文化

ベトナムの常識・日本の非常識_30:新型コロナ以前から多くの日本人がマスクをする二つの季節とは?

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2022年07月04日

日本では、新型コロナの感染が拡大するずっと前から、ある季節に多くの人がマスクを着用する習慣があります。「マスクの人」が町にあふれる季節は毎年2回。それはどのような季節で、どのような理由によるのでしょうか? このほか、日本で「どこに住んでいますか?」と聞かれたときの独特の答え方についても紹介します。(Thach Long)

日本人がマスクをする理由

私が初めて日本に来た2014年は、新型コロナウイルスの存在を世界のだれも知りませんでした。しかし、夜9時ごろに東京の新宿駅から宿泊先近くまで電車に乗ると、マスクを着けている日本人が何人もいてびっくりしました。

この日に限らず、日本では、電車のように閉ざされた空間でマスクをしている人が非常に多く、私は疑問には思いましたが、それ以上追求しませんでした。そして、2016年に2度目に来日したときにも同じ光景を見かけました。大阪や東京の駅や電車内で、とても多くの人が白いマスクで顔を覆っていたのです。

私はその日、日本に13年間住んでいた友人の家に泊めてもらいました。マスクについて聞いたところ、日本人の多くがマスクを着用する時期が年に2回あるという説明でした。それは次の二つです。

・インフルエンザが流行する季節(冬)
・杉などの花粉が空気中に浮遊する季節(主に2月~4月)

多くの日本人はまわりの人からインフルエンザや風邪(かぜ)をうつされないようにマスクをします。それは、自分がインフルエンザなどにかかっている場合に、他人にうつさないための配慮(責任)でもあります。また、花粉のシーズンにマスクを着用するのは花粉アレルギー(花粉症)を防ぐためです。

ベトナムでは感染防止を理由にマスクを着ける習慣はほとんどありませんし、花粉症もありません。

ベトナムでは、バイクに乗るときに汚染された空気を直接吸わないようにするのと、強い日差しから顔を守ることが、マスクを着ける場合の目的でした。しかし、感染症予防のためにマスクを着用する人はほとんどいませんでした。

新型コロナの感染拡大後は、ベトナム人も義務としてマスクを着用していますが、習慣として定着したわけではありません。だれもが警察から罰金を科されることを避けるためにマスクを着けているだけで、バイクから降りたらすぐにマスクを外し、平常の生活に戻ります。せきがある場合でも同じです。

日本に来たときは、熱や頭痛、せきなどの症状がある場合、マスクを着けることが社会的責任であることを忘れないでください。

「どこに住んでいるの?」という質問の意味

ベトナムの町

あなたはハノイに住んでいるとします。気の合う友人と出会い、親しくなったら、互いにどこに住んでいるのかを聞きますね? たいていの場合、「あなたはどの通りに住んでいますか?」と尋ねます。そして、ホーチミンで同じ状況になった場合は、「あなたはどの地区に住んでいますか?」と尋ねます。

それでは、日本人が相手の住むエリアを聞く場合はどのように質問するのでしょうか? 日本人はたいてい「あなたはどこに住んでいますか?」と尋ねます。ただし、地域によってこの質問の意味が異なります。鉄道の発達した大都会で「あなたはどこに住んでいますか?」と聞けば、それは「あなたはどの駅の近くに住んでいますか?」という意味になります。

日本の都会の駅

日本の住所表記には町の名前を用い、通りの名称は使いません。しかし、都会の町の名前は多過ぎるので、地元の人にしか分かりません。そこで、「どこに住んでいるのですか?」と聞かれた場合、都会の日本人の多くは「八王子駅の近くに住んでいます」とか「八王子です」というように最寄り駅の名前を答えます。

ただし、大都会には駅が非常に多いので、あまり有名でない駅の近くに住んでいる場合は、その駅の近くにある有名な別の駅の名前を答えることもあります。

日本の地図は通りの名前ではなく主に町名(赤い囲み)を掲載

また、ベトナムである場所までの行き方を聞かれた場合、例えば「この道路を3、4 km進み、交差点で右折します……」というふうに答えます。一方、日本では電車やバスなどを使った所要時間などを答えることがよくあります。例えば、「その場所はここからJRと地下鉄で40分ぐらい所です。○○駅からJRに乗って▲▲駅で降り、そこで地下鉄に乗り換えて3、4駅です」というふうに答えます。

ただし、地方都市で「あなたはどこに住んでいますか?」と聞かれた場合は、町名を答えることが多く、大都会とは異なります。鉄道の駅が都会に比べるとずっと少ないからです。ある場所への行き方を聞かれた場合も、ベトナムと同じような答え方になります。

1人で食事する

立ち食いのそば・うどん店

1人で外食をする人が多い日本では、1人客を意識した飲食店が多く見られます。典型例はカウンターとテーブルに分かれている店で、原則として、カウンター席は1人か2人の客に、テーブル席は2人以上の客に割り当てられます。

牛丼やラーメンなどの店では、カウンター席だけの店もたくさんあります。東京などの大都市では、いすがなく、立ったまま飲食する「立ち食いの飲食店」や「立ち飲みの居酒屋」もあり、大勢の客でにぎわっています。このような店には、1人でも気軽に入れます。

一方、ハノイでは、1人で食事をする人を見かけることはまれです。1人客がいても、珍しがってじろじろ見られたり不審に思われたりするわけではありませんが、昔ながらのハノイの飲食店には、1人客が気軽に入れるように配慮された席はありません。