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今回の先輩

Doan Hong Phuong  (ドアン・ホン・フーン)さん

1996年生まれ、ブンタウ省出身
2014年 5月  Ngo Quyen 高校卒業
2014年 8月 ドンズー日本語学校 入学
2015年 9月 ドンズー日本語学校 卒業
2015年 10月 盛岡情報ビジネス専門学校日本語学科 入学
2017年 3月 盛岡情報ビジネス専門学校日本語学科 卒業
2017年 4月 岩手大学  入学

はじめに

 私は高校卒業後、ホーチミンの「ドンズー日本語学校」で1年間学んだ後に日本に行き、専門学校の日本語学科を経て国立大学に入学しました。ベトナムの大学に行く場合は、親のすねをかじるしかありませんが、日本に留学すれば、自分で働いて得たお金で大学に行けます。

日本を選んだのは、日本が好きだからです。「名探偵コナン」など日本アニメが好きですし、寿司や天ぷらなど日本の食文化も好きです。実際に日本に来て、空気がきれいですし、食べ物もおいしいので、楽しく生活しています。給料もベトナムより多いので、このまま日本で就職したいと思っています。

 今回は、ベトナムで日本語をしっかり勉強してから留学することの大切さや日本の公共施設の活用の仕方を中心に私の留学体験をお伝えします。

専門学校のイベントで北上川河川敷でバーベキュー【2016年4月】

訪日前にみっちり日本語学習

 母の友人の娘さんが日本で働きながら留学していました。その人が留学前にドンズー日本語学校で勉強したと聞き、私もドンズーに応募しました。

 ドンズー日本語学校は1991年に設立され、現在はベトナム南部を中心に7校で日本語教育を行っています。ホーチミンにある同校の「ビンミー留学生日本語センター」では、日本の大学に留学する学生を育成するためにハイレベルの日本語教育を行っています。私はこの日本語センターで1年間、寮生活をしました。日本語は初めてで、ゼロからのスタートでしたが、1年で日本語能力試験(JLPT)のN3程度のレベルになりました。

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 N3に合格するまで平均2、3年かかる学校も多い中、1年でN3レベルになるための勉強は大変でした。授業は平日の朝から夕方までと土曜日の午前で、毎月、試験の成績でクラス分けが行われました。授業のレベルについていけず、途中で退学する人もいました。

私は夜や日曜日も自習で忙しく、故郷のブンタウ省までそれほど遠くはないのに帰省する時間がなかなか取れないので、両親の方から私に会いに来てくれました。

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 ドンズーに入学する際は、仲介業者への手数料などは不要で、私は、学費と寮費とで合計約50,000,000ドン(1年分)を学校に支払いました。

日本語学校を経て国立大学入学

岩手大学の入試会場で【2017年2月】

 ドンズーでの1年間の勉強を経て、2015年10月、岩手県の「盛岡情報ビジネス専門学校日本語学科」に入りました。留学先の学校はドンズーでの成績で先生たちが決めます。ドンズーから一緒にこの学校に留学したのは私を含めて14人で、1年半後、ほとんどが日本の大学に進学しました。14人の中で私を含めて2人だけ盛岡に残ることになり、今は岩手大学人文社会科学部で経済を専攻しています。

公共施設や外国人サポートを利用しよう

 私は、アルバイトは必要最小限にし、勉強時間をなるべく多く取るようにしています。今は、例えば大学のゼミの研究課題や英語のTOEIC対策などが主なテーマです。勉強場所には、大学の図書館をよく利用しています。静かで冷暖房もあり、ほかにも勉強している人がたくさんいます。

 祝日で学校の図書館が休みのときや、用事で町の中心部に出たときは、公共図書館も利用しています。盛岡駅前の「いわて県民情報交流センター」の1~4階には岩手県立図書館があります。また、5階には岩手県国際交流協会が運営する「国際交流センター」があり、外国人向けの学習情報や交流イベントの情報が手に入るほか、生活や学習などの相談にも乗ってもらえます。日本語学習の資料もたくさんあるので、専門学校日本語学科時代は、ここの本をよく無料で借りました。

図書館

国際交流センター

日本での生活とアルバイト

 日本に来て最初のアルバイトは新聞配達でした。ドンズーの卒業生に代々引き継がれているアルバイトです。新聞を各家庭に毎朝配るのは、日本独特の文化です。私は朝4時に起きて6時まで配り、それから学校に行きました。電動自転車で約200軒の住宅のポストに新聞を届けます。1カ月約8万円の給料をもらえましたが、昼間、眠くて勉強に集中できないので、6カ月間でやめました。冬の朝の配達はとても寒かったですし、雨の日の配達がとても大変でした。  その後は、居酒屋などで働きました。 今のアルバイトはホテルでの宴会の給仕(時給1,100円)と技能実習の受入組合での通訳です。合計で毎月8万円~10万円もらっています。 以前に勤務した焼き肉店では、最初は厨房で皿洗いなどを担当しましたが、数カ月して日本語の会話力が上がってからは、注文を聞いたり料理を運んだりする接客の仕事に回りました。この担当になってからは、仕事を通じて日本語がさらに上達しました。その後、居酒屋でも同じように接客を担当しました。

book 私の家計簿(1カ月の平均)

※100円=21,192 VND(2019年11月29日現在)

収入(合計80,000円~100,000円)

アルバイト2件(ホテル宴会給仕、通訳)合計80,000 円~100,000円
※2018年度は、これに加えて岩手県から毎月20,000の奨学金
JASSOの奨学金80,000円

支出(合計 70,000円~90,000円)

家賃(寮費)29,000円
※1人暮らし、ワンルーム、wifi込み
※大学の寮なら15,000円だが、バイト先まで遠いので選ばなかった
授業料               0円
※成績優秀と認められ全額免除
※これまでに入学金の29万円のみ(アルバイトで貯めたお金で納付)
光熱費 12,000~13,000円
※電気・水道・ガスの合計
インターネット 0円
※家賃に含む
携帯電話0円
※wi-fiしか使わない
食費20,000円
※バイト先の飲食店で格安で食べる日もある
雑費8,000円~28,000円
※衣類、学習教材、交通費など

毎月の差額(貯金)平均1~2万円

※大学の試験などでアルバイトがあまりできない場合や緊急の出費があった場合、貯金を取り崩して生活する月もある。
※ベトナムへの仕送りはなし。将来、就職活動などでお金がかかるので貯金をしている。

さまざまな交流活動に参加

 日本では、様々な交流イベントに参加しました。大学で「多文化コミュニケーション」という授業があり、この授業の一環で年に2回、1泊2日の合宿交流会に参加して岩手県各地の中学生たちと交流しました。一緒に運動会のポスターを作ったり、1つの部屋に留学生2人、中学生2人が一緒に泊まっておしゃべりを楽しんだりしました。

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 また、大学1年の時は、大学の先生の勧めで留学生7人で「浴衣コンテスト」に参加しました。私たち外国人が浴衣で並ぶ姿は地元の新聞に掲載されました。ドラマや映画で見た着物や浴衣に昔からあこがれていたので、初めて浴衣を着られてうれしかったです。大学の卒業式では着物を着る予定です。また、日本で就職したら、浴衣を着て花火大会に行きたいと思っています。

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私はこうして日本語を勉強した

 私は日本に来て約2年半後、日本語能力試験(JLPT)のN1に合格しました。JLPT対策では、日本語レベルの高い先輩ベトナム人や友人に紹介されたテキストを使いました。その中で主なものを紹介します。

external link 「新完全マスター」シリーズ(出版社:スリーエーネットワーク)

https://www.3anet.co.jp/np/list.html?sa=1&q=新完全マスター日本語

external link 「耳から覚える 日本語能力試験」シリーズ(出版社:アルク)

https://www.alc.co.jp/jpn/article/nihongo/n3-n5/

external link 「日本語能力試験問題集N1読解スピードマスター」

https://www.jresearch.co.jp/book/b282430.html

 また、N1受験対策の講座をYou-tubeで探して何度も見ました。これら以外には、映画や化粧関係の日本語の動画をよく見ました。好きな分野の動画だと、言葉も覚えやすいからです。

 ヒアリングの練習にはアニメも適しています。私は「名探偵コナン」をよく見ました。子どもの時から見ていてストーリーは何となく頭に入っているので、動画を楽しみながら日本語の発音やアクセントを学びました。これは、娯楽と勉強がセットになっているので、続けやすい学習方法だと思います。

今後の夢

 私は日本で就職しようと思っています。その準備として、2019年7月には岩手県内の中小企業が集まる合同就職フェアに参加し、10月には地元の銀行やビール醸造所をゼミの仲間と一緒に見学しました。私は化粧が好きなので、化粧品関係の会社に就職できたら一番いいなあと思っています。

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 日本は、空気がきれいで、公共交通も便利だし、道路や歩道もきれいです。日本の食事も大好きで、焼き肉やラーメン、居酒屋のいろんな料理のほか、盛岡名物のジャージャー麺も絶品です。また、今はアルバイトと勉強で旅行に行く時間がありませんが、就職活動が本格化したら、全国の大学に散らばっているドンズーの同窓生を訪ねて泊めてもらい、観光もしたいです。

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 これから日本に留学する皆さんも、ベトナムでしっかり日本語を学んでから日本に来てくださいね。そうすることで、日本に来てからの勉強もアルバイトもとても充実したものになると思います。

就職に向けていろんな企業を知るため、
ドンズーの先輩・後輩と一緒に岩手県内のヨーグルト工場を見学【2018年11月】