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【相談】技能実習の1年目、寮に突然やって来た
2022年04月14日

日本に住む20歳以上の人は、日本人も外国人も国民年金(留学生など)か厚生年金保険(会社員など)に入り、毎月、年金保険料を納めなければなりません。留学生の場合、役所に申請すれば、年金保険料の納付を卒業まで免除されます。しかし、申請をせずに保険料を納付しなければ「滞納」となり、日本で就職した場合、滞納した保険料をまとめて請求されます。その額はどれくらいなのか、支払わなければどうなるか、卒業まで納付を免除してもらうにはどのようにしたらよいか、わかりやすく解説します。

カテゴリー年金

「留学生は年金を払わなくてもよい」は間違い!

日本で留学する場合、20歳になったときから国民年金に加入し、年金保険料を毎月支払わなければなりません。国民年金の保険料は毎月16,590円(2022年度)です。留学生の場合は役所(年金事務所)に申請をすれば、納付が免除されますが、申請せずに納付を怠ると「滞納」となり、卒業後にまとめて請求されます。

10,000円=約1,825,000 VND(2022年4月13日現在)

例えば、20歳になってから卒業するまでの留学期間が3年8カ月だった人が卒業後も就職や結婚などで日本に残る場合、卒業後に3年8カ月分の年金保険料をまとめて請求されます。2022年度の年金保険料で計算すると、3年8カ月分は729,960円です。

日本の年金制度

日本の公的な年金制度には「厚生年金保険」と「国民年金」があります。技術・人文知識・国際業務の人や特定技能外国人、技能実習生については、通常、勤務先の会社などが「厚生年金保険」への加入手続きを行い、毎月の給与から年金保険料が自動的に差し引かれます。

留学生の場合は自分で国民年金に加入し、自分で保険料を納付します。国民年金の2022年度の保険料は毎月16,590円です。加入方法と納付免除の方法については、この後で説明します。

external link 国民年金制度の仕組み(ベトナム語)

年金加入によるメリット

年金保険に加入すると、次のような場合にお金を受け取れます。

・老齢年金:10年以上保険金を納めた人は、65歳になれば、年金を毎年受け取れます。

・障害年金:病気やけがで障害を負った場合に支給されます。年齢は関係ありません。

・遺族年金:本人が亡くなった場合、配偶者か子どもに支給されます。

ただし、日本に永住しない外国人にとっては「老齢年金」はメリットになりません。そこで、母国に帰国した後に、それまでに納付した年金保険料の一部を返してもらえる制度があります。

external link 年金保険料を返してもらうには

国民年金の加入方法

それでは、留学生が国民年金に加入するにはどうしたらよいでしょうか?

「厚生年金保険」は会社などが加入手続きを行いますが、「国民年金」は自分で加入し、自分で保険料を納めます。国民年金への加入の仕方は次の通りです。

・20歳以上で日本に入国→市区町村で住民登録をした後、その役所や近くの年金事務所で加入手続きをします。

・19歳以下で入国→20歳の誕生日から約2週間以内に、自宅に「基礎年金番号通知書」や保険料納付書などが届きます。留学生の場合は、そのときに一緒に送られてくる書類で「学生納付特例制度」の適用を申請すると、卒業まで年金保険料の納付を免除されます。

*20歳になっても書類が届かない場合は、市区町村の役場か近くの年金事務所で手続きが必要です。

*日本で就職するときに必要なので「基礎年金番号通知書」は大事に保管してください。

external link 国民年金加入の案内(ベトナム語)

学生納付特例制度

留学生の場合、卒業まで保険料を納めなくてもよい「学生納付特例制度」があります。この制度の適用を申請すれば、通常、年金保険料の納付を免除されます。しかし、申請せずに保険料を納めないと、単なる「滞納」となり、卒業後にまとめて請求されます。

学生納付特例制度は、学校を卒業してからも事後的に申請できますが、申請したときから2年1カ月前からしか適用されません。それより以前の滞納分については、納付しなければなりません。仮に4年間滞納して2年分を事後申請で免除されたとしても、残り2年分の納付義務が残ります。

external link 学生納付特例制度|日本年金機構

滞納した保険料を納めないとどうなる?

国民年金の「学生納付特例制度」を申請せず、卒業後に年金保険料の滞納分をまとめて請求された場合、納付に応じないと、次のような重大な不利益を受ける可能性があります。

在留期間を更新できない。

財産(貯金や給料など)を差し押さえられる。

永住権を取得できない。

・自分が亡くなったときに遺族に支給される年金や障害を負った際に支給される年金を受け取れない。

この中で「永住権」については、永住権を認めてもらうには、税金や年金保険料などの納付実績が重視されます。永住権を申請する直前に過去の未納分をまとめて払っても、滞納が長く続いたという記録は消えないので、永住権取得が難しくなる可能性があります。

external link 健康保険と年金

支払いに困った場合は?

年金事務所(赤い看板が目印)

滞納分をまとめて請求されて困った場合は、納付方法などについて、勤務先の会社や近くの年金事務所に相談しましょう。

・「学生納付特例制度」は後から申請して適用してもらうこともできます。ただし、申請時点から2年1カ月前の分までにしか適用されません。

・過去の保険料は分轄で納めることもできます。

external link 全国の年金事務所

まとめと対策

「留学生は年金(保険料)を納めなくてもよい」といううわさは間違いです。留学生が年金保険料を納めなくてもよいのは、学生納付特例制度の適用を申請して認められたときに限ります。これをせずに保険料を納めないと「滞納」となり、卒業後にまとめて請求されます。

その請求に応じないと、在留資格更新の審査に影響したり、財産を差し押さえられたりします。20歳を過ぎたら年金事務所から通知が届きますので、「学生納付特例制度」の適用を必ず申請しましょう。また、通知書類の中に含まれる「基礎年金番号通知書」は大事に保管してください。

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