技能実習・特定技能

会社がしてはいけないこと

Aggressor and Victim with Violent Teenager Boy Abusing Weak Agemate Vector Illustration
2022年02月16日

外国人も日本人も安全・安心な環境で働く権利があります。職場での暴力を会社が放置したり、社長や上司がひどい言葉を使うことは許されていません。また、会社などが働く人のパスポートや通帳などをあずかることも禁止です。日本の職場のルールについて紹介します。

職場での暴力は違法

社長や上司が従業員に対して次のようなことをすることは、さまざまな法律で禁止されています。また、社内でそのようなことが起きているのに会社が黙認することも許されません。例を書きます。

・暴力をふるう。
・ひどい言葉を投げかける。
・いじめる。
・性的ないやがらせをする。
・作業時間中にトイレで席を離れると、罰金を取る。

会社などがこれらに違反したとき、技能実習生の場合は、まず組合(監理団体)に相談しましょう。それでも改善されない場合は、次のような窓口に相談しましょう。OTIT以外は「技術・人文知識・国際業務」や特定技能などの外国人の相談も受けます。

external link 外国人技能実習機構(OTIT)

external link 外国人労働者向け相談ダイヤルなど(多言語)|厚生労働省

external link 全国の労働基準監督署

パスポートや通帳を取り上げるのは違法

技能実習生が逃げ出すのを防ぐために、受け入れ会社がパスポートや在留カードを取り上げることが過去にありました。

しかし、外国人を雇っている会社が在留カードなどをあずかることは、外国人の移動の自由を制限することになり、違法です。外国人からお願いした場合でも、あずかってはいけません。通帳をあずかるのもいけません。

このようなことが起きた場合も、組合やOTITに相談してください。

働く環境について

日本の会社などは働く人に安全で清けつな職場環境を提供しなければなりません。

働く環境について

会社などは、従業員が働く環境について次のような点をチェックし、必要があれば改善しなければなりません。

・空気:ほこりや体に悪い物質が作業場の空気に含まれていないか。
・温度・湿度:寒すぎたり暑すぎたりしないか。外で作業する場合は、寒さや暑さをやわらげるための対策がとられているか。
・明るさ:暗すぎたり明るすぎたりしないか。
・音:騒音がないか。
・広さ:せますぎないか。通路が確保されているか。

作業について

会社などは、働く人の健康や安全が守られるような作業方法を指示しなければなりません。具体的には、作業の適切な内容・時間・方法などについてマニュアルを作ったりチェックしたりします。

働く人の健康について

会社などは働く人の健康をチェックしなければなりません。

1年に1回以上、健康診断を行う。
・休憩室やシャワー室を設け、清潔な状態に保つ。
・健康に関する相談窓口を設ける(なるべく外部の相談窓口)。

こうしたことが守られておらず、みなさんが困っている場合も、上記の窓口に相談してください。

寮の費用や設備について

技能実習生の場合は、受け入れ会社が寮(アパートなど)を用意します。そして、毎月の給料から寮費(家賃)や水道・ガス・電気の料金が引かれます。

ここで注意点があります。寮については、次のような決まりがあります。

会社は、実際にかかる費用を超えた家賃や水道・ガス・電気代を実習生からもらってはいけない。
・寝る場所は1人につき4.5㎡以上
・かぎをかけられる収納スペースを1人ずつに提供する。
・適度な大きさの窓がある。
・暖房設備がある。
・日勤、夜勤の技能実習生がいる場合は、活動時間が違うため、寝室を別にする。

家賃については、例えば、会社が¥80,000 / 月の部屋を借り、そこに実習生4人を住ませた場合、1人あたりの家賃は最高で¥20,000しか取れません(¥80,000÷4人=¥20,000円)。水道・ガス・電気代・Wi-Fiの費用についても同じです。家賃や電気代などの一部を会社が負担してくれるケースもたくさんあります。

これらの決まりを会社が守っていない場合、まず組合(監理団体)に相談し、それでも改善されなければ、OTITに相談してください。

まとめ

在留資格にかかわりなく、職場で暴力や暴言などを受けた場合は、公的な相談窓口に相談してください。また、技能実習生の場合は、パスポートや通帳を取り上げられた場合や寮費が高すぎる場合などは、組合やOTITなどに相談しましょう。