせち料理の中で自分で作れるものは自分で作っています。12月30日や31日はその料理作りでも忙しくしています。 ちなみに、日本に住むベトナムの若者たちの中には、日本の正月に、ベトナムの旧正月(テト)のときと同じようにバインチュンや伝統料理を準備して集まり、宴会を楽しむ人も多いようです。 年こしそば 年越しそば 日本では12月31日のことを「大みそか」と呼びます。大みそかの夜、日本ではそばを食べる習慣があります。このそばを「年こしそば」と言います。わが家でも、大みそかの夜は、家族で年こしそばを食べ、NHKの「紅白歌合戦」を観ながら過ごすのが定番。日本では、大みそかの夜をこのようにして過ごす家庭が多いです。 除夜の鐘(じょやのかね) 大みそかの深夜、お寺に行って108回の除夜の鐘を鳴らす行事に参加してから新年を迎え、そのまま初詣をする人もいます。 わが家のお正月 初もうでの風景 元旦の朝 元日の朝は、家族でおせち料理を囲み、おもちを入れた「雑煮」(ぞうに)を食べます。お雑煮は正月用の特別なみそ汁です。その後、子どもたち(自分の子どもや孫、親せき)に「お年玉」を渡します。お年玉は新年の特別なお小づかいです。 初もうで わが家では、元日の午後は、夫の両親の家を訪問して新年のあいさつをします。その後、神社へ行って「初もうで」。お参りの後は、縁起物の「破魔矢(はまや)」を買い、「おみくじ」を引きます。そして、神社の境内にある露店でたこ焼きなどを買って食べるのも楽しみです。 ちなみに、神社の宗教は神道(しんとう)、寺の宗教は仏教(ぶっきょう)ですが、ほとんどの日本人が宗教の違いを気にせず、神社や寺の景観や立地、にぎやかさなどの基準で行き先を決めます。また、同じ人が日ごろから神社にも寺にも行きます。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 初詣で人気の高い全国の社寺 三賀日(さんがにち)の過ごし方 わが家では、1月2日以降は、それぞれの予定にしたがって過ごします。私は関東地方の大学同士が長距離のリレー競走をする「箱根駅伝」が好きで、1月2日も3日もテレビにかじりついています。三賀日(1月1日~3日)はこのように、お祝いの料理を食べたり、親せきを訪問したり、初もうでに行ったり、自由時間をゆったり過ごしたりする期間です。 お正月のさまざまな過ごし方 わが家の年末年始を紹介しましたが、お正月の過ごし方は人や家庭によってさまざまです。 家族の再会 お正月は、家族・親族が再会する時期です。故郷を離れて暮らしている人は年末年始に実家に帰省することも多く、親や親せきといっしょに過ごします。 旅行・レジャー 年末年始には、海外や国内に旅行に行く人もたくさんいます。このため、年末年始の公共交通はとても混雑し、ホテルの宿泊費も高くなります。これは日本のゴールデンウィーク(4月末~5月上旬)や盆休み(8月)と同じです。また、たとえば東京に住んでいる人が遠くに行かない代わりに都内の高級ホテルでぜいたくな年末年始を過ごすというケースもあります。 日本に住んでいる私のベトナムの友人にも、日本の正月休みを利用してベトナムに帰省する人が多いです。ベトナムの旧正月(テト)の時期に日本で長期休暇を取るのは難しいケースが多いためです。 もち 日本のお正月の食べ物で欠かせないのは「もち」です。ベトナム人はもちにハムなどをはさんで食べますが、日本人は焼いたもちを雑煮(ぞうに)の中に入れたり、もちにのりを巻いてしょうゆをつけたり、大根おろしとしょうゆをつけたりして食べます。私はチーズをはさんでしょうゆをつけて食べるのが好きです。 年賀状 日本では、新年のあいさつをはがきに書いて郵便で送る「年賀状」という文化が長く続いています。日本郵便は毎年11月1日に年賀はがきを発売します。絵や図柄が裏に印刷されている年賀はがきもあれば無地の年賀はがきもあります。無地の年賀はがきに家族の写真やあいさつ文をパソコンなどで印刷して送る人も多くいます。 年賀はがきの発行枚数は2003年にピークの約44.6億枚を記録しましたが、近年はメールやSNSで年始のあいさつをすませる人が急増し、年賀状文化は急速に衰退しています。年賀はがきの発行枚数は年々減り、2025年用(2024年12月発売)は約10.7億枚でした。
  • 東京で生活・通学・仕事をする外国人の強い味方「東京都多言語相談ナビ」/無料

    2025年02月26日
    東京都で生活や仕事、勉強をしているベトナム人の皆さん、仕事や生活で困ったことがあったとき、「信頼できる相手に相談したい」と思ったことはありませんか? そのようなとき、あなたはベトナム人が運営するSNSで情報を探すことが多いことでしょう。しかし、SNSの情報の中には重大な間違いが含まれることもよくあります。「確かな相手に相談したい」「法律的な知識についても専門家に相談したい」。そんなときは、「東京都多言語相談ナビ」を使ってみてはいかがでしょうか? この記事では、公的機関が提供する電話相談サービス(無料)や地域の日本語教室(低額)を探すためのサイトについて紹介します。 〈このページの内容〉 1. ベトナム語で生活相談 2. 無料の法律相談 3. 無料の在留相談(ビザ・入管関係) 4. 日本語教室を探すサイト 5. まとめ 1. ベトナム語で生活相談 「東京都つながり創生財団」(つながり財団)はフリーダイヤルで外国人からのさまざまな相談に応じています。不要品を回収してもらう方法(粗大ゴミの出し方)や役所でのさまざまな手続き、年金のこと、保育園や学校のこと、医療のこと、交通事故のことなど、あなたの悩みや質問に、つながり財団のベトナム人スタッフが答えます(ベトナム人以外のスタッフがベトナム語通訳と一緒に答える場合もあります)。 相談は無料です。 このサービスの名前は「東京都多言語相談ナビ」です。ベトナム語も含めてさまざまな言葉で相談することができるので「多言語」という名前がついています。もちろん、日本語が得意な場合は、日本語でも相談できます。 東京都多言語相談ナビ 【相談できる人】 ・東京都内に住んでいる人 ・東京都内で働いている人(住所は東京以外でもOK) ・東京都内の学校に通っている人(住所は東京以外でもOK) 【相談できる日】 ・月~金(10:00~16:00) ※日本の祝日をのぞきます。 【電話番号】 0120-142-142 ※電話料金はかかりません。 ※電話にはベトナム人以外の人が出る場合もありますが、あなたが「ベトナム語でお願いします」と言えば、ベトナム人スタッフに代わるかベトナム語通訳を加えます。 【相談料】 ・無料 ※1回の相談時間は60分までです。 どんな相談が多いの? 「東京都多言語相談ナビ」に外国人から寄せられる相談はさまざまで、相談の種類としては次のようなものが多いです。 ・在留資格(広い意味の「ビザ」) ・住宅 ・医療 ・労働関係 ・結婚・離婚 ・出産・育児 ・保育園や幼稚園 ・学校 ・生活一般 ・交通事故 ◆具体的な相談例 生活一般 ・粗大ゴミ(大型ゴミ)の捨て方がわからない(ベッドを捨てたい、スーツケースを捨てたい、など)。・役所から手紙が届いたが、手続きの仕方がわからない。・保育園の探し方や申し込み方を教えてほしい。 医療 ・虫歯の治療をしたい(どこの歯科に行けばよいか、保険は使えるのか、など)。・予防接種を受けたい。 住宅(賃貸住宅) ・電気やガスを止められた。・アパートの契約期間がもうすぐ満了する。更新するにはどうしたらよいか。・アパートの退去の手続きについて教えてほしい。 その他 ・国民年金の納付書が届いたが、どうしたらよいかわからない。 変わった相談もありますか? 「東京都多言語ナビ」にはさまざまな相談があり、めずらしい相談もあります。相談ナビが分からない質問については、ほかに相談できるところを案内します。 ◆相談例 相談例① ・5、6人の警察官が家に押しかけ、尿検査を強要された。ベランダでお灸(きゅう)を使用していたため、薬物使用を疑った近所の人が通報したようだ。 相談例② ・ベランダに置いていた粗大ごみが台風でふき飛ばされ、階下の部屋の窓ガラスと車を破損させてしまった。自然災害によって予期せず加害者となってしまったが、どこまで責任を負うべきか。→この相談には無料の法律相談を紹介しました。 2. 無料の法律相談 もし、あなたがトラブルに巻き込まれた場合や日本の法律が分からなくて困っている場合は、無料で法律相談を受けられます。日本の弁護士が対応し、通訳もつきます。 【無料法律相談】 ・1回60分まで ・予約が必要です。多言語相談ナビに電話して予約してください。 0120-142-142 【相談できる人】 ・東京都内に住んでいる人 ・東京都内で働いている人(住所は東京以外でもOK) ・東京都内の学校に通っている人(住所は東京以外でもOK) 【相談できる日】 ・月・水・金曜日(①13:30~、②14:45~) ※日本の祝日をのぞきます。 ◆相談例 日本語学校 ・高額な入学料と授業料を前納したが、授業に不満なのでやめることにした。授業料を返してほしい。 離婚 ・日本人の配偶者と離婚したいが、財産分与はどうなるか、どの国の法律が適用されるか。・日本人の配偶者と離婚したが、相手が子どもの養育費を払ってくれない。 賃貸住宅 ・家主から退去するように言われたが、従う必要があるのか。・退去にあたって部屋の修繕費を請求されたが、内容に納得できない。 交通事故 ・仕事でレンタカーを使って事故を起こした。勤務先の会社が保険等で対応してくれない。自分はどこまで責任を負うべきか。 交通事故 ・レンタカーで冷蔵庫を運んでいる途中に駐車車両にぶつかったが、相手と連絡が取れないので、立ち去った。その後、警察から連絡がきた。保険は使えるか。→これについては、警察に通報せずに立ち去ったので、保険は適用されません。交通事故を起こしたら、まず警察(電話で110)に連絡し、警察官に現場に来てもらわなければなりません。 3. 無料の在留相談(ビザ・入管関係) 東京都多言語相談ナビは「無料在留相談」も行っています。在留資格(広い意味のビザ)のことや在留期間のことなど、入管手続きで分からないことがあれば、遠慮なく相談してください。 【無料在留相談】 ・1回60分まで ・予約が必要です。多言語相談ナビに電話して予約してください。そのときに在留カードに書いてある内容を聞きますので、在留カードを手もとに用意して電話してください。 0120-142-142 【相談できる人】 ・東京都内に住んでいる人 ・東京都内で働いている人(住所は東京以外でもかまいません) ・東京都内の学校に通っている人(住所は東京以外でもかまいません) 【相談できる日】 ・毎月4番目の火曜日(14:00~16:00) ※日本の祝日をのぞきます。 【相談の場所】 ・つながり財団の事務所(西新宿) ・Zoom(オンライン) 【相談例】 ・特定技能外国人だが、妻を日本に呼べるか。 ・入管から書類が届いたが、内容を理解できない。 ・留学生だが、特定技能ビザや就労ビザに切り替えるにはどうしたらよいか。 4. 日本語教室を探すサイト つながり財団は、東京都内の日本語教室を探すためのウェブサイト「東京日本語教室サイト」も運営しています。 日本で仕事や留学をしているベトナム人の皆さんには、「安い費用で日本語をもっと教えてもらいたいなあ」と思っている人も多いことでしょう。「東京日本語教室サイト」はそういう人たちにボランティア団体などが低額で授業を提供している「日本語教室」を紹介するサイトです。 ※「日本語教室」は「日本語学校」ではありません。地域の日本人たちが低額で日本語を教えてくれる教室です。 そのサイトで紹介されている日本語教室には、先生と会って対面で教えてもらう教室とオンラインで教えてもらう教室の2種類があります。紹介されている教室はすべて東京都内の教室で、たくさんの教室が紹介されています。 もし、その中に興味のある教室が見つかった場合は、教室紹介ページの中にメール送信フォームがありますので、そこから問い合わせや申し込みをすることができます。 5.まとめ この記事では、「東京都多言語相談ナビ」の活動を中心に紹介しました。多言語相談ナビは、外国人が日本で生活や仕事、留学などをする上でのさまざまな悩みや質問について、その外国人の母国語で相談に乗ってくれます。 その中で法律に関する専門知識が必要な相談があれば、弁護士と通訳が対応する無料法律相談も受けられます。 また、入管手続きやビザに関する問題については、特別な相談日を設けて対応しています。 休みの日や仕事が終わった後の夜などに教室やオンラインで日本語の勉強をしたいと思っている人には、地域の人と知り合いになれて、低額で日本語を学ぶことができる日本語教室を探すための「東京日本語教室サイト」も運営しています。 「東京都つながり創生財団」は公的な団体で、営利団体ではありませんので、これらの無料サービスはいずれも安心して使えます。東京都に住むベトナム人の皆さん、あるいは東京都で仕事や留学をしているベトナム人の皆さん、「東京都多言語相談ナビ」のサービスをぜひ使ってみてくださいね。

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  • ベトナムの常識・日本の非常識_09:夜に爪を切るべからず

    日本人は、あなたが夜に爪を切ったり、ご飯におかずやタレを混ぜて食べるのをみると、驚いたり眉根を寄せるかもしれません…。 夜に爪を切らない ある夜、何の気なしに「自分の爪が伸びているな」と思ったあなたは、それを整えたいと思うでしょう。ベトナムにいるのであれば「はい、どうぞ」と言いたいのですが、日本にいる時、特にホームステイなどしている場合はやめておいた方がいいでしょう。      “夜に爪を切る”ことがなぜタブーなのか。日本には、主に二つの迷信があります。夜に爪を切ることは日本語で「夜爪(ヨツメ)」と言われ、これが違う意味の「世詰(ヨツメ)」と聞こえてしまうからです。「世詰」は「命が短くなる」という縁起の悪い言葉なので、夜に爪を切るという行為は「早死にする」につながるということです。 また、江戸時代には、「爪も親から授かった体の一部。暗闇で粗末に爪を扱う親不孝をしていると、親の死に目に会えない」と言われました。それが現代にも伝わっているのです。 現実的な理由は次のとおりです。 昔は自宅に電灯もなく、今使っているような爪切りもありませんでした。つまり暗い中で小刀などの刃物を使う危険な行為だったのです。親としては子供にそんなリスクを負わせたくないので、「早死にする」とか「親の死に目に会えない」などの迷信を使って注意したのでしょう。 櫛が折れると不吉? ベトナムでは“鏡が割れる”ことは不吉なことだと言われていますが、日本ではそれが鏡ではなく“櫛”にあたります。日本人は、誤って櫛が折れてしまうことをとても恐れています。それはなぜしょうか? それは日本の神様の一人である“伊邪那岐(イザナギ)”の神話に由来すると言われています。黄泉の国から逃げようと走る伊邪那岐は、迫りくる追手から逃れるために自分が髪につけていた竹の櫛を投げました。すると地面から筍(タケノコ)が生えてきて、追手はそれを食べることに夢中になり、伊邪那岐はそのすきに逃げることができた…という話があるのです。この話が元となり、「櫛は命を救う大切なもの」という言い伝えができたのです。 またほかの由来としては、昔から櫛は高級品とされ、娘が嫁ぐときに母親が持たせていたそうです。そのため日本人にとって櫛はとても大切なもので、大事にしなければならないという気持ちが強いのです。 湯船に入る前に体を洗って! 一般的にベトナムの家庭では、湯船に浸かるという習慣がありません。しかし日本ではどの家庭にも、ホテルにもバスタブが設置されています。 ベトナム人の中には、いきなり湯船に入る人がたくさんいます。しかしこういったお風呂の入り方は、日本人からすると間違ったもので、気分の良くないことになるのです。 一般的な日本のバスルームというのは、プラスチック製の背の低い椅子がシャワーヘッドの近くに置いてあり、そこで体を洗えるようになっています。体をキレイに洗ったあと、初めて湯船に浸かって存分にリラックスできるのです。日本人は、湯船をキレイにしておくようにいつも心がけていますので、決して間違った使い方をしないようにしましょう。特に温泉などの公衆浴場では気をつけましょうね! おかずやタレをごはんに混ぜない 80年代以前に生まれたベトナム人は、豚の角煮や魚のトマト煮などタレがかかっている料理を食べる時、そのタレや具をご飯に混ぜて食べることがよくあります。私もその食べ方が大好きです。 しかし、ある日本人家族を自分の家の夕食に招待した時、私がその食べ方をすると彼らにビックリされてしまったのです。 その家族と私はとても親しい中だったので、「日本人はそうやってごはんと混ぜて食べるのは『行儀が悪い』と思うんだよ」と言ってくれたのでした。 日本人は、ご飯におかずを乗せる「どんぶり飯」を食べます。牛丼、親子丼、海鮮丼などです。しかし、お茶碗のご飯と別の皿に盛られたおかずがある場合は、それぞれを別々に順番に口に運ぶことが多いのです。日本では、お茶碗の中でご飯とタレを一緒にさせない方が「お行儀が良い」とされるのです。 日本では、お茶碗の中でご飯とタレを“一体化”させないようにしましょう!

    2020年09月04日

  • ベトナムの常識・日本の非常識_08: 肌の露出を控えよう

    今回のベトナムの常識日本の非常識は、下記の三つを紹介します: 1. 人との距離を詰めすぎない。 2. 夏の服装~過度の露出は避けて。 3. 北に枕を置いて寝ない。 人との距離を詰めすぎない ハノイで英語クラブのホストをしていたとき、私は欧米の友だちからよく文句を言われたものでした。 「ベトナム人は、スーパーでの会計や映画館のチケット売り場、ATMやケンタッキーの会計などで、すぐ後ろに距離を詰めて並んでくる。後ろの人の息づかいまで感じるほどだよ」。3年間ハノイに住んでいるアメリカ人のブライアンの言葉です。 実を言うと、最初私はこのことについてそれほど大きな問題だと感じてはいませんでした。彼らはただ“普通に”並んでいるだけだと。それでもっと客観的に捉えるべきだと、私は他のベトナム人にも聞いて回ったのですが、やはり同じような感覚を持っている人が多いのでした。 人との距離を詰めすぎない      しかし、日本に来て初めてわかったのですが、日本人はもちろん他の先進国の人々は、一様に他者との間隔を空けることを尊重していたのです。大都市の駅やスタジアムでの観戦などを除いて、日本人は公共の場でできるだけ人との距離を保とう(少なくとも片手を伸ばした長さ分)とします。 扶桑の国(日本)の人々は小さいころから、隣の人がSNSを見たり、新聞を読んでいたりしていたら、その画面や文字が見えない程度の距離をとるよう教わります。日本で行列に並ぶ時は、自分の息づかいが前の人が感じてしまわないよう、また前の人が見ている画面の文字が見えないような間隔をとって並ぶようにしましょう。 夏の服装~過度の露出は避けて 冬に日焼けを避け、豊かでメリハリのある体になろうと運動をする…夏になってその成果を発揮し、道行く人が思わず振り返るような曲線美を見せられないようなら、あなたは自分自身に自信をなくしてしまうでしょう。ベトナム人はよく冗談で「日々の暮らしが豊かになればなるほど女性の服は短くなる」と言うほどです。 そのように若者の心を躍らせることのできる女性たちの姿は、まさに豊かさと勤勉さを表現していると言えます。だから女性が自らを自慢することは、多くのベトナム人に受け入れられるのです。 けれどもこの感覚は、時として日本人に嫌悪感さえ与えてしまいかねないのです。来日すれば、あなたは日本の女性が暑さの中で頭からつま先までしっかりと着込んでいることに理解できないでしょう。ましてや上着を何層も重ねているとなれば。 夏の服装~過度の露出は避けて 一般的に、日本は昔から“控えめさ”を尊重する国でした。加えて高齢者は日本の人口の約28%を占めます。そのためあなたが公共の場で高齢者にバッタリと会って偏見に苦しむ可能性は、若者から体のラインを称賛される可能性よりも高いのです。 ですから日本人のファッションをできるだけ取り入れるのが一番無難なのではないでしょうか。服装は『上はしっかり、下はふんわり』を心がけましょう! 北に枕を置いて寝ない 北に枕を置いて寝ない ベトナム人は枕元に鏡を置きません。同様に日本人にも寝る時のタブーがあります。“それは北の方角に枕を置いて寝ない”というもの。なぜ日本人はそれをタブーとするのでしょうか? それには二つの説があると言われています。 一つは、日本人は伝統的に死者の頭を北の方角に向けて寝かせて納棺していました。そのため生きている人が頭を北側に向けて寝るのは縁起が悪いとされ、そのタブーを“北枕”と呼ぶようになったのです。 二つ目は科学的な理由によるものです。地球には北から南に引っ張る磁力があります。南には陰(マイナス)極、北には陽(プラス)極が働いています。人にもその磁力が働いていて、陰極は足側、陽極は頭側となっているのです。したがって北側に頭を置いてしまうと陽極同士が反発しあってしまい、それが原因で睡眠障害や疲れが溜まってしまうのです。誰だって体の調子が悪くなるのを望んではいませんよね?

    2020年08月24日

  • ベトナムの常識・日本の非常識_07:歩きながら食べてはダメ?

    ハンバーガーやサンドイッチを食べながら歩く。スマホを見ながら箸をくわえる。無断で他人を撮影する。多くの国ではごく普通のことですが、日本でそういうことをするとマナー違反となってしまいます。 食べ歩き 洋画を見ていると、スーツを着こなした俳優がハンバーガーを買い、歩きながらかじりついているシーンがよく出てきますね。そういった映像は、多くのベトナム人の若者にとって都会の喧騒や仕事の中の“クールな”一場面として映るのです。 しかし活況な都会という点では同じレベルの日本では、そういった食べ歩き行為は(たとえ食べているものが何であっても)周りの人や住んでいる人を不快な気持ちにさせてしまうのです。 ©毎日新聞 「なぜ日本では食べ歩きはタブーなの?」「法律に違反している?」と多くの人は疑問に思うかもしれません。もちろん誰もあなたを罰しません。しかし、日本ではそれはすべきではない行為であることは間違いありません。 日本人は、小さいころから食事に感謝の気持ちを持つように教えられます。食卓につき、手を合わせ、食べる前に「いただきます」と言ってからゆっくりと食事をするのです。食材を生産した人や料理を作った人に感謝し、テーブルで食べることが礼儀だと考えるのです。 ©PhotoAC©irumam 私たちは「さっと食事を済ませてしまおう」いう考えで食べ歩きしますが、日本人にとっては食べ物に対する感謝と礼儀を欠いた行為となり、マナー違反となってしまうのです。また、食べ歩きは袋や食べ残しなどのゴミを“ポイ捨て”しがちとなり、それもマナー違反になります。 くわえ箸 食事中、突然スマートホンにメールが届きます。あなたは空いた手でスマホを操作し、箸を持ったまま、その箸の先を口にくわえて食事を続けようとします。ベトナムであってもそういった行為に対して眉間にしわを寄せる人はいますが、特に注意されることはありません。しかし日本では、タブー中のタブーなのです。 これは極めて失礼であると同時に不衛生な行為で、日本では「くわえ箸」と呼ばれています。わざわざ呼び方が決まっているくらいですから、日本人がこのマナー違反をことさら嫌っていることは明らかです。ですから、もし食事中に自分の手を空けたいと思ったら、しっかりと箸置きの上に箸を置いてから次の動作をしてくださいね。 他人を撮影する ベトナムでは最近、“xin info gái xinh/trai đẹp”という美人やイケメンの情報をSNSに上げるのが流行っています。要するに道ばたで美人に遭遇したらこっそりと写真を撮り、Facebookに投稿してその人に関する情報を集める…というものです。 これは、日本では絶対にダメです。交番に座らされてお茶を飲む羽目になります。 日本は、個人のプライバシーを大切にします。知らない人の投稿の中に自分が写っている場合、その人は訴えを起こす権利があります。どんな目的でそれが使われてしまうか分からないためです。 ですから、例えばコスプレイヤーや美人、武闘家などの写真を撮りたい時は、撮影する前に「(日本語で)写真を撮ってもいいですか?」と聞いて許可を得ましょう。もしそれで断られてしまっても食い下がらないように。面倒なことになりますよ!

    2020年07月10日

  • ベトナムの常識・日本の非常識_06:入れ墨 / 赤い文字で名前を書く

         “入れ墨”はベトナムではクールでスタイリッシュと見られることがありますが、日本ではそうではないようで… 入れ墨はお断り? ここ10年ほど前から、ベトナムではタトゥー(刺青)が人気を博しています。若者が溢れるハノイやホーチミンなどの都市を歩けば、男性ならクールな、女性ならかわいらしいデザインのタトゥーをさした若者たちを簡単に見つけることができるでしょう。 しかし日本人の多くは、刺青に対して必ずしもそういったポジティブな感情を持っている人が多いとは思わない方がいいでしょう。その理由は大きく二つあるようです。一つは歴史的なことと関連します。1700年ごろ(江戸時代)のことを記した資料によると、罪人に対する刑罰として行われていた“鼻削ぎ”に代わり、“入れ墨刑”が行われるようになったそうです。また再犯した場合、今度は顔に入れ墨刑が科されたようです。 入れ墨は生涯を通じて消えない罪の証として罪人に印され、それが同時に犯罪抑止ともなったのです。そうして時代が移り変わっても、一部の日本人にとって入れ墨は“犯罪者の印”としてのイメージが強く残っているのです。      二つ目の理由はやはり、反社会勢力(暴力団)の影響によるものでしょう。昔からその世界へ入る時には入れ墨を掘るのが習わしとなっています。これは堅気の世界と決別し、組のために命を懸けるという決意の表明であるとも言われています。 そのため日本で入れ墨やタトゥーをしている人は、暴力団との付き合いがあるのではないか?と連想されがちなのです。そして実社会でも不都合な時が多い。例えばプールや温泉、銭湯などの公共施設への入場を拒否されてしまいます。そればかりかもし金融関係の職や銀行、保険などの接客する機会の多い職種に就きたい場合でも、入れ墨をしているだけで不採用となってしまう可能性が高いのです。 赤い文字で名前を書くと…? ベトナムでは手紙などを赤く塗って装飾したり、目立つように特別な人や自分自身の名前を赤い字で書くことがあります。しかし日本では人の名前を赤で書く行為は別の意味をもつこともあるのです。 日本でよく名前を赤色で記す場合があるのは…死者を示すときです。皆さんも日本のお墓参りに行ったとき、墓石に掘られた文字が一部赤くなっているのを見る機会があるかもしれません。これは「朱入れ」と呼ばれるもので、建立者がまだ存命しているときに掘られる赤い文字のことです。つまり「朱入れ」は『まだ生きている』という意味ですが、そこから「“墓”を連想するから縁起が悪い」という印象がついたのです。(*ベトナム語にはありません) また、昔の日本では、赤文字は“挑戦”を意味したいときに使われていました。日本の侍(サムライ)は相手に戦いを挑むときに挑戦状を書くのですが、その時に『あなたと“必死”で戦う』という意味を込めて赤文字で書いたのです。 現代においては、“赤字”は企業の決算がマイナスになることで、利益が出ている黒字決算が赤字になることを「赤字転落」と言います。 つまり人の名前を赤で書くということは、死や血、失敗などのニュアンスを含めてしまうことがあるのです。そういった誤解を生まないよう気を付けましょう。 食べ残しは印象が悪い 日本では『出された食べものを残す』というのは、失礼にあたります。日本人がお客様に料理を提供するときは、相手への気持ちを込めて作ります。ですからそれらお皿の上で残ってしまうことは、料理してくれた人の気持ちを台無しにしたことになりかねないので、頑張って残さずいただきましょう。 日本では、そういったマナーの話はもとより、“食べ残し”が深刻な社会問題となっているのです。統計によると、日本で毎年出る食べ残しや食品廃棄物(=食品ロス)の量は、発展途上国の飢餓を救うために使用される食糧よりも多いのです。 これらの“食品ロス”は、主にレストランやスーパーマーケット、その他小売店で大量にでる廃棄品や売れ残りはもちろん、メーカーで規格外とされた食品、返品されたものなどが含まれています。ですからお皿に盛られたものは残さず食べ、「食品ロス」を増やさない意識を持ちましょう。

    2020年06月02日

  • ベトナムの常識・日本の非常識_05:エスカレーターの意外な乗り方

    エスカレーターではどこにでも立ち、お見舞いに花を買ったり、ホテルやレストランでチップを払ったり、夜に口笛を吹いたり…それらの習慣はベトナムではとても一般的ですが、日本では“ダメ”なものばかりです。 “桜の国”、“日出ずる国”―日本。春には桜、秋には紅葉が楽しめるなど、言わずと知れた独自の文化をもつ国として多くの人に知られています。しかし日本人の日常生活の中にある特徴的な文化、マナーについて、ベトナム人はほとんど知らないのではないでしょうか。今回はそのことについてみていきましょう! エスカレーターの乗り方 九州大学(福岡市)在学中の一年生レー ホアン アンは、エスカレーターに乗っているとき後ろから男性に肩をたたかれ「左に寄って」と言われた瞬間を、今でも忘れられないと言います。アンはその見ず知らずの男性の表情が全然愉快でなかったことに少し驚いたそうです。 アンはベトナムの習慣から、エスカレーターに乗った後、友だちと“並んで”立っていたのです。しかし日本はエスカレーターに乗ったら“列を作る”文化がしっかりと築かれています。通常、エスカレーターに乗った際は左(関西では右)に寄って立つ必要があり、もう一方のスペースは急ぐ人(立ち止まらずに昇ったり降りたりしたい人)のために空けておくのです。 日本ではエスカレーターに乗った際は左(関西では右)に寄って立つ ベトナムではそういったことはなく、エスカレーターのどこに立っても問題ないのですが、日本ではアンのような出来事に遭遇しないよう、片側に寄ることをオススメします。 チップをあげると日本人は怒る!? 次は日本の非常に興味深い文化“チップ”を体験するために、レストランに入ってみましょう。ベトナム、特にホーチミン市では、ウェイターにチップを渡すのが比較的一般的です。ベトナム人の多くは理想のサービスが提供されたら、感謝や満足の意を表現するために多少のチップをわたすのが最良の方法であると考えます。 チップをあげると日本人は怒る!? しかし日本でそれをしてしまうと、厄介な状況に陥ってしまうこともあるのであまりオススメできません。日本人(スタッフ)にとってお客が満足するようなサービスを提供することは“当然のこと”と考えらえているためです。むしろチップを渡されることが“侮辱だ”と考えてしまう日本人も少なくないのです。彼らにとってお金は価値を測る尺度の一つではないのです。お金をもらいたいからサービスを提供するのではなく、お客をもてなしたい、という気持ちから行動しているのです。 お見舞いに花を持っていくのはダメなの!? 次に、あなたには入院している日本人の友だちがいて、その人のお見舞いをしたいと考えているとします。ベトナム人のあなたなら、友だちが喜んでくれると思って花を買ってお見舞いにいこうとしますよね。その時、いくつか注意することがあります。 日本ではお見舞いに花を持っていくのはダメなの!? 花を贈ること自体は問題ありませんが、例えば日本ではお葬式に白い花を使うので、白い花はNGなのです。また赤い花は病人に“血”を連想させるのでこれも良くありません。さらに縁起が悪いのは鉢植えの花です。 鉢植えは「根付く=寝着く」という日本語を連想してしまうのです。あなたは友だちに「ずっと寝ててね」と願いますか?一部の地域で鉢植えの花は、その病院にずっと“根付く”ことを願っているのか?というメッセージだとも思われるそうです。 口笛はダメなの !? 澄んだ月明かりが照らす夜、あなたは気分が高揚し、口笛を何度か口ずさもうと思います。ベトナムではもちろん「どうぞご自由に」ですが、日本ではマナー違反になってしまいます。日本には口笛について多くの説話があります。 日本では口笛はダメなの !? 一部の地域で夜の口笛というのは、泥棒がお互いを呼び合う方法であったとされています。そのため一たび口笛の音をきけば、人々は反射的にあたりを見回して泥棒を探したのだそうです。 さらに昔の話では、笛は魂を呼び戻す道具として使われていました。そのため夜の笛の音色は、魂や幽霊が出てくるんじゃないかと人々を怖がらせるものなのです。また地方の子どもたちの多くは、大人たちから「口笛を吹くと蛇が家に入ってくるぞ」と教わります。要するに夜に口笛を吹いたら、良くないことしか連想できない、ということなんですね。 その国の民話、説話はその国独自の文化に深い影響を与えています。その国で日常生活を送るうえで失礼のない振る舞いするために、タブーを学び、尊重していきましょう!

    2020年05月12日

  • 日本の常識・ベトナムの非常識_04:食べ物のタブー

     ベトナム人が自信をもって日本に持ち込める文化の一つに「料理」があります。でも時として、母国の素晴らしい料理が日本人にとって決してそうではない場合もあるのです。今回は私の体験を交えてお伝えしていきます。 日本で誇れるベトナム料理  「ベトナム料理、大好きです!フォー作ってくださいよ~!」ケイナさん(23歳・女性)は私がベトナム人だと知った途端、そう話しかけてくれました。ケイナさんはまだ若いこともあって海外旅行は未経験でしたが、ベトナム料理が非常に魅力的な料理であることを知っていたのです。彼女は「フォーや春巻きなどが好き」とのことでした。  今年3月、福岡市にある九州大学で国際交流を深めるための料理コンテストが開催されました。各国のチームはそれぞれ「自国の郷土料理」3品を出品し、味はもちろん、その料理を通じて“多様な文化”を表現することが、審査の最優先基準とされています。  ベトナムチームは当初から優勝候補チームの一つに挙げられていました。20近いチームが参加する料理コンテストで「強豪」と呼ばれる背景には、昔から多くのベトナム人たちが旅行カバンの中に「自国の料理に対するプライド」も詰め込んで来るからだと言われています。  しかし……、“桜の国・日本”では、我々ベトナム人にとって当たり前の料理でも、彼らがすべてを受け入れてくれるわけではない、ということを知っておく必要があるのです。  ある時私は九州大学の外国人学生支援センターに勤めている女性に、「ベトナム人は『Tiết canh vịt』-『アヒルの生血のよせ物』や『Đuông dừa』『ヤシの木で生息する幼虫』という食文化がある」と話しました。それを聞いた時の彼女の驚きの顔を、今でもハッキリと覚えています。日本人は人とのお付き合いで“気配り”ができる、と世界的に有名です。彼らは難しい要求に対して「できない」とハッキリ断ることが苦手で、その代わりに「検討する」と応えることが多いといいます。ところが、彼女は「幼虫を食べる」という話を受けて「食べない」と一言。そして「虫を食べるの?」と聞いてきたのです。私からすると、日本料理で「躍り食い」という生きたまま食べる料理は信じられませんが、彼らにとって「幼虫を食べる」ことは、ベトナム人の感覚とは異なり受け入れがたいことのようでした。 © Việt Nguyễn 日本では“受け入れがたい料理”、“禁止されている食べ物”  前述した幼虫の話と似ていますが、ベトナム語講師のMei Mei(メイメイ)さんによると、彼女の日本人の生徒さんたちにとって北部ベトナムで一般的な「蛹(さなぎ)料理」は、鳥肌が立ってしまうほどゾッとする料理である、といいます。ただ、食卓に蛹が並ぶ光景にゾッとしてしまう感覚は、犬肉や猫肉と比べればまだマシであるらしいのです。  私が知り合いの鉄平さんから偶然聞いた話です。鉄平さんには韓国人のガールフレンドがいて、その彼女から「韓国人は犬肉を食べる」と聞いた時、お互いの文化や感覚の不一致を感じたそうです。鉄平さんは、ベトナムでも犬肉や猫肉を食べることを知って更に驚きました。国によって食文化が異なることを十分理解している人ですが、彼にとって犬や猫はペットであり、食べ物であるとはどうしても認めることができないのです。  その逆もあります。日本人にとっては古くから親しまれ一般的であるものでも、私たちベトナム人にとって受け入れがたい食べ物だって少なからずあるのです。それは「納豆」です。発酵した大豆を使った食べ物ですが、ネバネバとした粘り気と、そのにおいには耐えがたいものがあります。一度鼻先に近づけてみれば、台湾の「臭豆腐」にも似た臭いを感じます。日本の食卓に並ぶ納豆はとても一般的な食べ物で小学校の給食にも登場します。しかし、納豆を食べた多くのベトナム人の友人たちからは「納豆は腐った味がする」と聞かされました。  納豆はベトナム人にとって受け入れがたい食材の一つですが、今後みなさんも理解しがたい、受け入れがたい食べ物に遭遇するかもしれません。生きたまま、かつまだ動いているもの(「イカの踊り食い」や「カエルの活け造り」、「馬刺しなど)のような…。ただ、それらは日本人が一般的に食べるものなので、怖い物ではありません。しかし、ベトナム人の食文化にどうしても合わない食べ物は無理に食べなくても良いと思いますよ。日本の食文化とも上手にお付き合いしましょう。

    2020年04月24日

主催者

Nhà tài trợ Bạch Kim

後援

  • 在ベトナム日本国大使館
  • 国際交流基金ベトナム日本文化交流センター
  • JNTOハノイ事務所
  • 関西経済連合会
  • 一般社団法人 国際人流振興協会
  • 公益社団法人 ベトナム協会
  • NPO法人 日越ともいき支援会

協力

JASSO(日本学生支援機構)

外国人労働者弁護団

WA.SA.Bi.