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日本で病気やけがをしたら? 外国人労働者の医療保険

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2026年09月30日

By KOKORO(毎日新聞社主催、在ベトナム日本国大使館など後援)

日本には、病気やけがをした人が安心して診察や治療を受けられるよう、公的な医療保険制度があります。日本で生活する外国人も対象で、国籍や年齢に関係なく、原則としていずれかの公的医療保険に加入します。

この記事では、技能実習生、育成就労外国人、特定技能外国人を中心に、どのような医療保険に加入するのか、医療機関で診察や治療を受けたときにいくら支払うのか、民間の保険でどのような補償を受けられる場合があるのかなどについて説明します。

1.日本の公的医療保険とは

健康保険と国民健康保険

日本の公的な医療保険には、主に「健康保険」と「国民健康保険」があります。大きく分けて会社などで働く人が健康保険、それ以外の人が国民健康保険に加入します。

会社の健康保険に加入している場合、保険料は多くの場合、会社と従業員が半分ずつ負担します。

公的医療保険に加入していれば、病気やけがをしたときに、医療費のすべてを自分で負担する必要はありません。

外国人労働者はどの医療保険に入る?

技能実習生は、実習が始まると通常、勤務先の健康保険に加入します。入国後講習中など、勤務先の健康保険に加入する前の期間は、国民健康保険に加入する場合があります。

育成就労外国人(2027年4月開始)や特定技能外国人も、日本人従業員と同じように、原則として勤務先の健康保険に加入します。

外国人も特別な医療保険に入るのではなく、日本人と同じ公的医療保険制度の対象になるのです。

2.医療費の自己負担は原則30%

医療機関では、まず保険証を提示しましょう。

日本の医療機関(クリニックや病院)で受診したとき、健康保険を使うと、本人負担の額(自分で払う費用)は通常、医療費全体の30%だけです。

例)
病院での医療費が12,000円だった場合、健康保険を使えば、本人負担は3,600円だけになります。残りの8,400円は健康保険が負担します。

医療機関に行くときは、マイナ保険証(または資格確認書)を持って行き、最初に受付で提示します。

健康保険が使えないケース

かぜ、発熱、腹痛、骨折、虫歯、入院、手術など、ほとんどの診察・治療で健康保険が使えます。しかし、健康保険が使えない例外もあります。

例えば、美容整形や健康診断、正常な妊娠・出産などでは、原則として健康保険が使えません。正常な妊娠・出産は病気ではないからです。ただし、妊娠・出産に対しては、出産育児一時金など別の公的な支援制度があります。

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また、仕事中や通勤中のけがなどには、健康保険ではなく、原則として「労災保険」を使います。これについては、この記事の最後で説明します。

3.民間の医療保険・補償制度


技能実習生総合保険

多くの技能実習生は健康保険(公的な保険)以外に「技能実習生総合保険」という民間の保険にも加入しています。これについては、勤務先の会社などが費用を全額払って実習生たちを加入させるケースが大半です。

技能実習生が病気や仕事以外でのけがで診察・治療を受けた場合、健康保険が医療費の70%を負担し、残り30%を皆さんが支払います。しかし、技能実習生総合保険に入っていると、この自己負担分の全部または一部が後から補償される場合があります。

また、入国後講習中に国民健康保険に加入していない場合、病気やけがの治療には、技能実習生総合保険を利用します。その場合、医療費の全額をこの保険でカバーできる場合があります。

さらに、死亡や後遺障害、他人にけがをさせたり物を壊したりして賠償責任を負った場合などにも、補償を受けられることがあります。

技能実習生総合保険の注意点

技能実習生総合保険では、歯の治療(けがによる治療は別)や来日前からの病気の治療、妊娠・出産、健康診断などは、補償されない場合が多いので注意してください。

また、補償内容は保険会社や契約内容によって異なります。自分がどのような保険に入っているのか、勤務先や監理団体に確認してください。

外国人育成就労総合保険

2027年4月に始まる育成就労制度でも、技能実習生総合保険と同じように、病気やけがなどに備える「外国人育成就労総合保険」がすでに登場しています。

特定技能外国人向けの民間保険

特定技能外国人向けにも技能実習生総合保険と同じような保険があり、特定技能外国人をこの保険に加入させる企業が増えています。受入企業が加入させている場合もあれば、加入していない場合もあります。受入企業が1号特定技能外国人をこのような民間保険に加入させてくれるかどうか、入社前にチェックしてください。

また、こうした保険は1号特定技能外国人を対象としており、2号特定技能外国人は対象外となっています。

4.病気やけがをしたらどうする?

病気になったときや、けがをしたときは、会社や監理団体、監理支援機関、登録支援機関などの担当者に連絡し、医療機関で診察を受けてください。

①:会社へ連絡
②:医療機関に行く
③:マイナ保険証(または資格確認書)を出す
④:診察・治療を受ける
⑤:医療費の30%を支払う
⑥:領収証を保管する
⑦:民間保険で⑤に対する補償を請求できる場合もある(そのときに⑥の領収証が必要)

日本語で自分の症状をうまく説明できない場合は、会社や支援機関の担当者に相談してください。体調が悪いのに、言葉の問題や医療費を心配して受診をがまんしないことが大切です。

5.退職・転職・失踪したら医療保険はどうなる?

勤務先を退職したり転職したりすると、それまで勤務先で加入していた健康保険は、そのまま使い続けられるわけではありません。新しい勤務先の健康保険に加入したり、国民健康保険への切替えなどが必要になったりします。

特定技能外国人は一定の条件のもとで転職できます。また、育成就労制度では、一定の要件を満たせば本人の希望による転籍も認められます。監理支援機関は、転籍を希望する外国人から申出があった場合、関係機関との連絡調整などを行います。 転職・転籍するときは、医療保険の手続も忘れないようにしてください。

技能実習生が失踪し、その後、会社との雇用関係が終了すると、失踪前の勤務先の健康保険を使って診察・治療を受けることはできません。マイナ保険証を医療機関で提示しても、失踪前の勤務先の健康保険は使えません。

技能実習生総合保険についても、失踪すると、受入会社や監理団体などが保険を解約することがあります。その場合、この保険も使えなくなります。

6.仕事中や通勤中のけがなどは労災保険

仕事中や通勤中にけがをした場合などは、原則として健康保険ではなく「労災保険」を使います。

例えば、仕事中に機械で手を切った、高いところから転落した、荷物を持ち上げたときに腰を痛めた、通勤途中に交通事故にあった、といった場合です。

労災保険では、治療費は労災保険から支払われるため、原則として本人の負担はありません。ただし、病院によっては、いったん本人が治療費を支払い、後から労災保険に請求する場合もあります。

仕事中や通勤中にけがをした場合は、労災保険を使うために、できるだけ早く会社に報告してください。また、技能実習生は監理団体、育成就労外国人は監理支援機関、特定技能1号外国人は登録支援機関などにも連絡してください。

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まとめ

日本で働く外国人の皆さん、体調が悪いときはがまんしないでください。日本には、病気やけがをしたときに安心して診察や治療を受けるための医療保険制度があります。会社や支援してくれる人に相談し、早めに医療機関で診察を受けてください。

  • 外国人労働者も日本人と同じ公的医療保険制度の対象
  • 健康保険を使うと、医療費の本人負担は原則30%
  • 民間保険で自己負担分などが補償される場合もある
  • 仕事中や通勤中のけがなどは労災保険
  • 病気やけがをしたらがまんせず、早めに相談・受診する