生活・ビザ

日本で住宅を借りるときの注意点

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2020年12月10日

日本に来て間もない外国人が日本の文化や生活様式になじむことは簡単ではありません。しかし、日本の文化を理解しなければ、家を借りるのも難しくなってしまいます。日本の不動産関係者によると、来日したばかりの外国人が家を借りづらい大きな理由は「賃貸住宅のルールを守らない人が多いから」だそうです。それでは、どのようなルールがあるのでしょうか?

1.外国人によるルール違反の例

まず、日本のアパートで外国人によるルール違反にはどのようなものがあるのでしょうか? 代表的な事例を紹介します。

外国人による賃貸ルール違反の例(退去時)

みなさんはこの写真を見てどう思いますか?

これは、あるベトナム人留学生が日本で借りたアパートを退去した後の写真です。家主はこの部屋のゴミの撤去に4時間も費やし、費用もかかりました。

このほか、次のような事例も多く報告されています。

✓ 外国人が住宅を退去する際、家主に事前に知らせなかった。

✓ 外国人が電気・ガス・水道の契約を解約せずに退去した。

こうしたことは家主の負担を増やし、今後、外国人が日本で家を借りる際に警戒される要因となります。こうした体験をした家主の中には、外国人への賃貸をやめる人もいます。

外国人による賃貸ルール違反の例(入居中)

賃貸住宅に入居中の外国人が近隣住民に迷惑をかける事例として次のようなものがあります。

✓ 決められた場所にゴミを捨てず、道路に放置する

✓ ゴミの分別をしない

✓ 決められたゴミ回収日以外の日にゴミを出す

✓ 室内で、大音量で音楽をかけたり仲間と大声で騒いだりする

2.ルール違反がもたらす結果とは…?

入居中に ルールを守らないと、契約を解除されて家を追い出されたり、違約金を請求されたりする場合があります。退去時にゴミや不要品を放置した場合、家主の負担で片付けをします。家主に迷惑がかかります。

一部の外国人がこのようなルール違反をすると、外国人全体の信用が落ち、他の外国人やこれから日本に来る外国人にも悪影響を及ぼします。例えば、外国人が日本で家を借りる際に嫌がられたり多額の保証金を求められたりするなど、困難な条件を付けられてしまいます。

3.ルールの守り方

そこで、日本に来る後輩ベトナム人たちのためにも、日本で家を借りる際には以下のようなことに気をつけましょう。

入居中の注意点

ゴミの分別

可燃ごみ、ビン・缶、プラスチックゴミ、資源ゴミなど、ゴミの種類によって分別し、それぞれ決められた日に回収場所に出します。分からない場合は、管理会社などに聞くか、周りの住民をまねましょう。下記のページも参考にしてください。

日本で暮らす Vol. 7「生活ルール・習慣」

騒音

仲間と大声で騒いだり、音楽などを大きな音で流したりしないようにしましょう(特に22時以降)。

家賃

家賃は前払いです。期限までに支払いましょう。それができない場合、管理会社か家主に事前に知らせましょう。

退去時や契約延長時の注意点

退去や延長の相談

住宅の賃貸借契約は通常2年間(24カ月間)です。それより長く住みたい場合や、逆にそれより早く退去する場合は、事前に管理会社か家主に相談しましょう。次の入居者を探す手続きに影響するため、契約満了日の2、3カ月前に相談すると、スムーズに話ができます。

退去通告

契約通り2年で退去する場合でも、退去の1カ月以上前に管理会社か家主に連絡しましょう。連絡が遅れると、余分に1カ月分の家賃を請求される場合もあります。

部屋に何も残さない

退去時は部屋に何も残してはいけません。大型ゴミや洗濯機、冷蔵庫などの電化製品の処分には費用がかかります。分からなければ、管理会社に相談してください。

※家財の処分が面倒な場合は、最初に レンタル家具・家電 を借りるという方法もあります。その場合は、退去前にレンタル業者が家具や家電引き取りに来てくれます。下記の特集を参考にしてください。

特集:新品・リユース・レンタルの使い分け

管理会社のチェック

管理会社に退去日を事前に連絡し、退去前の部屋をチェックしてもらいます。年月の経過や通常の生活に伴う壁や床などの変色・劣化への対応は家主負担ですが、借主の不注意による破損や汚れに対しては修繕費用を請求されます。通常は、入居時にあずけた敷金からその費用を支払い、残額を返してもらいますが、逆に追加で支払う場合もあります。

電気などの解約

退去前に電気・ガス・水道の契約を解除し、最終月の費用を支払ってください。

以上が日本で家を借りる際の注意点です。私たちが意識を高めれば、後から日本に来る後輩たちが家を借りる際に借りやすくなります。