日本語学習
日本語学習の目標・計画を立てよう
せっかく日本に行くのなら、将来の可能性を広げるため、できるだけ日本語力を高めましょう。学習のモチベーションを保つには、目標と計画を立てることが大事です。その方法をアドバイスします。
留学や仕事で来日し、2、3年で日本人と十分に話せるようになったり、日本語能力試験(JLPT)・N2以上に合格したりした先輩たちに聞くと、彼らは目標を達成しようという強い気持ちを持っていました。
来日前の学習
留学生でも働く人でも多くの場合、日本に行く前に日本語センターなどで数カ月から1年間、日本語の授業を受けます。高い日本語力をつけた先輩たちに聞くと、どの人も来日前に次のような努力をしていました。
・センターのテキストを授業より先取りして勉強する。
・授業で習ったことはその日か次の日に復習する。
・「みんなの日本語」などセンターのテキストを、授業で習う範囲にかかわりなく、自分で最後まで勉強する。
*来日前にN4~N3を取る人もいます。来日前にJLPT合格を目指す場合は、「みんなの日本語」ではなく、練習問題などが入っているJLPT対策のテキストを中心に勉強しましょう。
来日後の目標と計画
来日後は、JLPTやJFT-Basic、BJTなど日本語試験での合格を目標の1つにしましょう。
どの試験・ランクにいつ合格したいかを決め、それに向かって勉強すると励みになります。試験対策のテキスト(問題集)を中心に勉強し、Facebookの学習ページやYouTubeの学習講座で補う人が多いです。
まず、自分のランクに応じたテキストをそろえます。そして、1回だけでは覚えられないので、試験までに1冊につき2回ずつ学習すると、よい結果につながります。試験までにテキストを2回ずつこなすには、1カ月や1週間に何ページ勉強すればよいかを計算すると、1日に必要な勉強時間がわかります。
また、せっかく日本に住むので、勉強で覚えた言葉を日本人との会話で使いましょう。言葉を実際に使うことで記憶に定着します。
まとめ
日本語学習で目標を立てることはとても大切です。北海道の技能実習生の先輩(農業)は、一緒に住む仲間とJLPTの合格目標を立て、親に電話するとき以外はベトナム語を話さないようにしました。また、勉強した日本語を使って勤務の休憩時間に日本人とたくさん会話をしました。こうして、来日して2年半でN2に合格し、会話の力もつきました。
留学生の場合は、自宅での学習を管理・指導してくれる日本語学校もあります。そのような学校を選ぶのも1つの方法ですね。
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留学生や技能実習生の日本語学習の大きな支えになるのが「ボランティア日本語教室」ですが、それだけでは足りない人、近くに教室がない人はどうしたらいいでしょうか? オンラインの個別レッスンを無料で提供しているNPO法人Lotus Worksを紹介します。 ビデオ電話で個別レッスン オンラインで生徒と話をするボランティアの先生 主婦が立ち上げたボランティア活動 Lotus Works(ロータス・ワークス)は、「日本で働くベトナム人のために何かできることはないか」と東京の主婦が呼びかけてボランティア講師が集まり、ベトナム人の技能実習生やエンジニアにオンライン(ビデオ電話)で日本語の授業を提供しているNPO法人です。2013年から活動しています。 会話・文法・漢字・語彙(ごい)の授業があり、週1、2回(1回45分)です。タブレットなどを使う生徒もいますが、携帯電話で授業を受ける生徒もいます。日本語能力試験(JLPT)対策の指導を中心に、日本での生活や仕事に困らない日本語力を身に付けてもらうのが狙いです。 無料の個別レッスン 授業は、Skypeやメッセンジャーなどを使ったマンツーマン授業です。通常は週2回で、2人の講師が1回ずつ担当します。次の授業までに提出する宿題もあり、授業のない日も勉強するシステムです。 企業が提供する有料のオンライン授業はありますが、Lotus Worksの授業は無料です。 オンラインで宿題(左)を提出すると、先生が採点(右)や指導をしてくれます。 問い合わせ先 オンライン無料授業に申し込みたい人はLotus Works のホームページから問い合わせてください。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] Lotus Works(ベトナム語) ↑↑ページの一番下の「Hòm thư góp ý(問い合わせ)」の欄から受講を申し込むことができます。 Lotus Worksの実績 2024年3月までに計387人の先輩の技能実習生やエンジニアがLotus Worksの授業を受け、日本語能力試験(JLPT)でも多くの先輩が合格してきました N1 N2 N3 N4 受検 合格 受検 合格 受検 合格 受検 合格 2015年 - - - - 11 5 8 4 2016年 - - - - 36 19 9 7 2017年 - - - - 26 12 0 6 2018年 - - - - 17 5 5 5 2019年 - - - - 22 8 17 6 2020年 - - 2 2 15 8 3 2 2021年 1 0 17 4 13 9 3 1 2022年 5 0 21 7 10 8 6 2 2023年 5 2 22 9 10 4 6 5 合計 11 2 62 22 160 78 67 38 Lotus Worksの講師陣 帰国した元生徒たちとハノイ在住の先生たちとの食事会 NPO法人Lotus Worksには2024年1月現在、ボランティア講師が85人(20~76歳)います。ほとんどが日本人で女性も男性もいます。先生たちの居住地はさまざまで、ベトナムなど東南アジアに住んでいる先生も10人います。先生たちが集まって情報交換をしたり、生徒と交流したりすることもあります。 神戸市の技能実習生に教えているボランティア講師(女性) 私の生徒は介護の技能実習生(女性)です。私も介護士として働いているので、一般の日本語以外に介護に必要な言葉も教えています。彼女は週1回の授業を1年間続け、見事、N2に合格しました。これからはN2全体の復習を行います。彼女は日本語力がかなり上がったので、今後は介護福祉士の試験準備に力を入れる予定です。 新潟県の特定技能外国人に教えているボランティア講師(女性) 私は、N3を目指して勉強中のチャムさん(菓子工場で勤務)を担当しています。私と彼女は年齢が近いので、日本語の勉強のほかに女子トークで盛り上がることもよくあります。フリートークでチャムさんの生活の様子や人柄もよくわかり、お互いに信頼関係が築けていると感じます。私自身も外国語を勉強中なので、相手の立場を考えて、さまざまな手法で授業をしています。 Lotus Worksで学んだ先輩たち Lotus Worksの先輩実習生 先輩1(技能実習、女性) ・2017年:技能実習開始・2018年:N3合格・2019年:N2合格 私(=上の写真)は愛知県の工場で技能実習をしました。毎日2時間、土日は4時間以上勉強しました。N3対策には主に「日本語総まとめ」シリーズを、N2対策には「新完全マスター」シリーズなどを使いました。職場であまり日本語を使わないので、Lotus Worksの無料授業が大変役に立ちました。先生と話ができるので、会話やヒアリングの練習にもなりました。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] この先輩の技能実習体験談|KOKORO 先輩2(技能実習生、女性) ・2018年:技能実習開始・2020年:N2合格 近くにボランティア日本語教室がなかったので、オンラインで授業を受けられるLotus Worksと出会えて本当に助かりました。職場(養鶏場)では会話があまりないので、Lotus Worksの先生との会話や宿題が日本語とふれ合う貴重な機会になりました。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] この先輩の技能実習体験談|KOKORO まとめ Lotus Worksは、携帯電話やタブレット、パソコンをWi-Fiにつないで受けられる無料日本語教室を提供しています。 代表の清水隆子(りゅうこ)先生の話 日本語を真剣に学びたい技能実習生やエンジニアはたくさんいます。日本語を習得すれば、日本人の先輩や同僚と会話ができます。1人で小旅行もできるようになるでしょう。言葉のわからない日本に来ることを決意したベトナムの若い方々と日本語の勉強を通じて交流することで「日本のお母さん・お父さん・お姉さん」になり、「日本に来て本当によかった」と思ってもらえるように努力します。
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留学で日本語力をつける6つのこつ
日本で日本語学校に通うだけでは、あまり日本語を話せるようになりません。多くの先輩や日本語教師への取材をもとに、留学を成功させるための6つのこつをまとめました。 留学成功のための6つのポイント 1.訪日前にできるだけ勉強 2.ベトナムでよい日本語学校を選ぶ 3.少ない借金で訪日 4.アルバイトを選ぶ 5.留学中は勉強中心、稼ぐのは就職後 6.できるだけ日本人と交流 1.訪日前にできるだけ勉強 日本に行くだけで自動的に日本語力が上がるわけではありません。 ①土台:留学前の準備勉強、留学中の自習 ②留学のメリット:質の高い日本語授業、日本語環境 ①「土台」がないと、②「留学メリット」を生かせません。留学前も留学後も自習が大事です。 本格的な準備勉強をしてから日本に行くと、最低限の勉強だけで留学を始める人と比べ、早く高い確率で日本語が話せるようになります。 JLPT・N3に合格してから留学した先輩(ベトナム語+日本語) 2.ベトナムでよい日本語学校を選ぶ ベトナムには高度な日本語教育を行う日本語学校もあります。例を紹介します。 ◆ドンズー日本語学校(ホーチミン) ・寮生活で1年間勉強 ・厳選した日本語学校に留学 ・多くの卒業生が留学3、4年目に大学に進学 ・進学先の多くは国公立大学 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 留学3年目に公立大学合格 ◆ナムディン日本語日本文化学院 ・寮生活で1年半~2年間勉強 ・JLPT・N3レベルになってから留学 ・技能実習を経て留学するパターンもある ・大学から留学を始めるパターンもある [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] N2取得し、最初から大学に留学 ほかにもよい日本語学校や日本語センターはあります。先輩やインターネットから情報を集め、よい学校やセンターを選びましょう。 N3以上の日本語力を付けてから留学すると、効果がぐっと高まります。授業がよくわかるのと、日本人ともたくさん会話できるからです。そうなると、大学や専門学校に入るまでの年数を短縮し、留学費用を大幅に節約できる可能性があります。 3.少ない借金で訪日 留学希望者はベトナムの日本語学校や日本語センター(留学紹介業者)で留学先を紹介してもらい、事前の日本語教育を受けます。学校やセンターによって下記の内容が違います。 ・授業料 ・授業の質と量(期間) ・日本人教師の有無 ・留学あっせん手数料 学校やセンターが紹介者(ブローカー)に謝礼を支払い、留学生が学校やセンターに支払う手数料に上乗せすることもあります。 こうした費用に加え、留学先の学校の1年分の授業料と入学金を先に支払うことが多く、留学生の家族が多額の借金をすることがあります。 借金が多過ぎる場合や利息が高い場合、留学生はアルバイトでお金を稼いで実家に送金しようとします。しかし、働き過ぎると、疲れて勉強ができません。また、制限時間を超えて働いたために、入管から留学の継続を認めてもらえず、退学に追い込まれた先輩もいます。 こうした事態を避けるためにも、留学経験者やインターネットから情報を集め、適正な費用の日本語学校や日本語センターを選びましょう。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 留学生活の費用と収入 4.アルバイトを選ぶ 居酒屋アルバイトの仲間 高い日本語力を身に付けた留学生の多くは、客や同僚の日本人と話す機会が多いアルバイトを経験しています。その場合、仕事をしながら日本語の練習ができますし、学校で習った日本語を実際に使うことができます。 ・居酒屋の接客係(ホール) ・スーパーやコンビニのレジ係 最初はこういう仕事に就けない場合もありますが、しっかり勉強して、早くこのようなアルバイトに移りましょう。 しかし、日本語力があまりに低いと、日本語をまったく話さない仕事にしか採用されません。 ・倉庫での荷物仕分け ・食品工場での弁当の盛り付け こうした仕事には深夜から未明にかけての勤務も多く、眠くて勉強ができません。すると、日本語力が上がらず、いつまでたってもほかの仕事に移れません。 そのような事態を避けるためにも、訪日前の勉強が大切です。 5.留学中は勉強、稼ぐのは就職後 お金を稼ぐのは就職後 実家への仕送りを目的に留学をする人が過去にたくさんいました。しかし、最近は留学生のオーバーワーク(週28時間を超えて働くこと)に対する入管の対応が厳しくなり、このような「出稼ぎ」目的の留学は長く続けられないようになっています。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] アルバイトと入管法_part 2 せっかく留学するなら、将来の目標を立て、その目標に近づくために留学してください。また、アルバイトを控えめにして勉強に力を入れると、次のようなメリットがあります。 ・成績が良いと、奨学金をもらえる可能性がある。 ・成績が良いと、学費を減免してもらえる。 ・高い知識や日本語力を身に付けると、やりがいのある仕事に就ける(収入も長期的に得られる)。 6.できるだけ日本人と交流 日本に行ったら、できるだけ日本人と交流してください。ネイティブスピーカーと話す機会を多く持つことが語学上達の最大のかぎです。 ・学校(専門学校、短大・大学)の同級生 ・学校のサークルの仲間 ・アルバイトの先輩・同僚 ・地域の日本語教室の先生 ベトナム人だけで固まらず、日本人や他国の留学生と日本語で交流する時間をできるだけ多くつくりましょう。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 日本人の友だちを増やし日本語上達
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せっかく日本に住むので、技能実習の3年間で日本語を話せるようになりましょう。日本語ができると、将来の仕事の幅も広がり、収入アップも期待できます。日本語を話せるようになった先輩たちが何をしたのかを紹介します。 〈このページの内容〉 1.ベトナムでN4レベルを目指そう 2.費用の安い送出機関を選ぼう 3.目標を立てて毎日勉強しよう 4.職場で積極的に会話しよう 5.空き時間を大切に 6.ボランティア日本語教室 1. ベトナムでN4レベルを目指そう 日本に行く前に送出機関の日本語センターで勉強します。技能実習中に日本語が話せるようになった先輩たちは、日本に行く前から勉強をがんばり、良い成績を取りました。例えば、「みんなの日本語」をセンターでは25課までしか習わないのに、自分で50課まで勉強するなど、努力していました。 日本語をある程度話せるようになってから日本に行くと、職場の日本人と早く親しくなって大事にされやすいですし、会話の機会が増えて日本語がどんどん上達します。 ベトナムにいる間に日本語能力試験(JLPT)・N4レベルを目指し、日本ではN3以上を目標にしましょう。 2. 費用の安い送出機関を選ぼう 無借金で日本に来た先輩たち 送出機関によって費用が大きく違います。なるべく安い費用の送出機関を探し、少ない借金で来日すると、心の負担が減り、日本語の勉強にも力が入ります。 借金が少ないと、日本語学習の教材を買えますし、ボランティア日本語教室に通う交通費も出せます。 また、費用の安い送出機関は良心的な場合が多く、日本の良い組合(監理団体)とつながっていることも多いです。良い組合は日本語学習についてもサポートしてくれるケースがあります。そういう組合に出会える可能性を高めるためにも、良い送出機関を探しましょう。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 送出機関の探し方 3. 目標を立てて毎日勉強しよう 夜間や週末はYouTubeやゲームばかりという先輩もいますが、中には、毎晩2時間以上勉強し、週末にはもっと勉強する先輩もいます。 夜間と週末にしっかり勉強して日本語を話せるようになると、将来の仕事の幅が広がり、高い収入も期待できます。 JLPTのN3やN2に合格するなど大きな目標を立てると、毎日勉強を続けていくことができます。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 技能実習中にN2に合格した先輩の体験談 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 目先の金より生涯収入 / 私のN1必勝法 4. 職場で積極的に会話しよう 休憩時間に仲良くなった職場の日本人と休日にお出かけ 自分で勉強した日本語を実際の会話で使ってこそ、本当の語学力が身につきます。技能実習生にとって、日本語力(特に聞き取りの力)を高めるための一番の近道は、職場の日本人と積極的に話すことです。 最初は、日本人の言葉が聞き取れなかったり、何かを聞かれても十分に答えられなかったりすることもあるでしょう。しかし、めげずに毎日会話を続ければ、いつかきっと相手の言うことがわかるようになり、あなたの言いたいことも伝わるようになります。 まずは、職場の人に笑顔ではきはきとあいさつする習慣を身につけましょう。「おはようございます」「お疲れさま」「お先に失礼します」などのあいさつは、皆さんが職場の日本人と親しくなるための大切な第一歩です。 5. 空き時間を大切に 先輩が休憩時間に読んだ漢字カード 技能実習中に日本語を話せるようになった先輩たちは、休憩時間も大事に使っていました。 ・自分で作った単語帳やノートを読む ・携帯電話に保存した単語リストを見る ・できるだけ日本人と話す ・寮で勉強してわからなかったことを日本人に聞く などの工夫をしていました。建設現場では、休憩時間が2時間ある場合もあり、その時間を毎日どう使うかで大きな差ができます。工場や農作業の休憩時間も、日本人と話すチャンスです。 休憩時間や通勤時間(電車通勤の場合)を有効に使いましょう。 6. ボランティア日本語教室 ボランティア日本語教室(静岡県) 寮や図書館で自分で勉強する以外に、地域のボランティア日本語教室に参加しましょう。また、SkypeやZOOMを利用したオンライン日本語教室もあります。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] ボランティア日本語教室 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] オンライン無料日本語教室
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ボランティア日本語教室(総まとめ)
日本に来たからと言って自動的に日本語が話せるようになるわけではありません。しかし、エンジニアや技能実習生は仕事をしていますので、日本語を学ぶチャンスがあまりありません。また、留学生も日本語会話の機会が増えるに越したことはありません。これから日本に来る皆さまや日本に住んでまだ数年の皆さまに、KOKOROはボランティア日本語教室の活用をお勧めします。 〈このページの内容〉 1.ボランティア日本語教室とは 2.ボランティア日本語教室の探し方 3.ボランティア日本語教室の探し方(応用編) 4.先輩の体験①:夫婦で先生に助けられ 5.先輩の体験②:先生たちと教室以外でも交流 6.さまざまな先輩の体験談(リンク集) 1.ボランティア日本語教室とは ボランティア日本語教室とは 日本には、国際交流協会やベトナム人グループなどが主催する無料や低額の日本語教室がたくさんあります。こうした教室では、ボランティアか半ボランティアの日本人や先輩ベトナム人が先生となって、外国人や後輩ベトナム人の日本語力アップをサポートしてくれます。 多人数で学ぶ教室ではカリキュラムがあり、定期的に学力テストが行われる場合もあります。ただし、語学学校のようにボキャブラリーや文法を重視するのではなく、コミュニケーションスキルの向上を重視するクラスがほとんどです。 マンツーマンレッスンの教室では、カリキュラムを組まず生徒の提案やニーズに沿ってレッスンを進めるところもあります。日本語学校(有料)の定期試験対策のためにテキストを持ち込み、先生に復習をお願いする留学生もいます。 ボランティア日本語教室のメリット ボランティア日本語教室のメリットは日本語力のアップだけではありません。一緒に学ぶ外国人仲間ができて交流や情報交換が芽生えたり、日本で暮らしていたくための悩みや疑問に先生が相談に乗ってくれたりもします。日本人の相談者ができると、日本で暮らしていくうえで心強いですね。 2.ボランティア日本語教室の探し方 【探し方1】 各都道府県や市で外国人支援や国際交流を担当している部署にたずねる。 【探し方2】 地域の国際化協会や市区町村の国際交流協会にたずねる。 ※通常、国際交流協会などのHPでも日本語教室を紹介しています。 全国の国際化協会や国際交流協会のリスト(日本語) 【探し方3】 例えば次のサイトで全国のボランティア日本語教室を探すことができます。 U-Biq(全国のボランティア日本語教室情報) 【探し方4】 ベトナム人の団体や先輩たちが主催する日本語教室も増えてきています。在仙台ベトナム人協会(SenTVA)は宮城県仙台市で大規模な日本語教室を開いています。茨城県ベトナム人協会も2021年からボランティア日本語教室を始めました。宮崎県では、日本に長く住む先輩ベトナム人有志たちが2020年からボランティア日本語教室を開いています。Facebookなどであなたの地元のベトナム人団体やグループを探してみてください。 3.ボランティア日本語教室の探し方(応用編) 先輩(留学生、女性)の体験 私の場合、来日直後に(東京都の)杉並区役所に行き、住民登録などが済むと、スタッフが日本での暮らし方や地元の生活情報に関する資料を渡してくれました。その中に「杉並区交流協会」が発行した日本語教室のリーフレットがあり、日本語教室(初級~中級)や日本語能力試験(JLPT)対策の教室が紹介されていました。マンツーマンの教室や多人数の教室、子ども連れで学べる教室がありました。費用は、無料のものや10回2000円のものなどがあり、一番高くても1レッスン800円ぐらいでした。 杉並区交流協会(低額の日本語教室) 私はこの教室を利用し、さらに他の教室も探しました。日本語会話をたくさん練習したかったからです。そこで、杉並区の教室の同級生にたずねたり留学先の語学学校に置いてあるパンフレットを集めたりして府中市と武蔵野市(いずれも東京都)の教室を見つけ、その2つにも通いました。私の経験上、教室を直接訪ねて様子を見たり担当者に相談したりするのが自分に合った教室を見つける一番の近道だと思います。 府中国際交流サロン(ボランティア無料日本語支援) 武蔵野市国際交流協会(低額の日本語教室) 4.先輩の体験①:夫婦で先生に助けられ 日本語教室の先生が持ってきてくれた着物 先輩(エンジニア、男性)の体験 群馬県でエンジニアとして働いていた私を追って妻も訪日し、間もなく妊娠しましたが、妻は、最初は日本語が分からず苦労しました。週末は私が一緒ですが、平日は周囲にベトナム人仲間がいませんでした。そんな妻を助けてくださったのはボランティア日本語教室の日本人の先生方でした。 妻は当初、約5㌔離れた教室に自転車で週2回通いました。年配の女性の先生2人は日本語を教えるだけではなく、妻を気遣って通院や買い物にも付き添ってくださいました。そして、妻のおなかが大きくなって教室に通えなくなると、交代でわが家に来て日本語を教え、さまざまなサポートもしてくださいました。私たちは本当に助かり、この先生方を恩人だと思っています。 日本語教室で友だちづくり その後、私は群馬県から神奈川県に転職しました。新しい職場で外国人は私だけでしたが、転居先のボランティア日本語教室で私たちと同じような境遇のベトナム人3家族と出会いました。この仲間たちとは食事会をするなど家族ぐるみで交流し、妻の「ママ友」もできました。 5.先輩の体験②:先生たちと教室以外でも交流 先輩(技能実習生、女性)の体験 私は地元の国際交流協会が主催する無料日本語教室に通っています。私が勤める大阪府の工場にはベトナム人の特定技能外国人や技能実習生が計約10人いますが、女性は私だけです。近所に女性の友人があまりいませんが、日本語教室の先生たちから娘のようにかわいがっていただき、先生のお宅にお邪魔して一緒に料理を作ったり、おしゃべりをしたりしています。私がJLPTのN3に合格したときは、先生2人が焼き肉屋でお祝いをしてくれました(=写真)。 6.さまざまな先輩の体験談(リンク集) 他の先輩たちによるボランティア日本語教室の活用体験談も下記のリンク先で読めます。 ◇留学生の妻(大阪府) まずボランティア日本語教室で学び、有料日本語学校に中級から入学 ◇技能実習生(三重県) スカイプ利用のオンライン無料日本語教室でN2目指して勉強 ◇技能実習生(奈良県) ボランティア日本語教室で会話力を磨き、日本人の恋人と国際結婚 ◇技能実習生(栃木県) 毎週末、ボランティア無料日本語教室で2時間勉強 ◇技能実習生(山梨県) 目先の金より生涯年収 / 私のN1必勝法 ◇技能実習生(静岡県) 国際交流団体で日本語学習や様々な地域活動
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