生活・ビザ

日本で医療を受けるには(総まとめ)

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2024年03月12日

来日して間もない留学生やサポートの少ない会社で働く外国人は、けがや病気のときに言葉の不安があって、どこの病院に行けばよいか分からないのではないでしょうか? けがや急病で近くの病院に行く場合も、学校や会社によってサポート内容に差があります。この記事では、外国人が日本で医療を受けるための基礎知識をお伝えします。また、ベトナム語が使える各地の医療機関(紹介記事のリンク集)や出産・育児に関する医療費助成についても紹介します。

1.医療機関の種類

日本では、通常の病気やけがは診療所(クリニック)で受診するのが原則です。クリニックで紹介状を書いてもらえば、もっと大きな病院でも診てもらえます。

① 診療所・クリニック

・日常的な病気やけがの治療

② 中小病院

・手術や入院が必要な場合
・救急医療が必要な場合

③ 大病院

・重症の救急患者
・高度な医療が必要な場合

※どの医療機関も病気やけがの内容によって受診する診療科が分かれます。

2.医療保険(健康保険)

健康保険証

日本の公的な医療保険には主に「健康保険」と「国民健康保険」があります。大きく分けてサラリーマンが健康保険、それ以外の人が国民健康保険に加入します。加入すると健康保険証を受け取れます。

健康保険や国民健康保険には、国籍や年齢に関係なく加入しなければなりません。

健康保険

・「技人国」の外国人や特定技能外国人とその家族、技能実習生など
・保険料は会社と従業員が半分ずつ負担

国民健康保険

・留学生とその家族など
・保険料は自分で支払い

医療費の自己負担が減る

「健康保険証」を医療機関で渡すと、医療費の自己負担が通常30%になります。

・保険が適用されない医療もあります。

国民健康保険への加入方法

「健康保険」は会社などが加入手続きを行い、保険料も会社が給料から引いて支払います。しかし、「国民健康保険」は次のような手順で自分で加入し、自分で保険料を納めます(コンビニなどで払えます)。

  • 居住地の市区町村の役所で加入手続き
  • 在留カードやパスポートが必要
  • 同居する家族も一緒に加入
  • 別の市区町村に引っ越す場合は、元の住所の役所で脱退の手続きをした後、新住所の役所で申請し、新しい保険証を受け取る。

external link 国民健康保険の保険料をコンビニで払う方法|KOKORO

3.医療機関の探し方

医療機関の探し方を紹介します。

① 住んでいる地域の市区町村が発行する広報誌

② 各都道府県がホームページなどで提供している医療情報

③ 住んでいる地域の市区町村や国際交流協会などに相談

external link 市区町村や国際交流協会などの相談窓口(全国)のリンク集|KOKORO

④ 医療安全支援センター

都道府県や、保健所を設置する市と特別区に「医療安全支援センター」が計 380カ所以上設置されています。ここで医療機関を案内してもらえます。

external link 医療安全支援センター

⑤ AMDA国際医療情報センター

言葉の通じる医療機関の紹介や医療福祉制度を多言語で案内
電話 03-6233-9266

電話通訳やZOOM経由の通訳も提供
電話 050-3405-0397

external link AMDA国際医療情報センター

⑥ 観光庁

external link 具合が悪くなったとき(JNTO)

⑦ 緊急時

急病のときや事故などで大けがをしたときは119番に電話して救急車を呼んでください。
・電話 119(消防・救急)

4.ベトナム語OKの医療機関

日本のほとんどの大学病院や総合病院で電話を使った通訳サービスなどが導入されています。必要な場合は、病院が通訳を呼んでくれることもあります。ただ、医療分野のベトナム語通訳は、人材がまだ十分にいません。特に電話通訳は質が不十分な場合も多いという指摘があります。

最近はベトナム人の医療通訳や医師、看護師が勤務する病院も増えました。こうした病院に行けば、質の高いベトナム語サポートを受けることができるでしょう。

ベトナム語サポートを受けられる医療機関を地域別に掲載している記事(ベトナム語、日本語)へのリンクを紹介します。

external link ベトナム語サポートのある医療機関(東京)|KOKORO

external link ベトナム語サポートのある医療機関(東京以外の関東)|KOKORO

external link ベトナム語サポートのある医療機関(関西)|KOKORO

external link ベトナム語サポートのある医療機関(東海)|KOKORO

external link ベトナム語サポートのある医療機関(九州北部)|KOKORO

external link ベトナム語サポートのある医療機関(九州南部)|KOKORO

5.さまざまな手当

医療保険にはさまざまな手当があります。例えば、医療機関や薬局で支払った額(入院時の食事代などは含まない)が1カ月で一定額を超えた場合、その超えた金額を支給する制度があります。

くわしく知りたい方は下記の記事をお読みください。

external link 医療|KOKORO

6.出産・育児にともなうさまざまな手当

出産に関する手当・助成

日本で出産する場合、さまざまな手当や助成があります。

出産育児一時金
出産したら、健康保険や国民健康保険から「出産育児一時金」をもらえます。新生児1人につき500,000円(例外で488,000円の場合もあり)です。
出産手当金
妊娠・出産で働けなくなり、収入が減ることへの支援措置として、健康保険から「出産手当金」が支給されます。勤務先に申請します。
育児休業給付金
1歳未満の子どもを育てるために育児休業を取得する場合、国から「育児休業給付金」が支給されます。

乳幼児医療費助成

小学校に入るまでの乳幼児が医療機関で受診した場合、医療費の一部が助成される制度があります。医療機関で「健康保険証」と「乳幼児医療受給者証」を提出すると、医療保険の負担額と行政の助成額を差し引いた自己負担分だけが請求されます。

受給者証は、市区町村役場の担当窓口で申請してください。

出産・育児に関する手当・助成についてもっと情報を知りたい方はこちらをお読みください。

external link 出産・育児への助成・手当・支援制度(総まとめ)|KOKORO

7.医薬品

薬は薬局やドラッグストアで購入することができます。

薬局

薬局では、医師が作成した処方せんに基づいて薬を調剤し、販売します。それ以外の医薬品も購入できます。日本では医師の処方せんがないと買えない薬がたくさんあります。処方せんなしで買える薬もありますが、同じ作用の薬なら、処方せんを渡して買うと、保険が適用されて原則3割負担ですみます。

ドラッグストア

主に処方せんの不要な医薬品や飲食品、日用雑貨品などを販売しています。処方せんに対応してくれるドラッグストアもあります。

◎医療に関するくわしい情報は下記リンク先(政府からの情報)もお読みください。

external link 第6章:医療|生活・就労ガイドブック(出入国在留管理庁)