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新入社員向けの基本ビジネスマナー_01

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2023年01月28日

日本で留学生の就職活動をサポートしていると、「入社するまでに、どのようなことを勉強しておけばよいですか?」とよく聞かれます。その質問への私たちの答えは「ビジネスマナーの勉強」です。基本的なビジネスマナーを入社前に知っておくと、他の新入社員より一歩先からスタートできます。そこで、新入社員向けのビジネスマナーについて2回に分けて紹介します。今回は「電話の受け方」や「お茶の出し方」、そして日本でとても重視されている「ホウ・レン・ソウ」についてです。

電話は3コールまでに出る

会社にかかってきた電話の相手は、電話に出てみないと分かりません。そのため、「電話に出るときは自分が会社を代表する立場なのだ」という自覚を常に持つことが大切です。

まず、電話がかかってきたとき、相手を待たせるのはよくありませんので、できるだけ早く電話に出てください。人間は10秒以上待たされることを不愉快に感じてしまう傾向があります。電話の場合、呼び出し音を何回も聞くと、相手に対して悪い印象を持ちやすくなります。一般的に1コールが3秒、3コールで約10秒なので、3コール以内を目標に受話器を取るように心がけましょう。

一番良くないのは「だれかほかの人が受話器を取るだろう」と考えて人任せにすることです。多くの職場では、入社歴の浅い人が先に電話に出ることが暗黙の了解になっています。手が離せない仕事をしている場合を除いて、入社して1、2年の間は「自分が一番先に受話器を取ろう」というぐらいの気持ちを持ちましょう。

ただ、1コールもたたず、呼び出し音が鳴った瞬間に電話を取られると少し驚いてしまいます。そのため、1コールか2コール鳴った後に電話に出ることが望ましいでしょう。

電話の受け方

会社にかかってきた電話に対しては、基本的には以下のように対応します。

①私 :

はい、〇〇(自分の会社名)でございます。
お電話ありがとうございます。

②相手:

私、〇〇(会社名)の△△と申します。
お世話になっております。

③私 :

〇〇の△△様でいらっしゃいますね。
お世話になっております。

④相手:

様はいらっしゃいますか?

相手の名前を確認

もし、相手の会社名や名前を聞き取れなかった場合は、聞き返して相手の名前を確実に把握しましょう。「恐れ入りますが、もう一度会社名とお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」など聞いてください。すると、相手は社名と自分の名前をもう一度言いますので、あなたは担当者に「〇〇社の△△様からお電話です」と伝えることができます。

相手が自分の名前を名乗らずにだれかを指名した場合も、「恐れ入りますが、お宅様(おたくさま)のお名前を教えて頂けますか?」と聞いてください。

自分の名前を名乗る

相手が電話の相手を指名せず、あなたでも対応できる内容だった場合、③の「いつもお世話になっております」の前に「私は☆☆(自分の名前)と申します」と答えましょう。これは、相手が名前を名乗ったことへの返礼の意味にもなります。自分が相手に対応する場合、基本的に自分の名前を名乗るようにしましょう。

受話器を取るのが遅れた場合

電話に出るまで長くかかった場合、「お電話ありがとうございます」の前に「大変お待たせしました」などと言うのがよいでしょう。

お茶の出し方

通常、お客様が来社したら、お茶を出します。コーヒーを出す会社もあります。基本的な作法は次の通りです。

①応接室のドアを3回ノックします。「失礼します」と伝えてから入室します。

②サイドテーブルがある場合、お盆をサイドテーブルに置いてお茶を出す準備をします。サイドテーブルがない場合、お盆を片手で持ちながら、もう片方の手で作業をします。

③茶碗と受け皿を両手で持って、「上座」に座っている役職の高いお客様から順に「どうぞ」、「失礼します」などと声をかけながらお茶を出します。

お茶を出す席順は入り口から一番遠い上座から順に、下座の人が最後になるように出すとよいでしょう。また、先にお客様にお茶を出し終えてから、自分の会社の人に出すようにしてください。

上座と下座の順については、この記事を参考にしてください。

external link 目上の人との食事会でのマナー

④お茶を出し終えたら、ドアの前でお客様に向かって「失礼しました」とおじぎをしてから退室します。

⑤応接室の外に出たら、ドアを開けたままお客様に向かってもう一度おじぎをし、頭を下げたままドアを閉めます。

「ホウ・レン・ソウ」は欠かせない

日本の会社で働く際によく耳にする言葉が「ホウ・レン・ソウ」です。これは次の三つの言葉の頭文字を合わせた言葉です。

・ホウ=報告(ほうこく)
・レン=連絡(れんらく)
・ソウ=相談(そうだん)

報告・連絡・相談は日々の生活においても基本的なことです。仕事では、いつ・どうやって「ホウ・レン・ソウ」を行うかが重要となります。

仕事の進捗状況を報告しない。

上司や先輩から仕事を任されたときは、その人に仕事の進捗を必ずこまめに「報告」してください。上司や先輩があなたに助言やサポートをしたり、職場での仕事の割り振りを調整したり、次の仕事を適切なタイミングで指示したりするには、あなたの仕事の状況を把握することが不可欠です。

そのためには、あなたが自分の仕事の状況を上司・先輩にこまめに報告しなければなりません。日本の会社ではこまめな「報告」がとても重視されています。

リマインドしない。

相手がとても忙しいとき、あなたの報告・連絡・相談・依頼などにすぐに対応できないこともあります。その場合、タイミングをみて、遠慮せずに自分からもう一度相手に「ホウ・レン・ソウ」を行って対応を促してください。

自分の判断だけで行動する。

新入社員の場合、分からないことがたくさんあるはずです。自分の仕事に関してわからないことが出たり判断に迷ったりした場合は、上司や先輩に遠慮なく尋ねてください。

まとめ

今回は、新入社員が知っておくべき基本的なビジネスマナーのうち「電話対応」や「お茶・コーヒーの出し方」、「ホウ・レン・ソウ」について説明しました。

・電話には3コールまでに出る。
・電話対応の際、必要に応じて自分の名前を名乗る。
・電話対応の際、必要に応じて相手の社名や名前を聞く。
・お茶の出し方
・仕事の進捗について上司や先輩にこまめに報告する。
・上司や先輩が忙しくてすぐに対応できないときは、同じ内容の「ホウ・レン・ソウ」を繰り返す。
・分からないことがあるときや迷ったときは上司・先輩に相談する。

このような基本的なビジネスマナーを入社後1カ月ぐらいでマスターするように意識して取り組んでみてください。また、こうした事柄を入社前に頭に入れておき、実際に働き始めてからもときどき読み返すことで、実体験と結びついた習慣になっていくことでしょう。

ビジネスマナーを身につけて、日本の会社で活躍してくださいね。