文化

ベトナムの常識・日本の非常識_32:「今からお茶飲まない?」に日本人は急には対応できません

220820-Hue (29)
2022年09月28日

日本の友人に「今からお茶飲まない?」と突然電話すると、相手は困ってしまいます。計画が狂うことを嫌がる国民性があるためですが、それ以上に大きな理由は、働く日本人の多くは朝から晩まで仕事の予定が詰まっていてノルマも多く、急に1、2時間も時間を空けることが難しいからです。「仕事中の時間」に関する日本人の事情について紹介します。

いきなりのお誘い

いい天気の日。あなたは通りを眺めながらカフェでコーヒーを飲んでいるとします。ベトナムではこんなとき、友人に気軽に電話をかけて誘います。でも、日本では、このような「いきなりのお誘い」は相手を困惑させる可能性が高いのです。

日本人とベトナム人のこの違いは、私自身も経験で実感しました。私はかつて福岡市に住み、今は京都市に住んでいます。2022年8月、夏休みを利用して友人たちに会うために福岡に行きました。福岡の友人たちには、旅行に行くことは伝えていましたが、日程が決まっていませんでした。

福岡市

休みが取れた日、京都から夜行バスで11時間かけて福岡に行きました。朝8時にホテルに到着し、荷物を預けて顔を洗い、お昼には名物のラーメンを食べました。そして午後、3時間ほど時間が空いたので、2年ぶりに日本人の友人に電話してカフェに誘いました。

しかし、残念ながら2人のカフェの時間は実現しませんでした。友人は「カフェに付き合って」と突然言われて戸惑っているようでした。しかし、久しぶりだっただけに、彼は私の誘いに応じられないことをとても残念がっており、「せめて2、3日前に言ってよ」と言っていました。

ベトナムのカフェ

ベトナムでは、友人が「ちょっと寄っていい?」と電話をかけて訪ねてきて、お茶を飲んでおしゃべりして帰っていくのことはごく普通のことです。仕事中でも、コーヒーに誘えば、仕事を中断して時間を作ってくれることもよくあります。

しかし、勤務中の日本人が突然の誘いに応じるのは難しいようです。このことについて、別の日本人が説明してくれました。

日本では勤務時間中、特別な用事がなければオフィスの外に長く出られない人がたくさんいます。また、ときどき外に出かける仕事スタイルの人でも、多くの人は毎日朝から晩まで予定が詰まっていたり、その日のうちに仕上げなければならない仕事がたくさんあったりします。このため、急にプライベートなお誘いがあっても、時間をやりくりするのが難しいのだそうです。

毎日予定がびっしの日本人が多い

日本人には、個人差はありますが、計画通りに進まないことを嫌う国民性もあります。私は今回の件はこの国民性によるものだとばかり思っていましたが、それだけではないようです。

勤務時間中の日本人は長時間外に出られないか、外に出られる人でも予定やノルマが毎日たくさんあるので、突然の誘いには対応しにくいのです。日本人と友だちになるにあたっては、このような事情を理解しなければならないようです。

なぜ、日本でベトナム米のPR?

ベトナム米の食事

2022年7月、東京でベトナム米を紹介するイベントがありました。ほぼ国産米しか食べない日本人に向けてベトナム米を宣伝することで話題になりました。

日本米はふっくら柔らかくて粘(ねば)りがありますが、ベトナム米は細長くて粘りが少ないのが特徴です。お寿司には日本米が適していて、ベトナム米では握れないそうです。最近は、ベトナムでも和食が人気で、日本米を好むベトナム人も増えているので、ベトナムで日本米のイベントがあるなら分かりますが、なぜ日本でベトナム米の販売に力を入れるのでしょうか?

ベトナム米を使った料理

2023年はベトナムと日本の外交関係樹立50周年です。両政府や民間はこれを機に友好関係を強化し、交易を増やそうとしています。このような動きの中、日本人の興味深い習慣を狙ってベトナム米を売ろうということのようですが、その習慣とは何でしょうか?

日本人は食生活を大事にします。「今日はベトナム料理を作ろう」という日は、街に出かけてベトナム食材を買い、よりベトナムらしさを出すためにお米もベトナム米を求める傾向があります。「本場の味」が好きな人が多いのです。イベントの主催者は、日本人のこういう傾向の中にベトナム米の販路拡大の可能性があると読んだようです。

逆に、ベトナムでだれかが寿司を作るとします。おそらく多くの人は家にある米を使って巻き寿司を作るに違いありません。ベトナム人と違って日本人は本物にこだわる人が多いのいで、そこに商機があるのかもしれませんね。

学校主催の旅行では携帯電話を持って行けない

あなたに小中学生の子どもがいるとします。その子の学校主催で 2 泊 3 日の旅行があると、あなたは子どもが持って行くものを用意しますね。そのとき、子どものかばんに携帯電話を入れることも忘れないと思います。

しかし、日本の小中学校では、子どもが学校に携帯電話を持ってくることを禁止している学校がほとんどです。日本の学校では規則が厳しく、遠足や旅行も授業の一環として実施されるので、修学旅行などにも携帯電話を持っていけません。また、持っていける小遣いの金額も制限されています。

日本では小中学校主催の旅行は「授業」なので、子どもに携帯電話を持たせないのが常識なのです。あくまで「勉強」なのですね。なかなか興味深い日本の常識です。

修学旅行の児童たち(栃木県の日光東照宮)

子どもに携帯電話を持たずに旅行に行かせるのは、ベトナム人の親であれば心配なことです。でも、日本の学校はベトナムより子どもの管理がしっかりしていて、子どもと連絡が取れない間は、先生が責任を持って預かってくれます。旅行などでは、学校が子どもの写真を撮影する人を手配し、保護者が登録した電子メールに送信するような仕組みも確立されています。だから、学校に任せれば、十分に安心なのです。

また、子どもが旅行に携帯電話を持っていくと、クラスメートと話すより携帯を見つめている時間の方が長くなってしまいますよね。

一方、日本人のママによると、日本でも高校生となると、学校に携帯電話を持って行ってもよい学校も多いそうです。また、携帯電話持ち込み禁止の高校でも、生徒がこっそり持って行くケースはたくさんあるそうです。