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★基本情報=日本の季節イベント

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2021年04月01日

日本の季節イベント

日本にやって来た皆さん、日本の1年間の大きな行事をお知らせします。日本では四季の移り変わりがあり、季節と結びついた行事がたくさんあります。これを読めば、季節の行事の意味や日本人の大事な生活文化が分かります。

春のイベント

日本の春の風物詩はなんと言っても桜。地球温暖化の影響で桜の開花が毎年少しずつ早くなっていますが、春の日差しや暖かさと桜の花がかもし出す明るい雰囲気の中、多くの日本人が新たな出発を誓う季節です。4月には、日本の会社や学校の新年が始まります。それでは、日本の春のイベントを紹介していきましょう。

3月3日:ひな祭り

ひな祭りは女の子の幸せと健やかな成長を願う行事です。ひな人形という人形を飾ったり、ちらし寿司やひなあられ(お菓子)を食べたりして家庭でお祝いをします。

3月14日:ホワイトデー

ホワイトデーは、バレンタインデーにチョコレートなどをもらった男性がお返しをする日です。お菓子でお返しをする場合、キャンディーは「あなたが好き」、クッキーは「あなたは友達」、マシュマロやグミは「嫌い」を意味するとされていますが、それほど知られていません。バレンタインデーに恋人や好きな女性から贈り物をもらった男性は、女性から高価なお返しを期待されるケースもあります。お返しはお菓子でなくても大丈夫です。

3月:卒業式

3月は学校の卒業シーズンです。入学試験は1~3月が中心で、卒業式は多くの場合、入試が終わった後の3月中に行われます。

3月下旬~4月上旬:花見

花見は桜の花を眺めることです。地方によって咲く時期に違いがありますが、この時期に日本各地で桜が咲き乱れます。歩きながら眺める人もいれば、桜の木の下にビニルシートなどを敷いて、お弁当やお酒を楽しむグループもあります。

4月1日:エイプリルフール

うそをついてもいいとされている日です。家族や友だち同士で冗談半分のうそを言い合います。企業が顧客を楽しませるためにSNSなどでうそや冗談を流すこともあります。例えば、実在しない新製品の発売情報を流したり、この日だけ遊び心でオンラインゲームの画面の文字を手書き文字にしたりします。

4月1日:新年度

日本の行政や企業、学校の「事業年度」や「学校年度」は4月に始まります。入社式や入学式は4月上旬に行われ、児童や生徒にとっては新しい学年が始まります。

4月29日~5月5日:ゴールデンウィーク

4月末から5月初旬にかけての休日や祝日が多い期間をゴールデンウィーク(GW)と呼びます。行楽に出かける人も多いので、電車や飛行機、ホテルは満席・満室で、高速道路も渋滞します。ホテルや航空券の料金も高くなります。遠出を避けて近くのイベントに参加する楽しみ方もあります。

※4月29日(昭和の日)、5月3日(憲法記念日)、5月4日(みどりの日)、5月5日(こどもの日)の4日間が祝日で、ここに土日が加わって大型連休になります。日本の中で離れて留学や技能実習をしているベトナム人の友だち同士がこの期間に一緒に旅行したり、互いを訪ねたりすることもよくあります。

5月5日:子どもの日(祝日)

3月3日のひな祭りは女の子のためのイベントで、5月5日は男の子の幸運を祈る日です。男の子の健やかな成長と将来の出世を願って「鯉(こい)のぼり」=写真=という吹き流しを庭などに掲げる風習があります。ただし、最近では家庭で掲げる鯉のぼりは減り、地域などで大きな鯉のぼりを設置する例も増えています。

5月前半(第2日曜日):母の日

日本での母の日は5月の第2日曜日。お母さんへの感謝を込めてカーネーションや贈り物を渡します。

夏のイベント

ベトナムの夏も暑いですが、日本の夏も湿気が多く蒸し暑い日が続きます。この季節には夏休みがありますが、ベトナムの学校の夏休みより短いです。また、社会人の夏休みは1週間前後か、少ない人は4、5日間(お盆休み)だけで、欧米のようなロングバケーションではありません。1週間前後の日程で海外に出かける人も多くいます。

6月1日:夏の衣替え

日本では、多くの地方で6月1日から一斉に夏服に切り替わり、冬の衣替え(10月1日)まで薄手のスーツや半袖になります。また、最近では冷房に要するエネルギーを節約するために「クールビズ」という薄着の習慣が広まり、スーツの上着やネクタイなしでも仕事相手に失礼と思われないようになってきています。クールビズの期間は会社ごとに決められ、衣替えの期間より長く設定されることがあります。

6月(第3日曜日):父の日

父に感謝する日ですが、日本では母の日に比べると印象が薄いです。

6月~7月:梅雨(つゆ)

日本では、6月から7月にかけて雨がよく降ります。「梅雨前線」という前線の影響で、その長さは毎年少しずつ違います。梅雨前線の勢力が弱くなって梅雨が終わると、気象庁が「梅雨明け」を発表し、大きなニュースになります。梅雨の季節にはアジサイ=写真=が美しく咲きます。

6月21日ごろ:夏至(げし)

1年で最も昼間の長い日です。この日を境に昼間の時間が少しずつ短くなっていき、12月の冬至の日に最も短くなります。日本では夏と冬とで昼間の長さがずいぶん違います。

7月7日:七夕(たなばた)

短冊(たんざく)という細長い紙に願いごとを書いて笹に結びつけ、願いがかなうように祈ります。各地で七夕にちなんだ祭りも行われ、特に仙台市の七夕祭りが有名です。織姫と彦星の2人が神様によって引き離され、年に一度の七夕の日だけ天の川を渡って会えると言われています。

7月~8月:花火大会

日本各地で花火大会が行われます。花火大会の会場には、屋台の店も出ます。明るいうちに出かけて場所を確保し、日が沈んだら夜空に広がる大きな花火を眺めて楽しみます。浴衣姿で花火を見物する女性も多く、日本の夏の最大の風物詩です。ベトナム人留学生や技能実習生の先輩たちにも、レンタル浴衣を借りたり安い浴衣を買ったりして日本の夏を楽しんでいる人たちがいます。

8月中旬:お盆休み

お盆は、亡くなった先祖があの世から帰ってくるのを迎える行事で、8月13日~16日の4日間です。この期間に実家に帰省したりレジャーに出かけたりする人がたくさんいます。8月11日の「山の日」(祝日)や前後の土日、有給休暇を加えて5日間を超える大型連休になることも多く、GWや年末年始と並ぶ「民族大移動」の時期になります。交通機関が混雑し、ホテルや飛行機の料金も高くなります。

日本企業の夏休みはお盆を中心とする5~8日程度が一般的ですが、中にはお盆を避けて交代で休みを取れる企業もあります。小中学校の夏休みは7月下旬~8月末の約40日間が一般的で、高校・大学にも長い夏期休暇があります。夏休みを利用して海外旅行に出かける人もたくさんいます。

日本の季節イベント

秋のイベント

暑い夏が過ぎ、寒い冬がやって来るまでの間に過ごしやすい季節「秋」があります。10、11月は特に過ごしやすいので、多くの学校の運動会や遠足もこの時期に行われます。

9月~10月中旬:十五夜

日本の秋は暑くも寒くもなく、空も澄んでいるので、月や星を眺めるのに適しています。十五夜の日は毎年変わりますが、この日は満月を眺めながら、作物の豊作を祈ります。ススキを飾り、団子を食べながら月を眺めます。

10月1日:衣替え

秋の衣替えです。服装が半袖から長袖に一斉に切り替わり、スーツも薄手から厚手に替わります。

10月31日:ハロウィン

欧米から伝わった、秋の収穫を祝い悪霊を追い払う行事ですが、日本でも仮装がメインになっています。東京の渋谷など若者の多い街で仮装をした人たちが行き交います。留学生向けの日本の日本語学校や専門学校でもハロウィンの行事をするケースが増えています=写真。

11月15日:七五三(しちごさん)

子供の成長を祝うために、女の子は3歳と7歳、男の子は5歳の年に晴れ着(着物など)で神社に参拝します。家族と一緒に記念撮影もします。神社でお祓(はら)いをしてもらった子どもたちは千歳飴(ちとせあめ)という細長い飴を受け取ります。

11月~12月:紅葉見物

日本の山や公園の木々は秋になると赤や黄色に色づきます。これを「紅葉(こうよう)」と言います。紅葉の名所には、春の花見と同じように大勢の人が押し寄せます。写真は京都の嵐山(あらしやま)です。北海道や東北地方などでは東京や大阪・京都より早い時期に紅葉が始まります。

冬のイベント

短い秋が終わると長い冬が待っています。12~3月は寒い季節で、北海道や東北地方では寒い期間が他地域よりも長く続きます。夜になるのも早く、仕事が終わるころには外は真っ暗です。一方、クリスマスシーズンの町のきらびやかな装飾や、年末年始の繁華街のにぎわいも印象深い季節です。家庭や居酒屋では鍋料理が食卓に並ぶことも増え、週末に温泉旅行を楽しむ人も多くなります。

12月21日か22日:冬至(とうじ)

1年で昼が一番短い日です。この日を境に昼の時間がだんだん長くなり、3月の春分の日に昼夜の時間がほぼ同じになります。冬至の日には、健康を願って、かぼちゃを食べてゆず湯に入る風習があります。ゆず湯とは、ゆずを浮かべた風呂で、ゆずの効果で血行がよくなると言われています。

12月24~25日:クリスマス・イヴ、クリスマス

12月の前半から日本の町にはあちらこちらに電飾などが施され、クリスマスモードになります。日本の小さな子どもたちは12月24日の夜にサンタが枕元にプレゼントを届けてくれると教えられています。そして、25日にはケーキやチキンを食べます。日本ではクリスマスもイヴも祝日ではありませんが、夜に恋人とデートしたり仲間とパーティーをしたりします。恋人たちにとってクリスマスは1年で最大のイベントです。

12月31日:大みそか

1年の最後の日を「大晦日(おおみそか)」と呼びます。多くの人が夕方から長時間放送されるNHKの年末歌番組「紅白歌合戦」を観賞します。また、大晦日の夜には、そばの麺のように長生きするようにと願ってそばを食べます。このそばを「年越しそば」と言います。そして、夜の12時(新年)になると、各地の寺で鐘をつきます。鐘は108回鳴らします。この鐘のことを「除夜の鐘」と言います。

1月1日:元日(祝日)

ベトナムでは1月~2月のテトが年始になりますが、日本では1月1日が年始です。元日には神社や寺に初詣(はつもうで)に出かける人も多く、多くの家庭で「おせち料理」=写真=という伝統料理を食べます。家の中に鏡もちというお餅を飾る家もあります。ちなみに、ベトナムのテトの日は、日本では特にイベントはありません。

1月中旬(第2月曜日):成人の日(祝日)

日本各地の市民会館などで成人式の式典が行われます。その年度(前年4月~その年の3月)に20歳になる学年の人たちが参加します。男性の多くはスーツ、女性の多くは着物(振りそで)を着て参加し、式典の後は、学校の同窓会などが行われます。最近では、多くの場合、着物はレンタルです。

2月3日:節分

日本ではかつて、感染症や災害は鬼の仕業とされてきました。鬼の邪気を追い払うために「鬼は外、福は内」と言いながら乾いた大豆を室内でまきます。これを「豆まき」と言います。また、巻き寿司を丸かぶりすると縁起(えんぎ)が良いとされます。この巻き寿司を「恵方(えほう)巻き」と言います。お寺や神社では節分祭りが行われます。

2月14日:バレンタインデー

日本では、菓子メーカーのキャンペーンの影響でバレンタインデーに女性から男性にチョコレートを贈る習慣が1970年代に定着しました。近年では、女性が友だちや同僚、上司の男性にお付き合いで贈る「義理チョコ」も一般化しています。安いチョコでいいので、職場などで義理チョコを渡すと喜ばれます。

日本の1年間の祝日

最後に日本の祝日について説明します。

1月1日 元日
1年の始まりで、家族や親せきが集まって新年を祝うことが多いです。ちなみに、日本ではテト(旧正月)には何もしません。
1月・第2月曜 成人の日
成人した人を祝う日です。以前は1月15日でしたが、祝日をなるべく月曜にして3連休を増やそうというハッピーマンデー制度によって2000年から1月の第2月曜になりました。
2月11日 建国記念の日
日本では、神話に出てくる初代天皇の即位日を建国の日としています。
2月23日 天皇誕生日
天皇の誕生日です。
3月19~22日 春分の日
年によって日付が異なります。自然や生き物を大事に思う日です。
4月29日 昭和の日
昭和の時代の天皇誕生日です。戦後の復興や高度経済成長を遂げた昭和の時代を振り返り、国の将来の繁栄を願う日です。
5月3日 憲法記念日
1947年のこの日に日本国憲法が施行されました。
5月4日 みどりの日
自然に親しみ、自然の恵みに感謝する日です。
5月5日 こどもの日
こども(特に男の子)の健やかな成長と将来の活躍を祈る日です。
7月・第3月曜 海の日
海の恵みに感謝し、海洋国家日本の繁栄を願う日です。
8月11日 山の日
山に親しみ、山の恵みに感謝する日です。
9月・第3月曜 敬老の日
お年寄りを敬愛し、長寿を祝う日です。
9月22~24日 秋分の日
年によって日付が異なります。先祖を敬い、亡くなった人々をしのびます。お墓参りをする人も多くいます。
10月・第2月曜 スポーツの日
スポーツに親しみ、健康な心身を育む日です。2019年までは「体育の日」と呼ばれていました。1964年10月10日に東京オリンピックの開会式が行われたのを記念して制定されましたが、2000年からはハッピーマンデー制度で10月の第2月曜になりました。この日がオリンピックの開会式に選ばれたのは、統計上、晴れる確率が高かったからだそうです。
11月3日 文化の日
1946年に日本国憲法が公布(発表)された日で、日本国憲法が平和と文化を重視していることから、この日が「文化の日」に定められました。
11月23日 勤労感謝の日
働くことの尊さを振り返り、お互いに感謝し合う日です。