留学・就活

留学生のさまざまな交流

023-2
2022年06月16日

先輩留学生たちは日本でどのようにして日本人と交流したり、ベトナム人仲間を増やしたりしているのでしょうか?ボランティア日本語教室や国際交流グループ、“VYSA”や“ベトアジ”といったベトナム人団体、大学のサークル、アルバイト先の職場などでさまざまな国籍の仲間と交流を深めた先輩留学生たちの経験を紹介します。

ボランティア日本語教室

大阪府の会社で働いているズンさんは週末の「にほんごサロン」に参加しています。ズンさんは日本の大学院に留学しましたが、授業は英語でした。日本語で交流できる場を探していましたが、在学中は新型コロナの影響でよい集まりが見つかりませんでした。

就職後、再び交流の場を探したところ、大阪国際交流センターが運営する「外国人ふれあいサロン」と「日曜にほんごサロン」が見つかりました。「外国人ふれあいサロン」は土曜日開催で、1回の参加費は200円。「日曜にほんごサロン」は日曜開催で、参加費無料です。どちらも事前予約が必要です。

external link 外国人ふれあいサロン(ベトナム語)

external link 日曜にほんごサロン(ベトナム語)

これらのサロンでの対話は「1対1」です。日本語指導の経験をもつボランティアの日本人1人と外国人1人がペアになっておしゃべりをします。話題は自由で、ズンさんは「日常生活」や「仕事」を話題に選んでいます。相手の日本人が毎回変わるので、たくさんの人と話せます!

ズンさんは日本語の勉強というより「おしゃべり」だと思って気楽に参加しています。また、他のベトナム人たちも参加しているので、友だちになれるそうです。

このような教室の探し方については、下記の記事が参考になります。

国際交流グループ

来日後、ベトナム人や日本人以外の友だちが増えた留学生もたくさんいます。多国籍の仲間が集まると、共通言語は日本語で、お互いの文化を学びながら日本語も上達します。

仙台の専門学校で留学後、日本の自動車整備会社に就職したタムさんは、日本人やインドネシア人、フィリピン人、カナダ人らが集まる国際交流グループで毎週のように仲間と過ごしました。このグループでボランティア活動もできたほか、日本語もとても上手になりました。

ベトナム人団体

ベトアジ

日本の大学を卒業して日本の商社に就職したジェップさんは学生時代にたくさんの仲間と交流しました。その中には「ベトアジ」や「VYSA(在日ベトナム学生青年協会)」といったベトナム人団体での交流もありました。

「ベトアジ」は各地に支部があり、ベトナム人が日本人などと一緒にベトナム料理を作ります。VYSAも全国各地に支部があり、地元のベトナム人を集めて季節ごとのパーティーや観光などの交流イベントを行っています。

ストリートダンスサークル

日本の大学に入れたら、部活やサークルを体験したほうがよいとよく言われます。

・日本人の友だちを増やせる
・日本語の会話力を伸ばせる
・サークル仲間とのイベントで日本文化も体験できる

といった利点があるからです。

それでは、実際に大学でサークルや部活に参加した先輩留学生3人の体験を紹介します。まず、ストリートダンスのサークルに参加している大阪大学3年生のアインさんからです。

ストリートダンスサークル

活動内容
・ダンスの練習:様々なジャンルのダンスの基礎練習、学祭での発表に向けた練習。
・仲間との交流:新入生歓迎や年末などの飲み会、合宿など。
活動の時間
・約3時間×週2回
交流
・たくさんの仲間と出会えて一緒に踊れる。
・日本人のメンバーが多いので、日本人の友だちがたくさんできた。日本語を話す機会も増えた。
・他大学のダンスサークルとも交流するので、学外の友だちもできる。
交流以外の利点
・初心者だったが、先輩がダンスをやさしく教えてくれるので、好きなダンスを楽しく覚えられた。

アインさん:
留学生が2人しかいないので、心細く感じることもありますが、その分、日本人の先輩や仲間とずっと交流できるので、日本語や日本人の感性を身に付けるにはもってこいの環境です。

空手サークル

空手サークル(ニャットさん提供)

ニャットさんは岡山県の環太平洋大学に通っていたとき、空手サークルに参加していました。

空手サークル

活動内容
・空手の練習:空手の型や組手(くみて)の練習
・仲間と交流:サークル仲間と日ごろの交遊、飲み会、旅行
活動の時間
・約2.5時間×週1回
・3年生以上はメンバーと練習する前に指導者と約2時間練習
交流
・みんなが仲の良いサークルで、家族のようなグループだった。
・練習の前後に仲間と話をしたり食事をしたりした。
・仲間と一緒にベトナム旅行もした。

ニャットさん:
10人あまりのサークルでしたが、ベトナム人留学生の多い大学なので、サークルでもベトナム人の方が多数でした。家族のような雰囲気のサークルで、日本人ともベトナム人とも仲良く交流できました。

国際交流サークル

オンラインで参加(リーさん提供)

環太平洋大学に通っているリーさんは、国際交流イベントを企画・開催するサークルに参加していました。

活動内容
・書籍や映画の紹介をする会
・中国語や英語などでトークを楽しむ「外国語カフェ」
・その他のイベント:顧問の先生やメンバーと相談してイベントを準備・開催
活動の時間
・月に1、2回、イベントに参加
・運営スタッフにもときどき応募
交流
・新しい友だちができた。
・有利な情報を入手:日本人の先輩が勉強や就職活動について相談に乗ってくれたので、本当に役に立つ情報が得られた。
交流以外の利点
・イベント参加者の笑顔を見て、運営スタッフとしてやりがいを感じた。
・イベントのポスターの作成を担当したため、パソコンのスキルが身についた。その結果、IT関係の仕事に興味を持ち、日本のIT企業から就職内定をもらった。

リーさん:
「書籍や映画を紹介する会」は何人かが好きなものを紹介し、その後、感想や意見を交換するイベントでした。オンライン開催なので、コロナで来日できていない留学生にも参加してもらえました。日本語でコミュニケーションを取る良い機会になったと思います。

「外国語カフェ」もZOOMで開催し、主に日本語、英語、中国語のルームがありました。途中から自分の好きな言語のルームに移るシステムです。各ルームでは、自己紹介をしたり趣味について話し合ったりしました。大学の先生や学生が一緒に参加し、言葉をサポートしてくれました。

アルバイト先のスタッフと交流

アルバイト先が交流の場になるケースもたくさんあります。例えば、地方の弁当工場やお店などで働いた留学生が、一緒に働く年配の日本人たちから親切にしてもらったという体験をよく聞きます。

大阪府内のしゃぶしゃぶ店で働く大学1年生のタインさんは、日本人の店長や先輩が親切で、仕事をやさしく教えてくれます。勤務日は、閉店後も店に残って店長や同僚と1時間近く話すことが多いそうです。また、定休日に職場のみんなで飲み会に行くこともあります。

アルバイト先での交流は職場によってまちまちですが、このような家族的な職場で働けると、とてもラッキーですね!

ほかの先輩たちのアルバイト先での交流については、下記の記事をお読みください。

external link アルバイト先での交流|KOKORO

まとめ

せっかく留学するなら、学校以外にも交流の場を見つけ、充実した留学生活を送りたいですね。この記事では、先輩留学生たちの経験を通じて次のような交流の機会を紹介しました。

・VYSA(在日ベトナム学生青年協会)
・ベトアジ
・ボランティア日本語教室
・国際交流グループ
・大学のサークル(ダンス、空手、国際交流)
・アルバイト

サークルやグループによって活動内容や雰囲気は変わります。自分に合ったグループが見つかるまで、いくつかのグループに参加してみてもいいですね!