留学・就活
★基本情報=留学前にする5つのこと〈2022年版〉

先輩留学生と編集部が、留学プランの立て方や留学前の日本語学習など、留学に必要な知識と“留学前にやる5つのこと”を紹介します。日本への留学を成功させたい人はぜひ目を通してください。
私は日本で5年間留学後、ホーチミンの日系企業3社で約8年間働きました。その後はフリーランスで通訳・翻訳・司会をし、今はまた日本で生活しています。これから留学する皆さんも、せっかく留学するなら、語学力や知識をしっかり身に付けて、将来の仕事に大いに生かしましょう。そんな留学を実現するための心構えや計画作りのポイントをお伝えします。〈Mỹ Ngọc〉
1. 留学後の夢を描く

夢や目的を描くことで、皆さんの進むべき方向が定まり、困難に出会っても、あきらめずに前に進むことができます。落ち込んだときでも、はっきりとした“夢”や“目標”があれば、また前向きになれます。
夢を定めるには、次のようなことを自分に問いかけてみてください。
・ 日本に行くのは夢を実現するための一つの手段。留学後、自分はどんな仕事や生活をしたいのか?
・ 「社会の役に立つ」「視野を拡げる」「高収入」「バイリンガル」「立派な家や車」など、自分は何に価値を感じるのか?
このようなことを考えながら夢や目標を定めてください。そして、それらを紙に書いてリストアップしましょう。同時に、夢がかなったときの光景をリアルに想像してみてください。日本で何か困難にぶつかったとき、そのリストを見ながら自分の将来像を思い浮かべると、気持ちをリセットできます。
私は5年間、留学しましたが、その間「ベトナムに帰りたい」と思ったことが何度もありました。しかし、「ホーチミンのオフィスビルに自分の事務所を持ち、そこに座っている自分の姿を想像する」ことでモチベーションを維持することができました。
2-1. 留学プラン:高卒の場合

目標が定まったら、それを実現するための留学プランを立てましょう。
ベトナムで高校を卒業している場合、日本の専門学校や大学を目指してはどうでしょうか。
◎多いのは次のようなパターンです。
・ 日本語学校(1.5~2年)→専門学校(2年)→大学(4年)→日本で就職
・ 日本語学校(1.5~2年)→専門学校(2年)→日本で就職
◎次のようなパターンも増えています。
・ 日本語学校(1.5~2年)→大学(4年)→日本で就職
* 日本語学校で日本語能力試験(JLPT)N2以上の力を付ければ、専門学校に行かずに大学に進める可能性が高まります。大学受験には日本語以外の勉強も必要なので、日本語については留学前からできるだけ努力しておきましょう。
◎KOKORO体験談に留学のさまざまなパターンが紹介されています。
大学中退 | |
日本語教室 | 4カ月 |
訪 日 | |
日本語学校 | 1年半 |
専門学校 | 2年 |
日本で就職 |
高校卒業 | |
日本語学校 | 2年 |
訪 日 | |
私立大学 |
高校卒業 | |
訪 日 | |
私立大学 | 4年 |
日本で就職 |
私は5年間の留学で日本語学校、専門学校、大学に行きましたが、家庭の事情で途中で帰国し、大学を中退しました。今思えば、日本語学校から直接、大学に進めばよかったと思います。
2-2. 留学プラン:大卒の場合

大卒の場合、日本語学校だけに行くか、日本語学校を経て大学院に行ってはいかがでしょうか。私の考えでは、大卒の人が日本語学校を出た後に専門学校に進むことは無駄です。大学院に行く方が、学歴が高くなりますし、日本語学校を出て就職するのも手です。
大学卒業・就職(日本語は自習) | |
訪 日 | |
日本語学校 | 2年 |
専門学校 | 半年で中退 |
日本で就職 |
大学卒業・就職 | |
日本語教室 | 4カ月 |
訪 日 | |
日本語学校 | 15カ月 |
専門学校 | 2年 |
日本で就職 |
3. 留学前の日本語学習
ベトナムでN3レベルになってから留学すると、留学の効果が格段に上がり、留学期間も短くできる場合があります。また、N4レベルで日本に行っても、それなりに高い成果が得られます。
KOKOROチャンネル(YouTube)で、高い日本語力を付けてから留学し、日本語がペラペラになった先輩たちの留学前の学習法を紹介しています。

留学前の日本語学習part_1

留学前の日本語学習part_2
日本語力を付けて訪日すると、よいアルバイトを見つけやすいという利点もあります。私は留学前に「みんなの日本語」を50課すべて学習し、漢字も約500字覚えました。その結果、来日して約半年でアルバイト先の日本人と普通に話せるようになりました。
4. 知識を得る

◆留学費用
留学紹介業者(日本語センター)の中には「日本ではアルバイトで学費も生活費もまかなえる」と説明する人がいるかも知れません。しかし、それは事実ではありません。
私の留学仲間は留学のために大きな借金をしたため、留学中、借金返済のために工場で一晩中働いていました。そのため学力が付かず、進学の夢をあきらめ、日本語学校を出ると帰国してしまいました。
留学の費用については下記ページにくわしい情報が載っています。
日本で留学生のアルバイトは週28時間以内と決まっています。最近はアルバイト時間の超過(オーバーワーク)に対する入管の対応が厳しくなっています。
◆生活ルールや習慣
日本の生活ルールや習慣について知っておくと、日本社会に早く溶け込めます。
5. 健康管理

健康でなければ、勉強もアルバイトもできません。生活費を節約するために毎日インスタント食品ばかり食べ、大きな病気になった人も少なくありません。健康にはくれぐれも注意しましょう。
以上が“留学前に準備する5つのこと”です。留学であなたの夢をかなえるため、しっかりと準備してから日本に行ってください。
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- 弁護士法人Global HR Strategy
- エール学園
後援
- 在ベトナム日本国大使館
- 国際交流基金ベトナム日本文化交流センター
- JNTOハノイ事務所
- 関西経済連合会
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- NPO法人 日越ともいき支援会
- 一般社団法人 国際人流振興協会
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留学生のさまざまな交流
先輩留学生たちは日本でどのようにして日本人と交流したり、ベトナム人仲間を増やしたりしているのでしょうか?ボランティア日本語教室や国際交流グループ、“VYSA”や“ベトアジ”といったベトナム人団体、大学のサークル、アルバイト先の職場などでさまざまな国籍の仲間と交流を深めた先輩留学生たちの経験を紹介します。 ボランティア日本語教室 大阪府の会社で働いているズンさんは週末の「にほんごサロン」に参加しています。ズンさんは日本の大学院に留学しましたが、授業は英語でした。日本語で交流できる場を探していましたが、在学中は新型コロナの影響でよい集まりが見つかりませんでした。 就職後、再び交流の場を探したところ、大阪国際交流センターが運営する「外国人ふれあいサロン」と「日曜にほんごサロン」が見つかりました。「外国人ふれあいサロン」は土曜日開催で、1回の参加費は200円。「日曜にほんごサロン」は日曜開催で、参加費無料です。どちらも事前予約が必要です。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 外国人ふれあいサロン(ベトナム語) [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 日曜にほんごサロン(ベトナム語) これらのサロンでの対話は「1対1」です。日本語指導の経験をもつボランティアの日本人1人と外国人1人がペアになっておしゃべりをします。話題は自由で、ズンさんは「日常生活」や「仕事」を話題に選んでいます。相手の日本人が毎回変わるので、たくさんの人と話せます! ズンさんは日本語の勉強というより「おしゃべり」だと思って気楽に参加しています。また、他のベトナム人たちも参加しているので、友だちになれるそうです。 このような教室の探し方については、下記の記事が参考になります。 ボランティア日本語教室(総まとめ)|KOKORO 国際交流グループ 来日後、ベトナム人や日本人以外の友だちが増えた留学生もたくさんいます。多国籍の仲間が集まると、共通言語は日本語で、お互いの文化を学びながら日本語も上達します。 仙台の専門学校で留学後、日本の自動車整備会社に就職したタムさんは、日本人やインドネシア人、フィリピン人、カナダ人らが集まる国際交流グループで毎週のように仲間と過ごしました。このグループでボランティア活動もできたほか、日本語もとても上手になりました。 タムさんの体験談|KOKORO ベトナム人団体 ベトアジ 日本の大学を卒業して日本の商社に就職したジェップさんは学生時代にたくさんの仲間と交流しました。その中には「ベトアジ」や「VYSA(在日ベトナム学生青年協会)」といったベトナム人団体での交流もありました。 「ベトアジ」は各地に支部があり、ベトナム人が日本人などと一緒にベトナム料理を作ります。VYSAも全国各地に支部があり、地元のベトナム人を集めて季節ごとのパーティーや観光などの交流イベントを行っています。 ジェップさんの体験談|KOKORO ストリートダンスサークル 日本の大学に入れたら、部活やサークルを体験したほうがよいとよく言われます。 ・日本人の友だちを増やせる ・日本語の会話力を伸ばせる ・サークル仲間とのイベントで日本文化も体験できる といった利点があるからです。 それでは、実際に大学でサークルや部活に参加した先輩留学生3人の体験を紹介します。まず、ストリートダンスのサークルに参加している大阪大学3年生のアインさんからです。 ストリートダンスサークル 活動内容 ・ダンスの練習:様々なジャンルのダンスの基礎練習、学祭での発表に向けた練習。・仲間との交流:新入生歓迎や年末などの飲み会、合宿など。 活動の時間 ・約3時間×週2回 交流 ・たくさんの仲間と出会えて一緒に踊れる。・日本人のメンバーが多いので、日本人の友だちがたくさんできた。日本語を話す機会も増えた。・他大学のダンスサークルとも交流するので、学外の友だちもできる。 交流以外の利点 ・初心者だったが、先輩がダンスをやさしく教えてくれるので、好きなダンスを楽しく覚えられた。 アインさん: 留学生が2人しかいないので、心細く感じることもありますが、その分、日本人の先輩や仲間とずっと交流できるので、日本語や日本人の感性を身に付けるにはもってこいの環境です。 空手サークル 空手サークル(ニャットさん提供) ニャットさんは岡山県の環太平洋大学に通っていたとき、空手サークルに参加していました。 空手サークル 活動内容 ・空手の練習:空手の型や組手(くみて)の練習・仲間と交流:サークル仲間と日ごろの交遊、飲み会、旅行 活動の時間 ・約2.5時間×週1回 ・3年生以上はメンバーと練習する前に指導者と約2時間練習 交流 ・みんなが仲の良いサークルで、家族のようなグループだった。・練習の前後に仲間と話をしたり食事をしたりした。・仲間と一緒にベトナム旅行もした。 ニャットさん: 10人あまりのサークルでしたが、ベトナム人留学生の多い大学なので、サークルでもベトナム人の方が多数でした。家族のような雰囲気のサークルで、日本人ともベトナム人とも仲良く交流できました。 国際交流サークル オンラインで参加(リーさん提供) 環太平洋大学に通っているリーさんは、国際交流イベントを企画・開催するサークルに参加していました。 活動内容 ・書籍や映画の紹介をする会・中国語や英語などでトークを楽しむ「外国語カフェ」・その他のイベント:顧問の先生やメンバーと相談してイベントを準備・開催 活動の時間 ・月に1、2回、イベントに参加・運営スタッフにもときどき応募 交流 ・新しい友だちができた。・有利な情報を入手:日本人の先輩が勉強や就職活動について相談に乗ってくれたので、本当に役に立つ情報が得られた。 交流以外の利点 ・イベント参加者の笑顔を見て、運営スタッフとしてやりがいを感じた。・イベントのポスターの作成を担当したため、パソコンのスキルが身についた。その結果、IT関係の仕事に興味を持ち、日本のIT企業から就職内定をもらった。 リーさん: 「書籍や映画を紹介する会」は何人かが好きなものを紹介し、その後、感想や意見を交換するイベントでした。オンライン開催なので、コロナで来日できていない留学生にも参加してもらえました。日本語でコミュニケーションを取る良い機会になったと思います。 「外国語カフェ」もZOOMで開催し、主に日本語、英語、中国語のルームがありました。途中から自分の好きな言語のルームに移るシステムです。各ルームでは、自己紹介をしたり趣味について話し合ったりしました。大学の先生や学生が一緒に参加し、言葉をサポートしてくれました。 アルバイト先のスタッフと交流 アルバイト先が交流の場になるケースもたくさんあります。例えば、地方の弁当工場やお店などで働いた留学生が、一緒に働く年配の日本人たちから親切にしてもらったという体験をよく聞きます。 大阪府内のしゃぶしゃぶ店で働く大学1年生のタインさんは、日本人の店長や先輩が親切で、仕事をやさしく教えてくれます。勤務日は、閉店後も店に残って店長や同僚と1時間近く話すことが多いそうです。また、定休日に職場のみんなで飲み会に行くこともあります。 アルバイト先での交流は職場によってまちまちですが、このような家族的な職場で働けると、とてもラッキーですね! ほかの先輩たちのアルバイト先での交流については、下記の記事をお読みください。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] アルバイト先での交流|KOKORO まとめ せっかく留学するなら、学校以外にも交流の場を見つけ、充実した留学生活を送りたいですね。この記事では、先輩留学生たちの経験を通じて次のような交流の機会を紹介しました。 ・VYSA(在日ベトナム学生青年協会)・ベトアジ・ボランティア日本語教室・国際交流グループ・大学のサークル(ダンス、空手、国際交流)・アルバイト サークルやグループによって活動内容や雰囲気は変わります。自分に合ったグループが見つかるまで、いくつかのグループに参加してみてもいいですね!
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留学生のアルバイト体験_コンビニ・ホテル・工場など
日本で学ぶほとんどの外国人留学生がアルバイトをします。先輩留学生たちはどのようなアルバイトをしているのでしょうか? 今回は、コンビニ、スーパー、ホテル、保育所、工場で働いた先輩たちの経験を紹介します。アルバイトによってお金を稼げるほか、日本語を話す機会を増やしたり、さまざまな経験を積んだりすることができます。 ※このほか、飲食店でのアルバイト経験については、下記の記事で紹介しています。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 留学生5人のアルバイト体験_飲食店編 アルバイトの探し方 留学生が日本でアルバイトを探すには次のような方法があります。 ・学校からの紹介・先輩や友人からの紹介・求人情報サイト・求人情報誌・店のはり紙・ハローワーク・留学生のSNSグループ くわしい説明はこの記事を読んでください。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] KOKORO|アルバイトの探し方 では、今回インタビューした先輩たちはどのようにしてアルバイトを探したのでしょうか? 保育所や工場の仕事は友人から紹介してもらったそうです。また、コンビニやホテル、スーパーの仕事は求人情報サイトやアプリ(タウンワーク、バイトル、LINEバイトなど)を使って見つけました。 インターネットでアルバイトを探すときは、一つ注意点があります。検索する際に「留学生歓迎」「外国人活躍中」などの条件をチェックすることを忘れないでくださいね! WA. SA. Bi. でも留学生向けのアルバイトを紹介しています。母国語でも相談できますので、こちらにメールを送ってください。 go-en@morikosan.co.jp コンビニでのアルバイト コンビニのアルバイトは外国人留学生に最も人気の高い仕事の一つです。今は新入社員として大阪で働いているリョウさん(マカオ出身)は大阪の大学に留学していたとき、コンビニでアルバイトをしていました。 このアルバイトの良かったところ 日本語を話す機会が多かった:お客さんとも日本人の同僚とも会話の機会が多く、日本語力を伸ばせました。関西弁も少し身につけることができました。 他国の友だちを作ることができた:同僚のインドネシア人留学生と仲良くなりました。 深夜勤務はお客さんが少ない:夜10時~朝6時の深夜勤務もしましたが、その時間帯はお客さんがほとんど来ないので、朝と昼の勤務より楽でした。 このアルバイトの難しかったところ 深夜勤務による疲労:深夜勤務は朝6時までです。午前中に授業があると、帰宅しても寝る時間がなく、すぐに学校に行かなければなりません。授業中に眠気と戦うのが大変でした。 同僚との相性:コンビニで同時に働くスタッフは2、3人なので、その日一緒に働く同僚が自分と仲の良い人かどうかで居心地のよさが変わりました。 日本語を話す場面 同僚との会話:一緒にアルバイトをしていた40代の日本人男性が仕事の合間に、私によく話しかけてくれました。会話の練習にもなり、たくさん話をできて楽しかったです。 スーパーでのアルバイト 大阪大学大学院に通うヴァンさんは最近まで3年半、スーパーで働いていました。仕事内容はレジや掃除、お客さん対応などでした。 このアルバイトの良かったところ 日本の「おもてなし」を学べた:日本の店が提供するサービスは世界トップ水準だと聞いていましたが、スーパーでのアルバイトでそれを実感し、身に付けることができました。店員はどのお客さんに対しても公平に礼儀正しく親切に接します。 お客さんへの対応:お客さんへの話し方や接し方、トラブルの対処方法などを覚え、勉強になりました。お客さんの代わりに買い物客を台まで運ぶなど、妊婦や障がい者、お年寄りのお客さんへの配慮も身に付きました。 このアルバイトの難しかったところ 立ちっぱなし:レジが中心だったので、長いときは5時間連続で立ち続けなければなりませんでした。 覚えることが多い:ポイントカードやクレジットカードの扱い方、返品手続きなど、覚えることがたくさんありました。 日本語を話す場面 お客さんと会話:レジの仕事でお客さんと定型の会話をします。「いらっしゃいませ」「◯◯円になります」「レジ袋はご入り用ですか?」などです。 また、商品の補充や整理を行っていると、お客さんから「みそはどこにありますか?」とか「タバスコは置いていますか?」など、商品の有無や場所を質問されることがよくありました。最初は答えられませんでしたが、早く対応できるようになるために、食品の名前を一生懸命に覚えました。 ホテルでのアルバイト 今は東京で正社員として働いているチーさんは大学院生のころ、奈良のホテルで働きました。主な仕事は朝食バイキングの準備でした。バイキングコーナーに料理を配膳したり、料理がなくなったら新しいものと取り替えたりしました。 このアルバイトの良かったところ まかないご飯が最高!:飲食店が店員に出す食事を日本語で「まかない」と言います。仕事が終わったら、まかないを出してもらいましたが、それはお客さんに提供するものと同じだったので、内容が充実していました。 お客さんが喜ぶと、自分もうれしくなる:バイキングコーナーのミルクは常温、ヨーグルトはフルーツ入りでしたが、ホットミルクやプレーン・ヨーグルトを希望するお客さんには、私たちがキッチンから運んで提供していました。常連客にもそのような方がいたので、私はご注文をいただく前にテーブルにお持ちしたことがあります。すると、その方はとても喜んでくださいました。 また、接客では笑顔が大事なので、自宅で鏡を見ながら笑顔の練習もしました。 このアルバイトの難しかったところ 同僚の仕事ぶり:私の働いていたホテルでは、アルバイトの1人がフロント、もう1人が朝食スタッフを担当することがありました。しかし、その日の相棒があまり仕事をしない(できない)人だった場合、自分の仕事をしながら相手の仕事もカバーしなければならないので、大変でした。 日本語を話す場面 スタッフと会話:朝食を準備しながら、キッチンやフロントの日本人スタッフとよく会話をしました。ただし、年配の人が多かったので、仕事以外での交流はあまりありませんでした。 保育所でのアルバイト 今は大阪で正社員をしているチャムさんは大学生のとき、ベトナム人の子どもがたくさんいる地域(大阪府八尾市)の保育所で3年半、アルバイトをしました。 このアルバイトの良かったところ 日本語を学べた:私の主な仕事は、保育所からベトナム人園児の保護者に知らせる文書をベトナム語に翻訳することでした。翻訳したのは連絡事項や給食のメニュー表などです。また、保育所スタッフとベトナム人保護者の間の通訳もときどき担当しました。 仕事で日本語を使い続けるので、日本語力の向上に役立ちました。辞書を調べても分からない言葉があれば、スタッフの日本人たちがていねいに教えてくれました。 こうして、アルバイトを始めた大学1年のときは、日本語能力試験(JLPT)N3でしたが、2年生のときにN1に合格することができました。しかも、「読解」は満点でした! ビジネスマナー:日本人の働き方やビジネスマナーも学べました。 就活に有利:保育所でのアルバイトは珍しいので、就活で履歴書を書くと、採用担当者たちに興味を持ってもらえましたし、面接でもさまざまな体験を話すことができました。 このアルバイトの難しかったところ 翻訳:日本にしかない食材がたくさんあるので、給食メニューの翻訳に最初は苦労しました。 検便:保育所には幼児がたくさんいるので、スタッフが感染しやすい病気にかかっていないか、検便で調べます。それは面倒でした。 子どもと遊ぶ:翻訳の仕事がないときは、2歳の子どもたちと遊ぶこともありました。子どもの扱いに慣れていないので、最初は、上手に接することができませんでした。 工場でのアルバイト スーパーのアルバイト内容を紹介してくれたヴァンさんは週末にチョコレート工場で働いたこともあります。 このアルバイトの良かったところ 柔軟なシフト:17時~22時に働くと事前申告していましたが、それより長く働いても大丈夫でした(もちろん、週28時間以内に収めていました)。また、週末だけの勤務もOKでした。 仕事が単純:私が働いたラインには主に3つの仕事がありました。ベルトコンベアーにお菓子を流す仕事、流れてきたお菓子に不備がないかチェックする仕事、流れてきたお菓子を箱に詰めてシールを貼る仕事です。これらの作業を3人で担当し、30分ごとに役割を交代しました。仕事内容は単純で楽でした。 日本語を話す場面 ベトナム人が多い:私たちの職場では、日本人は工場長と課長だけで、ほかはベトナム人のアルバイトが約30人いました。このため、アルバイト仲間はすぐにベトナム語で話してしまい、日本語を話す機会がほとんどありませんでした。そこで、私は休憩時間などに課長をつかまえて雑談をするように心がけました。 まとめ 今回はコンビニやスーパー、ホテル、保育所、工場でアルバイトをした元留学生たちがアルバイトの内容を紹介してくれました。 アルバイトには、お金を稼ぐという目的以外に、 ・日本語会話の機会を増やす ・友だちを増やす ・さまざまな経験をする といった利点があります。 また、留学生が卒業後に日本で就職する場合、履歴書やエントリーシートにアルバイトでの経験を書くことが多く、面接でもその内容について聞かれます。仕事で苦労したことや学んだことを分かりやすく説明できるようにがんばってください。
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〈記事まとめ〉アルバイト:探し方・面接・入管法との関係
日本でのアルバイトについて、これから日本で留学する人やすでに留学中の人に知っておいてほしい情報をまとめました。「アルバイトの探し方」や「アルバイトの面接の準備とこつ」についてポイントを紹介します。また、「アルバイトと入管法の関係」や「アルバイトの税金」について大事なことをお伝えします。 アルバイトで学費と生活費をすべてまかなうことはできませんが、日本語を話す機会を作ったり、仲間を増やしたりすることができます。アルバイトの探し方や注意点を押さえておきましょう。 1. アルバイトの探し方 アルバイトの探し方には次のようなものがあります。 ・学校からの紹介・先輩や友人からの紹介・求人情報サイト・求人情報誌・店のはり紙・ハローワーク・留学生のSNSグループ 最近多いのは「求人情報サイト」と「先輩や友人からの紹介」です。求人情報サイトの種類とリンクなどくわしいことは次の記事に書かれています。また、この記事では、電話をかけずに面接にこぎつける方法も紹介しています。 アルバイトの探し方(2022年) 2.アルバイト面接の準備とこつ ・面接では「なぜこの仕事に応募したのですか?」と必ず聞かれます。この質問に答える際のポイントは何でしょうか? ・面接の服装や髪型についても注意が必要です。 ・面接には何を持って行ったらよいでしょうか? ・面接会場には少し早めに着きましょう。そのために電車の時間や乗り継ぎ、駅からの経路などをあらかじめ調べておきましょう。 くわしいことを知りたい場合は、次の記事を読んでください。 アルバイト面接の準備とこつ 3.アルバイトと入管法 日本で私費留学する場合、アルバイトだけで学費と生活をまかなえるのは次のような場合に限られています。 ・(良い成績を取るなどして)大きな奨学金をもらう。 ・(良い成績を取るなどして)授業料を全額または半額以上免除してもらう。 それ以外の場合、実家からの援助とアルバイトで留学費用をまかないます。日本での留学生のアルバイトは週28時間以内と決められていますが、それを超えて働く(オーバーワーク)と、留学の在留資格を更新できない場合があります。次のようなことを覚えておきましょう。 ・オーバーワークで留学の在留資格を更新できず、ベトナムに帰国した先輩がたくさんいます。 ・オーバーワークは入管に知られてしまいます。 ・「週28時間」の正しい数え方があります。どの曜日から数えても1週間28時間に収まらないといけません。 ・日本で就職したい人は、就職先が決まって在留資格を変更する際に源泉徴収票の提出を求められます。アルバイト先から年に1回渡される源泉徴収票を捨てずに保管しておいてください。 オーバーワークが入管に知られてしまうシステムなどくわしいことを知りたい場合は、次の記事を読んでください。 アルバイトと入管法 4.留学生のアルバイトと税金 留学生のアルバイトへの税金について正しく知っておくと、トラブル防止に役立ちます。 ・ベトナム人の場合、留学生のアルバイトについても「所得税」が課税されます。これは国に納める税金で、毎月の給与から差し引かれます。 ・留学生は「厚生年金保険」「健康保険」「雇用保険」に加入できないので、その費用はアルバイトの給与から引かれません。その代わり、自分で「国民年金」と「国民健康保険」に加入します。 ・「労災保険」には加入できるので、給与からその負担額を引かれる場合もあります。 ・来日1年目の税金と2年目以降の税金は税率が違います。2年目以降の方が税率が低くなります。 もっと知りたい人はこちらの記事を読んでください。 留学生のアルバイトと税金 5.アルバイト体験談 アルバイトでは、お金を稼ぐこと以外に「日本語を話す機会が増える」「仲間が増える」などのメリットがあります。 アルバイトの種類ごとに仕事内容やメリット、日本語を話す機会などについて、先輩留学生たちの体験を読むと、参考になるかも知れません。 留学生5人のアルバイト体験_飲食店編 留学生アルバイト体験_コンビニ、スーパー、ホテル、保育所、工場 6. まとめ この記事では、日本での留学を計画している人やすでに留学中の人に役立つように下記の情報を紹介しました。 ・アルバイトの探し方で多いのは「求人情報サイト」と「先輩や友人からの紹介」 ・日本に私費留学する場合、大きな奨学金や授業料免除などがなければ、アルバイトだけで学費と生活費をまかなうことはできません。 ・週28時間を超えて働く(オーバーワーク)と、留学の在留資格を更新できない場合があります。実際、オーバーワークで留学の在留資格を更新できず、ベトナムに帰国した先輩がたくさんいます。 ・どの曜日から数えても1週間28時間に収まらないといけません。 ・ベトナム人の場合、留学生のアルバイトに「所得税」が課税されます。 ・留学生は「厚生年金保険」「健康保険」「雇用保険」に加入できません。その代わり、自分で「国民年金」と「国民健康保険」に加入します。 良いアルバイトを見つけて、あなたの留学生活を充実させてください。
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留学生5人のアルバイト体験_飲食店編
せっかく日本に留学したので、日本語の会話力をアップしたいですよね。それでは、どこでどのようなアルバイトをするのがよいでしょうか? 先輩留学生たちの経験を参考にして、自分に合うアルバイト先を探しましょう!今回は飲食店でのアルバイト体験を5人分紹介します。 アルバイトの一番の目的はもちろん「お金」ですが、働きながら経験を積むことができるのもアルバイトの良いところです。今回は、飲食店でのアルバイト経験があるベトナム人5人にインタビューしました。飲食店でのアルバイトにはどのような利点があり、どのような大変さがあるのでしょうか? アルバイトの探し方 留学生が日本でアルバイトを探すには次のような方法があります。 ・学校からの紹介・先輩や友人からの紹介・求人情報サイト・求人情報誌・店のはり紙・ハローワーク・留学生のSNSグループ くわしい説明はこの記事をお読みください。 KOKORO|アルバイトの探し方 今回インタビューした5人のうち4人は先輩や友達の紹介でアルバイトを見つけていました。そして、残り1人は「バイトル」という求人情報サイトで牛丼店のアルバイトを見つけました。 WA. SA. Bi. でも留学生向けのアルバイトを紹介しています。母国語でも相談できますので、こちらにメールを送ってください。 go-en@morikosan.co.jp 飲食店での仕事の内容 日本には飲食店が多いので、飲食店のアルバイトは一番見つけやすいと言われています。飲食店にはキッチンの仕事とホールの仕事があります。日本語をあまり話せない人はキッチンの仕事しかできませんが、少し話せる場合はホールの仕事を探しましょう。日本語を話す機会が増えるからです。 ホールの仕事はおおむね次のような内容です。 ① 注文を聞く② 注文をキッチンに伝える③ ドリンクを作って提供する④ (居酒屋の場合)付き出し(お通し)を提供する⑤ 料理を運ぶ⑥ 空いた皿を下げる⑦ レジをする⑧ 掃除をする 牛丼店でのアルバイト それでは、留学生のアルバイト体験を紹介していきます。まず、半年前から京都府の牛丼店で働いている大学生、バオさんに聞きました。 このアルバイトの良いところ やさしいお客さん:深夜勤務のとき、「仕事をがんばってね」と声をかけてくれるお客さんがいます。 このアルバイトの難しいところ さまざまなお客さん:牛丼店は様々な人が気軽に入れるお店です。話せない人や目の見えない人が来ることもあります。そういう方々にも心地よく利用していただけるように臨機応変に対応する必要があります。 1人勤務:お客さんの少ない時間帯には、1人だけで勤務をすることがあります。これはとても大変で、仕事をやめようと思ったこともありますが、まだ勉強したいことがたくさんあるので、がんばって続けています。 日本語を話す場面 ホールの担当ですが、当店では仕事中にお客さんと“おしゃべり”することはできず、ほとんどマニュアル通りに話すだけです。しかし、店長や先輩と仕事のやり取りで話す機会はたくさんあります。 敬語:この店で働いて「敬語」をたくさん覚えることができました。お客さんには当然、敬語を使わなければなりません。スタッフは、店が用意した動画を見て敬語の勉強をします。また、日本人の先輩や同期が接客するときの言葉を聞いて、まねをしています。例えば、次のような言葉です。 ・少々お待ちください。・(ご注文を)おうかがい致します。・(注文と違う順番で商品を提供する場合)順番前後させていただきます。・申し訳ございません。・(代金を預かる際に)ちょうどお預かりします。 さらに、同僚のLINEグループへの書き込みを読んで、話し言葉や関西弁も勉強できました。 しゃぶしゃぶ店でのアルバイト 次に大学生のタインさんの経験です。彼女は大阪府のしゃぶしゃぶ店で1年半近く働いています。 このアルバイトの良いところ 時給アップ:この店では勤務歴や仕事ぶりに応じて時給を上げてもらえます。私の時給は最初は1000円でしたが、しばらくして1040円になり、今は1070円です。 交通費:1日500円の交通費がもらえます。私は自転車で通っていますが、その場合でも500円もらえます。 店長の指導:遅刻やミスをすると、店長や先輩に注意されますが、怒鳴られることはありません。「次回からこんなことをしないように」とやさしく注意してくれます。 やさしいお客さん:私たち店員にお菓子などをくださる常連さんが何人かいます。常連さんは帰る前にも「仕事がんばってね」と声をかけてくださいます。 このアルバイトの難しいところ たくさんの仕事:たくさんの仕事を同時にしなければならず、最初は仕事が手に付きませんでしたが、マニュアルを頭に入れ、先輩のやり方をまねているうちに慣れました。 日本語を話す場面 お客さんと会話:客席はすべてカウンターで、お客さんと向き合って仕事をしています。お客さんから話しかけられた場合は応じてもよいので、日本語を話す機会がたくさんあり、日本語が上達しました。例えば、私が外国人だと気づいたお客さんからベトナムのことや留学のことを聞かれることがあります。 スタッフと交流:ここは良い職場で、店長や先輩、同僚とよく交流しています。定休日にみんなで飲み会をしたり、仕事が終わってから店の奥で2、3人で1時間ぐらいおしゃべりをしたり、とても楽しく、なんでも相談できます。 キャベツ焼き店でのアルバイト 今は日本の会社で正社員として働いているチャムさんは留学生時代、大阪府のキャベツ焼き店でアルバイトをしていました。 このアルバイトの良かったところ 「社会」を学んだ:最初の店長とはうまが合いませんでしたが、相手に合わせないと仕事を続けることはできません。しかし、がんばって働いていると、よい出会いもあります。次の店長は親切な人で、おかげで私はこの店で4年間働くことができました。 このアルバイトの難しかったところ 商品の焼き方:キャベツや小麦粉をまるい形に焼くのが難しく、不器用な私はうまく焼けるようになるまでに時間がかかりました。 トラブル対応など:混んでいるときの動き方やお客さんに怒られたときの対応ができるようになるまでに3カ月ぐらいかかりました。 日本語を話す場面 店長や同僚と交流:仕事中は忙しく、同僚やお客さんと話す機会はあまりありませんでした。しかし、店員同士の仲が良く、中国人の店長や年配の日本人、同僚(中国人、ベトナム人)が休日によく集まって女子会をしました。そのときの共通言語は日本語でした。 中華料理店でのアルバイト 仕事後のまかない 大学生のリンさんは交換留学で日本の大学で1年間学んだ際、大阪府の個人経営の中華料理店でアルバイトをしました。 このアルバイトの良かったところ 中華料理を覚えた:この店ではキッチンとホールを1日ごとに交代で担当するので、接客もでき、中華料理を作るチャンスもありました。中華料理の名前や作り方を知ることができました。 日本文化を体感:昼間に日本人と一緒に働いたとき、日本人のお客さんがランチをあまり時間をかけずに食べることを知りました。それは、他のお客さんが待っているのを知っているからです。日本人は周囲への配慮が深いと実感しました。 親切な店長:店長が定休日にベトナム人の同僚と私を姫路城や神戸、淡路島など遠くの観光地に車で連れて行ってくれました。 店長が連れて行ってくれた淡路島 このアルバイトの難しかったところ 敬語:接客は丁寧(ていねい)語でもよいと言われましたが、日本語の力を伸ばしたいので、自分で意識して敬語を使うようにしました。例えば、空いているお皿を取りたいときには、「取ってもいいですか?」ではなく「お下げしてもよろしいですか?」と言いました。また、満席のときには、「本当に申し訳ございませんが、今は席が空いていないので、少々お待ちくださいませんか?」と説明しました。 日本語を話す場面 お客さんと会話:お客さんから話しかけられて自分の勉強のことやベトナムのことについて日本語で話し、仲良くなったことがあります。お客さんと話すことの多い店でした。お客さんがいないときは、店長や奥さんと話をすることもありました。 お好み焼き店でのアルバイト 今は東京で正社員として働いているチさんは留学生のとき、奈良県のお好み焼き店でホールの担当をしました。 このアルバイトの良かったところ おもてなし:8時間も働く日があって疲れましたが、先輩にならって笑顔で接客しました。そのような日本の「おもてなし」を身に付けることができました。 ベトナム人の先輩:いつも忙しく、他店と比べて時給も安かったのですが、お店の方々に仲良くしていただきました。店長やベトナム人の先輩、日本人の同僚とプライベートで飲み会をしたり、旅行に行ったりもしました。 お客さんと一緒に行った奈良公園 お客さんとも交流:常連のお客さんたちと仲良くなりました。休日にお客さんと一緒に景色のきれいな場所に写真を撮りに行ったこともあります。 このアルバイトの難しかったところ 注文を聞く:最初は、料理名を短縮して言われると、何のことか分かりませんでした。慣れるのに1カ月ぐらいかかりました。 日本語を話す場面 お客さんとも話をする機会がたくさんありました。 まとめ 今回は、留学生のアルバイト体験として「飲食店」を取り上げました。牛丼店、しゃぶしゃぶ店、キャベツ焼き店、中華料理店、お好み焼き店の5つの事例を紹介しました。 同じホール担当でも、お客さんと話す機会が多いかどうかは店によって違うことがわかりましたね。また、店長や同僚と仲良くなれるかどうかも大事なポイントかも知れません。 先輩たちの体験を参考にしながら、よいアルバイト先を探し、日本語を話す機会を増やしたり、一緒に遊ぶ仲間を増やしたり、相談する相手を作ったりしてくださいね。