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日本の入学式・入社式

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2021年04月01日

四季のある日本の春は桜に代表されるように眠っていた動植物が活動を再開する季節。4月は、行政や企業、学校も新しい事業年度、学校年度を開始する月です。日本の入学式や入社式についてリポートします。
【Nguyen Viet Ha(グエン・ヴィエト・ハー)】

日本の多くの企業・学校は4月から新しい1年

大学の入学式の風景

日本の4月1日は、行政機関や多くの会社、学校の新年度の初日です。4月に始まり3月に終わる「年度」というシステムが導入されたのは1886年で、それ以降は官公庁や企業の「会計年度」や「事業年度」、学校の学年が変わる「学校年度」などに適用されています。したがって、多くの日本人にとって4月は「大事なターニングポイント」であり大切な時期です。

近年では、グローバル化に対応して9月入学を検討する動きもありますが、なかなか前に進みません。しかし、外国人留学生の受け入れについては、日本語学校や専門学校を中心にさまざまなコースを設けて10月入学の枠を増やしていますし、中には7月などに入学するコースもあります。また、グローバル化とは関係なく、会計年度を独自に1~12月(ビール業界など)や3月~2月(百貨店業界など)に設定している企業も昔からあります。

とはいえ、日本の事業年度や学校年度は今も4~3月が主流。日本の入学式と入社式は美しい“桜の季節”と結びつけてイメージされています。

入学式

入学式であいさつする校長先生

四季がはっきりしている日本では、木々が芽吹き動物や虫が活動を始める春は新年度にふさわしい季節です。満開の桜を背景に新品の制服とカバンが春の日差しにまぶしい入学式。日本の4月の風物詩とも言える入学式は、どんな式典なのでしょうか。

大学、短大、専門学校

日本人の若者は大学や専門学校の入学式にスーツやジャケットなどフォーマルな服装で参加します。成人も近づき、社会人になるまであと少しなので、少し大人になった気分で式典に出席するのです。

入学式の前後、大学などのキャンパスでは、先輩たちが部活動やサークル活動の内容を紹介するチラシを新入生たち配り、入部・入会を勧誘します。「部活動」は活動が本格的で参加義務が多い活動、「サークル」は制約が少なく気楽に参加できる集まりです。日本の大学・短大では部活やサークルの種類がとても豊富で、大学生活の楽しみの一つです。私も部活に参加し、友だちづくりや日本文化をより深く理解するうえで役に立ちました。

小学校・中学校・高校

小学校、中学校、高校に入学する子供にとっても入学は人生の大きな節目です。家族も子供の成長を喜び、お祝いしてくれます。平常時は、親も入学式に出席することが大半です。制服がある学校の子供は新調した制服を着て、 お母さんたちも礼服か特別な服で参加します。その際、お母さんは首にはパールネックレスが定番です。制服のない学校の子供たちもおしゃれなジャケットを着て“晴れの舞台”に出席します。

日本の入学式はほとんど体育館で行われます。子供は学校が指定したシューズを履き、家族はスリッパを持参します(脱いだ靴を入れるためのビニール袋なども必要です)。2020年と2021年はコロナ禍のため、入学式を屋外やオンラインで行う学校も増えました。式典では校長先生が新入生とその家族にお祝いのあいさつを述べ、先輩たちが新入学の後輩を歓迎する音楽演奏や合唱をしてくれる学校もあります。

日本の入学式は厳粛な雰囲気で、お祭りのような雰囲気のベトナムの入学式とは異なります。春の陽気のもとで満開の桜に囲まれ、子供たちとその家族が入学式に参加するのは、平和な日本社会の最もきれいな光景だなと思います。

入社式

企業や行政機関によっては入社式で辞令が交付される Ⓒ毎日新聞社

多くの日本の企業はその会社の事業年度と関係なく4月に入社式を行います。社長が新入社員にあいさつします。その後、多くの場合、配属部署に着任する前に研修を行います。研修の期間は会社によって異なり、1週間の会社もあれば数カ月間の会社もあります。会社の経営理念や考え方などを教育し、商品やサービスなど具体的な会社の実務を理解させます。日本の会社は伝統的に終身雇用が一般的ですが、最近では早期退職して転職する若者も増えています。

入社式に着る服装は黒やグレー、紺などのスーツとワイシャツで、こざっぱりした髪型にするのが一般的です。コート着用は問題ありません。ベトナムでは、大規模な新卒採用は少なく、ていねいな研修もあまり行いません。したがって、日本のようにフォーマルな入社式はなく、入社するとすぐに配属部署に行き、最初から仕事をしながら指導を受けます。

日本の入学式や入社式を見ると、「人生のターニングポイント」を大切にする国だということが分かります。人生の節目に式典を行って気持ちを新たにする伝統です。このようなセレモニーに参加してみると、日本文化の根底が分かると思います。