日本語学習

これでスッキリ!敬語はこうして覚える!

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2022年05月03日

「日本語は何が一番難しいの?」と聞かれたら、ほとんどの外国人は「敬語!」と答えることでしょう。私もそうでした。敬語には色々な種類があり、ややこしいですね。それに、敬語を使う相手は「目上の人」がほとんどなので、緊張しながら、自分の使っている敬語が正しいかどうか気にしなければなりません。この記事を読んで、敬語の使い方や覚え方をスッキリと理解してください。

敬語の種類

そもそも敬語とはなんでしょうか?それは「相手を敬う気持ち」を表す言葉です。主な敬語は次の3種類です。

尊敬語(そんけいご)
相手を高める言葉で、相手の行為を表現する際に使います。主語は主に目上の人です。
謙譲語(けんじょうご)
自分がへりくだることで相手を立てる言葉で、自分の行為を表現する際に使います。主語は自分や自分の身内です。
丁寧語(ていねいご)
丁寧に表現することで相手への敬意を示します。尊敬語や謙譲語に比べると、相手への敬意を示す度合いは小さくなります。

「だれが」「だれに」に意識を集中する

敬語の種類を覚えても、自由に使い分けられるようになるまでには、かなりの時間がかかります。そこで、敬語を使う際には、まずは、「だれが」(行為の主体=主語)や「だれに」(行為の相手はだれか)に意識を集中するとよいでしょう。例文で具体的に説明します。

【例文】

✕ 社長が私に「いつもありがとう。これからもがんばってね!」と言いました
◎ 社長が私に「いつもありがとう。これからもがんばってね!」とおっしゃいました

→→「言いました」の主語(=だれが)は社長(目上の人)です。そこで、「言いました」を尊敬語にします。

・「言う」の尊敬語:「おっしゃる」
・「おっしゃる」の過去形:「おっしゃった」
・「おっしゃった」の丁寧な表現:「おっしゃいました」

【例文】

✕ 私は社長に「ありがとうございます!頑張ります!」と言いました
◎ 私は社長に「ありがとうございます!頑張ります!」と申し上げました

→→「言いました」の主語は「私」で、その相手 は「社長」ですね?つまり、「言いました」は、私が目上の人に対して行った行為なので、「言いました」を謙譲語にします。

・「言う」の謙譲語:「申し上げる」
・「申し上げる」の過去形:「申し上げた」
・「申し上げた」の丁寧な表現:「申し上げました」

「おっしゃいました」も「申し上げました」も「言いました」とはまったく違う言葉ですよね!それぞれ覚えなければなりません。難しいですよね〜。

外国人がよくやる敬語の間違い

私たち外国人がよくやってしまう敬語の間違いについて紹介します。次の受け答えはどこがおかしいでしょうか? 一緒に考えてくださいね。

【間違い探し】

相手:あなたの弟さんはどこに住んでいますか?
私:私の弟さんは名古屋に住んでいます。

(正解)私のは名古屋に住んでいます。

(説明)相手は私や私の弟に敬意を表して「弟さん」と言います。しかし、私は自分の身内に「さん」をつけてはいけません。これは外国人がよくやる日本語の間違いの中でも最も多い間違いの一つです。

【間違い探し】

取引先の人が、私が働いている会社にやって来て、このように聞きました。

相手:こんにちは。社長さんはいらっしゃいますか?
私:いらっしゃいません。あいにく、社長さんは外出しておられます。

(正解)おりません。あいにく、社長外出しております

(説明)「外出しておられます」は「外出しています」の尊敬語です。自分より目上である社長が主語なので、その行為を尊敬語で表現するという考えはわかります。しかし、外部の人に答える場合は違います。外部の人は身内より上に置かなければなりません。このため、外部の人に説明する際に、身内である社長の行為に尊敬語を使うのは不適切です。また、身内である社長に「さん」を付けるのも間違いです。

【間違い探し】

私が働いている店にお客さんが来られ、「店長さんはいますか?」とお尋(たず)ねになりました。私は彼女をいすに座らせ、店長に知らせに行きました。

私:お客様が参りました。(お客様は)あちらでお待ちしています。

(正解)お客様がいらっしゃいました。(お客様は)あちらでお待ちになっています

(説明)「来ました」の主語は「お客様」なので、「来ました」をを尊敬語の「いらっしゃいました」に変えます。「参りました」は「来ました」の謙譲語です。謙譲語は、主語が自分か身内の場合にしか使いません。お客さんの行為を謙譲語で表現すると、失礼になってしまいます。

【間違い探し】

私は訪問先でケーキをご馳走になりました。そのことを会社に帰って上司に報告しました。

私:私はケーキを召し上がりました。とてもおいしかったです。

(正解)私はケーキをいただきました。とてもおいしかったです。

(説明)ケーキを「食べました」の主語は「私」ですね。私が主語なので、「食べました」を謙譲語の「いただきました」に変えます。「召し上がる」は「食べる」の尊敬語なので、自分には使いません。

【間違い探し】

取引相手:私がお渡しした資料の動画をご覧になりましたか?
私:はい、いただいた資料の動画をご覧になりました。

(正解)はい、いただいた資料の動画を拝見しました

(説明)「見ました」の主語は私なので、「見ました」の謙譲語「拝見しました」を使いましょう。「ご覧になりました」は「見ました」の尊敬語なので、自分が主語の場合は使いません。

敬語を正しく使うための3つのコツ

それでは、敬語のミスを減らすには何に気を付けたらよいでしょうか? 敬語を上手に使うための3つのコツを紹介します。

①つねに主語を意識する

敬語を間違える最大の原因は文の主語をきちんと認識できていないことです。「その行為をするのはだれ?」と考えれば、主語が分かります。主語を確認した上で、次の原則に当てはめると、敬語の間違いが激減します。

・主語が相手や他人(主に目上の人)のとき→尊敬語
・主語が自分や身内のとき→謙譲語

②よく使う敬語を覚える

よく使う敬語を繰り返し覚えることも大事です。そして、職場などで周りの人が使う敬語を意識して聞いてみると、覚えた敬語の使い方がより一層理解できます。

尊敬語 謙譲語
直接、相手を立てる言葉 自分がへりくだることで、相手を立てる言葉
主語 主に目上の人 自分、自分の身内(家族、同僚など)
する なさる、される いたす、させていただく
言う おっしゃる、言われる 申す、申し上げる
行く 行かれる うかがう、参る
来る いらっしゃる、来られる、お越しになる 参る、うかがう
食べる 召し上がる、お食べになる いただく
見る ご覧になる 拝見する
読む お読みになる 拝読する
聞く お聞きになる 拝聴する、うかがう
会う お会いになる、会われる お目にかかる
帰る お帰りになる、帰られる おいとまする
会社 貴社、御社(おんしゃ) 弊社(へいしゃ)

③グーグル検索の「技」

Google検索で正しい敬語を調べる方法もあります。例えば、「ご時間をいただきますでしょうか」という言い方が正しいかどうか確認したいとします。その場合、引用符 ” ” をつけて ”お時間をいただきますでしょうか” とGoogleで検索してみます。

すると、「もしかして」という前置きと一緒に ”お時間をいただけますでしょうか” という表現が表示されます。通常、これが正しい表現です。

まとめ

その行為を行う人はだれか(主語はだれか)を考え、目上の人が主語の場合は尊敬語、自分や自分の身内が主語の場合は謙譲語を使うのが敬語の原則です。

ただし、敬語を使うときに一番大切なのは「相手を敬う気持ちが伝わるかどうか」です。例えば、「お召し上がりになってください」や「お伺いいたします」と言った表現は「二重敬語」と呼ばれ、正しい敬語ではありません。しかし、正しい敬語の「召し上がってください」や「伺います」を使うよりも相手を敬う気持ちが伝わるので、こうした二重敬語は日本人の多くにも使われています。

また、適切な敬語がとっさに浮かばないときは、無理に敬語を使わず、いつもの「〜です」「〜ます」を使っても構いません。円滑なコミュニケーションを優先し、後で調べて少しずつ正しい敬語を覚えていけばよいのです。

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